浦井健治さんのインタビュー後半です。有料部分では、この一年での変化などについても伺いました。
――特に夜神月と深く関わる役が新キャストですが、新死神リューク役の石井一孝さん、新父親役(夜神総一郎)の別所哲也さん、新妹役(夜神粧裕)の髙橋果鈴さんはいかがですか?
栗山さんから僕への最初のダメ出しで、カズ(石井一孝)さんと仲が良すぎると言われたんです。登場からふたりの仲が良すぎる、友達に見えると(笑)。
――(笑)。
そう見えるくらい、これまで色々と一緒にやらせて頂いたんですよね。カズさんは大先輩ですが、すごく信頼関係が築けているので安心すると言ってくださるくらい、僕も親しくさせていただいています。カズさんは原作のリュークに顔がそっくりなんですよ。稽古場でもメイクをし続けていたんです。
――あのメイク結構驚きました。出てくる写真が全部メイクされていたので。
栗山さんがダメ出しをしているときに、カズさんがいなくて、「あ! メイク中です!」って(笑)。
――ご自身で率先してメイクされていたんですか?
そうなんです。それがみんなに熱として伝わっていましたね。でも、本当にタイトなスケジュールだったので、そうすることで気持ちを上げていかれたんだろうと思います。初演組の我々の存在というのが、カズさんにとって強かったのかもしれません。自分はそこに絶対に食らいつくんだと、役を演じる時間という経験値を、メイクすることでも作られていたのかもしれないと。あくまで僕の憶測ですが。
――なるほど。
別所さんも、初演で演じた鹿賀(丈史)さんの絶対的な支配力とオーラに対して、少なからずプレッシャーはあったのかもしれません。でも、こう思う、こう疑問を感じるというのを、栗山さんとちゃんと対決していた稽古が印象的でした。僕も残って、一緒にやろうと思いましたし、そういうところからも信頼感がどんどん生まれて、父親がより身近になりました。お芝居では、どこかで息子がキラだと気づいている父親像なので、最初の曲「デスノート」でも、父親に対しての自分の正義をリンクさせようと歌っています。目指しているところは実は一緒で、平和な世界なんだという歌にしようと、今回別所さんを見て改めて思いました。別所さんへのリスペクトがそうさせているんだと思います。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、舞台作品は『ヘンリー四世』『ビッグ・フィッシュ』『王家の紋章』、映像作品や他のお仕事も色々あったこの一年を思い出して頂いて、意識の変化などについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■「初演をなぞらない」「富山をなぞらない」「台湾をなぞらない」
■大きかった『ヘンリー四世』『王家の紋章』『ビッグ・フィッシュ』
■山口祐一郎さんからの言葉と、僕にかけてくれた愛情が、自分を変えた
■現代を映す演劇の役割を見いだして頂ける『デスノート THE MUSICAL』に
<デスノート THE MUSICAL>
【富山公演】2017年6月24日(土)~25日(日) オーバード・ホール(公演終了)
【台湾公演】2017年7月21日(金)~23日(日) 臺中國家歌劇院 大劇院(公演終了)
【大阪公演】2017年8月19日(土)~8月21日(月) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年9月2日(土)~9月24日(日) 新国立劇場 中劇場
<関連サイト>
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/641/
ホリプロ http://hpot.jp/stage/death-note
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※浦井健治さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは8月24日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■「初演をなぞらない」「富山をなぞらない」「台湾をなぞらない」
(高橋)果鈴は、天真爛漫で明るくピュアで、歌声もまっすぐな魅力があって、粧裕にぴったりです。栗山さんから、月と粧裕とのシーンを、「この汚れきった人達の中で、唯一、真っ白で綺麗なシーンにしてくれ」と何度も言われています。それは家族の愛、理想的な愛の象徴なんだと思っています。死神レムの愛も描かれていますが、それとは違う人間的な愛を体現させたかったんだなと。その体現にぴったりな女優さんですね。もちろん今までも色んな経験をして、責任も負って来ただろうと思いますが、とても真っすぐな子だと思います。
――これまでも浦井さんが演じる狂気を持った役は、特に印象が残っています。
夜神月はすごくトリッキーだし、サイケデリックな狂気が多い気がしますね。
――今回のインタビューに向けて初演の映像を見ましたが、色々と思い出しました。
初演とみんな違いますよ! 実は再演の方が、ヒリヒリする感覚があるかもしれません。
――ヒリヒリする感覚というのは?
