「渡辺謙さんたちが証明したように、チャンスはあると」、三浦春馬インタビュー(下)

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

『シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬』が、2020年1月16日(木)と1月17日(金)に、東京国際フォーラムホールAにて開催されます。このコンサートに出演される三浦さんのインタビュー、(下)はアイデアニュース独自のインタビューです。ご自身の歌声の特徴について、さらに今後目指す活動や、ブロードウェイへの思いを具体的に語ってくださいました。

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

――映像も舞台もいろいろと拝見していますが、一番お伺いしたいのが、三浦さんの歌声についてなんです。『キンキーブーツ』のときに聞いた三浦さんの中高音域の声が大好きで、ちょっとほかにいらっしゃらない声だなと思っていて。

そうなんですか?

――はい。ご自身の歌う声について、どんな風に思っているのかお伺いしたいです。

特徴がある声というのは、昔からいろいろな方から言われるんですが、僕的には、もちろん最近は恵まれたんだなと思いますし、惜しさを感じることもあります。

――惜しさ?

結構こもったりするんです。こもりやすい出し方なんだというのは、よく言われるんですが、そのこもりを外したときにリッチではなくなってしまうので、わりと自分のなかで足し算や引き算をしながら、やっていけたらいいなと思っているんです。こもりを全部外してしまうと、ただの聴き苦しい音になってしまうから、一生懸命やって、リッチな音が出たらいいなと思っています。

――今の声にするのに、結構過程があって、あの声に来ているということですか?

どうなんでしょうね。でも、本当に昔よりは高音が出るようになりました。

――高音が出ると、スコーンと抜ける声の方が多いかなと思うんです。

そうですね。

――今おっしゃっていた、こもり加減が独特だなと思って、すごく耳に残ります。それは意図的に、あの音にもっていかれたんですか?

単発だと結構出ちゃうんですよ。多分、ハイツェー(hi C)とかディー(hi D)まで出てしまうんですが、それをやはり、歌唱のなかで、クオリティ高く、リッチな音でやるとなると、めちゃくちゃ難しいなと思いますね。

――アーティストデビューされたときも、ミュージカルの歌声と種類は違いますが、高音域で歌われていますよね。やはり、そこをすごく大事にされているのかなと。

もう歌えって言われて歌って……(笑)。これは、ちょっと語弊があるな(笑)。

――(笑)。

「きっと春馬君だったら、歌えるでしょ? この音域でやったほうがいい」と、音楽プロデューサーのJeff Miyaharaさんがおっしゃって。

――じゃあ、ご自身ではミュージカルの楽曲においても、アーティスト活動においても、高音がひとつの武器になると思っていますか?

でも、やはり課題があって、Bフラット、A、G、Gシャープあたりは、まだ安定しないので、そこがしっかり出せるようになったら、もっと楽しいんだろうなと思います。Bとかまでいくと、出ちゃうんですよ。B、Cとか。でも、世界水準でいくと、AとBフラット、Bが肝になっていて、歌中でそこをしっかり出せるというところじゃないですか。だから、もうほかの方はすばらしいですよね。例を挙げると、ラミン(・カリムルー)さんも、やばいなと思います。僕も、高音を出せたとしても軽い音にならない、ツーンという音ではない方が、自分的にも求めている音です。僕の先生が、本当にすばらしく歌が上手くて、彼は純日本人なんですが、努力を重ねて、黒人のような音質を出せるんです。

――それは、すごいですね。

もう、おそろしいです、その人の声帯が。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、三浦春馬さんがどのようなトレーニングを重ねてハイの音が出せるようになってきたかや、ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』出演も控える中で自身にとってミュージカルがどういうポジショニングなのか、ブロードウェイの舞台に立つことが具体的な目標になっているのかどうかなどについて伺ったアイデアニュース独自インタビューの全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■声帯の体力が必要不可欠と教えていただいて、徐々に出るハイの音が増えてきました

