「『あなたのおかげよ』その言葉だけで男って…」、三浦涼介インタビュー(下)

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

世田谷パブリックシアターと演出家・森新太郎さんがタッグを組む舞台、『メアリ・スチュアート』が、1月27日(月)から2月16日(日)まで世田谷パブリックシアターで上演されます。サー・エドワード・ モーティマーを演じる、三浦涼介さんのインタビュー後半です。作品に描かれている、男と女について三浦さんご自身がどう感じているか、そして2019年を振り返って、2020年をどう過ごしていきたいか伺いました。

16世紀末のスコットランド女王メアリとイングランド女王エリザベスの歴史的な対立を、18世紀の大劇作家 フリードリヒ・シラーが人間ドラマとして描き出した『メアリ・スチュアート』。最近ではメアリとエリザベスの二人の女王だけが登場する『メアリ・スチュアート』が上演の機会も多く有名ですが、 本作は登場人物が 20数名に及ぶ群像劇です。長谷川京子さんがメアリ・スチュアートを、シルビア・グラブさんがエリザベス女王を、吉田栄作さんがレスター伯ロバート・ダドリーを、三浦さんが、シラーによって創作された青年、サー・エドワード・ モーティマーを演じます。

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

ーーメアリ・スチュアートとエリザベス女王というふたりの女をめぐる男たちの物語になっていますが、台本を読んでいて、コメディなのかと思うところがありました。

そうなんですよ。多いですよね。

ーーレスター伯のところなんて、これは笑っていいところなのかなと。

本当にそうなんですよ。シルビアさんが演じるエリザベス女王なんて、コントかなって。登場の仕方もちょっと嘘をついている感じというか、わかっているのに知らないふりをしていたり、その駆け引きもコントちっくで、お笑い要素があるんですよね。クスクスって、真面目に喧嘩しているヤツほど面白いものはないというか。なんでそんなことで喧嘩してるのって。

ーー当人たちは必死なんですよね。

本気だからこそ笑えてしまう。まっすぐだからこそ、何そんなこと言っちゃってるのって。そこまで真剣にまっすぐなことが恥ずかしいみたいな感覚ってすごくありますよね。

ーーこの戯曲のなかでも、“男と女”の描かれ方がすごく面白いなと思いますが、前回出演された『ラヴズ・レイバーズ・ロスト』も“男と女”が描かれていたり、公開中の映画『遮那王』は男だけの世界が描かれていて、最後に女だけの世界が出てきます。“男と女”の対比が描かれている作品へのご出演が続いているなと思います。

確かにそうですね。

ーーこの戯曲のなかや、それ以外も含めて、“男と女”描かれ方の違いなど、どう感じていますか?

男たちは全員メアリのことを思っていて、その思い方が人それぞれ違っているんです。純粋にただただ愛しているのか、教えている感覚で悟っている感じだけれども、その悟り方も実はその人に対してのすごい愛情だったり、怒っているようでそれも愛情とか。だた素直に「あなたのことを助けます」というまっすぐな愛情には、その怖さもあったり。男たちはメアリに対して、純粋に思っている。ただただ惚れてしまっている。その女性たちは、意外とやっぱり女のほうが男なんだなって。

ーー制作発表の際に、長谷川さんが「女のほうが男」だとおっしゃっていましたね。

その男たちを魅了してしまうって、なかなかできることじゃないですよね。だから…何て言うんでしょうか…。難しいな。

ーーご自身から見て、メアリやエリザベスのような女性たちに翻弄されていく、まっすぐ向かっていく男たちの様子は、こうなっちゃうだろうなと思いますか?

なるんじゃないですか。いや、なるでしょう。

ーーほぉ。女性ふたり強いなって思うんですけど。

蹴っ飛ばされてもいいから、踏みつけられてもいいから、みたいな(笑)。

ーー蹴っ飛ばされてもいいから!?

行くんじゃないかな(笑)。

<取材協力>
ヘアメイク:鎌田直樹
スタイリスト:伊島れいか
ジャケット¥60000、ノースリーブロングジャケット¥78000、パンツ¥39000(以上全てnude:masahiko maruyama)
info@nudemm.com
Tシャツ¥14000(DIET BUTCHER SLIM SKIN)
03-5728-4765
(金額は全て税抜き価格です)

※アイデアニュース有料会員限定部分には、男と女についての話のつづきのほか、メアリ・スチュアート役の長谷川京子さんと、エリザベス女王役のシルビア・グラブさんについて、そして2019年を振り返って、2020年をどう過ごしていきたいかなどについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■その言葉だけで、男ってウキウキして付いて行ってしまうものでしょ(笑)

■長谷川さんは、一見可愛いチャーミングだけれど毒気を、ビアさんは男前!

