「すごいプレッシャー」、ミュージカル『パレード』内藤大希インタビュー(上)

内藤大希さん=撮影・NORI

20世紀初頭のアメリカで実際にあった冤罪事件を題材に夫婦の愛を描き、1999年にトニー賞の最優秀楽曲賞と最優秀脚本賞を受賞し、日本では2017年に森新太郎さんの演出で上演されたミュージカル『パレード』。日本初演から4年を経て2021年1月17日(日)から1月31日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスで、その後、大阪、愛知、富山で上演されます。出演は、石丸幹二、堀内敬子、岡本健一、武田真治、石川禅、坂元健児、今井清隆、福井貴一、安崎求、未来優希、内藤大希、宮川浩、秋園美緒、飯野めぐみ、熊谷彩春、石井雅登、白石拓也、森山大輔、渡辺崇人、水野貴以、横岡沙季、吉田萌美のみなさんです。今回この作品に、事件の被害者、メアリー・フェイガン(熊谷彩春さん)の友人、フランキー役で出演する内藤大希さんにインタビューしました。

内藤大希さん=撮影・NORI
内藤大希さん=撮影・NORI

<ストーリー>
物語の舞台は、1913年アメリカ南部の中心、ジョージア州アトランタ。南北戦争終結から半世紀が過ぎても、南軍戦没者追悼記念日には、南軍の生き残りの老兵が誇り高い表情でパレードに参加し、南部の自由のために戦った男たちの誇りと南部の優位を歌いあげる。そんな土地で13歳の白人少女の強姦殺人事件が起こる。容疑者として逮捕されたのはニューヨークから来たユダヤ人のレオ・フランク。実直なユダヤ人で少女が働いていた鉛筆工場の工場長だった。彼は無実にも関わらず様々な思惑や権力により、犯人に仕立て上げられていく。そんな彼の無実を信じ、疑いを晴らすために動いたのは妻のルシールだけだった。白人、黒人、ユダヤ人、知事、検察、マスコミ、群衆…。それぞれの立場と思惑が交差する中、人種間の妬みが事態を思わぬ方向へと導いていく……。

――出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

2017年の初演のときは、フランキー役で小野田龍之介君が出演していたことや、上演回数が進むごとにチケットが取れなくなったということは知っていました。小野田君とは親交があるので、『パレード』の話や演出の森新太郎さんの話は聞いたりしていたのですが、まさか自分が出演することになるとは思ってもいませんでした。彼と僕とでは見た目も含めてタイプが違うと思うし、自分はどういう風に表現すればいいか、台本を読む前から結構悩みました。小野田君に話したら「大希君、若く見えるから合っていると思うよ」って言ってくれました。演じるのが少年のフランキーや若い兵士なので(笑)。

――内藤さんの出演シーンは、どんな感じなんでしょうか?

僕は、まず若い兵士役で登場し、最初の歌を歌います。そしてフランキー役でメアリーを映画に誘って、そのあとがもうお葬式のシーンで、最初の30分にグっと出番が凝縮されています。

――密度の濃い30分ですね。

そうなんです。先日、1幕通しの時に葬儀シーンのナンバーをいつも以上に表現を増してやってるというか、過剰になってしまって、森さんに「勝手に出てくる分にはいいけど、無理に表現しようとしなくていいよ」と言われました。一役者としてはこのシーンで、しっかり表現しなきゃいけないって思ってたんです。

――勝手に出てくる、というのは?

「感情が動いたときに自然に出てくる表現で、無理に出す必要はない」みたいな。でも、役者としては出していないと間が持たないというか、何か抜けてるんじゃないかって思ってしまって。結構、そことの勝負じゃないかなって感じました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカル『パレード』の稽古の様子や演出の森新太郎さんとのやりとりなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。1月17日(日)掲載予定のインタビュー「下」では、『パレード』冒頭で内藤さんが歌う楽曲についてのお話のほか、マリウス役で3回目の出演となる2021年5月から上演の『レ・ミゼラブル』についても伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■分散稽古で不安になって、通しの時に過剰にやっちゃったんだろうなと

■僕に余裕が無さ過ぎて、すごく皆さんを大きく感じます

■演出の森(新太郎)さんの不意な一言に、「そうなんだ!」って

■歌稽古に森さんがいらっしゃって、ナンバーを10回くらい歌ったり

<ミュージカル『パレード』>
【東京公演】2021年1月17日(日)~1月31日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
【大阪公演】2021年2月4日(木)~2月8日(月) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【愛知公演】2021年2月13日(土)~2月14日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
【富山公演】2021年2月20日(土)~2月21日(日) オーバード・ホール
公式サイト:
https://horipro-stage.jp/stage/parade2021/

<関連リンク>
『パレード』 公式 Twitter
https://twitter.com/parade_musical
内藤大希 公式 Twitter
https://twitter.com/yokosukataiki
内藤大希 株式会社 SUI
https://www.sui-inc.net/naito-taiki
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https://fc-sui.net/

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内藤大希さん=撮影・NORI
内藤大希さん=撮影・NORI

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※ここから有料会員限定部分です。

■分散稽古で不安になって、通しの時に過剰にやっちゃったんだろうなと

――稽古は、どのような形で?