■日本人が出てくる設定の舞台。何で日本人ができないんだろうと疑問に思って

■少し上の先輩には、家族ともども移り住んでアクティング練習をしてという方もいます

■輝いている人たちに学びを求めたいから、今回のリハーサル、本番がとても楽しみ

<シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬>
【東京公演】2020年1月16日(木)~1月17日(金) 東京国際フォーラム ホールA
公式サイト
https://www.umegei.com/cynthia/

<関連リンク>
三浦春馬アミューズオフィシャルサイト
https://artist.amuse.co.jp/artist/miura_haruma/
三浦春馬&STAFF INFO twitter
https://twitter.com/miuraharuma_jp

<ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』>
【東京公演】2020年3月11日(水)~3月29日(日) 日生劇場
(3月7日~10日の公演は新型コロナウイルスの影響で中止になっています)
【富山公演】2020年4月4日(土)~4月5日(日) オーバード・ホール
【福岡公演】2020年4月10日(金)~4月12日(日) 北九州芸術劇場
【愛知公演】2020年4月17日(金)~4月19日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
【大阪公演】2020年4月23日(木)~4月30日(木) 梅田芸術劇場 メインホール
公式サイト
http://www.whistledownthewind.jp/

シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート 関連記事:

⇒すべて見る

三浦春馬 関連記事:

⇒すべて見る

※三浦春馬さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2月14日(金)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■声帯の体力が必要不可欠と教えていただいて、徐々に出るハイの音が増えてきました

ずっと海外で育ってきたかというと、そうじゃないんですよね。もちろん短期の留学は経ているんですが。THE SOULMATICSというゴスペルの団体がありまして、そこの正規メンバーが、みんなスペシャルに上手いんですね。そのなかのエースの長谷川開という方がいるんですが、僕のひとつ上で、もう、おそろしく上手いんです。

――先ほど撮影のときに口ずさんでいた歌を、「ご存知ないと思います、ゴスペルなので」とおっしゃっていましたが、レッスンのなかで、ゴスペルを歌うんですか?

はい。たまに。

――ゴスペルを歌うと、何か違いますか?

本当に声帯の体力が必要不可欠なんだろうな、という歌い方をされるじゃないですか。そんな歌唱に必要な毎日のトレーニングを一番最初に教えていただいて、そこから徐々に出るハイの音が増えてきましたね。だって、もともとGの音は出なかったですもん。

――そうなんですね。

元々、声が高いと思われている方もいらっしゃると思いますが。

――特に最近、アーティスト活動から三浦さんの歌を知った方もいらっしゃいますもんね。

そうですね。多分、Eも満足に出なかったんじゃないかな。

――その先生との出会いで声を作っていくなかで、出るようになったということですか。

そうですね。地声では出なかったと思います。

――その声を出そうとしようとしたのは、目標があった?

すべてはキンキー(『キンキーブーツ』)でした。

――じゃあ、逆に『キンキーブーツ』との出会いがなければ…。

キンキーとの出会いがなければ、もちろんここにもいないですし、本当にCDという形にもならなかったでしょうし、ミュージカルの何だろうな…大変さも、楽しさも興奮も知らなかっただろうなと思います。

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

■日本人が出てくる設定の舞台。何で日本人ができないんだろうと疑問に思って

――子ども時代からずっとお仕事をされていて、映像で活躍され、地球ゴージャスや劇団☆新感線の舞台も経験されて、いわゆるミュージカルとは違う舞台からスタートされ、2016年に『キンキーブーツ』でミュージカルに出演されました。2015年『地獄のオルフェウス』、2019年『罪と罰』でストレートプレイにも出演されて、さまざまなジャンルを経験されていますよね。今年はミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』も控えていますが、ミュージカルやコンサートは、ご自身のなかでどういうポジショニングですか?

