「マーキューシオ役は、葛藤と発見が楽しかった」、新里宏太インタビュー(下)

新里宏太さん=撮影・岩村美佳

『LOVE SONG COVERS Collection 2021~元気の出るラブソング特集~』が、2021年8月21日(土)と8月22日(日)に、渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで上演されます。第3回目を迎えるLOVE SONG COVERS コンサート。今回は生きる力になる愛の歌をテーマに、ミュージカル、ポップス、スクリーンミュージックの名曲たちをセレクトして、実力派アーティストたちが熱く歌いあげます。初めて出演する新里宏太さんのインタビュー後半をお届けします。下では、『Fate/Grand Order THE STAGE -冠位時間神殿ソロモン-』など2.5次元の舞台作品出演で学んだことや、2021年5月から7月にかけてミュージカル『ロミオ&ジュリエット』にマーキューシオ役(大久保祥太郎さんとWキャスト)で出演して感じたことなどについて伺いました。

新里宏太さん=撮影・岩村美佳
新里宏太さん=撮影・岩村美佳

ーーサブカルチャーは、いつから好きになったんですか?

もちろん「ONE PIECE」も観ていましたが、「NARUTO」で漫画を知って、「金色のガッシュベル!!」など、少年漫画を読み始めるようになり、アニメを観るようになり、おもしろいな、かっこいいなと。そこから、仮面ライダーのベルトを集めるのと同じように、フィギュアを集めるコレクターになりました。

ーーフィギュアを集めるくらい、お好きなんですね。

遊戯王のカードを集めたり、男の子特有の「集める熱」が人一倍あります。親が掃除すると「カードの位置変わってない?」ということがあり、「これはオタクになってきちゃってるかも」と自覚しました(笑)。最初はアニメを観たところからですが、憧れるようになり、コレクション癖も加わって、多分好きになっちゃったんでしょうね。

ーーそうすると、2.5次元の舞台作品に出演するのはおもしろかったですか?

キャラクターを演じることにも抵抗がなかったですし、おもしろかったです。お芝居をきちんと勉強させていただいたきっかけも、2.5次元作品でしたから。自分がお芝居を全然勉強できていない状況で、作品を観たり、声優さんのことを勉強したり、演じるキャラクターに助けてもらいました。

ーー演じることに入りやすい、みたいな?

演じることに抵抗がなく、楽しい感情が強くなって、お芝居が好きになりました。演じることの楽しさもわかりましたし、役について研究したり、追求したりする楽しさもありました。特に、2.5次元はキャラクターを追求するので、オタク熱をそそられます。2.5次元ではないですが、今回のマーキューシオでも、過去を遡ったり、原作やみんなの憶測を読んだりするのも楽しいです。ファンの方がマーキューシオについて考察しているのを読んだり、エゴサするのが好きなんですよ。でも、「こういう風に思っているんだ。ごめんね」と思いながら、自分を貫きます。

ーーみんなはマーキューシオはどういうものだと思っていたのか、と知りたい。

原作のマーキューシオに対してだけでなく、役を見たときに舞台を通して観た人の意見を読むと、「私はこう思っていた」という感想が結構多いので、「そういうマーキューシオもあるか」と。自分が気づけなかったことなど、いろいろな視点がありますし、僕らよりも役が好きで、その役について追求している方々もいると思うので、そういう方たちからもアイデアを頂いたりしました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演して感じたことや驚いたこと、『LOVE SONG COVERS Collection 2021~元気の出るラブソング特集~』を楽しみにしている皆さんへのメッセージなどを伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■『ロミオ&ジュリエット』は、みんなから愛されている作品だなと肌で感じて

■小池先生のビジョンを共有するのが大変でした。これが本格ミュージカルかと

■「ロミジュリに出られたから、今、ここにいられる」と言えるようになりたい

■『LOVE SONG COVERS Collection 2021』、生の音が明日への活力になれば

<『LOVE SONG COVERS Collection 2021』>
【東京公演】2021年8月21日(土)~8月22日(日) 渋谷区文化総合センター大和さくらホール
公式サイト
http://www.jpma-jazz.or.jp/concert/2108/210821_1.html

<関連リンク>
新里宏太オフィシャルサイト
https://www.rising-pro.jp/artist/shinzato/
新里宏太twitter
https://twitter.com/kota_shinzato
新里宏太YouTube「宏ちゃんネル」
https://www.youtube.com/channel/UCWCnqQZzkBmtrGiTm-rxfcw

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新里宏太さん=撮影・岩村美佳
新里宏太さん=撮影・岩村美佳

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■『ロミオ&ジュリエット』は、みんなから愛されている作品だなと肌で感じて

ーー自分の中から想像するだけでなく。

想像して一度外枠を作って、抜いたり足したりしますね。作りすぎてしまうと、先ほど話した執着心の話ではないですが、「これと決めたら、これ」となってしまうので、あまり自分で最初から決めつけずに、俯瞰して見るようにしています。稽古序盤は、ひどいです。

ーーひどいとは?

僕自身そのままなんです。稽古映像を見返すと、「新里じゃん」ってなります(笑)。

ーーいわゆるグランドミュージカルの『ロミオ&ジュリエット』は、いかがでしたか?

いろいろな舞台でもロミジュリを扱っていますが、小池(修一郎)先生演出の『ロミオ&ジュリエット』は、10周年目と歴史ある作品で、2.5次元作品とは全然違うなと思いました。

ーーどこが違いましたか?

