「受賞、中途半端じゃなかったと救われたような」、小池徹平インタビュー(下)

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さんのインタビュー後半です。有料部分ではミュージカルへの思いや、今年4月に第42回菊田一夫演劇賞を受賞した思いなどを伺いました。

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

――(夜神月役の)浦井(健治)さん、柿澤(勇人)さん、それぞれ特にこのシーンが面白いとか、この過程が面白いというのはありますか?

2人とも、死にゆく様が好きですね。後の余韻が全く違うんですよ。

――(小池さんが演じる)Lが死んだ後のラストシーンですね。

そうです。僕は死んでいる芝居をしていますが、もちろん生きているから耳には入ってくる訳です。月の命がふっと、ただの塊になっちゃうあの余韻。生きていたものが塊になる……。劇場に残る、あの余韻がたまらなく、2人とも共通して好きですね。音と空気感が全然違うんですよ。あれは本当に面白い所だなと思いますよね。

――そのラストの面白さに繋がっていく物語の過程がより興味深くなります。お2人と向き合う時、始まる時とかもしくは舞台上で初めて会う時などはいかがですか?

同じ空間ではないですが同じステージにいる、同時進行で舞台がものすごく動き回るシーンで初めて一緒になるので、何か変な感じですね。歌も別空間で歌っているけれど、対決しているというか。

――それはある意味、死にゆくシーンと同じ「感じる」部分ですね。

そう、感じるんです。面白い演出なんですよね。「秘密と嘘」のナンバーですが、歌もとても格好良くて、見応えのある場面だと思います。離れていても嫌でも熱量は感じますからね。あのナンバーからいよいよ戦いが始まっていくぞ、という感じがすごくしますね。

――目を合わせてみては、どうですか?

目を合わすのは探りあいという感じなので、お互いに出しちゃいけないというか。僕はもろに「あなたキラでしょ?」というスタンスですが、「何言ってんだよ」「いやいや、キラですよね」という感じのシーンなので、2人ともおちょくるのが楽しいですよ(笑)。

――やはり、その辺りからその日の生ものならではの、毎回の違いを感じる所がありそうですね。

そうですね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ミュージカルへの思いや、今年4月に第42回菊田一夫演劇賞を受賞した思いなどを伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■ミュージカルは、思いだけでは出来ないシビアな世界なのが面白い

■プレッシャーというか、常に戦っている感じが合っていると

■菊田一夫演劇賞、遠回りだと思っていたことが近道だったような

■『デスノート THE MUSICAL』は、日本人が誇りを持てる作品

<デスノート THE MUSICAL>
【富山公演】2017年6月24日(土)~25日(日) オーバード・ホール(公演終了)
【台湾公演】2017年7月21日(金)~23日(日) 臺中國家歌劇院 大劇院(公演終了)
【大阪公演】2017年8月19日(土)~8月21日(月) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年9月2日(土)~9月24日(日) 新国立劇場 中劇場

<関連サイト>
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/641/
ホリプロ http://hpot.jp/stage/death-note

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小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■ミュージカルは、思いだけでは出来ないシビアな世界なのが面白い

――前回の『デスノート THE MUSICAL』以後、『1789』、『キンキブーツ』、『キャバレー』、再演『デスノート THE MUSICAL』とミュージカル作品がたくさん続いています。この後も出演作品が発表になっていますが、ミュージカルについてどう思われていますか?

大変ですが、楽しいことしかないんです。ただやりたい思いだけでは出来ないシビアな世界であることが、とても面白いですね。自分と向き合える仕事だなと思っていて、性格に合っているなと思います。

――そうなんですか?

単純に芝居も歌も好きですし、作品をやる度に自分に必要なものや、やりたいことという課題が見つかって、どの作品もとても楽しいです。さらに踊ったりもするので、何て大変な舞台なんだろうと思います。本当にすごい人しかいないですし、映像とはまた違う魅力が広がっていますよね。当たり前のように外国人を演じたりしなければいけなかったりもしますし。

――むしろ日本人をやる方が珍しいですよね。

フランス人、イギリス人、アメリカ人をやりました(笑)。世界中の人をやって楽しいですね。

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

■プレッシャーというか、常に戦っている感じが合っていると

――舞台ならではですね。「自分の性格に合っている」というのは、具体的にどういう所でしょうか?

突き詰めたくなる部分は集中しないと出来ませんし、調子が悪い日もいかにベストを尽くすか。プレッシャーというか、常に戦っている感じが合っていると思います。

――そういうヒリヒリしている環境に身を置きたいということでしょうか。

そうなんです。

――なるほど。常に後ろは崖みたいな感じがいいんですね。

何かこう……油断出来ない感じが好きですね。

――毎日新しいものが始まる舞台が繰り返されていくことがむしろいい?

毎日ベストパフォーマンスをするためにどうするか……「やってやる!」という感じです(笑)。

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

■菊田一夫演劇賞、遠回りだと思っていたことが近道だったような

――作品を重ねて、その思いは強まっていますか?

