ミュージカル『ジェイミー』が、2021年8月8日(日)から29日(日)まで、東京建物 Brillia HALLにて上演されます(大阪、愛知公演有)。アイデアニュースでは、3人のキャストの方にインタビューしました。まずは、主役のジェイミー役をダブルキャストで演じる、森崎ウィンさんのインタビューを、上、下に分けてお届けします。「上」にはジェイミーとして生きることについて、この作品の音楽などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を、「下」には「自分の意見」をもたなければいけない時期になっていると感じていることとジェイミーとの関係や、ミャンマーにいる方々への思い、ミュージカルについて、お客様へのメッセージなどを話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
ミュージカル『ジェイミー』は、イギリス発の大ヒットミュージカルで日本初上陸。英BBCで放送されたドキュメンタリーが原作で、「自分らしく生きる」という普遍のテーマを、感動的な歌とダンスでみずみずしく表現した人間賛歌です。ジェンダー、人種、宗教など、根強い差別を抱えた現代社会へのメッセージ、そして、親子の普遍的な愛を描いています。イギリスのロックバンドであるザ・フィーリングのリードシンガー、ダン・ギレスピー・セルズによる音楽が新しく、作品の魅力のひとつです。
ーーまず、出演が決まって、現在の思いはいかがでしょうか。
このご時世なので最後までちゃんと走り切れるのか、幕を開けられるのか、幕が上がるまでは本当に安心できない自分がいます。これが素直な気持ちです。作品に関しては、歌稽古に入っているのですが、稽古をしていくなかで、課題も見つかってきました。同時に、楽しみがめちゃくちゃ増えていて、本当に幕が上がってほしい思いが強いですね。ミュージカルをやりたかったですし、やっと一年ぶりにできるので、次は最後まで完走したいなと思います。
ーー昨年の『ウエスト・サイド・ストーリー』 Season2は、途中で公演中止になってしまいましたね。
そうなんです。
ーードラァグクイーンになりたい夢を持つ、ジェイミーを演じることに対しては、いかがですか? 物語のテーマとも繋がってくるかと思いますが。
役者として、大きなチャレンジができる作品になるんじゃないかと思っています。この作品に出会って、役者としてもそうですが、ひとりの人間としての人生観や、物事の見方がまた大きく変わるんじゃないかなという予感はしています。僕が人生の中で深く触れたことのないジェンダー観なども含め、自分がいままで思ってきたこと、見てきたものとは違う世界が見れるんじゃないかと、本当に楽しみです。ジェンダーについてはまず受け入れて、正直消化しきれなくてもいい気がしていて。僕は、この役を演じるから、絶対的に役を100%理解しなくてはいけないとは思っていなくて、模索しながらやっていくのもジェイミーらしいのかなと思っています。いろいろな意味で楽しみな作品ですね。
<取材協力>
衣裳:
JOHN SMEDLEY
TIMONE
UNDECORATED
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ジェイミーとして生きることについて、この作品の音楽などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。6月2日(水)掲載予定のインタビュー「下」には、「自分の意見」をもたなければいけない時期になっていると感じていることとジェイミーとの関係や、ミャンマーにいる方々への思い、ミュージカルについて、お客様へのメッセージなどを話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■自分らしく生きるために悩む。内容は違えどジェイミーとすごく共通する部分はある
■ジェイミーとして生きることに没頭すれば、メッセージが生まれてくるんじゃないかと
■「こんなにいい曲を歌えるなんて!」と幸せな気持ち。歌っていて純粋に楽しい
■ジェイミーをやっている自分が想像できる。やるべきときにやっているなと
<ミュージカル『ジェイミー』>
【東京公演】2021年8月8日(日)~8月29日(日) 東京建物 Brillia HALL
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/jamiemusicaljp2021/
<関連リンク>
STARDUST 森崎ウィン公式プロフィール
https://www.stardust.co.jp/section1/profile/morisakiwin.html
MORISAKI WIN(森崎ウィン)|日本コロムビア
https://columbia.jp/morisakiwin/
森崎ウィンtwitter
https://twitter.com/win_morisaki_
森崎ウィンinstagram
https://www.instagram.com/win_morisaki_official/
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■自分らしく生きるために悩む。内容は違えどジェイミーとすごく共通する部分はある
ーージェイミーに触れてみて、いかがですか。
まだ芝居部分には当たっていないので、なんとも言えませんが、本当に人にこんなにパワーを与えられる人は、結構つらいことを見えないところで乗り越えてきているんだと思うんですね。そういうつらい部分は大きく描かれているわけではないので、ちゃんと自分のなかでもっておく。ジェイミーとして生きるためには、自分と向き合うことになるんじゃないかと思っています。
僕自身はドラァグクイーンを目指しているわけではありませんが、やはり自分らしく生きるために、いまも100%自分らしさをその都度出そうとはしています。そのなかで「あれでいいのかな」「これでいいのかな」と、悩むことが日々あったりするんですが、それを悩んでいる自分だったり、内容は違えど、すごく共通する部分はあるなと客観的に見ても思うので、森崎ウィンがもつ経験とジェイミーという人間を狭間で生きるといいますか。そこがうまく表現できたらと思っています。
■ジェイミーとして生きることに没頭すれば、メッセージが生まれてくるんじゃないかと
ーーなるほど。『ジェイミー』も、『ウエスト・サイド・ストーリー』も、物語のメッセージ性が強いと思いますが、作品に取り組む上で、そういうメッセージを背負ったり、意識しますか? それとも、その人物を生きるという感じなのか、いかがですか?