■この一年半が大きかった。本当に忙しくさせていただいた2019年

■今年もより一層、幅広いところで種まきして、30代のうちに花咲ければ

<舞台『メアリ・スチュアート』>
2020年1月27日(月)~2月16日(日) 世田谷パブリックシアター
公式サイト
https://setagaya-pt.jp/performances/marystuart20200102.html

<スタッフ/キャスト>
【作】フリードリヒ・シラー
【上演台本】スティーブン・スペンダー
【翻訳】安西徹雄
【演出】森新太郎

【美術】堀尾幸男
【照明】佐藤 啓
【音響】藤田赤目
【衣裳】西原梨恵
【ヘアメイク】鎌田直樹
【演出助手】平井由紀
【舞台監督】瀬﨑将孝

【出演】
長谷川京子 シルビア・グラブ 三浦涼介 吉田栄作/
山本亨 青山達三 青山伊津美 黒田大輔 星智也
池下重大 冨永竜 玲央バルトナー 鈴木崇乃 金松彩夏/
鷲尾真知子 山崎一 藤木孝

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三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■その言葉だけで、男ってウキウキして付いて行ってしまうものでしょ(笑)

ーーもはや騙されてもいいくらいな感じなのかしら(笑)。

だって、そうじゃなきゃ何も広がらないから。この女たちに、何とかして振り向いてもらうのか、愛されたいのか、そこで男というのは立つわけじゃないですか。女性に欲してもらうというか、女性に声をかけてもらう、「あなた素敵ね」「あなたのおかげよ」とか、その言葉だけでも、男って多分ウキウキして付いて行ってしまうものでしょ(笑)。

ーー同意を求められても(笑)。三浦さんはそこに共感性があるんですね。

そうそう。だから、そうなっちゃうんじゃないですか。

ーー森さんも「男ならわかると思う」とおっしゃっていましたが、この男たちの行動はわかるものなのかなと。

わかるでしょうね(笑)。そうなるでしょう。基本はみんな一緒なんですよね。ただアプローチの仕方が違うんだと思います。

■長谷川さんは、一見可愛いチャーミングだけれど毒気を、ビアさんは男前!

ーーなるほど。そのメアリとエリザベスを、長谷川さんとシルビアさんが演じられますが、三浦さんからみていかがですか?

長谷川さんは、一見可愛くてチャーミングだけれど、実はめちゃくちゃ毒…

(現場一同吹き出す)

いやいや! 毒を持っていそうっていう意味ですよ! (笑)。僕は何も知らないですし、わからないですけれど、ご結婚されて、お子さんが生まれて、いろんなご経験をされて、今の長谷川さんがいらっしゃるんだと思いますが、その毒気みたいなもの感じないですか?

ーー感じます。長谷川さんが演じられるメアリは、いい意味でヤバいだろうなと思います。

だからこそメアリを演じられるんだと思うんです。ビアさんは、もう男前! ただただ男前です! 制作発表で初めてドレッシーなビアさんを拝見したから、びっくりしてしまって!

ーー『ロミオ&ジュリエット』で共演されたときは、乳母役でしたもんね。新鮮でしたか?

すごいスタイルですよね! 腰がキュっとなっていて、お尻…

(現場一同笑)

ーー曲線美が素晴らしい?

はい! あんなに高いヒールを履いて、颯爽と歩いていて! (笑)。

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

■この一年半が大きかった。本当に忙しくさせていただいた2019年

ーー『メアリ・スチュアート』が2020年の最初の出演作品になりますが、久しぶりのストレートプレイで、出演したいとおっしゃっていた世田谷パブリックシアターの作品になります。ミュージカルにたくさん取り組まれた2019年を振り返ると、今残っていることは何ですか?