はい。歌が大変な作品もたくさんありますし、結構プレッシャーもあるんですよ。

――今年は、菊田一夫演劇賞も受賞されましたね。

ありがたいです。今まで賞に対してあまり欲がなかった分、実際にそのような賞を頂いた時に、嬉しいに決まっているなと思いました。そういう何か頑張ってきたことに対して評価して頂けた、見て頂けたというのは、とても励みになりますし、より引き締まる思いで、出会った作品とカンパニーに対して、感謝の思いがさらに増しました。

僕はずっとテレビ畑でしたから、ストレートプレイは1回しかやっていなくて、あとは全部ミュージカルなんです。WaTというユニットを組んでいたので、音楽をやりながら、ドラマや映画の映像の仕事をやっていて、昨年解散しました。途中、WaTとしての活動をしていなかった時期がすごく長かったので、「何か中途半端だな、やっぱり難しいな」と思っていたんです。それでも歌をずっとやったり、芝居をずっとやり続けていたことが、すごく実を結んでくれたというか。すごく遠回りだなと思っていたことが近道だったような、中途半端だと思っていたことがそうじゃなかったんだと証明してくれたようで、ちょっと救われたような思いがした賞でした。だから、本当に感謝する場だったと思っています。

今回の『デスノート THE MUSICAL』は、賞を獲ってから1つ目の作品なので、より賞に恥じない役者としてのパフォーマンスをして、その舞台でLとしてどう生きられるか、前回とは違うものをという意識だけでやっています。

――ウエンツ(瑛士)さんもミュージカルをやっていますね。

彼も器用で歌えますからね。

――それぞれに活躍していらっしゃっていいですね。

そうですね。ありがとうございます。

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

■『デスノート THE MUSICAL』は、日本人が誇りを持てる作品

――『デスノート THE MUSICAL』を楽しみにしているお客様にメッセージをお願いします。

僕の願いとしては、やはりダブルキャスト2通り観て欲しいなと思います。ただ、ミュージカルはどうしてもチケット代が高いので、1回観るだけでもちょっとした贅沢だと思います。でも、満足して頂けるようなパフォーマンス、作品になっていると思いますので、余裕がある方はもちろん2パターン観て欲しいですし、最低1回は見てください。浦ライトでも柿ライトでも好みの方でいいと思いますから。

『DEATH NOTE』が、原作とはまた別の形で成り立つショーになっている『デスノート THE MUSICAL』は、韓国にも行っていますし、海外でも愛される作品にもなっているクオリティの高いミュージカルだと思います。しかも、日本から世界に発信していける作品は数少ないので、日本人の僕たちが誇りを持てるミュージカルです。せっかくの再演なので、この機会に、ぜひ観に来て欲しいなと思います。

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

小池徹平さん=撮影・岩村美佳

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“「受賞、中途半端じゃなかったと救われたような」、小池徹平インタビュー(下)” への 3 件のフィードバック

  1. MF より:

    浦井くん、柿澤くん、そして小池くんと連続して素敵なインタビュー記事ありがとうございます。
    私は小池くんのファンなのですが、デスノート the Musical自体すごく好きな作品で、再演が決まってから心待ちにしていました。
    この二年、それぞれが経験したことそれを糧にまた新たな世界、それぞれの月、Lを見せてくれると楽しみにしていましたが、富山公演で鳥肌が立つほどその新しさ、けれど根底にあるかわらない箇所をこれでもかと見せて貰い、このあとの東京公演がまた更に楽しみになっています。
    富山で感じた進化、変化が、今回のインタビューを読ませていただいて答えあわせができたと嬉しくなりました。
    ありがとうございます。

  2. memi より:

    小池徹平くんのインタビュー上・下と読ませて頂きました。
    菊田一夫演劇賞受賞おめでとうございます。
    受賞された「キンキーブーツ」も観劇しました。とてもはまり役でした。
    「デスノート THE MUSICAL」再演も富山、台湾公演と観させてもらいました。Lらしさにより、凄みが増しているように感じられました。大阪、東京公演も楽しみです。

  3. かおな☆ より:

    徹平くんが菊田一夫演劇賞受賞された時ほんとに嬉しかったです。真のミュージカル俳優として確立して、それでいてストイックで常に”高い壁があればあるほど燃える”という姿勢は当時も今も変わらなくてそのらしさが徹平くんであってずっと惹かれてる部分で。大変なことがあっても楽しむことも忘れない姿勢も。

    WaT解散という大きな決断をして、徹平くんもウエンツくんもそれぞれミュージカルの世界で私もそれぞれに観劇しますけど二人お互いの観劇もかかさなくてこうしてカタチは変わっても変わらない部分もあったり、なにより大好きな歌声を今も変わらず届けてくれる二人に当時も今も変わらず感謝の想いでいっぱいです

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