音楽劇『ライムライト』が、2019年4月9日(火)~4月24日(水)にシアタークリエで上演されます(大阪、福岡、愛知でも上演)。チャールズ・チャップリンさんの傑作映画を舞台化する作品。石丸幹二さんが老芸人・カルヴェロ役を、実咲凜音さんがヒロインのバレリーナ・テリー役を、テリーに思いを寄せる作曲家・ネヴィル役を矢崎広さんが演じます。矢崎さんにインタビューをしました。(上)(下)に分けてお届けします。
――今回のご出演が決まって映画をご覧になったと伺いました。
チャップリン最後の作品で『ライムライト』という映画があるというのは、何となく知っていて、写真などは見たことがありました。チャップリンを観るときって、晩年の作品を観るというよりは、初期のころを観るイメージだったんです。
――確かに。チャップリンが1人で動いている映像のイメージがあります。
そうなんですよね。今回改めてしっかりと観ました。以前なにかで観たことはあったと思うんですよ。
――今回は自分の役目線で観たんですか? それとも、全体を観る感じでご覧になったんですか?
なによりもチャップリンの演技がすごく気になって観ました。
――どういうところに?
なんでしょうね。昔の時代の作品なのに、彼がやっているお芝居というのは舞台演技でもないし、ちゃんと映像表現になっていたんです。それがまず衝撃的でした。今にも通じるといいますか。当時は1回ミステイクする度にテープを切らなければいけないですよね。その緊張感のなかで、こんなに表現が活きるんだというところが、すごく心に入ってきました。
――それは、チャップリンだけが特別という風に感じたということですよね。
というか、やはり演劇をやってきた方で、映像もやった先駆者でもあると思うんです。チャップリンは喜劇の天才と呼ばれていて、世界中で愛されている。ある意味、トップを走り続けてきた彼の洗練された演技というのは、たとえ映像で捉えようが、舞台で捉えようが時代が過ぎても色褪せないなにかがあるんだなと思って、勉強になりました。
――なるほど。
役者の映像の後に文字が出る無声映画のときからの表現ですが、今観ると自然な動きなんですよね。女優さんたちもそう。普通に話しているだけで、かくかくして見えるのはあくまで当時の映像技術だから。役者は普通にリアクションしているんですよね。時代が過ぎて、撮り方や映像の手法はどんどん変わっていますが、役者がやることは、ひょっとしたらずっと共通しているのかなと思います。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、チャップリンについて、またチャップリンの息子が演じたネヴィル役を演じることについて、『スカーレット・ピンパーネル』で共演した石丸幹二さんや、初共演となる実咲凜音さんについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2月26日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、ミュージカルに出演することや歌への思い、昨年末のFNS歌謡祭に『ジャージー・ボーイズ』チームとして出演した際のことなどを伺ったインタビューの後半の全文を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■いつの時代も人間は変わらない。その究極を見ているようなイメージ
■次の世代にというメッセージを感じる。ギュッというよりロングショット
■(石丸さんは?)舞台に物が落ちていたら普通に拾って、普通にハケられる
■(恋の相手の実咲さんは?)恐怖と自信とをちゃんと内在している方
<音楽劇『ライムライト』>
【東京公演】2019年4月9日(火)~4月24日(水) シアタークリエ
【大阪公演】2019年4月27日(土)~4月29日(月) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【福岡公演】2019年5月2日(木)~5月3日(金) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【愛知公演】2019年5月5日(日)~5月6日(月・休) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
公式サイト
https://www.tohostage.com/limelight/
<関連リンク>
矢崎広 -Tristone Entertaiment Inc.
