ニール・サイモンのコメディの名作・舞台『裸足で散歩』が、2022年9月13日(火)の東京・有楽町よみうりホールでのプレビュー公演後、9月17日(土)から9月29日(木)まで東京・自由劇場で、10月1日(土)と10月2日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで、10月5日(水)に大阪・枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホールで、10月8日(土)と10月9日(日)にKAAT 神奈川芸術劇場 ホールで、10月11日(火)に、東京・パルテノン多摩 大ホールで上演されます。
ポールとコリーの新婚夫婦と、新居のアパートに暮らす変わり者の住民たちが繰り広げるコメディである本作は、1963 年にブロードウェイで初演され、1967 年にはニール・サイモン自身が脚色し、主演はロバート・レッドフォード&ジェーン・フォンダ、舞台演出を担当したジーン・サックスが監督を務める映画が公開され、ラブコメディの名作として世界中の人から愛されています。アイデアニュースでは、ポールを演じる加藤和樹さんにインタビューしました。
「上」では、稽古の様子、役づくりのこと、元吉庸泰さんの演出のこと、舞台でコメディ作品を演じるにあたって感じていることなどについて伺った内容を紹介します。「下」では、本作の見せどころ、ポールとコリーのキャラクターについて、ストレートプレイだからこその感覚、舞台『冬のライオン』の演出をされた森新太郎さんとのことなどについて伺った内容と、読者の方へのメッセージを紹介します。
ーー今、お稽古はどのような状況ですか?
頭から動きをつけていて、もうすぐ3幕全部通せそうです。結構、コリーとのふたり芝居の2幕が大変でした。やることが多すぎて……(笑)。
ーー加藤さんの視点から、本作の面白さについて伺いたいのですが、ニール・サイモンの作品は初めてですか?
初めてです。オファーを頂いてから映画も拝見しましたが、今回の舞台の面白さのひとつは、まず会話のテンポ感かなと思います。演出は元吉庸泰さん、翻訳は福田響志くんで、戯曲の言葉が全体的に今っぽい感じに直してあることで、より親しみが出ているといいますか。側から見たら、かわいらしい新婚のラブラブカップルが……(笑)。実際に一緒に暮らしてみると、「あれあれ?」とボロが出てきて。どちらかが歩み寄れば解決するようなすれ違いも、側から見ていると面白いのではと思います。
あとは、なんといっても、お母さんや上の階の住人。このふたりの強烈なキャラクターと、一方ですごく現実的な電話会社の男も登場します。登場人物は少ないのですが、キャラクター同士のバランスも見どころです。
ーーこのカップルは、何歳くらいの設定ですか?
どちらも20代で、ポールが26歳、コリーはポールより年下です。若い時に、パッと出会ってお互いに運命的な一目惚れをし、勢いで結婚したみたいな感じですね。
ーー本作の台本を拝見したところ、ト書きの量が結構多いなという印象を受けました。
こんなにト書が多い作品はあまりないです。以前出演した『暗くなるまで待って』と比べても、多いと思います。ニール・サイモンの作品は、「細かく描かれていることをやる」ことが作品の面白さに繋がるので、書かれていることに対してなるべく忠実に進めることが、作品を作る上でのヒントになります。動きを身体に入れて、自然に会話できる段階に、早くいきたいですね。
ーー自由に演出を付けられながら稽古が進む場合よりも、難しいですか?
難しいです。普段は、舞台に立った時に自分がどういるか、どう存在していればいいのかを考えるのですが、今回のようにト書で動きが指定されていると、まずそこへ心を持っていくように作っていかなければいけない。書いてある動きとのズレをなくしていくという作業が一つ増えるという意味では結構大変です。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、役づくりのこと、元吉庸泰さんの演出のこと、舞台でコメディ作品を演じるにあたって感じていることなどについて伺った内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10日掲載予定のインタビュー「下」では、本作の見せどころ、ポールとコリーのキャラクターについて、ストレートプレイだからこその感覚、舞台『冬のライオン』の演出をされた森新太郎さんとのことについて伺った内容や読者の方へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
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■「ただウロウロすること」にも意味がなくならないよう、ポールならではの理由を
■役者が何をしても笑ってくださる元吉さん。稽古場には常に笑いが溢れている
■舞台でのコメディ作品は初めて。間やタイミングの難しさに改めて気づかされる
■笑わせようとするわけでもないのに面白い松尾さん。「こういうことだよな」と
<舞台『裸足で散歩』>
【東京公演】2022年9月13日(火) 有楽町よみうりホール(プレビュー公演)
【東京公演】2022年9月17日(土)〜9月29日(木) 自由劇場
【兵庫公演】2022年10月1日(土)〜10月2日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【大阪公演】2022年10月5日(水) 枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
【神奈川公演】2022年10月8日(土)〜10月9日(日) KAAT 神奈川芸術劇場 ホール
【東京多摩公演】2022年10月11日(火) パルテノン多摩 大ホール
公式サイト
https://hadashidesanpo.jp
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■「ただウロウロすること」にも意味がなくならないよう、ポールならではの理由を
ーー役を作りながら、「書いてある行動を自然に行うポール」に仕上げねばならないということですね。
ポールがその行動をする理由も、自分の中にある必要があります。例えば、生活している中では、特に理由がない動きも、もちろんあるじゃないですか。そういうものも含めて、ポールとして落とし込んでいきます。「ただウロウロすること」にも意味がなくならないように、一つ一つの行動を浮き立たせていきたいです。
ポールは、コリーとは考えていることが違うということを表現する必要があります。ポールは頭の中で、ずっと仕事のことを考えているんですね。だから、コリーがどれほど自由に振る舞って「明日はこれしよう! 」と言っても、「明日は仕事だから」と。今は裁判所に行って弁護士としての仕事をまずはしっかりしないといけないから、頼むから寝かせてくれという感じで、「明日、裁判所だから」というフレーズが口癖なんです。
■役者が何をしても笑ってくださる元吉さん。稽古場には常に笑いが溢れている
ーー元吉さんの演出は、いかがですか?
