「花火の真下に来てくださった方に最高のものを」、湖月わたるインタビュー(下)

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさんのインタビュー後半です。宝塚での18年、退団後の12年を振り返り、30年間舞台人を続けてきたなかで、その情熱はどこからくるのか、どういうことを考えて続けてきたのか伺いました。

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

――これまでを少し振り返りたいのですが、宝塚が18年、退団後が12年ですが、宝塚にいたときと、退団してから、一番大切にしていた思いを伺えますか?

そうですね。宝塚にいるときは、宝塚への愛といいますか、男役として舞台に立てる幸せだったり、喜びだったりを感じていました。宝塚に憧れていましたが、実際その中に入って切磋琢磨していくというのは、楽しいだけではなく、厳しさもありました。でも、自分が「ここだ!」と思った世界に入れたからこそ、駆け抜けることが出来たのだと思います。その駆け抜けた18年間に悔いはありません。「あのとき、もっとこう出来たな」という思いなどはいろいろあるんですが、退団を決意し、お芝居もショーも、素敵な退団公演に出会えました。千秋楽の日は忘れられない光景として残っています。退団記念日というのは毎年思い出しますし、大劇場では天気を心配し、東京では木枯らし1号が吹き、突き刺さるような寒さだったことも覚えていますね(笑)。

――体感で覚えているんですね。

そして、何よりもファンの皆さま、お客さまの温かさを感じます。宝塚にいる間ももちろん感じていたんですが、退団してからさらにお客さま、ファンの皆さまへの感謝の気持ちが溢れてきます。宝塚時代から変わらず、「観に来てよかった」と思っていただけるよう、全力で作品と向き合ってきました。そんな中うれしいのは、「わたるさんを応援して、よかった」と言ってくださることです。たくさんの俳優さん、タカラジェンヌがいる中で、私と出会い共鳴し合ってくださった方がいる。その方たちが笑顔で帰っていただけるのは最高に幸せで。これからもステージを通して、元気や勇気をお届けしていきたいです。

――それは当時から退団後も、ずっと変わらないことですか?

そうですね。年齢とともに、より深まってきていると思います。あと、舞台への情熱も。好きなんですよ(笑)。お稽古場が好きなんです。まったく何もない状態から、カンパニーの皆さんと少しづつ作りあげていく段階も好きです。ハードルが高いほど燃えます。そして何と言っても、お客様と過ごす劇場という空間が大好きです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、宝塚歌劇団を退団してから12年経った今、温めている思いや一番大切にしていることなどについて話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■「挑戦する」と「進化する」が、私の中でのキーワード

■自分を自分で越えていくしかない、最後の印象を上回らなければいけない

■(『雪まろげ』は)高畑さんとの姉妹感。人間関係をもう一度掘り下げたい

■2019年、ぜひ湖月わたると共にお過ごしいただければ

<湖月わたる舞台生活30周年記念公演『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』>
【東京公演】2019年7月5日(金)~7月15日(月)DDD青山クロスシアター
【兵庫公演】2019年7月19日(金)~7月21日(日) 宝塚バウホール
湖月わたる舞台生活30周年記念公演公式サイト
https://www.umegei.com/wataru/

<2019年『雪まろげ』>
【大阪公演】2019年4月5日(金)4月~18日(木) 新歌舞伎座(終了しています)
【福岡公演】2019年4月24日(水)~4月29日(月・祝) 博多座(終了しています)
【愛知公演】2019年5月9日(木)~5月14日(火) 御園座
【秋田公演】2019年5月18日(土)~5月19日(日) 秋田市文化会館
【福島公演】2019年5月22日(水) とうほう・みんなの文化センター大ホール
【山形公演】2019年5月25日(土) やまぎんホール
【岩手公演】2019年5月29日(水) 岩手県民会館大ホール
【青森公演】2019年6月1日(土) リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
『雪まろげ』公式サイト
https://www.tohostage.com/yukimaroge/

<関連リンク>
湖月わたるオフィシャルウェブサイト:http://www.wataru-kozuki.jp/
湖月わたる公式FC AcrossTwitter https://twitter.com/watarukozuki_fc

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湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■「挑戦する」と「進化する」が、私の中でのキーワード

――「好き」しかないですね(笑)。

好きしかないです。毎公演、その日の作品を完成させてくださるのがお客さまです。舞台って花火みたいだなと思っています。花火って準備するのは大変ですが、打ちあがると一瞬じゃないですか。でも、その花火は絶対お客さまの心に残っていると思っているんです。花火の真下でなければ、あの感動はないじゃないですか。そういう意味で、劇場に足を運んでくださった方に最高のものをお届けしたい! そういう思いを持ち続けています。

――退団後12年経ちましたが、温めている思いや一番大切にしていることは何ですか?