富山公演は初日に、色んなアクシデントもあったので、それぞれの絆がより強くなければと集中していたこともありますが、その場で起こることに対して信じながら、ひとりひとりが発することが出来たんですよね。そういう意味で初演よりも、その場で起こっていることへの強い意識が、自分の中ではリアリズムとして迫ってくるものがあるんじゃないかと思いました。
――リアリズムがヒリヒリした感覚を生んでいるんですね。
カッキーと僕が意識しているのは「なぞらない」ということです。「初演をなぞらない」からはじまり、「富山をなぞらない」「台湾をなぞらない」と。大阪、東京の舞台もお客様の心には残ってほしいですが、なぞらないことで、毎回違う夜神月が生まれるような予感がしています。一回一回その場でデスノートを拾って、何を思ってLと対峙して落ちて行ったかを、表現していきたいと思っています。
■大きかった『ヘンリー四世』『王家の紋章』『ビッグ・フィッシュ』
――取材させて頂くのは約一年ぶりですが、これまでと少しお話の印象が変わったというか、いい意味で余裕というか、ゆとりのようなものを感じます。
そういう変化を感じて頂けるのは面白いですね。ありがとうございます。
――その間、舞台作品は『ヘンリー四世』『ビッグ・フィッシュ』『王家の紋章』、さらに映像作品や他のお仕事も色々ありましたが、思い出して頂くとどんな一年間でしたか? 意識の変化などありましたか?
全てが濃いのですが、自分のなかで特に大きいのは『ヘンリー四世』と『王家の紋章』ですね。さらに、『ビッグ・フィッシュ』という作品も、川平慈英さんの素晴らしさとともに、こういうミュージカルこそが残っていくべき作品だと思うので、その出会いも大きかったです。
――『ヘンリー四世』と『王家の紋章』が特に大きいというのは、どんな思いがあったのでしょうか。
色んな悔しい思いや体の限界に直面して、人の温かさや支えてもらっているという意識を改めて強く感じ、実際にそれがなければ出来なかったんです。無理をしたことで、迷惑がかかってしまう、無理をした自分を引きずっていてもそこで生まれるものは何もないんだということに気づきました。これは、カッキーも怪我の経験をして、きっとそこで感じたことなんだと思いますけど、稽古場でよく話していたのは、「ありのままの自分以外は何も出せない」ということ。同じ状況ではないですが、同じようなことを同時期に考えていました。それが変化として出ているのかもしれません。
■山口祐一郎さんからの言葉と、僕にかけてくれた愛情が、自分を変えた
――以前は、これを届けたいという思いや言葉が印象に残っていますが、少し柔らかさのようなものを感じます。
より読者の方にわかりやすい文章になっていればいいですけど。結局はすべてそういうことなんだと、『ヘンリー四世』のときに感じました。
――『ヘンリー四世』は、来年の『ヘンリー五世』に繋がっていく、大切な作品ですね。
『ヘンリー六世』からはじまったシリーズ作品は、自分の核となるということを、『ヘンリー五世』のときに話させてください。今はまだ話しきれないと思うので。
――ぜひ改めてお聞かせください。『王家の紋章』は終えられていかがですか?
徹平も見に来てくれました。カッキーは、徹平の作品も僕の作品も見にこないんですけれど(笑)。
――(笑)。
『王家の紋章』はもちろん初演も大切な時間でしたが、再演はより自分たちの『王家の紋章』というものを、原作の細川智栄子先生、芙~みん先生に敬意を表して、(シルヴェスター・)リーヴァイさんと荻田(浩一)さんとともに作れたことが財産ですし、きっとこの作品は続いていくと思います。先生方も大阪まで見に来てくださって、何回も足を運んでくださいました。
そのなかで、帝国劇場と梅田芸術劇場で単独の座長をやらせて頂いたことで、やらなければいけないことが見えました。特に山口祐一郎さんからの言葉と、僕にかけてくれた愛情が、自分を変えたといって過言ではないと思います。
■現代を映す演劇の役割を見いだして頂ける『デスノート THE MUSICAL』に
――最後に、『デスノート THE MUSICAL』を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願い致します。
初演、再演とやらせて頂いていて、よりカンパニーの絆が深まっている状況で、今一番作品として美味しい時期に差し掛かっているんじゃないかと思います。毎公演アグレッシブに、より良い物を目指して、より高みを目指してやっていけたらと、みんな同じ思いでいます。お客様が『デスノート THE MUSICAL』の世界から、今の日本の危うさや置かれている状況に危機感をも感じられるような、現代を映す演劇としての役割を、栗山さんの演出から見いだして頂けるように、そこを目指してやっていけたらと思いますので、ぜひ楽しんで頂けたら嬉しいです。
※浦井健治さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは8月24日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
デスノートTHE MUSICAL大阪で再演を観てきました。
初演をみているせいか、歌詞の内容がひしひし伝わってきて
どんどん引き寄せられあっというまの3時間でした。
夜神月の浦井さんは後方から観て横顔口元しか見えない時でも
狂気が感じられて、怖くてすごくて涙が出てきました。
デスノートTHE MUSICALは日本初のミュージカルの代表作になると思いました。
ドーバー海峡も渡れると思います。浦井さんのリューク期待していいですよね?
