「台本にないセリフを…と」、『hana-1970、コザが燃えた日-』岡山天音(上)

岡山天音さん=撮影・伊藤華織

沖縄返還50年目を迎える記念すべき2022年に、返還直前の沖縄に生きる人々を描く舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』が2022年1月9日(日)から30日(日)まで、東京・東京芸術劇場プレイハウス、2月5日(土)、6日(日)に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、2月10日(木)、11日(金・祝)に仙台・多賀城市民会館で上演されます。

アイデアニュースでは、本作でアキオを演じる岡山天音さんにインタビューしました。インタビューは、上下に分けてお届けします。「上」では、出演が決まった時の気持ちや作品の題材への思い、「アキオ」の役作り、栗山民也さんの演出、実際に沖縄を訪れて感じたことなどについて伺いました。「下」では、『hana-1970、コザが燃えた日-』を楽しむためのおすすめポイント、みなさまへのメッセージ、映画『FUNNY BUNNY』撮影時のこと、飯塚健監督からの嬉しい言葉のこと、舞台『ビビを見た!』の話、岡山さんにとっての「いい役者」像やお芝居の魅力、今後演じてみたい役について話してくださったインタビュー後半の内容を紹介します。

岡山天音さん=撮影・伊藤華織
岡山天音さん=撮影・伊藤華織

ーー出演が決まった際のお気持ちは、いかがでしたか?

僕は、あまり舞台に出演することがないんです。でも演出が栗山さんですし、またどこか知らない、行ったことのない場所に連れて行ってもらえるんじゃないかなという期待感でいっぱいでした。オリジナルの作品であり、台本など具体的なものがない状態でのオファーだったので、不安の抱きようもなかったのですが、今になって、題材や台本、役作りに追いかけられていますね。

ーー演出の栗山さんとは、作品について何かお話になりましたか?

まだ一対一では話せてはいないです。でも、作品に対する思いや、今この作品を世の中に提出する意義、社会にどのような影響を望むかなどについては、話をしていただきました。

ーー本作のテーマは、沖縄で起こった、1970年前後沖縄の歴史です。題材については、どのように思われましたか?

資料を読んでいく中で「どこまで続いているんだろう?」「どこまで追求すればいいんだろう?」と、すごく奥が深い作品です。僕が今暮らしている状況とは、根本から違うので、いかに理解して、自分の中に落とし込んでいくのかが課題です。

ーー「アキオ」の役作りをする中で、苦労されている点はありますか?

いつもだったら、時間をかけて勉強を重ねていけば、役の輪郭はより濃くなっていくんです。でもこの作品は、深掘りをすればするほど、より距離ができていくといいますか…。最終的には元の解釈に戻るかもしれないですし、今は模索中ですね。公演が始まっても勉強は終わらないだろうなという気がしています。

※アイデアニュース有料会員限定部分では、栗山民也さんの演出について、実際に沖縄を訪れて感じたことなど、インタビュー前半の全文と写真を紹介します。1月6日掲載予定のインタビュー「下」では、『hana-1970、コザが燃えた日-』を楽しむためのおすすめポイント、みなさまへのメッセージ、映画『FUNNY BUNNY』撮影時のこと、飯塚健監督からの嬉しい言葉のこと、舞台『ビビを見た!』の話、岡山さんにとっての「いい役者」像やお芝居の魅力、今後演じてみたい役について話してくださった内容など、インタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■「当時生きていた人が嗅いでいた匂い」「肌に触れていた質感」を身につけねば

■演出家の栗山さんの言葉は、他のキャストとの会話でもメモしたくなる

■栗山さんが「自分の心が反応したら、台本にないセリフを発してもいい」と

■外から見る沖縄と、内から見る沖縄。両者のギャップは、当時も今も変わらない

<『hana-1970、コザが燃えた日-』>
【東京公演】2022年1月9日(日)~1月30日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
【大阪公演】2022年2月5日(土)~2月6日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【宮城公演】2022年2月10日(木)~2月11日(金祝) 多賀城市民会館

<『hana-1970、コザが燃えた日-』関連リンク>
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/hana2022/

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岡山天音さん=撮影・伊藤華織
岡山天音さん=撮影・伊藤華織

※ここから有料会員限定部分です。

■「当時生きていた人が嗅いでいた匂い」「肌に触れていた質感」を身につけねば

ーーアキオという役を演じるにあたり、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

この作品では、台本に描かれている人物像が生々しいんです。大枠があって、そこに自分の味を足していくというよりも、「当時そこに生きていた人たちが嗅いでいた匂い」や、「肌に触れていた質感」みたいなものをもっと勉強して身につけていかないと、アキオとして舞台上には立てないと思っているので、追求していきたいです。

岡山天音さん=撮影・伊藤華織
岡山天音さん=撮影・伊藤華織

■演出家の栗山さんの言葉は、他のキャストとの会話でもメモしたくなる

ーー本作の稽古の中で、刺激を受けたことがあれば教えてください。

演出の栗山さんの言葉は、一言一言全て印象が強いですね。稽古では一回演じてみて、栗山さんからフィードバックや新しい演出をつけてもらうんです。そしてそれを、もう一回繰り返してという流れなのですが、その中で栗山さんからいろいろな言葉がもらえるんです。

ーー例えば、どのような言葉でしょうか?

自分の演技のことはもちろんですが、他のキャストとの会話も、一つ一つメモしてしまいたくなるようなお話をされているんです。例えば沖縄の話など、結果的に役につながるお話をされているので、ふとこぼされた言葉でもつい耳を傾けてしまいますね。

岡山天音さん=撮影・伊藤華織
岡山天音さん=撮影・伊藤華織

■栗山さんが「自分の心が反応したら、台本にないセリフを発してもいい」と

ーーこの作品の中で、出演者ならではの見せ場だと思うところや、個人的にお好きなポイントはどこでしょうか?

非常に熱量のある作品なんです。稽古中に栗山さんが「役を演じる上で自分の心が反応したら、台本にないセリフを発してしまってもいいし、むしろそうしていくことで成り立っていく作品な気がしている」という話をされていました。通常の舞台よりも生々しくて、様々なエネルギーが混在したカオスな作品になると思いますので、お客さまにも、非常に目新しい感覚で味わってもらえるのではと感じています。

岡山天音さん=撮影・伊藤華織
岡山天音さん=撮影・伊藤華織

■外から見る沖縄と、内から見る沖縄。両者のギャップは、当時も今も変わらない

ーーこの作品に日々向き合われる中で、沖縄に対する見方に変化はありましたか?

この作品に関わる前は、僕も外から見た沖縄しか知らなかったんです。でも、当時の日本本土の人が持つ沖縄への印象も、現代のものとあまり変わらないなと思いました。外の人が抱いている沖縄のイメージと、内側の人が見ている沖縄のギャップは、当時も今も在り続けているんだなと感じています。

岡山天音さん=撮影・伊藤華織
岡山天音さん=撮影・伊藤華織

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“「台本にないセリフを…と」、『hana-1970、コザが燃えた日-』岡山天音(上)” への 4 件のフィードバック

  1. daruma より:

    本日より大阪公演、おめでとうございます。
    私はありがたいことに東京公演を観劇できました。ぜひ、一人でも多くの方にあの熱量を受け取っていただきたいです。素晴らしかったです。
    観劇後に再度あらためてこちらのインタビューを拝見しましたが、いいですね。開幕前にはこんなことを考えていたんだなと、感慨深いです。
    そしていつかまた、御本人がこの舞台hanaを演じ切ってどう思ったのか、新しい演目の際には感想をインタビューで聴けることを楽しみにしています!

  2. heavens-note1994 より:

    今回の舞台hana~コザが燃えた日~を、初日を含む数回観劇させていただきました。主演の松山さん、余さん、皆さん素敵な演者さんばかりでその熱量には何度見てもお芝居に引き込まれます。岡山さんの怒りをぶつけるシーンや涙を流す姿に本気度が伝わってきます。沖縄の歴史について家族の繋がりについて考えさせられ、曲の美しさに魅了され久しぶりに何度でも見たいと思う舞台と出会いました。千秋楽までまだ何度か足を運びたいと思います。
    コロナ禍で情勢が不安定ですが千秋楽まで無事に公演できますようお祈りしております。

  3. heavens-note1994 より:

     飯塚監督作品は幾つか観ていますがFunny Bunnyの岡山さんを観て目が離せなくなってしまいました。
     以降、過去作品を見続けています。
    たまたまビビを見た!の絵本を読んだばかりで当時の肌感覚を語って下さった事も嬉しかったですし、今回の舞台hana1970も楽しみにしています。
     「この作品は、深掘りをすればするほど、より距離ができていくといいますか…。」と語られていますが常に役にストイックで読書好きな岡山さんの柔らかい言葉の表現も素敵です。
     岡山さんの素の意見はあまり目にする機会が無いので貴重なインタビューをありがとうございました。

  4. ソワレ より:

    沖縄という土地は
    わたしの住む佐世保と米軍基地が存在するという共通点や物理的に距離があるでもないのに、どことなく神秘に満ちた未知の土地という感覚があり、
    この
    hana-1970という舞台へ向けての前哨として、様々なインタビューを目にする度に
    沖縄への新たな土地感が生まれるはず、と学びにワクワクしています。
    岡山天音さんの言葉は
    いつも丁寧に真面目に紡がれていて、ご本人の聡明さが表れていますし
    着眼点にハッとさせられる事も多々あります。
    素敵な方です。
    今回も素晴らしい空気感が文字から伝わってきて、初めて観劇させて頂くことに背筋が伸びる想いです。
    ありがとうございます。
    次回のインタビューも心待ちにしています。

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