2018年10月8日(月・祝)にTBS赤坂ACTシアターで開幕する(10月7日にプレビュー公演あり)、ダイワハウス presents ミュージカル『生きる』に小説家役で出演する新納慎也さんと小西遼生さんのインタビュー、後半です。有料会員限定部分には、名作映画が現代のミュージカルになることでより見えてくるものなどについて話された内容を掲載しています。
――小西さんは、新納さんの小説家役はいかがですか?
小西:まだ観ていないですからね。役者は本当に役で変わるから。普段の新納さんは知ってるけど、どういう風になるんだろうと思っています。
新納:手品師。
――手品師(笑)。小説家ではなくて(笑)。
新納:「新しい帽子を買うんだ」と言うところで、パンッて小説家が出して被せてあげたらいいのにって思って。いや、それじゃあ職業変わるなって、色々なことを思いながら見てました。
小西:そういう道化的な色が強い。
新納:今の段階の台本の帽子のシーンが納得いかなかったんだ。「パッ!」と帽子が出てきたら可愛いなって(笑)。
小西:(笑)。だそうです(笑)。小説家ではなくて、手品師だそうです。
(一同笑)
小西:その方がお金稼げそうだもん(笑)。
新納:そうだ(笑)。
小西:本書いていないでさ、それを町でやった方が金稼げそうだよね(笑)。
――むしろ副業で稼ぐと(笑)。
新納:僕の小説家は、健康的だと思います。
小西:健康的(笑)。
――なるほど。陽と陰の小説家という感じですかね(笑)。
新納:いや、陽になるかはどうかな。台本があまり陽じゃないもんね。本質は陽なんだろうけどね。
小西:小説家はある種、傍観者でもあるけども、とはいえ後半の渡辺のような生き生きとした生きるパワーではないから、“生き生き”ではないと思うんですよ。文章の中に「自分の立場に対して不満はある」と出てくるんですが、すごくもやもやしているようなものを抱えている人なので、あまり陽ではない。だからこそ渡辺に興味をもつと思うんですよね。
――ちょっと惹かれるような。
小西:そこまでして公園を作るということに対して。だから、それを助けたくなるとか。意外と物語の中では描かれていないけれど、抱えているものはある人だと思います。そうでなければ、「睡眠薬を飲む」なんて冒頭で言わないですよね。エネルギッシュに生きている人って暇じゃないんですよね。だから、人のことをかまう時間がないんですよ。あんなに渡辺に関わっている人は、ある意味自分の人生は生きていないのかもしれません。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、名作映画が現代のミュージカルになることでより見えてくるものなどについて話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■僕らよりも市村さんと鹿賀さんが本当に真逆なので、僕らが違う以前の問題
■『スリル・ミー』も人によって変わるんですが、今回もっと違うんじゃないかな
■それぞれの世代が背負うもの、それに加えて黒澤作品を作るというのは興味深い
■アメリカなどの設定だと虚構の世界になる。この作品は、がっつり入り込んで
<ダイワハウス presents ミュージカル『生きる』>
【東京公演】2018年10月8日(月・祝)~10月28日(日) TBS赤坂ACTシアター
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※ここから有料会員限定部分です。
■僕らよりも市村さんと鹿賀さんが本当に真逆なので、僕らが違う以前の問題
――映画を観ると、あのあと小説家はどうなったんだろうなって思います。
新納:映画よりはそういう想像がつきやすい。
小西:分かりやすいね。
――そこまで観られる?