まずは役者に任せてくださって「一回やってみよう」という感じです。今回、これだけ台本に細かく指定があると、なかなか自由にもできませんが。最初は役者自身のタイミングで動きながらやっているのですが、その中で役者のことを見ながら、「ここはこうしたらいいね」と導いてくださる方なので、すごく安心感もあります。
大変な作品ですが、何をしても笑ってくださって、稽古場には常に笑いがあふれています。大変すぎて笑えてくるというのもありますが、やっていて楽しいです。元吉さんが誰よりも楽しそうなので、それを見ているのも面白いです(笑)。
■舞台でのコメディ作品は初めて。間やタイミングの難しさに改めて気づかされる
ーー舞台では、本格的なコメディは初めてとおっしゃっていましたが、いかがですか?
映像ではコメディ作品の経験がありましたが、舞台となると、間やタイミングの難しさに改めて気づかされます。お客さんが入ったときに、それを意識しすぎてしまうと、どうしてもつまらないものになってしまうので、あくまでもアパートに住むポールとコリー、そしてそこに住む人たちとのリアルな生活の中で起こるできごととして捉え、やっていきたいなと思います。
■笑わせようとするわけでもないのに面白い松尾さん。「こういうことだよな」と
ーーコリーのお母さんとヴェラスコさんの雰囲気でもまた面白さの方向性が変わりそうですが、戸田さんと松尾さんはいかがですか?
二人ともすごいですよ、自由で(笑)。例えば、ヴェラスコさんは、存在しているだけで面白いです。松尾さんご自身の佇まいやキャラクターに由来する部分も、もちろんあるのだと思います。そして、とにかく声がいい。普通のトーンでセリフを言ってるんですが、逆にそれが面白かったり。笑わせようとするわけでもないので、「こういうことだよな」と、すごく勉強になりました。
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一見強面クールな加藤さんですが中身は天然で真面目な方。
本人は気づいてないけど、ファンは笑いを堪えてること多々ありなのです(笑)
ポールには共感しかないですね!
楽しみにしてます。
上下とも配信されてすぐに楽しく読ませていただきました。そして開幕してからまた改めて拝読しているところです。一度観劇してから読むインタビューはおさらいというか答え合わせのような楽しさがありますね。加藤さんの誠実さや穏やかさ、役者としてのスイッチの入り方、広い視野、柔軟な考え方、魅力にあふれた読み応えのある記事をありがとうございました。次回も楽しみにしています。
コメディーの舞台をやりたいとおっしゃってた…和樹さん。
きっと…可愛いポールが観られのではないかと…プレビュー公演が楽しみです。
素敵な記事をありがとうございます。
コメディが初という加藤さんですが、役を自分の中に落とし込む緻密な作業はやはり変わらず。その姿勢にこの作品も期待しかありません。岩村さんの「それを聞きたかったです」と私達が思う的確な質問と、自然な姿のお写真が大好きです。後半も楽しみにしています。
いつも素敵なお写真に楽しみになるようなインタビューありがとうございます。初めて挑むコメディの舞台を楽しみにしています。
アイデアニュースさんの愛を感じる記事でますます期待度がupして
開幕が待ち遠しくなりました。
加藤さんが初めて挑む本格的コメディの「裸足で散歩」原作を見た時、ポールが加藤さんそのもののような感じがして、ご本人もやはりそう感じていたのかとビックしました。
家族やお義母さん等との関わりの中で、どのようにポールが崩れていくのか、本当に楽しみです!
素敵な記事と綺麗なお写真をありがとうございました。
無事に幕があがることを楽しみにしています。
いつも素敵なインタビューとお写真で特集して下さるアイデアニュースさんの記事が大好きです。
今回も和樹さんの役への取り組み方など、貴重なお話をありがとうございました。
後半も楽しみにしています。
アイデアニュースさんのインタビューはいつも聞きたいところを上手く突っ込んで聞いてくださるので好きです。『裸足で散歩』も観劇できる日がとても楽しみになりました!明日の記事も楽しみにしています。
加藤和樹さん初めてのコメディ舞台とても楽しみにしています。
記事を拝読して更に更に楽しみになりました。
プレビュー公演が早く観たいです。