須磨寺レポートの「下」。墓守人の山口賢治さん、副住職の小池陽人さん、そして管長の小池弘三さんにインタビューしました。
■山口賢治(やまぐちけんじ)さん
須磨寺の墓守人と言えば、山口さん!私も昨年から何度もお世話になっている、笑顔の素敵なお方です。確か、初めて連絡を取らせていただいた時も山口さんを通して寺務の方々や管長、副住職さんに会う事が許されました。つまり重要人物です!
1、普段、お寺ではどのようなことをしていますか?
お墓の管理が主な業務です。意外と忙しく、交渉事が多いので対人関係には特に気を使いますね。
2、境内のここがオススメスポット!という場所があれば教えてください。
やはり、平氏と源氏にちなんで、紅白の花が同じ一本の木に咲く、「源平の梅」の木があるお庭です。きれいな庭ですよ。平家が全盛の時代には、紅白の花が咲くつつじの木もあったそうです。でも、あるとき赤い花だけが咲かなくなっちゃって、縁起でもないと、平家の人々に切り倒されたそうです。
3、「実は、〇〇だ」
実は、3年ほど前に脳梗塞を起こしてひと月ほど入院しました。今は後遺症もなくなんとかやっていますが、死んでいてもおかしくなかったと聞いて今さらながらびびっています。
■副住職・小池陽人(こいけようにん)さん
管長の息子さんで、とにかくイケメンです。何度会いに行っても直視できないぐらい笑顔が眩しいです。
1、普段、お寺ではどのようなことをしていますか?
檀家参りや法事をお勤めしたり、諸行事の計画や準備を行っています。最近は、真言宗や地域にかかわる会議など、お寺の外の仕事も増えてきました。
2、須磨寺では、様々な年間行事が開催されていますね。毎年開催されているライブ「夜音」に来られたお客様の反応はどうですか?
音楽法要祭の「夜音(やおん)」には、毎回大勢のお参りの方々にご来場いただき、みなさんにたいへん喜んでいただいています。
3、以前、京都のお寺に行ったときに偶然須磨寺の話題になったことがあるのですが、そこのお坊さんが副住職さんのことを知っていて驚きました。皆さん繋がっているのですか?
その方は、私が修行していた清荒神清澄寺の法要で毎年お会いしています。いつも、たいへんお世話になっています。
4、「実は、〇〇だ」
実は、大のサッカー好きです。
■管長・小池弘三(こいけこうざん)さん
このお寺で一番偉いお方です。私も初めて知ったのですが、住職ではなく「管長(かんちょう)」と呼ぶのだそうです。とにかくいつもニコニコしておられます、つられて笑顔になります。
1、普段、お寺ではどのようなことをしていますか?
毎朝ご本尊を拝み、毎月決められた日には護摩行を修法しています。たゆまず日々の行を実践していくことが大切です。また、各地で講演などを行っています。結構、忙しいんですよ。
2、 須磨寺の年間行事で、オススメがあれば教えてください。
特に挙げるとすれば、柴燈護摩(さいとうごま)ですね。11月23日の当日には、たくさんの方々がお参りしてくださり、火渡りの荒行が行われます。最初に僧侶たちが火渡りをするのですが、そのときは結構炎があがって、足の裏を火傷することもあります。びくびくして慌てたほうが火傷してしまうようですね。一般の方々も参加できるんですよ。まあ、そのときは歩く部分は安全なように十分消火していますからご安心ください。
3、これからの目標や夢、何か取り組んでいることはありますか?
このお寺でご縁があってよかったと思っていただけるようなお寺にしていきたいです。
4、「実は、〇〇だ」
今は真言宗の須磨寺は、実は平安時代は天台宗でした。
<アイデアニュース関連記事>
⇒「平敦盛追悼法要」に参加、歴史ロマンを肌で感じる 「須磨寺」ルポ(上)
⇒源平の梅、夜音、柴燈護摩…フレンドリーで開かれたお寺 「須磨寺」ルポ(下)
<関連サイト>
⇒大本山「須磨寺」ホームページ
⇒写真撮影に協力してくださった正宗さんのホームページ
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■平敦盛追悼法要の様子
■敦盛の首塚の様子
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■平敦盛追悼法要
毎年、3月(一の谷の合戦が起こった2月の旧暦にあたる日)になると、源平戦士の追悼法要が須磨浦公園で営まれます。須磨寺では、本堂で敦盛の追悼法要が営まれ、色鮮やかな色衣(しきえ)を身にまとった僧侶がお経を唱えます。当日はどなたでも自由に参列できます。
■敦盛の首塚
本堂に向かう道を左に進むと、朱色が鮮やかな三重塔が見えます。その横にひっそりと佇むのが敦盛の首塚です。胴は、須磨浦公園にある同塚に祀られています。
源平ゆかりの古刹として、800年のときを経てもなお、地元の方々や観光客に愛されている須磨寺。神社仏閣は趣味で数々巡っていますが、ここまでフレンドリーで開かれているお寺は他に見た事がありません。つい、近くを通りかかったら訪ねてしまわずにはいられないアットホームな空間が魅力です。境内にはお手洗いやベンチや休憩所が多数点在していて、まったり過ごす事ができます。是非とも気軽に足を運んでみてほしいお寺です。
インタビュー取材に応じてくださった須磨寺のスタッフの方々、山口さん、副住職さん、管長さん、貴重なお時間をありがとうございました。また、この日の取材のために同行してくれたカメラマン2人(正宗さん、狸爺さん)最期まで本当にありがとうございました!