浦井健治さんへのインタビューありがとうございました。
作品にたいしての真摯に取り組む 浦井さんの演技に一目惚れしてから 数年たちますが 自分の言葉にブレない演技と 役によって変わる表情(特に目力) 声色。観るたびに新しい浦井さんを確認できます。
王家でも感じましたが、初演を、なぞらないという力強い言葉。その舞台に出会えた幸せ。 富山台湾大阪を経ての「デスノート」東京では どんなライトに会えるのか 楽しみで仕方ありません。
いつもながら、真摯な姿勢でお話しされる様子が手に取るように伺えました。
インタビュア様の感想コメントも添えられたら、嬉しいです。
インタビュー後半も読み応え沢山で楽しませて頂きました。
カンパニーの皆さんの絆の深さ、信頼の厚さが舞台を観ていても感じていたのですが、記事を読んで更に納得出来た気がします。
大阪公演を観に行ける事がより一層楽しみです。
浦井くんのインタビュー(下)も読ませて頂きました。1年を振り返ると様々な違った役をこなされていらっしゃるし、「2017年第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞」というミュージカルもストプレも超越した上での受賞もあったりで、今後出演される作品がとっても楽しみです。再演の”夜神月”像がより楽しみです。
一年間の役柄としての経験、人としての経験、感じたことが今回の夜神月にすべて投影され、内包されているのが分かる再演の月でした。
それは今後のヘンリー五世にも繋がっていくことと思いますので、その際のインタビューも楽しみにしています。
今回のお写真も素敵でした。ありがとうございます。
上下通して読ませて頂いてきました。
私が感じていた浦井さんの雰囲気の変化にも触れいてとても興味深いインタビュー記事でした。
“なぞらない”という言葉がとても印象深かったです。初演から再演の富山公演で本当に違うものを見せてもらったと思ったので、次に観る東京公演がとても待ち遠しいです。
浦井さんの今の思いを伺える濃いインタビュー記事をありがとうございます。これからもインタビュー記事がアップされるのを期待しています。
これから観るデスノートミュージカルの感じ方が変わると思います
初演との違い変化を楽しみたいとおもいます
写真も素敵でした
ありがとうございました
インタビュー上下ともに読ませていただきました。
初演から再演の間のお話も交えて、デスノートにかける思い、そして役者としての気迫をより感じることができました。
岩村さんの一年ぶりのインタビューも、一年前との変化を感じさせてもらえて、浦井さんの内面に触れられたような…。
数々の写真も男っぽさが前面に出ていて、どれも素敵です。
ヘンリー五世のインタビューも楽しみにしています。
役と作品と その振り幅の大きさが浦井くんの魅力です。
次は 何を魅せてくれるのか 楽しみな役者さんです。
インタビューを通して 役との向きあい方が判って 楽しく拝読しました。
写真も自然で素敵です♪
デスノート大阪公演 仲良しのカズさんとの共演が見られなくて残念。
東京では見られること~石井さんの回復を待っています。
これからも 浦井くんの記事期待しています。
インタビュー内容が いつも興味深くていつも楽しみにしてます♪
ファンになって一年ですが、私も浦井さんはこの一年でずいぶん変化されたと感じていたので、その部分のお話が聞けて嬉しかったです。
素敵なお写真もありがとうございます。
富山公演、台湾公演を観て、初演を上回る説得力がある、とても魅力的な夜神月だったと思います。なぞらないという、今後の東京公演も楽しみです。
ヘンリー四世以降、役者さんとしてまた一回り大きくなったような、言葉にはできない変化があったように感じていたので、インタビューはとても興味深かったです。ヘンリー五世も期待しています。
浦井君のインタビュー下も興味深く読みました。記者さんと同じ浦井君の変化を感じていたので、自分も記者になったかのような感じになれました。
浦井君の今を濃く知れたインタビューをありがとうございます。
浦井君がこれからも浦井君らしく輝いていけるよう心からますます応援していきたいとこの久しぶりの素敵な上下に渡るインタビューを読んで思いました。これからも沢山浦井君の取材お願いします。