「志なかばで亡くなった親友に、中途半端じゃ失礼だから」、渡辺大輔インタビュー(下)

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

渡辺大輔さんインタビュー後半です。有料部分では、がむしゃらに舞台に出演し続けた20代の思いや、人生観を変えた出来事、大事にしていることなどについて伺いました。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、27歳の時に自分の中でのターニングポイントになったことと、「場数を踏んで死に物狂いでやるしかない」と思って歩んできた道、そして30歳になって気づいたことなどを語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■「とにかく積み上げろ。下手と言われても食らいつけ」

■親友が教えてくれたこと

■『客家』で、自分はこんなにも出来ない人間なんだと気づいた

■己と向き合って勝てないなら、誰にも勝てない

<カラテ ミュージカル『ソーォス!』>
【東京公演】2017年7月6日(木)~7月13日(木) スペース・ゼロ(新宿)
公式サイト http://musical-sauce.tokyo/

<関連リンク>
渡辺大輔オフィシャルブログ http://lineblog.me/watanabe_daisuke/
渡辺大輔オフィシャルFCサイト「GOODLUCK」 http://watanabe-daisuke.jp/

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渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■「とにかく積み上げろ。下手と言われても食らいつけ」

――デビューの翌年に舞台デビューされていますね。

『テニスの王子様』に出演しました。以降、ミュージカルやストレートプレイで主演をやらせて頂いたりもしましたが、まず映像に興味を持ってこの世界に入ったこともあり、舞台ばかりでなく映像にも出たいと、今考えれば安易に焦る気持ちもありました。そのような時に周囲の支えてくださっている方々から、「今を生き急ぐな。小さい大きいは関係ない。今いただいている作品は全ていつか力になる。思い返した時に、あれがあったから今に活きているんだなと必ず分かるから、今はとにかく積み上げろ。失敗して、失敗して、どんどん積み上げて、下手と言われても食らいついていけ」というアドバイスを頂きました。それなら今は場数を踏もうと、20代は死に物狂いで次々と舞台に立っていました。

――出演作品数がすごいですよね。

現場が被っているのが当たり前でしたね。それでちょうど30歳の時に謝(珠栄)先生にお会いしたんです。『客家』をやっている最中の場当たりだったと思いますが、東京公演中に誕生日を迎えました。謝先生が花束を持って客席から現れて、舞台上で、サプライズで祝って頂きました。やはり30歳は節目の年、錚々たるメンバーの方に祝って頂けたのは、今でも印象に残っています。

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

■親友が教えてくれたこと

――男性の方は特に30歳は大きいとおっしゃいますね。

そうですね。でも自分の中ではその前にターニングポイントはあったんです。学生時代一番一緒に過ごしていた同い年の親友が、27歳の時に病気で亡くなったんです。この出来事が自分にとっては結構大きくて……。

――それはそうですよね。お若いですし……。

もう家族みたいな間柄で、クリスマスも、年越しも、正月も、全部なぜか僕の実家で一緒に過ごしていたんです。志なかばで亡くなってしまった彼に対して、自分は健康で、やりたかった職業に就いて、素敵なお仕事も頂けて。本当にありがたいことですよね。生きていれば、何でも出来る。朝ふと目が覚めた時に「息をしていて幸せだな」と感じたことがあって。親友の死と向き合った約一年で色々な事を考えて、「変えていかなければ、チャレンジしていかなければ」という気持ちが強くなりました。

切り替えはすごく大変でしたが、死をもって教えてくれた親友に対して、中途半端じゃ失礼だなと。やるからには、とことんやらなければと思いました。もちろん羽を伸ばしたり、休むことも大切です。でも色々な人と出会えて、こうして取材を受けられているのを考えると、「続けていてよかった」、「努力していてよかった」、「周りの方々と出会えてよかった」と全てが繋がるんです。