「挑戦する」ことと、「進化する」ことが、私の中でのキーワードになっています。やはり今回もですが、挑戦していかなければいけないと思いますし、100周年に向けて、そして今もOG公演で宝塚時代の曲を歌わせていただいたり、役を演じさせていただく機会があるのですが、そういうときに、やはり進化していたいという思いがありますね。そう思い続けて、退団後女優としての役も、OGとしてのマニッシュな役も取り組んできたかなと。それが今の自分を作っているのかなと思います。

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

■自分を自分で越えていくしかない、最後の印象を上回らなければいけない

――進化って、たとえば技術的に変化していくことなど、いろいろありますよね。たとえば、技術的なことって、歌だったら、『エリザベート』のコンサートなどを観ると、現役のときよりも時を重ねれば重ねるほど、どんどんすごくなっていくのが、拝見するたびに驚いてすごいなと感動します。出演者の皆さんそうですが、宝塚の本番で聴いていた時よりも、さらにすごい。それってすごいことだなと思います。

そう言っていただけると嬉しいです。自分が思っていても、お客さまが感じていただかないと、それは独りよがりでしかないので。自分を自分で越えていくしかないといいますか。前回ご好評いただければいただくほどそれを上回らなければいけない。変化することを恐れず稽古に臨んでいたので、進化したルキーニと感じていただけたのであれば私としては嬉しいですね。「今回のルキーニが最高!」と感じていただけることが目標でしたので。

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

■(『雪まろげ』は)高畑さんとの姉妹感。人間関係をもう一度掘り下げたい

――『雪まろげ』のような和の独特な世界観の作品は、これまでにも明治座さんや博多座さんなどの作品にも出演されていますが、また新しいジャンルかなと思います。それは、やはり湖月さんにとって「挑戦」なんでしょうか?

挑戦ですね。今、再演に向かって演出の田村(孝裕)さんが、とても丁寧に人間関係をクリアに、ちょっとした隙間を埋めてくださるような作業をしています。今回はアンナという役ですが、高畑(敦子)さんを姉のように慕っていく役なので、高畑さんとの姉妹感が大切。共鳴し合える部分があって、絆を深めていくという人間関係をもう一度掘り下げたいです。でも、作品の中では若いエネルギーをもっている役なので、そういう意味では、そこはもっとエネルギーを使ってトライしていかなければと思います。

――歳を重ねていろいろ経験すると、人間として分かることって増えてくると思うんですが、侘びさびじゃないですが、和物は特にそういうものを丁寧に、繊細に表現する、和物にしかないものがありますよね。

そうですよね。やはり日本人的な感覚というのがあると思います。外国の作品だと文化的なことや国の背景もちがいますよね。そういう意味ではお客さまに、人情のある笑いと涙の作品なので、楽しんでいただけると思いますね。

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

■2019年、ぜひ湖月わたると共にお過ごしいただければ

――最後に、30周年記念作品2作品に向けて期待している皆さまにメッセージをお願いします。

こうして30年間、このエンターテイメント、舞台、芸能の世界に携わることが出来ていることに、まず感謝しています。こうして記念公演を作っていただけることも、それもVol.1、Vol.2と全く異なる作品に挑戦出来るって、こんな幸せなことはないと思います。Vol.2は、30年間培ってきたもの、そして私にしか出来ない世界を存分にお楽しみいただきたいです。宝塚時代のものもそうですし、退団してから『シカゴ』という作品に出会って新しいスタイルを学んだことも、もちろん大きいですし、ダンスレジェンドシリーズで、いろいろなダンスをやらせていただいて、その中で歌も取り組んできている部分もありますので、30年間の思いをこめて、“ソング&ダンス”をお届けしたいと思います。

――春夏秋冬を一緒に過ごしていく感じでね。

そうですね! 2019年、ぜひ湖月わたると共にお過ごしいただければと思います。

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

湖月わたるさん=撮影・岩村美佳

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“「花火の真下に来てくださった方に最高のものを」、湖月わたるインタビュー(下)” への 3 件のフィードバック

  1. わこ より:

    わたるさんと出会ってから24年。
    わたるさんにはいつも沢山の元気をいただいています。
    30周年記念公演は新しいことに挑まれるとのこと。
    ドキドキワクワクしています。
    初日が待ち遠しい‼

  2. MHK より:

    他ではこういう踏み込んだインタビューは見れなかったので、知らなかったわたるさんの思いを見れて嬉しかったです!また、ぜひ インタビューしてもらいたいです!

  3. エトワール★ より:

    好きな方のインタビュー中心にしか拝読できていませんが、毎回、その方々の本音や芯の部分にせまるインタビューで、とても楽しみにしてます。
    在団中から今もなおずっと変わらぬわたるさんの舞台や周りへのお気持ちや、挑戦され続けるお姿を改めて感じたインタビューでした。
    退団公演の大劇場楽の台風の心配と、東京大千秋楽の木枯らし1号は、今では良き思い出になりました(笑)
    これからも、インタビュー記事を楽しみにしております。

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