2013年だったと思うんですが、『キンキーブーツ』をブロードウェイで観て感動した当時に、『アリージャンス』という、レア・サロンガさんと、テリー・リヨンさんが主演をつとめていて、ジョージ・タケイさんが出演された舞台に、日本人が出てくる設定があったんですね。真珠湾戦争を経て、日系アメリカ人が収容されてしまうお話から始まるんですが、日本人の役どころは、すごく有名な中国系の方がやっていらっしゃったんですが、やはり日本語が出てくるんですよ。「邪険にした」とか「我慢だ」とか。でも、それは全然日本語じゃなかったんです。

――中国系の方が言う日本語ということですもんね。

はい。ジョージ・タケイさんも今は日本語は得意じゃないみたいですが、なぜ日本人の役を日本人ができないんだろうと純粋に疑問に思って、これを僕ができないのかなと思ったりしたんです。それには、もちろん言葉など大きな壁があるんですが、何かすごく悔しかったんです。ここには韓国人も中国人も、もっとほかにシンガポールの人もいるし、いろいろな国の人がいるのに、日本人はひとりもいないって。当時、『キンキーブーツ』のプロデューサーの川名さんが、「アジア人がブロードウェイで戦うということは、こういうことだから、しっかり見ていなさい」と言われて観に行ったんです。この話はあまり話していないんですが、何かそれも衝撃的で。そこからというもの、ブロードウェイは大好きだし、いつか時間をかけてしっかり一歩ずつ進んでいけば、(渡辺)謙さんや大沢たかおさんのように、その場に立つチャンスが周ってくるんだろうなと思っています。そのときに自分ができる実力をつけていられるだろうかと、多分、夢見ているというか、憧れているんだと思います。

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

■少し上の先輩には、家族ともども移り住んでアクティング練習をしてという方もいます

――なるほど…。

やはりミュージカルが好きなんですよね。だからこそ、純粋に歌も好きだし、歌中で芝居をするって、こんな技術が必要なことはないと思うんですよね。まぎれもなく、ブロードウェイのお芝居に特化して、そのお芝居が賞賛されることもありますが、涙を流しながら歌い上げて、芝居をしてというその技術は、機械にも絶対できないし、誰しもができることではない。そんなことに、すごく興奮するというか。だから、ブロードウェイの人たちって、すごいですよね。大泣きしながら、めちゃめちゃ上手く歌ったりするじゃないですか。

――まさにさきほど話されていた、シンシアさんが顔を上に向けながらも、しっかりパフォーマンスをすることもそうですよね。

でも、それは向こうのアクティングコーチが言うには、トレーニングをすれば、それも可能なんだと。それに慣れることだよねと。もうそういう領域なんだなと人づてに聞いて、すごいなって。でも、そういうところにワクワクしますし、そんな人になってみたいなと思うんですよね。だから、僕もそろそろ英語でのアクティングみたいなことを始めなきゃいけないんだろうなと思っています。ただただ語学をやっていて日常会話を上手くなりたいなということではなくて、自分の仕事に必要なスキルをやっていく。EXILEの(小林)直己さんとかもやっているんですよね。久々に直己さんに会ったら、最近『アースクエイクバード』というNetflixのアメリカ映画にチャレンジをされていて。「こういう学校で」とか「こういう方法でやったんだよね」ということを教えていただいて、自分も刺激になるような場所があるんだったら、経験しなくちゃなと。

――ミュージカルが好きで、ミュージカルに出演したいという方たちも、いろいろなルートで皆さん来ますよね。そのなかで、三浦さんは、三浦さんの独特の道だなと感じていて。例えば、もっと若いときから、いろいろな作品にたくさん出演するチャンスもおありだったんだろうなと思いますが、ひとつひとつの作品が大きいというか。もちろん、いろいろなご活躍があるなかで、全部のバランスを取るのは難しいと思いますが、想像していた以上にミュージカルへの愛情や世界に対する思いが強いんだなと、今、驚いているんですが。

僕は全然オタク的な、専門的な知識は、ミュージカルにも歌にもありませんが、コードが読めるかといえば、そうでもありませんし。でも、やはり表現に対しての憧れは、きっとすごくあるんですね。だから、そこを温めてあげたいと思うし、そこしか信じられない。だから、歌中でも、きっとそれは自分なりに突きつめていけるんだろうなとか、信憑性をもたせてあげることは、どういったことなんだろうなということを、ときには客観的に見ながら一生懸命探求できたらいいなと思っています。

――そうすると、この先ブロードウェイの舞台に立つことは、ご自身の具体的な目標になっていますか?

