「33年の集大成となる作品。千穐楽にいい涙を流したい」、大貫勇輔インタビュー(下)

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

2021年12月8日から12月29日まで日生劇場で、2022年1月8日から1月9日まで梅田芸術劇場メインホールで、同年1月15日から16日まで愛知県芸術劇場 大ホールで上演されるミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』 で、ケンシロウ役を演じる大貫勇輔さんのインタビュー、後半です。インタビュー「下」では、無料部分では合同取材で伺った内容を、有料部分ではミュージカルに初主演することへの想い、今夏に出演していた同じく漫画原作の『王家の紋章』との違い、ワイルドホーンさんの曲を作品の中でいかに歌うかなどについて話してくださった独自取材の内容を紹介します。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

――製作発表でワイルドホーンさんの楽曲を披露されましたが、この作品における楽曲の魅力をどう感じていますか?

ものすごく耳に残る心地のいい楽曲ばかりで、いわゆる名曲と呼ばれるフレーズがあって、「かっこいいな」とか「切ないな」とか、ダイレクトに感情にしっかりと届くような曲ばかりで、最初は歌いやすいと思っていました。ところが、いざ役が入ってくると、あの歌の持つパワーに負けないように、お芝居をしながら歌うのはすごく難しいと感じています。お芝居と曲が持つパワーがうまくフィットした時には、より強い感動をお客様に届けられるんだろうと思います。

――どのような点に、難しさを感じられますか?

ワイルドホーンさんのいい曲は、まずメロディーが耳に来るので、僕たち演者が、いかに感情と台詞を粒立ててお客様に届けられるかを考えないと、歌詞も台詞も届きづらくなる気がするんです。ですから、耳心地はよくても、「ここでこの役はこんなに高音は出さないんじゃないか」というようなことを調整しながら稽古している感じですね。ハモリをなくしたり増やしたり、そんな調整もしています。

――お客さまの中には、原作のファンも原作を全く知らない方もいらっしゃると思います。それぞれの方に向けてのメッセージをいただければと思います。

原作をご存知でしたら、「このシーンをこんな風に作ったか」という驚きがあると思います。「原作にはなかったけれど、あったかもしれない」とか、音楽と歌詞が入ることで「このキャラクターは、こう思っていたかもしれないな」という新たな気付きを与えられるシーンがたくさんあります。原作ファンの方は、そういうところをご覧になると絶対に面白いですし、楽しんでいただけると思います。

――原作をご存知の方ならではの楽しみ方ですね。

石丸さんが「基本的に、原作をご存じない方のために」という意識で作っていらっしゃるので、ご存じない方も間違いなく楽しめます。作品が持っているテーマが、人が生きる上で本当に根源的な「深い愛」ですから、男性が観ても女性が観ても、どなたが観ても胸を打たれるシーンが多いです。皆さん稽古場で泣いています。こんな稽古場は初めてです。それくらい、人の心を動かすパワーを持った作品ですので、原作をご存じない方でも絶対に何かを感じてくださるのではないかと思っています。

――原作を知っていても、知らなくても楽しめるように作られているのですね。

たくさんの方にぜひ観に来て欲しいと思います。観なかったら絶対に損すると思いますし、「観てよかった!」と言ってもらえる作品になる確信があります!

※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカルに初主演することへの想い、今夏に出演していた同じ漫画原作の『王家の紋章』との違い、ワイルドホーンさんの曲を作品の中でいかに歌うかなどについて話してくださった独自取材の内容などインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■ケンシロウは、みんながいなければケンシロウになれない。今の僕にぴったりの作品

■『王家の紋章』は再々演で形が出来上がっているところに入った。ケンシロウは霧の中

■ちゃんと息を吸って歌うのか、息が吸えないくらいに胸が詰まって歌うのか

■16年のキャリアと、生きてきた33年の集大成となる作品。千穐楽にいい涙を流したい

<ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』>
【東京公演】2021年12月8日(水)~12月29日(水) 日生劇場
【大阪公演】2022年1月8日(土)~1月9日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【愛知公演】2022年1月15日(土)~1月16日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
公式サイト
https://www.hokuto-no-ken-musical.com/
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021/

<関連リンク>
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳』Twitter:
https://twitter.com/musical_fons
大貫勇輔オフィシャルサイト:
https://www.horipro.co.jp/onukiyusuke/
大貫勇輔オフィシャルファンクラブ:
https://fc.horipro.jp/yusukeonuki/
大貫勇輔Instagram:
https://www.instagram.com/yusukeonuki_official/

<キャスト>

ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香・May’n(Wキャスト)
トキ:加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
シン:植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
リュウケン:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生(交互役替わり)
ラオウ:福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)

バット:渡邉 蒼
リン:山﨑玲奈・近藤 華(Wキャスト)
リハク 他:中山 昇
青年ラオウ 他:一色洋平
ライガ 他:後藤晋彦
フドウ 他:澄人
フウガ 他:田極 翼
青年トキ 他:百名ヒロキ
ダグル(オリジナルキャラクター)他:宮河愛一郎
ミスミ 他:安福 毅

飯作雄太郎
岩瀬光世
輝生かなで
坂口杏奈
内木克洋
中野高志
原 広実
妃白ゆあ
福田えり
藤田宏樹
LEI’OH
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※大貫勇輔さんのサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2021年12月25日(土)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■ケンシロウは、みんながいなければケンシロウになれない。今の僕にぴったりの作品

――ミュージカルに初主演することへの想いを、お聞かせください。

ありがたいと思っています。周りの先輩方が本当に歌もお芝居も上手な方だらけなので、僕が座長として責任を負う覚悟は持っていますが、ケンシロウは、みんながいなければケンシロウになれないんです。ケンシロウの成長の話なのですが、「さあ、じゃあ行くぜ!」と僕が引っ張っていくのではなくて、みんながいるからこそ僕はここに立っていられるという役でもあり、そういう今だと思っているんです。「皆さん、支えてください。僕ができることは全て何でもやりますので」という気持ちです。ここに立たせてもらっていることへの感謝しかないですね。ちゃんと全うできるのかなという不安は強くありますが、もうやるしかない気持ちや、いろんなものが渦巻いています。

――初主演ミュージカルの役が、「ケンシロウ」でよかったですね。

今お話ししたような意味で言うと、僕にぴったりだなという気がします。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

■『王家の紋章』は再々演で形が出来上がっているところに入った。ケンシロウは霧の中

――今夏に出演されていた『王家の紋章』と、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』。いずれも漫画原作のミュージカルということでは似ていると思うのですが、違いはありますか?

全然違います。『王家の紋章』は再々演で、ほぼ形が出来上がっているところに僕が新キャストとして入ったんです。「イズミル」というもののざっくりとした形が出来上がっていたんですよね。ベースがあったからこそ、僕だったらどうするかなと思って入れたんです。今回は完全オリジナルなので、本当に霧の中を歩いているような状態でずっと稽古が続いています。でも、ちゃんと歩いていくと、金色に輝くワンシーンがどーんと待っています。そういう意味では、作り方が全然違います。

――全然違うのですね。

イズミルというものの答えはありましたが、ケンシロウの答えはまだ見つけていないんです。まだあと1か月ある中で、もっと気付きと発見があるのだと思います。また、『王家の紋章』は原作に忠実ですが、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』は原作のメッセージやテーマには忠実でありながら、ちょっと付け足している部分もありますので、完全に忠実とは言えないんですよね。でもそれが多分、今回のオリジナルミュージカルとしての面白いところでもあると思います。その点でも、同じように漫画が原作ですが、この2作の作り方は結構違うと感じています。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

■ちゃんと息を吸って歌うのか、息が吸えないくらいに胸が詰まって歌うのか

――今回、歌に向きあうにあたって、技術的にチャレンジされていることなどはありますか?

良いと言われている「ちゃんと息を吸う」歌唱法を、今回どうするかということです。製作発表の時も、ちゃんと息を吸って歌うのか、息が吸えないくらいに胸が詰まっている状態で歌うのか考えました。ワイルドホーンさんの曲をちゃんと息を吸って歌うと、曲がよすぎてコンサートっぽくなってしまうんです。でも、人は本当に言葉にならない感情になった時は、ちゃんと息を吸っていない気がするんです。そこがお芝居と歌のすごく難しいところだと思っています。

――お芝居の歌だからこそですね。

コンサートではなく、人間の生の感情に、たまたまこの音楽が乗っている。だから、音楽を超えなくてはいけないというか。そういうところで、今の呼吸感や声の当てどころを考えています。上のほうを通していくと、声が綺麗に通るのですが、人は多分そこだけではしゃべっていないというようなところを、今悩んでいます。どういう風にやると、一番お客様にちゃんと届けられるのかなと。イズミルの時は、ひたすら呼吸を落として、綺麗に綺麗に歌い、子音は立てて、お客様にその時の呼吸感や感情を、ちゃんとした発声で歌えるか、届けられるかと思って歌っていました。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

■16年のキャリアと、生きてきた33年の集大成となる作品。千穐楽にいい涙を流したい

――舞台で聴くのを楽しみにしています。最後に、今年最後の出演作品になる想いをお聞かせください。

今年は映像も含めて、舞台などいろんなことをバランスよくやらせていただきました。この『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』は今年ということではなく、僕のキャリアの16年、生きてきた33年の集大成となる作品になるだろうなと思っています。素晴らしい1年だったなと振り返って思いますし、12月29日が東京公演の千穐楽なのですが、その時にいい涙を流したいなと思っています。

――ありがとうございました。

大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳
大貫勇輔さん=撮影・岩村美佳

※大貫勇輔さんのサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2021年12月25日(土)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「33年の集大成となる作品。千穐楽にいい涙を流したい」、大貫勇輔インタビュー(下)” への 4 件のフィードバック

  1. ロイヤルブルー より:

    大貫さんの地元の隣市でして、ご実家のスポーツクラブへは車で10分弱、地元の同じ公立高校の卒業と聞いて、地元愛増々で応援しております笑
    こんなかっこいいスターが地元から生まれてとても嬉しいです。フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳、観劇いたしました。ケンシロウが、正に、そこに、生きていました。プロモ映像、ティーザー映像で流れているソロのダンスシーンは台詞を発しない感情表現が素晴らしかったです。公演も最終クールに入りましたが、ひとりも欠けることなく怪我、事故など無く、無事に完走できますようにお祈りしております。応援しています。メリークリスマス

  2. まりな より:

    大貫さんの誠実なお人柄が伝わってくる素晴らしいインタビューでした。ありがとうございます。
    お写真もどれも素敵です!
    無事に開幕して公演完走しますよう心よりお祈りしております。

  3. みこモン より:

    岩村さんのインタビューとお写真がとても良いです!大貫さんの今回の舞台に向けた思いが熱く伝わってきました。

  4. さすけ より:

    いま「北斗の拳」を舞台化するならこれしかないというキャスティングの妙を感じます。初日が楽しみです。

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