新納:小説家のその後はどうなっただろうと思っている人が観ると、「確かに小説家ってこうだったかもね」という風に思えるかもね。コニタンがさっき言っていたけど、あんなに渡辺に執着するのは、物語がはじまった段階で小説家もなにか自分の人生というものを納得していない状態。
小西:なにか、ちょっと諦めている部分も。
新納:そういう中で、彼に影響を受ける部分があるんだよね。
小西:三面記事しか書いていないというところから。小説書いてないじゃんって。遊びだけは達者だし。盛り場でママが俺に「また来たの?」って言うと、「いつもの」って言うし。もう、しょっちゅう行ってるってことですよね。
――今からなにか楽しみにしていることはありますか? お二人に対してでもいいですし、この作品を作るというところでも。
小西:ワークショップをやってすごく楽しみになったんですよ。昨日はじめて市村(正親)さんとやって、市村さんの渡辺の台詞を聞いたときに、一気に作品が見えてくるというか、一言一言がすごく染みてくるんですよね。今から、鹿賀(丈史)さんチームの方もすごく観たいですね。渡辺と深く関わってくる小説家とのやり取りは特に。普通のWキャストだと相手の演技を観ていたいときと、そうでないときがあるんですよね。観たくないなというときもあるんです。今回は、純粋に別物だから。
新納:とにかく僕らよりも市村さんと鹿賀さんが本当に真逆なので、全然違うものができるはずです。まず、そこの2人が違うから、僕らが違う云々以前の問題だと思いますね。
小西:そうだね。
■『スリル・ミー』も人によって変わるんですが、今回もっと違うんじゃないかな
新納:そういう意味では、「似たような作品だけど全然違う作品を隣の稽古場でやっているのを観る」という感じになりそう。
――なるほど。
小西:それはすごく楽しみですね。
新納:『スリル・ミー』よりも全然違うようになると思う。『スリル・ミー』も人によってだいぶ変わるんですが。
小西:でも、今回もっと違うんじゃないかな。製作発表で(宮本)亜門さんが言っていた「生き方が出る」というのは、本当に出る役だと思いますし、それがないとできない役ということだと思うので、それをお二方とできるというのはすごく楽しみですよね。
――市村さん、鹿賀さんとご一緒されて、向き合う、受け止める、影響される役としては、すごく興味深いですよね。
新納:そうですね。だから、あんまりこういう風に小説家を作ろうとか、こういう存在でいなければということよりも、まずは渡辺役を演じられるお二人がどう出てくるかによって、どういう感じに仕上がるか変わると思っていて、あまり作らずに、構えずに。市村さんとコニタンのチームでのワークショップしか、まだやっていないですが、稽古を重ねて変わってくるだろうし、きっとこれは何の参考にもならないんだろうなという感じですね。
――両方観ないとその違いは分からないということですね。
小西:今日お二人の歌を聴いて、やっぱり感動しますね。お二人の声は、全然乗り方がまた違うし、でも、どっちも響いていたから、あの曲すごいなと思いました。
――劇場でみんなが集中しながら観ると思うと、ちょっとゾクゾクしますよね。
小西:はい。
■それぞれの世代が背負うもの、それに加えて黒澤作品を作るというのは興味深い
――上演はまだ先ですが、お客様もどんな風になるんだろう思っていると思います。最後にメッセージをお願いします。
新納:たとえば市村さんたち世代の役者がいて、僕ら世代の役者がいて、もう1個若い世代の役者もいて、そのそれぞれの世代が担う役割や背負うもの、それに加えて黒澤作品を作るというのは興味深いものであって。たとえば、僕の世代でも黒澤明映画って本当に映画好きの方は観ますが、白黒だというところと、声が聞き取りづらいという時点で、なかなか観ない人は多いんです。
小西:そういうところは本当にストレスだったので(笑)。
新納:すごいストレス。何言ってるか、全然わからない。映像が古いっていうだけでも、白黒っていうだけでも拒絶反応を起こす世代がきっといると思います。
――その感覚は分かります。遠い昔のイメージがあります。