忙しかったなと思います。

ーー『ロミオ&ジュリエット』『エリザベート』『ラヴズ・レイバーズ・ロスト』3本のミュージカルと、映画『遮那王~お江戸のキャンディー3』ですもんね。

これまで、舞台作品を年間2本までしかほとんどやっていないんです。こんなにコンスタントに舞台作品に出させていただけることが、まずありがたいことだなと思います。でも、よくやれたなと、自分でびっくりしています。

ーーミュージカルをメインに活動されている方は、年に3~4本されたりしますよね。

すごいなと思います。小池(修一郎)先生の作品が続いたからできたことも多いと思います。これが、はじめての演出家の方と作る作品が続くと、キツかったかもしれないですが、この一年半が大きかったと思います。そこで僕を観ていただいたり、知ってくださった方達もいてくださったりします。それを自信に変えて、次へと思えるところが多かったので、本当に忙しくさせていただいた2019年だったなと思います。『エリザベート』は今年も引き続きやらせていただきますが、2020年という部分や、『エリザベート』が20周年を迎えることなどすごく節目でもあります。昨年春に初めてタロット占いをしていただいたんです。そんなに占いを信じていないんですけれど。以前、福岡でずっと立っている占い師のおばあちゃんがいて、寒そうだから「やります」って2000円ぐらい出して占ってもらったら、「うーん、体に気をつけなさい」ってひと言。だからもう信じたくなかったんです(笑)。でも、実際に体を壊してるんですよ。

■今年もより一層、幅広いところで種まきして、30代のうちに花咲ければ

ーーまんざらハズレてもいなかったんですね。

そうなんです。そのタロット占いでは、2月が僕の転機になるという話を聞いたんです。だからどうということではないんですが、時期的にはこの『メアリ・スチュアート』を終えたときぐらいなんですよね。僕が今、森さんから指導していただくなかで、注文していただくことがすごく大きな課題になると思うことがたくさんあります。それを超えたときがちょうど転機といわれた時期。それを経て、2度目の『エリザベート』に違うアプローチの仕方だったり、違う三浦涼介という部分がきっと出していける、何か新しいことが見つかるんじゃないかなと。そういう意味でも、自分も期待しています。まだまだ種まきをしていかなければいけないと思っているので、昨年も一生懸命種を蒔いたつもりですが、今年もより一層、幅広いところで種まきして、またいつか30代のうちに花咲ければいいなと思います。

ーー“さらに大きな花”をですね。ミュージカルで、三浦さんを知ったお客様に、『メアリ・スチュアート』をご覧になっていただきたいですよね。

ぜひご覧いただきたいです。そういった場でも信頼をいただいて、ミュージカルのなかでもお芝居ができると言っていただけるように、一歩一歩成長していければと思います。頑張ります。

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

三浦涼介さん=撮影・岩村美佳

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“「『あなたのおかげよ』その言葉だけで男って…」、三浦涼介インタビュー(下)” への 18 件のフィードバック

  1. 昨日の水たまり より:

    メアリ・スチュアートを観劇して、モーティマーは三浦さんがやったからこその説得力があったと思いました。
    幅広いところで種まきして、という言葉にとても期待しています。三浦さんの演技はミュージカルでもストプレでも映画でもテレビでも、それぞれ本当に大好きなので、いろいろなところでのご活躍を見て行きたいです。

    お写真も内容も素敵なインタビュー、これからも楽しみにしています。

  2. パンダうさぎ より:

    三浦涼介さんの舞台は、1789から拝見させて頂いていますが、今回はまた新たなる発見のような、1歩成長された三浦涼介さんの舞台だと感じました。ミュージカル作品とは違い、戯曲という新しいジャンルにチャレンジされ、作品によって、こんなに三浦涼介さんのカラーが違ってくるのだと思いました。次回はエリザベートです。今年も三浦涼介さんから目が離せないと思いました。

  3. ルル より:

    遅くなりましたがメアリスチュアート拝見しました。華麗なミュージカルでの姿も大好きでしたが今回初めてストプレを拝見し、確かな演技力に惚れ惚れしました。今でも十分に私にとって三浦さんは大輪の花に見えますが、一層のご活躍を期待しています。

  4. まかろん より:

    メアリ・スチュアート観ました!記事の写真の三浦さんも素敵ですが舞台のモーティマーもとても素敵でとても長いセリフも大変そうでしたが切ない表情也苦悩の表現などの演技も素晴らしく見入ってしまいました。
    ミュージカルだけでなく、ストプレもぜひいろいろな役にチャレンジしていただきたいです。
    これからも楽しみにしていますので頑張ってくださいね。
    掲載の写真が素敵で好きすぎて何度も眺めています~。
    是非欲しいです!家宝にしたいです!!

  5. りい より:

    作品のストーリー、出演者の印象、今後への意気込みなど、とても幅広くインタビューがされていて、とても良かったです。特に、今後への意気込みはファンとして知りたかった部分なので、ミュージカル、ストプレといった枠を越えて自由に伸び伸びと成長していきたい…そんな三浦さんの思いが知られてうれしかったです。お写真もリラックスした表情が素敵でした。場所は世田谷パプリックシアターの劇場内でしょうか?そういった遊び心にもわくわくしました。観劇が一層楽しみになる記事、ありがとうございました!

  6. 小豆瓜 より:

    仮面ライダーの頃から三浦さんを拝見しておりますが、紆余曲折ありつつも素敵な役者さんになっていらっしゃると思います。
    昨年エリザベートでルドルフ皇太子を演じられた時はルドルフとしてはもうひとつという印象がありましたが、サー・エドワード・モーティマー役は素晴らしかったです。次期のエリザベートではシングルキャスト。演出家が不在がちかという想像はつきますが、負けずに全うして欲しいです。おうえんしております。

  7. 63 より:

    メアリスチュアートは観に行くことができないため役に向かう姿を感じることができるインタビューでとても嬉しくおもいます。
    悲しみもパワーに変えていける、自分の考えや行動を改めていけるところは見習いたいですね。
    今回も素敵なインタビュー、写真ありがとうございます!

  8. ちゅん より:

    私はまだミュージカルでしか三浦さんを拝見していないので(ぁ、遮那王も行きましたが)、ストレートプレイに対する意気込みをすごく新鮮かつ嬉しく伺いました。
    世田谷パブリックシアターでお会いできるのが一層楽しみになるインタビュー、ありがとうございます!

  9. 花たんご より:

    福岡県民なので、占い師の話で爆笑しました。
    博多でのエリザベートも楽しみです。

    三浦さんをミュージカルでこれからも
    観れるのが嬉しいです。輝き続けて頂きたいです。

  10. もふもふ より:

    岩村さんとのインタビュー記事、とても内容が面白く、優しさに満ちていて、大好きです。
    会員登録せずにはおれない内容と読みやすさに、三浦さんの考えや気持ちが真っ直ぐに伝わってきて、とても素敵な記事でした。
    舞台がより一層楽しみになりました。

  11. butterfly* より:

    これまで地道に頑張ってきている三浦さんを見ているファンにとっても転機の掲示は有難いですね。2月16日は三浦さんのお誕生日でもありますから幸運ならぬ涼運が降り注ぐよう後押しできるよう劇場に足を運びたいと思います。

  12. てらこ より:

    来週の月曜からメアリースチュアート始まるのですね。
    モーティマーに会えるのが楽しみすぎます。
    これからも三浦涼介さんの記事を期待しています。

  13. みきてぃ より:

    涼介さんのお茶目なコメントにこちらも笑ってしまいました(^^)

  14. とら より:

    ランチに出た先で拝読しておりましたが思わず笑ってしまいました。楽しい後編、ありがとうございます!

  15. meg より:

    三浦さんの「実はめちゃくちゃ毒…」発言に笑いました(笑)!!
    今の舞台に対する意気込みや未来への期待、文字から気持ちがキラキラ見えて、こちらも期待しかありません。膨大な量のセリフも息遣いや間など…きっと沢山お稽古して工夫されてるのかなーと。お写真は美しいですし……とても読み応えがありました、ありがとうございます!!!

  16. ルチア より:

    ミュージカルでしか三浦さんを拝見した事がないので、メアリ・スチュアートで長い台詞を操るであろうモーティマー三浦さんに翻弄される舞台を楽しみにしています。
    口下手と仰っている三浦さんからとても上手にお話を引き出してくださる
    岩村さんのインタビューが読めるからずっと会員を続けています。
    これからも益々のご活躍期待しています。

  17. しゅうや より:

    早く早く舞台を観に行きたいです‼️そう感じるインタビューをありがとうございました✨
    二人の女王へのイメージがおんなじに感じれたのでますます楽しみです❤️

  18. まちゃみ より:

    この舞台メアリ・スチュアートの出会いが三浦さんにとってどんな転機になっていくのか、今回の舞台を経た上での次回エリザベートで演じるルドルフ役にどのような変化を与えてくれるのか、これからの三浦さんの益々のご活躍が楽しみでなりません。

    また岩村さんが撮る三浦さんの表情がすべて柔らかでとても素敵なお写真ばかりで眼福です。

    また次回、お二人のタッグの素敵インタビューを見せて頂けると期待しております。

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