「初日1週間前に、できないかもと思いました」、原田優一インタビュー(下)

原田優一さん=撮影・岩村美佳

原田優一さんインタビューの後半です。9歳から子役で芝居の世界に入り、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などのグランドミュージカルでご活躍され、ご自身で演出もしながら、色物的な役も演じる原田さんに、今のご自身についてお伺いしました。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、正統派な役と色物的な役の演じ方や、演出もされていることなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。

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■振り幅を持ってやりたいと思っていた。そういう役の方が生き生きすることもある

■「これが僕です。色物なんかやってませんけれど」という所を見てもらうのも好き

■演出は、色々な人のやり方を盛り込んで、あとは自分の表現したい世界をそのまま出す

■自分の中では方向性は見据えてはいますが、お客様にはそれを悟られないように

<CLUB SEVEN-ZERO->
【東京公演】(プレビュー公演)2017年5月26日(金)~28日(日) シアター1010
【大阪公演】2017年6月3日(土)~6月4日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【東京公演】2017年6月8日(木)~6月22日(木) シアタークリエ
【愛知公演】2017年6月23日(金) 刈谷市総合文化センターアイリス

<公式サイト>
『CLUB SEVEN-ZERO-』 http://www.tohostage.com/club_seven/

<関連リンク>
原田優一オフィシャルブログ「優壱日記」 http://ameblo.jp/yuichi-harada/
原田優一オフィシャルtwitter https://twitter.com/yuchan_yuchan_

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原田優一さん=撮影・岩村美佳

原田優一さん=撮影・岩村美佳

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■振り幅を持ってやりたいと思っていた。そういう役の方が生き生きすることもある

――原田さんご自身についてお伺いしたいのですが、最近の舞台を色々と拝見しました。

ありがとうございます。

――『晦日明治座納め・る祭〜あんまり歌うと攻められちゃうよ〜』、『GEM CLUB』、『TARO URASHIMA』、安蘭けいさんのコンサート、『僕等の図書室 特別授業』『滝廉太郎と友人、と知人とその他諸々』を拝見させて頂きました。

色物ばかりですね(笑)。最近は色物がかなり多かったですね。女子役と男子役、半々くらいでしたから(笑)。

――原田さんは『レ・ミゼラブル』マリウス役や、『ミス・サイゴン』クリス役など、正統派な役の印象を持っていたので、大きく振れた印象があります。あれ? 方向転換されるのかなと。

いきなりでしたよね。自身では何も思っていないのですが、1度振れるとこういう仕事がやってくるんだなと思いました。

――最初に振れたきっかけは何だったんですか?

多分、最初にアクセルを踏まれたのは玉野さんだと思います。2010年の『CLUB SEVEN』で、玉野さんも「踏んでしまった」とおっしゃっています。

――それで、原田さんにこういう役をやらせたら面白いと皆にインプットされたんですね。

多分ここが始まりだったんじゃないかなと思いますね。

――2010年は『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』をやっていた頃ですよね。

あの頃は完全に正統派だったんですよ。1年間ずっとやっていましたから。

――ご自身ではやってみたいとか、意図されたことはないんですか?

意図はしていないですね。でも、振り幅を持ってやりたいと以前から思っていました。そういう役の方が生き生きすることもありますし、時々正統派に戻ってみたりして。色々なことが出来た方が、いいですよね。とても楽しくやっています。

――もう、昨年の後半頃は、原田さんが出てきただけでワクワクしてしまいました(笑)。

もう期待されるようになりました(笑)。何もせずに普通に去っていくと、「え、ないの?」って。

――そうですね、ちょっと期待している所があるというか(笑)。

それも分かってるんですよ(笑)。

――演じるうえで、正統派な役と、色物的な役はどうやって分けているんですか。

分けていないと思います。常にレベルの違いかな。

――レベルの違い?

レベルというか、チャンネルというか。同じ電源をオンされているんですが、それをどっちに振るかは自分自身みたいな。

――じゃあ、色物のときはAというチャンネルに。

バコンと入れるとすぐに入ります。

――正統派はBと、チャンネルを切り替えながらやっているんですね。

結構、見せ方としては一緒なんですよ。

原田優一さん=撮影・岩村美佳

原田優一さん=撮影・岩村美佳

■「これが僕です。色物なんかやってませんけれど」という所を見てもらうのも好き

――役の振り幅が出来てから色々な役のオファーが来るなかで、やりたい役などをどう考えているんですか?

正統派もやらなければ、色物も面白くないと思うので、バランスを取りながらやろうと思っています。でも、結局色物やっている時の方が楽しいと思ってしまったりして。ただ、それを騙している自分も楽しいんです。

――騙している?

何ていうんですかね……正統派をやって、「これが僕です。色物なんかやってませんけれど」という所を見てもらうのも好きなんですよね。それも自分なので。だから、お客様が「えっ!?」となっている様を見ているのが楽しいんです。

――意外な姿を提示するのが面白い?

そうですね。だから、例えばガリガリになって、RENTのエンジェルのような役をやっていたら、お客様はビックリするじゃないですか。そういうお客さんが「えっ!?」と反応するものが面白いなと思っているんです。

――今まででやった事がない役で、やってみたいと考えている役はありますか?

結構色々とやらせて頂いているので、特にはないですが(笑)。和物、現代物、海外物、ショー……全部やっているので。そういうものの集大成が『CLUB SEVEN』じゃないですか。

――本当にそうですよね。最初におっしゃっていた「おもちゃ箱」のように全部詰め込んでいますよね。

最近、グランドミュージカルに出演していないので、1回ちらっと顔を出してもいいかなと思っています(笑)。

――顔を出す(笑)。顔を出すだけなんですね。

ちらっと。実家に帰る感じで。

――もうグランドミュージカルが実家になりました?

9歳からやっていると、劇場が家であり、勉強の場なんですよ。子どもの頃から学校よりも劇場にいた記憶の方が多いので。お兄さん、お姉さんに宿題を教えてもらったりした記憶などが沢山あるので、落ち着きます。

原田優一さん=撮影・岩村美佳

原田優一さん=撮影・岩村美佳

■演出は、色々な人のやり方を盛り込んで、あとは自分の表現したい世界をそのまま出す

――25、6年この世界でやってきていて、演出もされていますよね。普通の演出家の年齢にしては若い方だと思うんですが、早いという感覚はないですか?

あまり自分の中ではないですね。やりたい事をやっているだけという感覚です。今まで接してきた演出家の方々、日本の方や海外の方も含めて、「こんなやり方もあるんだ」と吸収してみるようになりました。「こういう芝居の作り方面白いな」とか「こういう事を言われると、キャストはすごく助かるな」とか、自分は色々な人のやり方を盛り込んでやっています。あとは、自分の表現したい世界をそのまま出す。演出家の定義やマニュアルは絶対にあると思いますが、そこに沿っていない演出家じゃないかと。「それはちょっとタブーじゃない?」という所まで踏み込んでいると思うんです。でも、それも繋がっていれば自分の世界という異端児的なものがあるかなと思っています。

――子どもの頃から道を決めて邁進しきて、やり始めた頃に描いていた想像の先に今がありますか? それとも、途中で意外な展開になっていますか?

最初はテレビの方が多かったんですよ。高校生の頃にニューヨークに行って、舞台を観て、「ミュージカルを専門職にしている人ってすごいんだな」と感じて、そこから舞台に目覚めました。だからといって、舞台に固執している訳ではないですが、パフォーマンスが出来る場が自分は好きなんです。自分の思っていることを表現するというか、そういう意味では思っていた通りですね。「この世界で生きていきたい」というのは、とても有難い道だなと思います。

■自分の中では方向性は見据えてはいますが、お客様にはそれを悟られないように

――今、目指す先は?

演出をやるにしろ、役者ベースでやりたいとは思っています。自分が思っていることをパフォーマンスして、お客様にお見せ出来て、それがお客様をぶんぶん振り回すような感じだったらいいなと。「原田が出てきたらこれやるよね」と期待して頂けるベースも築きたいですし、それを思い切り粉砕して裏切りたいという思いもあります。だから、お客さんに対して常に反抗期でいたいです。

――なるほど。何が出てくるかわからない期待ですね。

皆さんの驚く様子を見ているのも楽しいので、あえて見せないでいます。お客さんに「ここを目指しているのね」と言われたらつまらなくなってしまうので、「どこに行くんだろう」と思っていてほしい。自分の中では方向性は見据えてはいますが、お客様にはそれを悟られないように。ミステリーツアーのような、役者であり、クリエーターでありたいと思います。

――今後も期待して拝見します。ありがとうございました。

原田優一さん=撮影・岩村美佳

原田優一さん=撮影・岩村美佳

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“「初日1週間前に、できないかもと思いました」、原田優一インタビュー(下)” への 2 件のフィードバック

  1. はちのすけ より:

    ロングインタビューに素敵な写真に動画まで!新鮮なお話いっぱいで嬉しかったです。
    『CLUB SEVEN -ZERO-』本当に楽しかった!確かな実力による振り幅で歌って踊って笑わせてくれる“エンターティナー原田優一”に釘付けでした。
    ミステリツアーで次は一体どこへ連れて行ってくださるのか、今後も益々楽しみです。

  2. YU-KA より:

    インタビューというと、どこかで聞いたことのある内容、ということもありがちですが、今回のインタビューは、上下とも初めて伺うことばかりでとても興味深く拝見しました。
    そして、原田さんのこれからに目が離せない!とワクワクしています。
    写真もとても素敵でした。
    これからも楽しみにしています!

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