新納:そうですよね。でも、舞台はもちろんカラーですし、生身を感じられますし、やはり残ってきた作品を今こうやって、生で、しかもレジェンドと呼ばれる人たちがミュージカルとして上演する。さっきも言いましたが、ミュージカルにすることで、映画とはまた違う、入り込みやすく、染みこみやすくもなると思います。黒澤明作品は、日本の宝ですからね。それを知らずに育ってきてしまった人たちは、ここでそれを感じて、また日本のオリジナルミュージカルの存在感も大きくなっていけばと思います。
■アメリカなどの設定だと虚構の世界になる。この作品は、がっつり入り込んで
小西:本当に物語がシンプルで、筋としては伝わりやすいものだと思うんですよ。自分が明日死ぬかもしれないと思って生きたことがあるかとか、その中での親子の愛情や子どもの成長など、物語の色々なところが。だからこそ僕は、市村さんと鹿賀さんが今までずっと舞台の上で生きてきて、ずっとレジェンドとして辿りついた役の一つだとすごく感じています。やはり舞台に立つと、役者同士は同じ責任を持ってやらなければいけないと思っていますが、今回は舞台の上での先輩役者の生き様をすごく見せてもらえるような気がするんですよね。生き方を迷ったりする人は本当にたくさんいると思いますが、その指針って少し先を歩いている人の背中を見て学ぶと、すごく真っ直ぐに歩いていけるような気がします。お客さんたちにとっても、僕らにとっても、そういう作品になったらいいな、なりそうだなという気がちょっとするんです。物語はフィクションですが、物語の中では渡辺はもうすぐ亡くなってしまう設定。そんなときに、どんなエネルギーで人は生きるんだろうという部分を、お芝居を通りこして、そのエネルギーを見せてくれそうな感じがするんですよね。そういう作品でご一緒できることも、お客さんに届けることも楽しみだなと思います。
――ほかの作品とはまた違う、ほかで観れないものが観れそうだなという気がします。
新納:そうですね。
――オリジナルというところと、黒澤作品というところなど、色々な要素がありますね。
新納:日本が舞台だというのはいいですね。
――そうですね。日本人の役ですもんね。特に市役所は誰もが行く場所ですしね。
新納:そう。それがやはり、僕らだけでなく、観ているお客さんも親近感があると思います。アメリカやロンドンの設定というと、一気に虚構の世界になるじゃないですか。それがよさだったりしますが、この作品はそうじゃないので、がっつり入り込んできて頂ければ嬉しいです。
※新納慎也さんと小西遼生さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは7月5日(木)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。(このプレゼント募集は終了しました)
岩村さんのインタビューはとても興味をもって読ませていただけていつも楽しいです。お写真もいつもすごくよい表情をおさめていらっしゃって。読むたびに作品への興味をそそられます。これからもよろしくお願いいたします。
読み応えありました。ありがとうございます。
主演がダブルで市村さん鹿賀さんのような全然タイプが違う人がやるのは本当に面白そうです。
そこに小西さん新納さんの小説家がどう絡んでくるか楽しみで仕方ありません。
それにしてもキャスト固定がもったいないなと思いました。
個性の違う二組の演出も果たしてどうなるのか楽しみに待ちたいと思います。
インタビューを読んで観劇するのがとても楽しみになりました。映画もちゃんと観て予習したいと思いました。
小西遼生さんが出演する「生きる」
記事を読んでますます楽しみになった
インタビュアーさん、いい質問をありがとうございます
写真も素敵で、ありがとうございます
いつも楽しみにしています!愛溢れる方のお写真はなにか伝わるものが沢山ありますね♡
そして。。。うーん、そうそう!そこが聞きたかったのぉ〜みたいなインタビューが多過ぎて!嬉しすぎるのでありまする(^^)
これからもずーとずーと宜しくお願い致します!ですっ!
上下ともに、とても興味深く読ませていただきました。
重病人だの手品師だの、思わずプッと吹き出してしまいました(笑)
公演はまだ先ですが、今から本当に楽しみです(´▽`)
今回も素敵なインタビューとお写真をありがとうございました!
後半も大変興味深く拝読いたしました。
そして公演がますます楽しみになりました。
お稽古が始まって、「小説家」として生き始めてからのお二人の対談も読んでみたいです!
岩村さんの写真はいつも被写体の方のいい雰囲気が出てて大好きです?