東山義久さんと海宝直人さんがダブルキャストで主演をつとめる、ミュージカル『イヴ・サンローラン』が、2019年2月15日(金)より、よみうり大手町ホールで上演されます。作・演出を荻田浩一さん、音楽を斉藤恒芳さん、衣裳を朝月真次郎さんが担当するオリジナルミュージカル。イヴ・サンローランを描くミュージカルは世界でもはじめての試みです。“モードの帝王”と呼ばれた、フランスが誇るファッションデザイナー、イヴ・サンローランの華麗な人生の光と影を描きます。稽古がはじまった1月下旬に稽古場を訪ねて、東山さんと海宝さんにインタビューをしました。(上)(下)に分けてお届けします。
ーー稽古がはじまって、作品への今の印象はいかがですか?
海宝:思ったよりもコメディなシーンが多いですね。
東山:そうですね。イヴ・サンローランが唯一描いた『おてんばルル』という漫画があるんです。それがある意味、サンローランの狂気や好奇心など、デザイナーとしてみなさんが知っている彼の裏側というか、むしろそれが本質なのかもしれませんが、その塊のような作品なんです。
海宝:ルルちゃんという女の子の物語なんですが、その本自体にはすごくエグ味があるんです。
東山:今日は暇だから友達とパーティーをして、家に鍵をかけて、ガソリンをかけて火をつけて…
海宝:それを遠くから見ながら、ワーイワーイって言いながら…
東山:楽しい日だったと。
ーー怖い……。
東山:独特な、夢に出てきそうな物語。
海宝:そうそう! 結構ホラーですよね。サンローランのフランス版の映画の冒頭で、その漫画を描いているシーンがあるんですが、人が入ってきたときに、ババッと隠すんですよ。おそらく、見せるためというよりは、自分のために描いていたんだろうなと。自分の精神を安定させるようなものだったのかなと思います。
東山:そのルルを皆本麻帆さんが演じますが、道化役というか、狂言回し的に進めていくなかで、彼女が物語の中心になって展開していきます。なので、今は1幕を作っていますが、コメディタッチなところが多いですね。台本のセリフが少ないんです。喋るとしても時系列で出来事について、この時にこうだった、ああだったというセリフなので、いわゆるミュージカルというよりは、僕の印象ではイブ・サンローランを中心とした音楽作品というか。もちろんミュージカル作品なのですが、音楽要素が強いと思います。音楽劇っぽい感じがしますね。
海宝:レビューっぽい感じはしますね。もちろんストーリーはありますし、どこかカリカチュアした世界観というか。これは荻田さんもおっしゃっていましたが、それぞれのキャラクターを本当にリアルに描くというよりは、日本人がやるからこその、日本人がイメージする世界観やキャラクターを含めて描いています。お芝居の良さももちろんありますが、レビューショーを観ているような、歌もあり、踊りもありの作品です。
東山:世に言う“ザ・荻田ワールド”ですね。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ミュージカル『イヴ・サンローラン』の音楽の特徴や、それにおふたりがどう取り組んでいるかなどについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2月13日(水)掲載予定のインタビュー「下」では、おふたりから見たイブ・サンローランという人物について思いや、東山さんから見た海宝さんの可愛らしさや、海宝さんから見た東山さんの可愛らしさなどについて語ってくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■東山:荻田先生の作品に何本も出させて頂いていますが、今回は取り組み方が違います
■海宝:こういう感覚の作品はあまり経験がないので、すごく新鮮に稽古しています
■海宝:緻密な曲を完璧に演者が表現したら、世界観を形作る核になるんだろうな
■東山:曲も衣裳もプロデューサーも、クリエイターのモチベーションがすごく高い
<ミュージカル『イヴ・サンローラン』>
【東京公演】2019年2月15日(金)~2019年3月3日(日) よみうり大手町ホール
【兵庫公演】2019年3月26日(火) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式サイト
https://www.yume-monsho.com/
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■東山:荻田先生の作品に何本も出させて頂いていますが、今回は取り組み方が違います
ーー荻田ワールドをよくご存知のおふたりだと思いますが、今回の荻田ワールドはいかがですか?
東山:僕は主演させて頂いた作品など何本もご一緒させて頂いていますが、『ニジンスキー』、『WILDe BEAUTY』〜オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子〜、『THE SHINSENGUMI』など、ダンスに重きを置いた作品が多く、6:4くらいでダンスでした。今回はあまり踊らなくて、1:9ぐらい(笑)。先生の作品に何本も出させて頂いていますが、今回は取り組み方が違いますね。嫌な汗をかいていて、爽快な汗はまだかいていないです(笑)。
全員:(笑)。
海宝:確かに(笑)。
東山:新しい気持ちでこの作品と先生に、海宝くんと一緒に臨んでいます。
■海宝:こういう感覚の作品はあまり経験がないので、すごく新鮮に稽古しています
ーー海宝さんはいかがですか?
海宝:これまで荻田さんとご一緒した作品は、今回とは毛色が違うものが多かったですね。『密会』はレビューでしたし、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』はいわゆる海外ミュージカルでした。あとは、荻田さんの作品だけれど、荻田さんが現場にいない作品も多かったので(笑)。それぞれに世界観が違っていたので、今回も初めての感覚です。自分のキャリアのなかでも、こういう感覚の作品はあまり経験がないので、すごく新鮮に稽古しています。
ーー台本を拝見していても、歌うところが多いなと思いましたが、その音楽は斉藤恒芳さんの書き下ろしですね。曲はいかがですか?
海宝:難しいですね。
東山:本当に難しい! 直人が難しいというぐらいなんだから、僕が難しくないわけがない!
全員:(笑)。
東山:「なんだよこれ」って(笑)。
海宝:「なんだよあれ」ですよね(笑)。
東山:決まれば気持ちがいいのはわかるんだけど。
海宝:本当によく出来ていますよね。
東山:半音!
海宝:緻密過ぎる、設計図のような楽曲なので、すごく難しいです。
■海宝:緻密な曲を完璧に演者が表現したら、世界観を形作る核になるんだろうな
東山:直人と理生が『レ・ミゼラブル』製作発表で全体稽古がなかった日に、出来ることをやろうと、何人かで集まって歌の個人練習していたんですよ。そうしたら斉藤さんから新しい曲が出来てきて。例えば、テーマ曲のリプライズが後半に出てくるんですが、歌詞は同じなんですが、音階が違うんです。マイナーをメジャーに歌ってくれみたいなことが起きていて。
海宝:なるほどね!
東山:最後の方に歌うテーマソングをもう一度歌うところも、それまでにルル、ココ・シャネル、ピエール・ベルジェが歌った全曲が同時に入ってきて、そのなかで僕らは歌わないといけない。4コーラスぐらいあって、そのなかにテーマ曲がある。
海宝:違うメロディとしてですね。「ワン・デイ・モア」的な。
東山:そうそう! そういう意味ではまた別の感じの曲に仕上がっていました。
ーーテーマ曲を製作発表で聞きましたが、撮影した動画を何度も見て、ようやくメロディが頭に入ってくるというか。
東山・海宝:そう!
東山:あれはまだね。
海宝:まだ親切設計です(笑)。
ーーその半音が多用されている、斉藤さんのメロディの、この作品で活きているところなどはいかがですか?
海宝:とても緻密な曲のなかに、それぞれのキャラクターや世界観が、繊細に作られています。斉藤さんのお話を聞いているとすごいんですよ。ここはこういう時だからこうなって、半音がこうなってと。それを、完璧に演者が表現したら、その世界観を形作る核になるんだろうなと思います。
■東山:曲も衣裳も、プロデューサーも含め、クリエイターのモチベーションがすごく高い
東山:荻田さんは、普段歌詞先行で後から曲をつけてもらうそうですが、今回は曲先行なんです。斉藤さんが元々フランスが大好きな方なので、湧き出でてきたみたい。フランスに行って、速攻で仕上げたそうです。曲が先行している分、荻田さんが「もうこれ以上書かないでくれ」って(笑)。
海宝:今回、結構そういう感じらしいですよ。衣裳も同じで、勝手に出来上がってきちゃうと。
東山:朝月(真次郎)さんが、ここぞとばかりに作ってくるから、もう使わなきゃダメじゃんって、頭掻いてました(笑)。プロデューサーも含めて、クリエイターのモチベーションがすごく高くやってくださっています。
ーーイヴ・サンローランは、クリエイターが作りたくなってしまう素材だということですね。
東山・海宝:そうですね!
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東山さんと海宝さんで違う物語になりそうで、想像がつきませんが、歌声と演技を観劇できると思うと楽しみです。素敵な写真をありがとうございました。
予習なしで観劇したいと思っています。どんな舞台になるのかとても楽しみです。もちろん、どちらもみて、その違いなどを楽しみたいと思っています。
自分が若い頃からの憧れのブランド「イヴ・サンローラン」それがどんな感じのミュージカルになるのか?とても楽しみです。Wキャストのお二人のサンローランも楽しみです。
制作発表の動画で1曲聴きましたが、とても複雑なメロディーをどんな気持ちで取り組んでいるのかどんな舞台になるのか気になっていました。コメディー要素があるというのも意外でしたし、お二人共曲の難しさに必死(笑)な様子が伝わってきて微笑ましくもあり期待も膨らみました。創る方の意欲を唆る題材のようなので、衣装や音楽も楽しみです。海宝さんと東山さん、対照的ではありますがその分それぞれの世界を魅せていただける気がします。シンプルで素敵なお写真もありがとうございました!
大好きな「ザ・荻田ワールド」に大好きな役者さんたち。指折り数えて待ち続けていたところに「ワン・デイ・モア」的な曲があると聞いてさらにテンションが上がってきました。楽しみにしています!!
どんな感じの作品か、全く検討がついていなかったので、朧気にでも雰囲気がわかって嬉しいです。
想像もしていなかったコメディタッチや、海宝くんでも難しいと感じる歌、とても楽しみです。
お二人ご出演のTHE SHINSENGUMIはじめ数々の荻田さん作品を拝見させて頂いて、ダンスに重きをおいた幻想的な魅せる世界観、レビュー的な印象が強かったのですが、今回はダンスが1で歌が多め、謎に包まれていたイヴ・サンローランの舞台の世界観を、お話から垣間見れて、さらに楽しみになりました!
たくさんのかたに観て頂けますように。
素敵な記事とお写真ありがとうございます。
漠然としたイメージしかなかったイヴサンローランの舞台でしたが
東山さんと海宝さんのお話で
ワクワクしてきました
開幕が楽しみです!