2020年10月19日(月)に明治座で開幕する『恋、燃ゆる。~秋元松代作「おさんの恋」より~』に出演する東啓介さんのインタビュー、後半です。近松門左衛門の浄瑠璃『大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)』をもとに、劇作家、秋元松代さんが書いたテレビドラマシナリオ『おさんの恋』の舞台化。東さんは、大店の主人永心の異母弟、政之助を演じます。インタビュー後半では、東さんが「30歳までに帝国劇場に出たい」という夢を掴んだ後の想いや、自粛期間からこれまでの気持ちの変化などについても伺いました。
――前回のインタビューは、30歳までに帝国劇場に出たいという夢を『ダンス オブ ヴァンパイア』で掴んだタイミングでの取材でしたので、「東啓介ミュージカル物語」という感じでしたが、今回は作品が全く違いますので、どんな思いがあるのか伺ってみたいです。
新しい世界に入っていくと、気付くことがありますよね。
――どんな気付きですか?
今の僕が願ってもできないことというのは確かにあって、それは今求められている人しか出来ないことだったり、僕に足りないものがあったり。あとは僕の歌声の丸みというか、声質が上の年齢の役に好まれるということにも気づきました。
――そうですね。30代でも回ってくる役かもしれませんね。
そう考えると、30代でご活躍の方々がたくさんいらっしゃるので(笑)。
――確かに(笑)。
そういうなかで、出させてもらうのは到底難しい、その方々の上を行かなければ選んでもらえないんだということも理解しました。帝劇に立つまでは、ボイトレ(ボイストレーニング)やミュージカルにおいての所作などを学んできましたが、これからはより一層お芝居や、今いらっしゃる30代の方ができないことをやらなければ、選ばれないんだなということに気付きました。そういうこともあって、ストレートプレイや映像作品にも挑戦することで、もっと成長できるんじゃないかと思っています。
――今までもミュージカルでは先輩とWキャストが多いですよね。
はい!(笑)。だいたい30代の方とです。
――同世代や年下の人とのWキャストはないですよね。
本当にないですね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、自粛期間からこれまでの気持ちの変化やこの作品にかける思いなどインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■(『中村雅俊アニバーサリー公演』出演は)、こんなに楽しく稽古場を盛り上げるんだと
■ふっとひとりになった時に、自粛の時などを思い出すと「まだ癒えてないんだな」と
■(身近に頼れる人は?)養成所から一緒の男性がいます。声をかけたら来てくれる
■『恋、燃ゆる。』、安心して劇場にいらしてください
<「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より」>
【東京公演】2020 年10月19日(月)~11月15 日(日) 明治座
公式サイト
https://www.meijiza.co.jp/info/2020/10_02/
<関連リンク>
東啓介|ワタナベエンターテインメント
https://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000062/
東啓介Twitter
https://twitter.com/keisuke_higashi
東啓介オフィシャルinstagram
https://www.instagram.com/keisuke_higashi_official/
東啓介 1st Musical Concert『A NEW ME』 2020年11月28日(土)
https://www.wowow.co.jp/eventinfo/detail/event-1115.html
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■(『中村雅俊アニバーサリー公演』出演は)、こんなに楽しく稽古場を盛り上げるんだと
――前回の明治座さんで、中村雅俊さんの『中村雅俊アニバーサリー公演』に出演された時は、何か知らなかったものは見えましたか?
その時は「こんなに楽しく稽古場を盛り上げてくださる方がいるんだ」と思いました。雅俊さんがそういう方なんです。
――ピリピリしているのではなく?
まったくそうではなくて。田山(涼成)さんも、自分で自虐をしながら場を和ませて、いい雰囲気にしてくださるというのが、「やっぱりベテランの方たちは素晴らしいな、周囲にこんなに気遣ってくださるんだな」と、すごく感じました。僕もその中ですごくのびのびとやらせていただきました。
――あの時は一番年下でした?
はい。年上の方と交流する楽しさをすごく感じましたね。あの経験がなかったら、今こうして、西村さんとお話もできてないと思います。
――同じ座組のキャストとはいえ、すごく年上の人たちとしっかりコミュニケーションをとるというのはなかなか難しいですよね。
そうですね。
――それが入っていける環境ということですよね。
入ってきていいよ、としてくれているんです。
――東さん、すっと懐に飛び込みそう(笑)。
いやいやいや(笑)。昨年の公演以降、雅俊さんから「あのメンバーでご飯しよう」と言ってくださったりして、本当にありがたいです。
――今回も、大先輩方とはいえコミュニケーションを取っていきたいですか?