そうですね。やはり謙さんや大沢さんなど先輩たちが証明してきたように、チャンスはあるんだと。どんなに時間がかかっても、一度いいなと憧れてしまったものに対して、そっぽを向いて生き続けることは、多分具合が悪いなと思って。だから、どれだけ時間がかかるかわかりませんが、環境によるかもしれないですし、あとは自分次第だと思いますが、謙さんも若者に対して、自分の背中を踏み越えていってほしいと言ってくださるように、やはり道を開いてくださっている方でもあるから、そんな期待に各々が応えていかなければと思いますよね。僕だけではなくて、僕よりも少し上の先輩には、向こうに住み始めて、家族ともども移り住んでアクティング練習をして、という方もいます。でも、そのくらい大きな決断をして、興奮や挑戦を求めにいく方って、とても行動力があって頼もしいし、ワクワクしますよね。これから日本の俳優が、山下(智久)さんもそうですし、向こうでドラマを撮って、英語を学んで、これから俳優としてどんどん視野を広げてやっていくんだろうと。これから日本の俳優も殻に閉じこもらず、いろいろな景色を見たいという探究心をそれぞれが持ち合わせて、どんどん世界にいく人が増えていくんでしょうし、楽しみですよね。

――その一歩としては、すごくいいコンサートですよね。

そうですね(笑)。がんばります!

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

■輝いている人たちに学びを求めたいから、今回のリハーサル、本番がとても楽しみ

――ありがとうございます。合同取材のときに最後のメッセージは頂きましたが、改めて読者の方にお伝えするメッセージはありますか?

今、話していて、すごく思ったのが、メジャーリーグをみていても、大谷(翔平)選手が出てきて、二刀流だといわれるじゃないですか。でも、やはりスタープレイヤーや名を残す人は、努力をして、どのフィールドでも輝く、マルチな才能があると思うんですよね。シンシアさんの歌にしろ、歌中でのアクティングやパフォーマンスがすばらしいから、やはり芝居もできるよね、じゃあ映画の世界にということで、演じさせると、やはり輝いているよねということで賞賛されているわけです。だから、そんなマルチなプレイヤーでいたいなと思いますし、だからこそ、そんな人たちに学びを求めたいなと思うので、今回のリハーサル、そして本番をとても楽しみにしています。

――わかりました。ありがとうございます。

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

三浦春馬さん=撮影・岩村美佳

※三浦春馬さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2月14日(金)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

Follow me!

“「渡辺謙さんたちが証明したように、チャンスはあると」、三浦春馬インタビュー(下)” への 5 件のフィードバック

  1. shion より:

    シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬 行ってきました。記事でも春馬さんが熱く語れていた圧巻の歌声、素晴らしかった。そしてお二人と同じステージで歌う春馬さん、海外で舞台に立つことを見据えて着々と歩んでいらっしゃる姿に感動しました。記事、楽しく読ませていただきました。

  2. SACHI より:

    三浦春馬さんの記事が目当てで登録させていただきました!
    親子で三浦春馬さんのファンなので、母と一緒に楽しく記事を拝見しました。
    とても読みごたえがあり、登録して良かったです♪
    プレゼント企画もご用意いただきありがとうございます(^^)
    これからも楽しみにしています。

  3. sio より:

    三浦春馬さんの記事とても興味深い読み応えのある内容で有料ではありますが皆さんに読んで貰いたいと思いました
    春馬さんの海外での活動に向けての強い想いを感じました。日頃からの努力が必ず実を結ぶと信じて私も「その時」を待ちたいと思っています
    素敵な記事をありがとうございました

  4. ばかねこ より:

    他の記事ではあまり聞いたことのないお話が聞けて大変興味深かったです!ありがとうございました🙏🏻

  5. かほ より:

    ステキなインタビュー、ありがとうございます!
    春馬くんの30代が、とてもとても楽しみです。
    楽しく努力している姿がとても頼もしく、応援していて楽しいです。(ファン冥利に尽きます)
    これからも、春馬くんが願うことが1つでも多く叶いますように。
    そして可能な限り、私もその場に居合わせることができますように 笑
    これからも、背中を追っていきます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA