ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』が2017年11月13日から11月15日まで梅田芸術劇場メインホールで、11月20日から12月5日までTBS赤坂ACTシアターで、上演されます。初演に続きパーシー・ブレイクニーを演じる石丸幹二さんにお話を伺いました。(上)(下)に分けてお届けします。
――初演を振り返って、この作品を取り組まれて、今どんな印象が残っていますか?
最終的に「面白かった」という気持ちに到達しました。安蘭けいさんがパーシー役を務めた宝塚版を拝見したとき、安蘭さんが、「面白かったけれど大変だった」とおっしゃったんです。じっさいに自分がその立場となり稽古に入ってみると、よく分かりました。パーシーはずっと舞台上にいる!
――そうですよね(笑)。
ほぼ出ずっぱりで、袖には着替えに入るだけ。楽屋になんて絶対に戻れない。フランク・ワイルドホーンの作品は得てして主役がそうなるんですが、「またしても出ずっぱりか」と(笑)。これはスポーツと一緒で、最初は大変ですが、ペースが掴めてくると余裕も出てきて、最終的に「楽しかった」という所に到達できる……。
――当初は結構辛かったんですね?
体力的に。衣装は重く、ひとりでは着られない服ばかりなんです。かつらも含めて衣装さんの手を借りながら、いわゆるパリコレみたいなものです。流れ作業でみんながワーと寄ってきて。
――みなさんの中に埋まっているみたいな(笑)。
(笑)。「こんなふうに人も、舞台も進んでいて、最終的にゴールにたどり着くんだな」と、面白がってやれましたね。あえて言えば、「出演者が裏でこんなに大変な思いをしている舞台はなかなかないぞ」とも言えます。
――そうなんですか。それはやはりビジュアル面もあるからでしょうか。
そうですね。なおかつ、クライマックスでは、フェンシングのシーンがあって……。安蘭さんと一緒に敵と戦います。私たち2人とも出ずっぱりで、最後に幕が降りる頃は、大汗です(笑)。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、演出の石丸さちこさんやピンパーネル団の若手らについて伺ったお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。27日掲載予定のインタビュー「下」では、ミュージカルと映画やテレビとの関係などについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■「ヒーローがこんなに汗をかいていいのか」というくらいの大汗
■今回は、きっと石丸さちこカラーが存分に出るんじゃないでしょうか
■上原理生、泉見洋平、松下洸平の3人がどう絡んでくるか楽しみ
■このスタイルに染まることによって、彼らの宝物が1個増えれば
<ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』>
【大阪公演】2017年11月13日(月)~11月15日(水) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年11月20日(月)~12月5日(火) TBS赤坂ACTシアター
<公式サイト>
梅田芸術劇場 ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』
http://www.umegei.com/the-scarlet-pimpernel/
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』 公式 Facebook
https://www.facebook.com/pimpernel2017/
<関連リンク>
石丸幹二オフィシャルサイト
http://ishimaru-kanji.com
石丸幹二 twitter
https://twitter.com/team_kanji
石丸幹二 instagram
https://www.instagram.com/team_kanji/
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※『スカーレット・ピンパーネル』石丸幹二さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月9日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■「ヒーローがこんなに汗をかいていいのか」というくらいの大汗
――お二人で(笑)。
「ヒーロー、ヒロインがこんなに汗をかいていいのか」というくらいの大汗なんですが、達成感はありますよね。
――初演はチケットが取れないくらいに大人気で、再演はあるだろうという期待感はありましたが、すぐに決まりましたね。
勢いがある内に再演が出来ることは有難いと思います。役柄がまだ体の中に染みて残っていますが、周りのメンバーはガラリと変わり、芝居もおのずと変わりますので、見比べて観て頂けるなと思います。
――記憶が新しい内に。
そういう面白さもありますね。
――パーシー役に再び取り組むうえで、新たにやりたいことなどはありますか?
正直に言って、昨年は台本や動きに対してギリギリまで手直しが入ってのスタートだった。今回は、新たな気持ちで客観的に台本に向き合いながら、稽古の中でリタッチを加えてゆくことになるかと思います。稽古が始まってからのお楽しみですね(笑)。
■今回は、きっと石丸さちこカラーが存分に出るんじゃないでしょうか
――演出も石丸さちこさんが加わりますね。
彼女は前回も関わってくれていました。今度は演出という立場ですから、芝居をいっそう深めてゆくのに力を貸してくださると思います。
――石丸さんの印象はいかがですか?
もちろん、共同演出のガブリエル・バリーさんが作られた枠の中でのことなんですが、彼女自身、素晴らしい個性の持ち主なので、きっとそのカラーが存分に出るんじゃないでしょうか。より細かく、深くなっている、そんなバージョンをお届けできるのではないかと思います。
■上原理生、泉見洋平、松下洸平の3人がどう絡んでくるか楽しみ
――どういう所がより深まるでしょうか。
パーシーと妻のマルグリット、恋敵のショーブランの三角関係もそうでしょうが、さらに言えば、今回、キャストががらりと変わり、色々なキャラクターがきっと大きく花開いていくだろうと思います。たとえば、上原理生さん、泉見洋平さん、松下洸平さんの3人は、すでにミュージカル界で存分に個性を発揮している。彼らがどんな風に絡んできて、新たに私たちを刺激してくれるのか楽しみのひとつです。
――ピンパーネル団の皆さんといる時間は長いですよね。前回若者たちと一緒にやってみていかがでしたか?
彼らは主に2.5次元ミュージカルで活躍しているメンバーでしたが、一緒に稽古してみると、根本は同じ。何にも変わらない。楽しく、芝居作りができました。
――若者たちとみんなで作るのはどうでしたか?
面白かったですよ。フランス革命の時代が背景ですから、フェンシングも、クラシカルな踊りも、一から学ばなければならない。一緒に面白がりながら教えてもらいました。
■このスタイルに染まることによって、彼らの宝物が1個増えれば
――舞踏会シーンがありますね。
正装しているときの立ち振る舞いは、日常の我々の居方や、身のこなし方ではないんです。だからダンスの内容を学ぶだけではなく、普段の稽古から、スニーカーやジャージではなく、きちっとしたものを着て歩いてみたら、おのずと変わってくるところがある。劇団四季に所属していたときに自覚したことですが、身につけているものから作品を知る、ということがありました。
――石丸さんは具体的にいつそういう経験をされたんですか?
デビュー作の『オペラ座の怪人』ですね。爵位のある役で、燕尾服から始まります。すると、「~ねばならぬ」が多いんですよ。着こなし、裾のさばき、歩幅、立ち方など、決まっているんです。茶道や日本舞踊の稽古と同じですよね。礼儀作法が出来るようになって、ようやく形になっていく。そんな日常にはないことを学ぶのは、繰り返しの稽古が肝心。しかも、面白がるのが一番だと思います。
――興味を持って。
当然、苦しい稽古ですが、完成形が「とても素敵なものになる」と、念じながらやっていたのを思い出しました。
――なるほど。では、また新たに彼らがその経験をする訳ですね(笑)。
そういう経験がすでにある方もいらっしゃるでしょうから、みんながゼロから始める訳ではないと思うんですが、この『スカーレット・ピンパーネル』というスタイルに染まることによって、彼らの引き出しがまた増えて、新しい宝物が1個増えればいいなと思っています。
――前回終えてから、植原卓也さんや相葉裕樹さんを取材したのですが、「ものすごく新たな経験になった」と振り返っていました。
そうだったんじゃないかと思います。ピンパーネル団というグループ自体が、このミュージカルの主役だと思うんです。彼らは主役のなすべきことや、「どうであるべきだ」ということを、きっとこの作品で学んだと思うんですね。だから面白かったと思いますよ。
※『スカーレット・ピンパーネル』石丸幹二さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは11月9日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
スカーレット ピンパーネル主演の石丸幹二さんのインタビュー記事、今回は、上 下回の2回もの掲載!ありがとうございます!特に会員限定記事では、初演時の裏話を聞き出して下さったり、再演に向けての熱いメッセージを引き出して下さっていて、とても読み応えがありました。石丸さんのファンはもちろん、他のキャストや作品のファンも必読だと思います!このインタビューを読ませて頂けて、新加入のキャスト、スタッフと創り出す新しいスカピンが、ますます楽しみになりました。また、私は石丸さんのファンなので、特に「上」の記事の中の四季時代からの衣装のお話が興味深かったです。「下」の記事では、ちょうど今日発売!今日手にしたばかりの石丸さんのニューアルバム(スカピン の曲も入っています)のお話や、石丸さんご自身はもちろんですが、ご本人のみならず他のミュージカル俳優さんの最近の多方面でのご活躍についても触れられており、私が聞きたかった事が網羅された充実の内容でした。また、どちらの記事のお写真も、とても素敵なスマイルがいっぱい!舞台の上のパーシーのお衣装姿は完璧な貴族で美し過ぎてクラクラしますが、お仕事を真摯に語る一表現者としてお姿は一般人は、なかなか見られないので、載せて頂けて本当に感謝です。ありがとうございます。スカピン 観劇前に、この記事や他にも上原さんの記事も読ませていただきたいと思っています。ありがとうございました。
石丸さんの詳細記事を拝見しました。まだ前半ですが、前回の舞台を思い出しながら、来月の新たな舞台が楽しみになりました。ベテランのメインキャストと若いキャスト達のOJTのようにも思え、これをきっかけに舞台で活躍されるようになればいいなと思います。パーシーとは真逆の石丸さんの服装と無造作なヘヤスタイルがいいですね。