2018年5月26日から帝国劇場で開幕する、ミュージカル『モーツァルト!』で、モーツァルト役を演じる古川雄大さんに、稽古がはじまって2週間程のタイミングでインタビューしました。これまでに井上芳雄さん、中川晃教さん、山崎育三郎さんが演じてきたモーツァルト役。山崎さんとのダブルキャストで、古川さんは帝国劇場初主演です。ミュージカル『モーツァルト!』は、『エリザベート』に代表される、ミヒャエル・クンツェさん(脚本・歌詞)、シルベスター・リーヴァイさん(音楽・編曲)によるウィーンミュージカルを、小池修一郎さんが演出。約4年ぶりの上演で、新演出となります。
――ちょうど去年の7月に前回インタビューさせて頂いていて、「この1年は『モーツァルト!』を目標に頑張る」とおっしゃっていました。実際に稽古が始まって、スイッチや感情など、自分の思い描いていたものとなにか変化していますか?
常にスイッチは入っている状態だったので、逆に、稽古に「よっしゃ臨むぞ」というスイッチは入れなかった感覚はあります。ずっとオンになっていた感じで、この1年は過ごしていました。さらに入れようかなとは思っていたんですが、常にオンだったんだなと今実感していて、稽古場に入っても気持ちが変わらずにいられるんです。モチベーションはずっと保っているのかなと思います。
――逆に舞台を終えるまで、そのままのモチベーションでいく感じですか?
そうですね。もう、終えることは全然考えていないです。「そっか、終わるのか」って、今、思っちゃいました(笑)。
――実際に稽古が始まって、今の状況で苦労していることや手応えはいかがですか?
色々と組み立てていく中で演出がついて、自分が当初「こんなイメージなのかな」と思い描いていたことにプラスαされていっています。その結果、変化していったことに色々と対応していく作業が難しいなと感じています。やはりWキャストなので、稽古時間が半分になるんですよ。その短い時間でどれだけ吸収できるか、自分の中に落としこんでいけるかを意識しながらやっています。
――そのなかで、自分なりの手応えは見えてきたりされていますか?
やはり作っていく中で新たな発見がたくさんあるので、そういうものを見つけられただけでも、着実に前に進んでいっているなという感覚はあります。ここから詰める稽古をしていきたいなという気持ちになっています。今日で1幕最後まで、本読みを作り終えるところですが、骨組みを1幕まで作り終えたら、これをもっと落とし込みたいという気持ちがありますね。そこからもっと手応えを得られるんじゃないかなと思っています。
<取材協力>
ヘアメイク:池上豪(NICOLASHKA)
スタイリスト:吉野誠
ケイスリー・ヘイフォード(三喜商事 03-3238-1385)
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、モーツァルトを演じる中で意識していることなどについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。22日掲載予定のインタビュー「下」では、2012年の『エリザベート』で帝国劇場デビューをしてから2013年を除くと毎年帝国劇場に立たれている古川さんに、帝国劇場初主演についての思いなどを伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■愛に溢れていた、誰かに愛をあげたいから、ずっと求めていたのかなと
■僕は結構考えこんでしまうので、演出をつけて頂いている最中に質問するんです
■感情のまま思いのまま行動したモーツァルト。あまり深読みせず、台本にしたがって
■明るい部分をどれだけ明るくもっていけるかで、全体の印象がきっと決まる
<ミュージカル『モーツァルト!』>
【東京公演】2018年5月26日(土)~6月28日(木) 帝国劇場
http://www.tohostage.com/mozart/
【大阪公演】2018年7月5日(木)~7月18日(水) 梅田芸術劇場メインホール
http://www.umegei.com/mozart2018/
【愛知公演】2018年8月1日(水)~8月19日(日) 御園座
http://www.misonoza.co.jp/lineup/month8.html
<関連リンク>
古川雄大音楽・FCサイト
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※古川雄大さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは6月4日(月)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■愛に溢れていた、誰かに愛をあげたいから、ずっと求めていたのかなと
――「見つけられている」とおっしゃいましたが、具体的にこれはというのはありますか?