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

■『客家』で、自分はこんなにも出来ない人間なんだと気づいた

尚且、謝先生には芝居とミュージカルのイロハを教えて頂きました。稽古に参加して早々に、自分はこんなにも出来ない人間なんだと感じる出来事があって。芝居も歌もダメ……30歳にもなって自分は何をしてきたんだ!と思ったんです。世代など関係なく競争のあるこの世界で、「まずい、このままだと生き残れない」と。謝先生、『客家』という作品との出会いで、さらに芝居に対する意識は確実に変わりましたね。

――そして、この1、2年の大きい作品への出演が続いていますよね。20代から30代でミュージカルに出演されている俳優さんが多いので、大変なんじゃないかと。

ちょうど僕ら世代はいま一番競争率が激しいのかもしれませんね。ミュージカルに関していうと、先日ある演出家の先生に「あなた達くらいの年代にはスターがいない。歌えて、踊れて、芝居が出来てという3拍子揃ったスターがいない。それを目指していかないと、君たちは生き残れないよ」と言われたんです。30代前半で成しえてないと、これから先も残っていけないし、「この程度」で終わってしまうよと、いい意味で、鞭のアドバイスを受けました。

■己と向き合って勝てないなら、誰にも勝てない

でも、自分の中では「絶対に焦るな」と言い聞かせてやっています。20代の時の取材で、「ライバルは?」「今の世代で、一番この人には負けたくないという人は?」と、すごく聞かれたんです。「今、同じ舞台上でやっている人には負けたくない」「今は横一線だと思うので抜きたい」という思いがありましたが、結局色々と自分で考えてやってきた中で、現時点で出ている結果は一番のライバルは「己」なんですよね。己と向き合って勝てないなら、誰にも勝てないというのは、永遠のテーマであり、ずっと一生付き合っていくことだと思います。結局、舞台上に出る時は、個人との戦い。共演者やスタッフさんは支えてくれても、そこで第一声を喋るのも、第一声を歌うのも自分じゃないですか。そこで弱気になったり、アガって硬くなったりしたら、結局自分に負けているということ。

――最初に目指されていたアスリートもそうじゃないですか? アスリートも自分との戦いですから通じますよね。

「絶対に諦めない」「勝ち取ってやる」という貪欲な姿勢も自分との戦いなんですよね。あの頃に学んだことが、今に活かされていると思います。

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

渡辺大輔さん=撮影・岩村美佳

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“「志なかばで亡くなった親友に、中途半端じゃ失礼だから」、渡辺大輔インタビュー(下)” への 4 件のフィードバック

  1. junko より:

    岩村美佳様  本当に素敵なインタビューありがとうございます!美しく清らかな大ちゃんの魂まで写し出している様な、深い感動で心ふるえました!亡き親友への切なすぎる想い。そして何よりも大切にしてきた人と人とのつながり。縁。そうした運命的な出逢いを大事にしてきた大ちゃんだから…全てのパワーが「舞台」に結実してゆくのでしょうね。今度の『ソーォス!』観劇。ますます楽しみです!

  2. barrel より:

    素敵な記事をありがとうございました?文章としての大ちゃんのお話を読める機会はなかなか多くないので、とても嬉しかったです。そして、改めて大ちゃんのファンで正解!自分の目が確かな事を再認識しました?

  3. jamchako より:

    渡辺大輔さんのインタビュー&動画ありがとうございました〜。
    素敵なインタビューで、改めて大ちゃんの誠実な人柄に惚れ直してしまいました。
    また、今度の舞台についてもお話しして下さり、初日を含めて3回観に行くので、ますます楽しみになりました〜。

  4. tama より:

    最近、渡辺大輔さんのファンになりました。大輔くんの外見だけではなく、中身もイケメンなところが大好きです!
    新米ファンなので、大輔くんのことをもっと知りたくて有料会員に登録しました。
    大輔くんのお芝居へのアツい思いを知ることが出来て良かったです!
    出来れば映像で見たかったです。
    また、渡辺大輔さんのインタビュー第2段をよろしくお願いします!!

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