そうですね、そういう仲になれたらいいなと。ご飯とかに行ける環境ではないですが、このステージ数のなかで、コミュニケーションをとれたらいいなと思います。
■ふっとひとりになった時に、自粛の時などを思い出すと「まだ癒えてないんだな」と
――コロナの影響で『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』は休演があり、自粛期間があり、『ジャージー・ボーイズ』は一旦中止になって、コンサートバージョンが上演できることになりました。他にも、コロナ禍で生まれた配信作品などにも出演されていました。いろんな思いもおありだと思いますが、この半年で、今また舞台ができるという環境において、気持ちの変化はいかがでしょうか。
舞台が始まってありがたいですが、正直、心というものはあまり回復しないもので、何か心に穴が空いたものというのは、ちょっと残っていますね。『ジャージー・ボーイズ』もすごく楽しかったですし、やりがいがあって、やってよかったとめちゃくちゃ思いましたが、ふっとひとりになる時に、自粛の時のことなどを思い出すと「ああ、まだ癒えてないんだな」というのはすごく感じます。もちろん、仕事をちゃんとしようというのはわかっていますし、みんなといれば全然大丈夫なんですけどね。
――そうですよね。わざとスイッチを入れているわけではなくて、みんなといるその時間は本当に楽しいんですよね。
そうなんです。終わった瞬間に「あれ?」ってなるんですよ。
――そういう時はどうしていますか?
何も考えないようにしています。深掘りしすぎると眠れなくなるくらいにハマってしまうんです。何してるんだろう、この時間は何だろうと、考えてしまうので、ハッピーなドラマを見るとか、ギターを触るとか、そういうことで意識的に何も考えないようにしていますね。
■(身近に頼れる人は?)養成所から一緒の男性がいます。声をかけたら来てくれる
――加藤(和樹)さんが笑うことが大事だと言っていましたね。くだらなくても何でも、とにかく笑うことって。
本当にそうですね。昨日の夜も、「ガキ使(ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!)」の去年のダイジェストみたいなものを3、4回見ました(笑)。同じ内容を3、4回見るという(笑)。
――でも、見ようと思うくらい面白いんですものね(笑)。
面白いです。もうすぐDVD発売するんだ、とか(笑)。霜降り明星さんの動画を見続けるとか。
――私は猫が大好きで、とにかく気持ちが落ちても、猫を触りさえすれば、なんとか持ち直すんですが、何かそういうものはありますか?
今は楽器ですかね。ギターやピアノをひたすら弾いて、歌って、「はぁ、疲れた」と思えば、ぱたっと。
――寝る?
はい(笑)。
――みんな、何かひとつ、そういうものがあればいいですね。
そうですね。頼れる人が身近にいれば、それだけでいいんですけどね。
――そういう人はいらっしゃいますか?
います。養成所から一緒の、今は役者をやってる男性なんですが、声をかけたら来てくれるんですよ。
――そういう存在は大事ですね。
はい、大事です。
■『恋、燃ゆる。』、安心して劇場にいらしてください
――最後にメッセージをいただければと思います。この作品にかける思いもあると思いますし、今、いろんな思いで毎日を過ごしている皆さんに向けて、伝えたいことがありましたらお願いします。
まず、この『恋、燃ゆる。』に来てくださる皆さまへ。いろんな思いを抱えて劇場に来てくださると思いますが、その思いを晴れさせる作品になっていると思います。元々素晴らしい作品でありますし、素晴らしい方々が演じますので、舞台版『恋、燃ゆる。』も素敵な、今の不安な思いも消え去るものになっていると思いますので、安心して劇場にぜひ遊びにいらしてください。
そして、僕を知ってくださっていない方も、僕を知ってくださっている方も、今大変な思いをしている方は、みなさん誰かに会ってください! 人に会うというのはいいことだなと僕は思っていますので、ひとりで抱えずに、誰かと連絡を取ってみるでもいいですし、今はネットが普及していますから、会おうと思えば会える世の中ですので、リモートで会話するだけでもいいと思います。手を取りあって、頑張りましょう。
――ありがとうございました。
※東啓介さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは11月17日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
とんちゃんの、今までとはまた違った作品への出演に、いったいどういう演技を見せてくれるのだろうかととても楽しみにしていました。このインタビューで、この作品に向けてどんな風に過ごしていたのか等、聞きたいことを聞いてくださっていて、見に行くのがより楽しみになりました。