http://tristone.co.jp/actors/yazaki/
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- 【動画】チャップリンの傑作映画を舞台化、音楽劇『ライムライト』ゲネプロ 2019年4月11日
- 「死と同時に避けられないこと…それは生きること」、石丸幹二&実咲凜音対談(下) 2019年4月5日
- 「踊りではなく、人生を見せる」、音楽劇『ライムライト』石丸幹二&実咲凜音対談(上) 2019年4月4日
- 2020年12月以前のプレゼント 2021年6月16日
- 『晦日明治座 納め・る祭』10月25日23:59まで無料配信、『大江戸鍋祭』は11月1日 2020年10月25日
- 2019年以前の有料会員登録のきっかけ 2020年8月18日
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■いつの時代も人間は変わらない。その究極を見ているようなイメージ
――すごいですね。長いスパンで、変わらないんじゃないかということですもんね。
それに気づきそうになって、違うかもと思って。
――違うかも?
やはり役者って、勉強期間があって、人生をかけるのは一緒だと思うんです。そこになんのメソッドが入ってくるかの違いであって。
――それは、いつの時代もということですか?
そうですね。いつの時代も、きっと。効率化されたものが色々と出てくるんでしょうが、人間というものは変わらないから、ある程度やってきたら辿りつく場所は変わらないんじゃないか。その究極を見ているようなイメージです。
――『ライムライト』という作品を観てみようというよりは、チャップリンを観て、芝居について論じられるくらいに、そちらに集中する。
僕が感じただけですが、洗練したなにかを感じました。
――やはり矢崎さんは緻密に芝居を考えられる方だなと、今のお答えだけでも思いました。ちゃんと理由があって積み上げていく。作品の大枠よりも、そこに目がいくというのも、おもしろいですね。
そうですね。そこからチャップリンはどういう演劇人生を歩んできたんだろうと調べると、両親は舞台に立つ人で、歌を歌う人だった。10歳から舞台に立ってるんですから、英才教育ですよね。そう考えると、ちゃんとオーディションで見初められて上に上がってきたわけですからすごいなと思いました。
■次の世代にというメッセージを感じる。ギュッというよりロングショット
――でも、矢崎さんが演じるのはそのチャップリン役ではないですね(笑)。
そうなんです。これだけチャップリンの話をして、チャップリン役をやるわけではないんですが(笑)。
――ネヴィル役も色々と観られたと思うんですが、ご自身がやる役として見てみると、いかがですか?
ネヴィルは映画ではチャップリンの息子さんがやった役なんですね。シドニー・チャップリンという次男の方ですが、父親に演劇の才能を見初められて、ということだったようです。その背景もおもしろくて、テリー役を選ぶのも手伝っているんですよね。ということは、自分好みのテリーにしたわけですよ。
――そうですよね。嫌な人を選ぶわけないですもんね(笑)。
ネットで調べてみると、彼女に好意があったようなんですが、それも、おもしろいなと思ったんです。というのは、映画を観たときに、それも出ているなと思ったんです。
――女優自身を好きという思いが滲み出るくらい感じたということですか。
そう思いましたし、ひょっとしたらチャップリンが選ばせたんじゃないかと。だって、好きになる役ですから。
――なるほど。
なにか、この『ライムライト』にはそういうパワーを感じるんですよね。この次の世代にというメッセージが、演劇に関わっている人はすごく感じると思います。石丸さんの話を伺っていても、「次の世代に」というワードが出てきました。
――カルヴェロ、テリーとの年齢差的なところや、作品全体として次に語り継がれているところも含めて、今おもしろいものを作るというよりは、そういう思いも感じるということですよね。
本当にギュッというよりは、ロングショット的な話という感じです。
――そういう作品を、時代が変わるといわれている2019年に上演されるというのも、おもしろいですよね。
平成が終わるんですから。
――シアタークリエで上演されるときが本当に平成の最後ですね。平成の終わりから、次の時代の境目で上演されるということになります。
4月に次の元号を発表するそうですから、上演している時にはもう分かってるんですよね。
――そう考えると、すごい(笑)。
やばい。万が一の「矢崎」だったらどうしよう……(笑)。
――(笑)。1字同じだけでも、ドキッとするじゃないですか。
確かに(笑)。
■(石丸さんは?)舞台に物が落ちていたら普通に拾って、普通にハケられる
――石丸さんとは、『スカーレット・ピンパーネル』で共演されていますが、どんな印象ですか?
やはり役者さんとしての厚みの差を感じます。それでいて物腰もやわらかですし。色々な役をなさるし、どの役でもちゃんと石丸幹二でありながら、その役でもある。歌ももちろん素晴らしいですし、本当にパーフェクトマンなんですが、石丸さんの個性も残していくというところで、理想的な俳優さんだなと憧れています。あと、とてもチャーミングな方なので、こうなったら無敵だよなって思います(笑)。
――(笑)。
石丸さんも、きちんと考えて作品に向かっていく方なので、僕もそういうところに憧れているかもしれないです。特に、この『ライムライト』はご本人もファンであると公言している作品なので、その思いに絶対的についていきたいなという思いがあります。そうすれば間違いないなと。
――『スカーレット・ピンパーネル』でご一緒されていたときは、どうでしたか?
『スカーレット・ピンパーネル』のときも、僕は兄貴分についていくダメな弟分でしたね。石丸さんが舞台にいるときの安心感が本当にすごいんです。例えば、舞台に物が落ちていたら普通に拾って、普通にハケられる人。やはり場数が違うんだと思います。
――石丸さんはミュージカルからスタートされて、映像でも活躍されています。ここまで来ると、作品のジャンルなんてもう関係ないという感じでしょうか。人生をひっくるめて、全部。
石丸さんご本人の人生が滲み出ていますからね。僕も素敵な大人になりたいです。
――役者としても、男性としても憧れる?
そうですね。紳士的だし、僕がこうなれるかは分からないですが(苦笑)、すばらしいなと思います。
■(恋の相手の実咲さんは?)恐怖と自信とをちゃんと内在している方
――実咲さんとは、今日の取材日に初めてお会いになったとのことでしたが、恋の相手としていかがですか?
実咲さんのテリー役への思いを聞くと、恐怖と自信とをちゃんと内在している方なので、すごく信頼のおける女優さんだなと思いました。役者ってお芝居を交わしたら、話が早いんですよ。だから一緒に芝居をするのが本当に楽しみだなと思いました。
※矢崎広さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは3月25日(月)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
読み応えのあるインタビューに素敵なお写真をありがとうございました。インタビューを読んで、ライムライトを観劇するのが更に楽しみになりました。
今回も岩村さんのインタビューとお写真、とても素敵でした。矢崎さんに尋ねてみたい事を聞いていただけて、今までの中でも大大満足です。常に勉強されてること、これからの俳優人生についてのお考えなども伺えて、さらに応援したく思いました。
本当に素敵なインタビューとお写真をありがとうございました。永久保存します。
岩村さんのインタビューはもちろんですがお写真もとても素敵なので毎回楽しみなんです。
今回は、矢崎さんのお洋服も素敵で良かったです。
個人インタビューはやっぱりいいですね~
続きが楽しみです❤️
演劇に真摯な矢崎さんを感じられる素敵な記事でした。
お写真がどれも素敵すぎます!!
「ライムライト」への期待も高まりました。
後半も楽しみにしています。
岩村さんの記事と写真は毎回すごく素敵なので、アイデアニュースで矢崎広さんを取り上げてくださるのがとても嬉しいです。
続きが待ち遠しいです。
いつもこういう事が聞きたかった、知りたかったという内容の記事でとても嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
いつも読み応えのあるインタビュー記事と
これでもか!というくらいかっこいいお写真、ありがとうございます。
岩村様のお写真は見たことがないくらい素敵な矢崎さんを
映し出してくださっていて、文面には真摯に演劇に取り組む矢崎さんの人となりが読み取れて
毎度毎度、感激しております。
これからも、ちょくちょく矢崎広を載せて下さいませ。
期待しております。