単純に解釈ですね。僕が勉強していく中で学んだことと、演出で全然変わっているんです。例えば、コンスタンツェと出会うシーンは史実とは結構違っていたりします。全く違うわけではないですが、あまりそこを膨らませて書いていない。当初からコンスタンツェのことを気になっているように描かれていますが、史実ではいつの間にか近くにいたコンスタンツェに惹かれたんですよ。だから、アロイジア(注:コンスタンツェの義姉・史実ではコンスタンツェより先に好きになった女性)の存在はあまり関係ないのかなと。こういう違いがあるんだ、この作品ではこういう風に描くのかと感じました。あとは、動きが決まってきているので、その部分で自分でこういう風に流れを作っていこうかなといういい発見があります。ここでこっちに振り向くんだ、じゃあ何を伝えようかなというような。
――動きに合わせて、感情の動きを作るような?
自分で役を作っていく上で、「こういう気持ちになるんだ」という発見があります。
――製作発表で、「4人目のモーツァルトを作りたい」とお話されていたと思いますが、役を作られている、また調べたり、掘り下げたりしている途中で、古川さんが思い描くモーツァルトはどんな人ですか?
僕の思い描くモーツァルトは、とにかく才能に溢れて、愛に溢れていた人なのかなと思っています。愛に溢れていたというか、愛を求めながら、誰かに愛をあげたいから、そういうものをずっと求めていたのかなと。
■僕は結構考えこんでしまうので、演出をつけて頂いている最中に質問するんです
なにか一つがずば抜けて優れている人って、ほかがものすごく劣るそうなんです。まさにモーツァルトもそうなのかなと思います。行動もめちゃくちゃで、周りに気を遣わない、思ったことをそのまま口にしちゃう。その分とてもピュアだなと感じる部分もありますし、どこか寂しいのかなと。だからこそ先ほど言った、愛を与えたいがゆえに愛をすごく求めているんじゃないかと。一言で言い現すのはとても難しいですが、一言で言うと天才なんだなというのは、すごく感じています。
――一つだけが天才的に秀でていて、どこかが欠けているという人物像のモーツァルトを演じる中で、一番意識している、注力していることは?
その欠けた部分は、結構ストーリー上でも描かれていますが、結構むちゃくちゃなことを言ったりするんですよ。台本を読んでいても、「ん?」と思うことはあったりして、それをあまり深く考えすぎずに走ってもいいのかなと思っています。僕はそういうところで、結構考えこんでしまうタイプなので、演出をつけて頂いている最中に質問するんです。この行動はこういう理由でこういうことなんですかねと質問したら、「いや、この人はそこまで考えていないよ」って言われて。
――なるほど。
■感情のまま思いのまま行動したモーツァルト。あまり深読みせず、台本にしたがって
だから、本当に行き当たりばったりな人だということを教えて頂いて、感情のまま、思いのまま行動していったことが、モーツァルトの死まで描かれているので、そのストーリーに沿って、あまり深読みせず、台本にしたがっていきたいと思っています。そのなかで、滲みでてくれたらなと。色々な人と出会っていくので、その人との関係性を明確にしていくと、感情の形や表現にすごく振り幅があるんじゃないかと思っています。そういう部分で色々な面を見せて、この人の素って一体どこなんだろうと、むちゃくちゃだなと思ってもらいたいですし、不思議だなと思ってもらえたらと、すごく思っていますね。だから、ベースがないのかなとも思ったりしています。この人こんな人だよねと一言で言えないのかなと……。今、想像を膨らませている最中で、まだ分からないです(笑)。今、色々と話したことが、ぐっとまとまるように頑張ります。
――なるほど。そのぐっとまとまったものがステージで生まれれば。
そうですね。
――そうすると、観ている人によって色々な側面が見えそうですよね。こういう面が好きとか、こういうところが見えるとか、人によっても変わりそうだなと思いました。
そうかもしれないですね。
■明るい部分をどれだけ明るくもっていけるかで、全体の印象がきっと決まる
――『モーツァルト!』はかなりの曲数がありますが、昨年インタビューさせて頂いたときに、「影を逃れて」が一番好きというお話をされていましたが、今も変わらないですか? 色々な曲に触れて、変わってきましたか?
やはり単純に一番好きです。なにも深く考えずに、どれが一番いいかと言われたら「影を逃れて」を選んじゃう(笑)。メロディも素敵だし、ぐっとくるものがあるし、聴いていて気持ちが上がるので、好きです。
――小池さんから、影とか陰の部分があると言われたという話もされていましたが、実際にモーツァルトとしてこの曲やほかの曲も歌っていて、表現するという意味で一番注力しているところはどこでしょうか?
それこそ、さっき言った色々な面が見える人物だと思うんです。特に明るさの部分。明るい部分をどれだけ明るくもっていけるかで、全体の印象がきっと決まるのかなと思っているので、「僕こそ音楽」や「赤いコート」などで、そういう部分での明るさをどう表現するか。それは姉への愛でもいいですし、希望や自分のこれからの夢のような明るさでもいいと思いますし、その明るさをどう描けるかというのは、すごく課題だなと思っています。小池先生から実際にご指摘も頂いています。絶望も含めたそういう全ての表現をどれだけできるか、色々な角度に激しくいきたいなと思っています。
――感情の振り幅みたいな感じですか?
その振り幅を、どの角度も広くいきたいなと。
――結構、感情的に疲れますよね?
1公演やったら、相当疲れると思います。
――今はまだ、その幅は模索中ですか?
そうですね。色々やってみようと思って、トライをしている最中です。
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稽古から二週間というフレッシュなタイミングでのインタビューで試行錯誤している様子が伝わってきてこちらまでドキドキしてしまいしました♪本日やっと古川ヴォルフを観に行きます、とても楽しみです(^^)
雄大君が『影を逃れて』が好きと言ってましたが、私も大好きな曲です。1幕の幕切れの演出が好きでしたので、変わってないと良いな✨
『並みの男じゃない』の雄大君も楽しみです。
とても楽しみにしています。
古川君のヴォルフガングが観たいと前々から思っていたので。とても嬉しい!
有料会員用ページには素敵なお写真がたくさんと、古川さんの役作りについての一所懸命な思いがたくさん綴られていてとても読み応えがありました。古川さんが作り出す新しいヴォルフガングの誕生に今からとても楽しみです。初日から感極まって泣いてしまいそうですが、初日から千穐楽まで全力で応援したいと思います!
古川さんの役作りや表現のお話、稽古場でチャレンジしていることなど、たいへん興味深く読みました。
日本では今まで3人しかやったことのない大きな役、4人目のヴォルフガング・モーツァルトの誕生をこの目で目撃できるのが本当に楽しみです!
舞台を観た後にまたこのインタビュー記事を読み返したいと思います。
初演をみてミュージカルに惹かれて今に至るのですが、私にとって思い入れのある作品に、これまた大好きな役者さんが取り組む…不思議なめぐり合わせを大事にキャスト発表からまってます!
初日、四人目のモーツァルトが生まれるのを帝劇に見守りに。
私のモーツァルトは井上芳雄くんですが、それを越えるかもしくは別物か。
嬉しい誤算を期待せずにはいられません。
ステキなお写真とインタビュー記事ありがとうございます。
4人目のヴォルフガングを作り上げていく過程のお話が知れて、大変興味深く拝読していました。
初演まであと少し、どんなヴォルフガングが観れるか楽しみでしょうがありません!
インタビューとお写真、大変楽しく、感慨深く拝見いたしました。
ボリュームたっぷりの記事をありがとうございます。後編も楽しみです。
ひとつひとつの動作や行動、セリフにも動機を求める役作りの姿勢から、本当にまっすぐな人柄がインタビューの端々からうかがえました。
ますます、公演を見るのが楽しみです。
素敵なインタビューをありがとうございます。
古川さんがヴォルフガングをどう捉えていらっしゃるのか、その生き様をどのように演じるおつもりかなど、想像を膨らませながらとても興味深く拝読しました。
4番目の新たなヴォルフガングを楽しみに初日観劇致します。
これからもこちらの記事を楽しみにしています。
ありがとうございました。
岩村さんのまっすぐなインタビューと古川さんの真摯な受け答えの姿勢とが相乗効果となり、読みごたえのある記事でした。またお写真が今までとは違う趣きのある良いお写真で…本当にありがとうございます!
今回は古川さんがご自身の想いをここまで深く発言する記事がほぼ無く私達ファンは情報に枯渇状態の飢餓状態でしたので、この記事が本当に嬉しいです!
ぜひ、幕が上がってからと、大千穐楽を終えてからの古川さんのインタビューと素敵なお写真もよろしくお願い申し上げます!
私も4人目のヴォルフガングの誕生をしかと心と眼に焼き付けます!
