YouTubeで学ぶ英語:(101)9・11のニュースを聴いた瞬間の米大統領

9/11: George Bush Finds Out About the Attack on the South Tower=YouTubeチャンネルBBCより

連載「YouTubeで学ぶ英語」の第101回です。「9月11日」という日が「nine – eleven」と呼ばれる特別なものになったのは、2001年の9月11日からです。あの米同時多発テロから20年たった今日、テロのニュースを聴いた瞬間に抱いた思いはどんなものであったのか。当時の米大統領ジョージ・ブッシュをはじめとする人々の言葉で学んでいきましょう。

9/11: George Bush Finds Out About the Attack on the South Tower=YouTubeチャンネルBBCより
9/11: George Bush Finds Out About the Attack on the South Tower=YouTubeチャンネルBBCより

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2001年9月11日の朝、アメリカン航空11便がワールドトレードセンター(WTC)北棟に衝突したときには、不幸な事故と思われました。しかし、そのおよそ15分後にWTC南棟にもう一機、ユナイテッド航空175便が衝突。これは「テロ攻撃」であると認識されたのです。BBCの映像でも、そのような思いが複数の人から語られます。動画の最初の部分を聴いて、(  )の中を書き取ってください。ひとつの(  )にひとつの単語とは限りません。

9/11: George Bush Finds Out About the Attack on the South Tower=YouTubeチャンネルBBCより

George Bush: “9/11 would become a date to remember. The job of our president is protect the American people from harm. And some presidents don’t need to worry about that. And some do. And(   1   )I was one that did” ジョージ・ブッシュ(米大統領2001~2009)「9・11は、忘れられない日になるだろう。大統領の仕事というのは、アメリカ人を危険から守ることにつきる。そのことをあまり気にしないですむ大統領もいれば、そのことに専念する大統領もいる。私は、後者だった」

Condoleezza Rice: “My assistant came in and said ‘a plane is at the world trade center’ and I said ‘Well that’s a strange accident.’ and I called the president.( 2 ) we thought maybe a small plane of some kind and he said ‘Well, (   3   )” コンドリーザ・ライス(国家安全保障担当補佐官=当時)「アシスタントが来て、”飛行機がワールドトレードセンターにぶつかりました”と言うので、”それは奇妙な事故ね”と答えました。それで大統領に電話したのですが、当時は、小型の飛行機のようなものが事故を起こしたのではないかと考えていました。大統領も”なにか分かったら連絡してくれ”とおっしゃいました」

Andy Card: “He’d been told that a small twin engine prop plane crashed into one of the towers the world trade center. You know, oh, that’s a horrible accident. I was concerned but I did not think of it as a (   4    )” アンディ・カード(大統領首席補佐官=当時)「大統領は、小型ツインエンジンのプロペラ機がワールドトレードセンターのタワーのひとつに墜落したと聞かされていました。もちろん恐ろしい事故で、心配はしていましたが、国家安全保障における脅威だとは考えていませんでした」

2001年9月11日、ジョージ・ブッシュ大統領は視察のためにフロリダ州を訪れていました。フロリダ・サラソタ市の小学校の教室で、子どもたちと椅子に座っていた大統領の姿を覚えている当時の小学生、シャンタル・ゲレロさんの言葉を聴いて、(  )の中を書き取ってください。ひとつの(  )にひとつの単語とは限りません。

9/11: George Bush Finds Out About the Attack on the South Tower=YouTubeチャンネルBBCより

Chantal Guerrero: “I remember when he came in. Even as a seven-year-old, you know who the president is, right. and I remember like even feeling like that young feeling like, kind of like, star struck and giddy, like I’m going to Disney world or something. And I put my hand over my heart like I, you know, when you think about patriotic things when you’re that little, you know, you do the (   5   ) every day. And I literally put my hand over my heart. シャンタル・ゲレロ(小学生=当時)「大統領が来た時のことをよく覚えています。7歳の子どもであっても、大統領が誰かってことは知っていますよね。そして、そのときの幼い気持ちも覚えています。星に打たれたような、目がくらむような、ディズニーワールドにでも行くような気持ちでした。そして私は胸に手を当てていました。愛国的なことを考えるときにするでしょう。それくらい、子どもだったんです。毎日学校で忠誠の誓いをしていたわ。文字通り、私は自分の心臓の上に手を置いていました。

小さな子どもたちの前で、そして多くのメディアが見守る中で、アメリカが大規模なテロ攻撃を受けているというニュースを聴いた大統領とその側近たち。もう一度大統領の言葉を聴いて、(  )の中を書き取ってください。ひとつの(  )にひとつの単語とは限りません。

9/11: George Bush Finds Out About the Attack on the South Tower=YouTubeチャンネルBBCより

Bush: “Andy Card comes up to my, behind me and says ‘Second plane has hit the second tower. (   6   )’ And I’m watching the child read. And then I see the press in the back of the room beginning to get the same message I just got. And I could see the horror edged on the face of the news people who had just gotten the same news. During a crisis, (   7   ), and not to panic. And so, I waited for the appropriate moment to leave the classroom. I didn’t want to do anything dramatic. I didn’t want to, you know, lurch out of the chair and scare the classroom full of children and so I waited.” ブッシュ「アンディ・カードが私のところに近づいてきて、”2機目の飛行機がふたつめのタワーに衝突しました。アメリカは攻撃を受けています”と言った。私は子どもが本を読んでいるのを聴いていたんだ。それから、教室の後ろにいる記者たちが、私が受け取ったのと同じメッセージを受け取るのを見た。同じニュースを受け取った報道関係者の顔に恐怖が浮かぶのが見えた。危機的な状況では、その場の雰囲気を作ることが大事だ。パニックを起こしてはならない。だから、私は教室を出るタイミングをはかっていた。ドラマティックなことはしたくなかったんだ。椅子から飛び出して、子どもたちでいっぱいの教室を怖がらせることはしたくなかった。だから待った」