僕はメッセージを背負うことを、あまりしたことがないんです。実際にやっていると、どうしても客観的に見れなくなってくるんです。だから、ジェイミーとして生きることに精一杯になると思います。そこからは、演出家やスタッフの皆さまが、そのメッセージをどう引っ張り出して、表に演出していくかということだと思います。僕は、只々、ジェイミーとして一生懸命に、その場で生きることに没頭すればするほど、本来伝えたいメッセージや、僕が見落としているメッセージが、また新たに生まれたりしてくるんじゃないかと思っています。
■「こんなにいい曲を歌えるなんて!」と幸せな気持ち。歌っていて純粋に楽しい
ーーこの作品の音楽はいかがですか?
曲がすごくいいんですよ。
ーー本当にいい曲で、ずっと聴いていられますね。
そうなんですよ。だから、すごく嬉しいです。「こんなにポップでいい曲を歌えるなんて!」と、幸せな気持ちです。歌っていて純粋に楽しいですね。まだ芝居と絡めて歌っていないので、芝居歌というよりは、単純にこの曲を歌って楽しんでいるという感じです。いまは森崎ウィンとして歌っているから、まだライトに感じられているのだと思いますが、前後の芝居がついて作品全体がわかってくると、その歌に対する見え方やアプローチの仕方は、もっと変わってくるなと思うので、化けるなと思っています。
■ジェイミーをやっている自分が想像できる。やるべきときにやっているなと
大きな口を叩くわけじゃありませんが、結構ジェイミーをやっている自分が想像できるですよ。これが結構おもしろくて、やるべきときにやっているなという感覚がすごく強いです。
ーー逆に、これまでの役では想像がつかないこともあるんですか?
もちろん想像つかないときもあります。「これは全然わからない」「本当にカメラの前に行くまでわからない」ということも、何回もありますし、「うわ〜」と思いながらやることもあるんです。
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WSSを何度も舞台で体感し、そこにウィンさんはいなくて、舞台で生きていたのはまさしく『トニー』でした。WSSの中止発表があったちょうど一年後、ジェイミーの発表があり、当時千穐楽を迎えられなかった喪失感から、一年かけて舞台人としてのウィンさんをやっと取り戻したような感慨がありました。
未曾有の事態が続き、当たり前が当たり前でなくなったこの時世だからこそ、自分らしく生きることを選ぶチャンスを与えて貰っているような気もします。自分で選んで切り拓く、人生の幕開けになるような大切な時間を、『ジェイミー』と一緒に舞台で過ごす事ができれば嬉しいです。
一公演でも多く、ウィンさんが無事に舞台に立てますように。一公演でも多く、ウィンジェイミーをこの目に焼き付ける事ができますように。心から祈っています。
明日の記事も楽しみにしています^^
森崎ウィンさんの出演が発表された時、本国ジェイミーの歌唱ナンバーをいくつか聴きました。その時、私も森崎ウィンさんが板の上で歌っているビジョンが鮮明に思い浮かび、そのあまりのリアルさに自分でも驚いたしたことを、このインタビューを読んで思い出しました。
自分らしく生きるためには、そもそも”自分らしさ”を知る必要があると思いますが、「自分らしさとは何か」と聞かれて即座に答えられる人ってどれくらいいるのでしょうか。そういう意味において、ジェイミー・ニューは、16歳にして”自分らしさ”の目覚めと対峙する、稀有な高校生なんじゃないかなと思います。
ジェイミーが自分らしく生きるストーリー、森崎ウィンさんの自分らしさが表現されたステージ、その両方楽しみにするとともに、私自身、自分と向き合って何かを変化させることができるような作品になることを期待しています。