小池先生の演出はもちろん、制作さんやキャストの意気込みも違いました。もちろん、2.5次元作品もそうだと思いますが、今回のロミジュリでは、みんながロミジュリを好きなんだなという空気がありました。僕に対してならば、「今回のマーキューシオは、こういうところが好きで」と、何年も前から作品に携わっているスタッフさんが言ってくれたりするんです。そういう空気感が10年続く歴史ある作品になるんだろうし、みんなから愛される作品になるんだろうなと肌で感じました。キャストやスタッフさんが変わっても、変わらなくても、みんなで好きな作品を時間をかけて作り上げていくところが、すごく良いなと思いました。

新里宏太さん=撮影・岩村美佳
新里宏太さん=撮影・岩村美佳

■小池先生のビジョンを共有するのが大変でした。これが本格ミュージカルかと

そして、レベルの高さに驚きました。ついていくのに必死でした。小池先生がちょうど宝塚の星組公演の演出をつけ終わった後に、僕らのところに来たので、最初のスタートは小池先生のギアが入った状態でのスタートだったので、「もうついてけねぇ!」と思いながら。姿勢や歩き方とかも言われました。次第に言われることが減って、内容も変わっていきましたが。

ーー星組公演は、すごくレベルが高かったですしね。

舞台稽古を拝見しましたが、「なんで今から稽古をする俺たちに、これを見せるかね」ってみんなで愚痴を言っていました。愚痴を言いながらも、みんなスイッチが入っていきましたし、自分の役を観ながらも、影響をもらわないように、できるだけ客観的に観るようにしていました。2.5次元作品はみんなで作り上げていく部分が多く、シーンひとつひとつを時間をかけて作っていくのですが、10年続いているというのもあるだろうし、小池先生の中で「このキャストだったらこう」というビジョンがあるだろうから、言葉が淡々としていて。4ワードくらいしかもらえないので、僕らは「ん?」という感じなんです。でも、小池先生と何回もご一緒している方たちは「小池先生はこうだから」とおっしゃるので、まずは僕らが小池先生のビジョンを共有しなくちゃならないんだなと、稽古序盤は苦労しました。今、小池先生には何が見えているんだ、どう動いてほしいんだというところを探るところが大変でした。作品や本格ミュージカルだから、とかではなく。

ーー小池先生の求めているレベルに追いつくところが大変だったということですね。

そうですね。あとは、ベンヴォーリオのパートを僕が歌ったりするなどイレギュラーな仕様になっていたんですが、低音の部分やピッチ感が大変でした。「音程は合っているけど、ピッチが違うね」とよく言われて、「つまり?」ってなりました。今までなかったことなので。それも歌唱指導の方々のビジョンなんだと思いますが、最初はそこを探し当てていくのが本当に大変でした。でも、これが本格ミュージカルかと。

ーーやはり音楽を大事にしている作品ですもんね。

それこそ決闘もバチバチやりたいけど、「もっと歌って。がならないで」と。「ここはお芝居をしちゃいけないんだ」と。そういうところでの自分の葛藤と、新たな発見と、勉強と、その難しさがすごく新鮮で楽しかったですね。

新里宏太さん=撮影・岩村美佳
新里宏太さん=撮影・岩村美佳

■「ロミジュリに出られたから、今、ここにいられる」と言えるようになりたい

ーー今後もグランドミュージカルをやりたいと思いますか?

ぜひやりたいです。

ーーミュージカルは好きですか?

好きです。ロミジュリには、2作前からチャレンジし続けていて、ようやく今回受かったんです。2.5次元作品をやり始めたときから、こういう本格ミュージカルに出演できるように、日々イメージして稽古やボイストレーニングをして、ポップスだけでなくミュージカル用の発声にも取り組み、2年かかってしまいましたが、やっと自分が出演できて報われたなと思いました。まだ納得できる自分ではないですが、ひとつのステップとして一歩踏み出せたなと思います。それは自分の中でプラスになりますし、チャレンジし続けたものが一歩踏み出せたから、もっと本格的にやりたいというのが、第一印象です。

ロミジュリを通して、「この作品が好き」という気持ちしか残らなくて、これをきっかけに、もっと自分がステップアップして羽ばたけるようになれたらいいなと思いました。この作品にまた呼んでもらえたら、またやりたいと思えます。将来、「ロミジュリに出られたから、今、ここにいられるんですよね」と言えるようになりたいと思います。

ーー今回拝見して、きっと新里さんは、今後いろんなミュージカルに呼ばれるだろうなと思いました。

いやいや。でも、呼んでほしいです!

ーー今後も楽しみにしています。

ありがとうございます。頑張ります。

新里宏太さん=撮影・岩村美佳
新里宏太さん=撮影・岩村美佳

■『LOVE SONG COVERS Collection 2021』、生の音が明日への活力になれば

ーー最後に『LOVE SONG COVERS Collection 2021~元気の出るラブソング特集~』を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

僕を知っていただける場所になればいいなと思いますし、「元気の出るラブソング特集」なので、こういう時期ですし、会場を出たときに元気をもらえたり、明日への活力になればいいなと思いながらステージで歌わせていただきたいと思います。曲はまだ発表できませんが、会場で歌が聴ける機会が今は少ないでしょうから、会場に来ていただいた方には、まず生の音を楽しんでいただきながら、仕事なり学校なり家事なり、本当に明日への活力になっていただけるようなイベントになればいいなと思っているので、楽しみにしていただけたらと思います。

新里宏太さん=撮影・岩村美佳
新里宏太さん=撮影・岩村美佳

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“「マーキューシオ役は、葛藤と発見が楽しかった」、新里宏太インタビュー(下)” への 1 件のフィードバック

  1. yagi より:

    本日も素敵な記事とお写真をありがとうございました。
    貴重なお話をたくさんお聞きできて嬉しいです。新里さんのマーキューシオは私にとっても忘れ難い存在になりました。
    是非これからもたくさんミュージカルの舞台に立たれるお姿を拝見したいです☺️

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