コロナ禍というのもあって、自分の稽古時間以外は、ほぼ稽古場にいないです。

――分散しているのですね。

はい。分散して、人数も極力減らしてという感じです。だから稽古時間が少なくて不安だったりもします。なので、通しのときに過不足を埋めるために過剰にやっちゃったんだろうなと。何か出てこなかったらどうしようとか、その気持ちになれなかったらそのまま終わっちゃうシーンなので、自分を信用できなかったというのと、通してやるという緊張感の中で “爪痕” も残したいみたいな。ただ作品が作品なだけに、難しいなと感じています。実際にあった事件をもとにしている作品なので。

内藤大希さん=撮影・NORI
内藤大希さん=撮影・NORI

■僕に余裕が無さ過ぎて、すごく皆さんを大きく感じます

――稽古場の雰囲気はいかがですか?

稽古場の雰囲気は重くなく、わりと明るい感じの稽古場です。

――明るいんですね。

はい。森さんの雰囲気も含めて。今回、森さんの中で初演と変えたい部分があって、皆さんなんとなくそれを分かっていて余裕があるように感じます。僕に余裕が無さ過ぎるんですけど、すごく皆さんを大きく感じます。緊張感の中にも余裕があるなって感じです。

内藤大希さん=撮影・NORI
内藤大希さん=撮影・NORI

■演出の森(新太郎)さんの不意な一言に、「そうなんだ!」って

――福井貴一さんや今井清隆さんとともに初参加ですが、ある程度出来上がっているカンパニーに参加されることについてはいかがでしょう?

お二人は大御所じゃないですか。そういう意味ではすごいプレッシャーで、 “大丈夫かな、どうかな?” みたいに思う時もありましたが、精一杯、全力でやろうと頑張っています。

――大変ですね。

でも今は、なんとなく全体像が見えてきて、ここからかなって思っています。森さんの一言に「そうなんだ!」っていうのがあったりするんです。たとえば稽古当初からやっていたことを「いや俺だったらそこ、そうしないな」と言われて、「森さんはそう思ってたんだ」と納得したりするんです。

――「そうなんだ!」と。

実は、僕も森さんをリサーチしてたんです。「大希君、いいなー! 森さんの現場、すごくいいよ」と言う人がいて、「どういう感じなの?」と聞くと「森さんは不意な一言が結構あるよ。不意な一言で、役者としては、え! どうしよう、次こうしてみようかな」って思ったりするって。「いいと思ってやったけど、そうじゃなかったんだなという一言を言われることがあるよ」と言う人もいて。だから僕も森さんに「そうじゃないんだよ」って言われた時「あっ皆が言っていたのはこれだ!」って思いました。

内藤大希さん=撮影・NORI
内藤大希さん=撮影・NORI

■歌稽古に森さんがいらっしゃって、ナンバーを10回くらい歌ったり

――なるほど。

森さんは気付きを与えてくださいます。ただ、演出卓に座っているときは、とても怖くて。今は慣れましたけど、歌稽古の時に(腕組みして)こうやって見ている感じがメッチャ怖かったです。ラーメン屋の頑固オヤジみたいな感じで(笑)。

――ラーメンを食べている様子を、店主にガン見されてる感じ?

そうそう、内心「食べづらいなー、あれ? どうやって箸持ったかな?」ぐらいの(笑)。

――歌稽古の時から、演出家さんがいらっしゃるのは珍しいんですか?

僕はあまり経験してないですね。フラっと稽古場に入ったら、森さんがいらっしゃって、森さんが沈黙すると、もう1回っていうルールがあるようで、一つの曲を10回くらい歌ったりしました。そして「ラスト」って言ってから3回くらいやる、そういうルールなんだっていうのが、やっと最近わかりました。

内藤大希さん=撮影・NORI
内藤大希さん=撮影・NORI

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“「すごいプレッシャー」、ミュージカル『パレード』内藤大希インタビュー(上)” への 6 件のフィードバック

  1. まきびし より:

    感染対策をしているお稽古場の様子や、再演から参加する難しさについてなどとても貴重な話を読めて大変興味深ったです。

  2. KANA より:

    内藤さんの声・歌・お芝居にいつも魅了され、私の活力源になっています。
    厳しいと言われている森さんの演出のもと、どのような思いでお稽古されているかが伝わる大変興味深いインタビューでした。ますます「パレード」を拝見するのが楽しみです!写真も素敵!金髪がお似合いです。掲載ありがとうございました。

  3. みち より:

    最近、内藤さんのファンになりました。
    「パレード」での内藤さんが楽しみです。

  4. Rei より:

    内藤さんの「パレード」へのご出演が決まってとても嬉しく楽しみにしてきました。
    今の大変な状況下でどうされているかなと思っていましたが、お稽古中の様子や思いのわかるインタビューとすてきなお写真ありがとうございます。
    冒頭のソロ、内藤くんならではのフランキー、楽しみです!
    明日からの公演、全力で応援しています!

  5. より:

    大希くんの歌声がずっと大好きで、大希くんがレミゼラブルに出演が決まった時にとても喜んだあの時を思い出します。
    そして今回のミュージカルパレード、素敵な作品へのご出演おめでとうございます!
    コロナ禍で役者さん方もきっと大変な思いをされての中での事と思いますが応援しております。私は医療関係者のため、しばらく観劇には行けないのですが、また素敵な歌声を聴けることを願って、応援しています!

  6. なつこ より:

    内藤さんのインタビュー、とても嬉しいです!
    記事を読んで、ますます観劇が楽しみになりました。
    稽古中のお話もたくさんで、嬉しいです。
    インタビュー後半も楽しみにしています!

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