2001年9月11日に、ジョージ・ブッシュ大統領が訪問したのは、エマ・E・ブッカー小学校です。2年生の教室で子どもたちが本を朗読しているのを聴いている間に、ニュースが届いたわけです。2機目の旅客機激突のニュースを受け取った後、大統領は7分間朗読を聴いてから教室を出ました。民間航空機4機がハイジャックされ、およそ3000人が犠牲になった最悪のテロ事件。ブッシュ大統領はテロを決して許さないと戦争に突入します。2001年10月にはテロの首謀者といわれるオサマ・ビンラディンの引き渡しを求めてアフガニスタンに侵攻。20年にわたる戦争の終わりが、タリバンが再び支配することになった現在のアフガニスタンにつながっています。アメリカ同時多発テロから20年。でも、これは「今」の話であり、アメリカの戦争にいち早く支持の姿勢を示した日本の話でもあることを忘れないでいたいと思います。

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聴き取りの答えと解説

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■聴き取りの答えと解説

George Bush: “9/11 would become a date to remember. The job of our president is protect the American people from harm. And some presidents don’t need to worry about that. And some do. And it turns out I was one that did”

Condoleezza Rice: “My assistant came in and said ‘a plane is at the world trade center’ and I said ‘Well that’s a strange accident.’ and I called the president. Initially we thought maybe a small plane of some kind and he said ‘Well, keep me posted.

Andy Card: “He’d been told that a small twin engine prop plane crashed into one of the towers the world trade center. You know, oh, that’s a horrible accident. I was concerned but I did not think of it as a national security threat.”

1. it turns out (句動詞)~であることが分かる、結局~になる、判明する cf. My fears turned out to be groundless.  私の心配は杞憂に終わった

2. Initially (副詞)最初のうちは、初めのうちは cf. The party, initially planned for this month, was postponed. 今月に計画されていたパーティは延期になった。

3. keep me posted イディオム:「逐次連絡してください」「何かわかったら教えて」この表現は手紙やメールの終わりの挨拶としても使えます。「これからも連絡してくださいね」「これからもよろしくお願いします」という感じ。

4. national security threat 「国の安全保障上の脅威」頭文字をとって、NSTと略語が使われることもあります。

Chantal Guerrero: “I remember when he came in. Even as a seven-year-old, you know who the president is, right. and I remember like even feeling like that young feeling like, kind of like, star struck and giddy, like I’m going to Disney world or something. And I put my hand over my heart like I, you know, when you think about patriotic things when you’re that little, you know, you do the pledge of allegiance every day. And I literally put my hand over my heart.

5. pledge of allegiance 「アメリカ合衆国への忠誠の誓い」 合衆国の公式行事で暗唱される宣誓の言葉は以下の通り。I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all. 私はアメリカ合衆国の国旗と、それ象徴する共和国に忠誠を誓う。神のもとのひとつの国、不可分の国、すべての人に自由と正義をもたらす国に忠誠を誓う。

Bush: “Andy Card comes up to my, behind me and says ‘Second plane has hit the second tower. America’s under attack’ And I’m watching the child read. And then I see the press in the back of the room beginning to get the same message I just got. And I could see the horror edged on the face of the news people who had just gotten the same news. During a crisis, it’s really important to set a tone, and not to panic. And so, I waited for the appropriate moment to leave the classroom. I didn’t want to do anything dramatic. I didn’t want to, you know, lurch out of the chair and scare the classroom full of children and so I waited.”

6. America’s under attack be動詞+under attack 攻撃を受ける

7. it’s really important to set a tone tone(名詞)色調、口調、論調 set a tone 「調子を定める」「適切な雰囲気を作る」ここでは、危機が訪れた時には、set a toneをすることがとても大切という文章になり、「危機的な状況では、その場の雰囲気を作ることが大事だ」となります。

9・11関連の他の動画紹介

「2001年9月11日、どこにいたか、何をしていたかを覚えている」とよく人々は口にしていました。しかし、20年がたち、新しい世代が生まれています。あの時まだ生まれていなかった若い世代に、9・11を伝えている人たちと、その話を聴いた若者の言葉をまとめた動画を紹介します。マンハッタンにある9・11トリビュートミュージアムでは、当時実際にワールドトレードセンターの近くにいた人から直接話をきくことができます。

Teaching 9/11 to someone who wasn’t born yet=YouTubeチャンネルReutersより

もうひとつ、こちらは、9・11の後に生まれた子どもたちをとりあげた動画です。2001年9月11日に同時多発テロで父親が亡くなった後で、およそ100人の赤ちゃんが生まれます。その中から4人の19歳の若者たちが取り上げられました。マグノリアネットワークのドキュメンタリーで「9・11の子どもたち」としてとりあげられた4人のインタビュー動画です。出会ったことのない父親の姿や生き方を思い、「似ている」と言われると嬉しいと語る若者たちの言葉を聴いてください。

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