古川雄大さんのモーツァルトをとても楽しみにしていました!しかしあまり稽古中の様子やインタビューが記事にならないので未知の部分か多いまま初日を観劇することになるのかな?と思っていたので今回のボリュームあるインタビューすごく嬉しかったです!お写真も素敵です!ありがとうございました。
とても素敵なインタビューでした
また 古川さんのインタビュー楽しみにしています。
いつも素敵なお写真と記事をありがとうございます!
岩村さんのインタビューは知りたかった役作りやモチベーションのお話をピンポイントでついて下さるので本当にありがたいです。
お写真も、いつもとは違ったアングルのものがあって素敵です!
今週末から始まるモーツァルト!、去年から待ち焦がれていたのでようやく観れるんだ!という楽しみとドキドキでいっぱいです。
後編も楽しみに待っています!
古川さんの演技に対する真摯な態度が非常によくわかる素敵な記事でした。
ミュージカル俳優の中には歌主導で役を構築される方もいますが、古川さんは役を深く突き詰めて、その役として歌われる方なんだと理解しました。
クールに見える方なので、一般的にはなにもかもサラッとこなすように思われている方かもしれませんが、実は裏ではとても努力され、自分の思い描くところへ持っていくために、あがいてる方なのだと分かります。
表面的ではなく、内面にせまっていただけるアイデアニュースさんの記事はとても読み応えがあって大好きです。
ありがとうございました。
古川ヴォルフガングが発表されたのが1年前。ずっと楽しみにしていました。来週の日曜が古川くんの初日でわくわくドキドキで昂っています。日々演技を変えてくる古川くんですので、できるだけたくさん観劇するつもりです。
開幕後のインタビューも機会があればお願いいたします。
いつも素敵な記事とお写真有難うございます!聞きたいことをズバっと聞いていただけて嬉しいです。
怖い位に研ぎ澄まされた表情の写真を見てると、「4人目のモーツァルト」をどのように表現してくれるのか?ゾクゾクしてきました♪他の誰とも違う古川雄大のヴォルフガング、この目で観れる日が待ち遠しいくてたまりません!
真摯に向き合っている古川さんの姿をインタビューから引き出して下さり今回も読みごたえのある記事をありがとうございます。
いつも楽しく拝読させていただいております。
私は古川君の大ファンです。制作発表で育三郎さんに「古川君はいつもオフの人」って言われてた場面を和かに見ておりましたが、M!に関しては、主演が決まってからの一年間 必死で勉強し4人目のヴォルフガングになるために努力を重ねてたことが、記事を読み強く感じることができました。
滅多に、自分から努力してることをアピールしない古川さんが常にオンであった…と。
この一言が、血の滲むような努力があったことを私たちファンは容易に想像できます。
幕が上がるその瞬間に全身全霊で古川モーツァルトの世界に飛び込みたいと思います!
毎回楽しみに拝読しています(^ ^)
お稽古の真っ最中の古川さんの「モーツァルト!」への想い、役作りについて、アイデアニュースさんならではの深く細やかなインタビューを読むとますます観劇が楽しみになりました。
私自身、舞台”モーツァルト!”を観劇するのは初めてなので、ワクワクと同時に新鮮な気持ちで観られたらいいな、と思いました。
毎回美しいお写真もありがとうございます!これからも楽しみにしています♪
新ヴォルフガングの役作り興味深いです。誰かに愛をあげたいというのが新鮮です!期待してます!
お稽古始まりなこの時のインダビュー。おそらくこの時あった手応えや感覚、感情といったものは、初演日まで1週間を切った今となっては、古川君の内々に変化があるのではないでしょうか?とにかくご自身の感覚を信じ、演じていただきたいです。何時いかなる時も応援しています。帝劇0番に立つ古川君を観に、自分自身も初帝劇します!とにかくとにかく、楽しみです!いつも素敵なヴィジュアルと記事をありがとうございます。
古川君 Toi toi toi!
古川さんの「モーツァルト!」についての様々な想いを知ることができて非常に良かったです。この記事の内容を踏まえた上で、観劇しに行きたいと思います。
いつも素敵な記事をありがとうございます。いよいよもうすぐモーツァルト!が始まりますね!初日が待ち遠しいです。古川ヴォルフガングを楽しみにしています。