『デスノート THE MUSICAL』が、富山公演・台湾公演に続いて、8月19日~8月21日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで、9月2日~9月24日に新国立劇場中劇場で上演されます。アイデアニュースでは、浦井健治さん(夜神月役/ダブルキャスト)、柿澤勇人さん(夜神月役/ダブルキャスト)、小池徹平さん(L役)にそれぞれインタビューしました。大阪公演初日に向けて順にお届けします。お一人目は浦井健治さんです。再演の手応えについてじっくりお話頂きました。
――富山公演を終えられて、再演の手応えはもう感じていますか?
初演の頃の凄まじい熱量をそのままに、稽古時間はタイトでしたが、カッキー(柿澤)とともにダブル月として、L役の(小池)徹平と向かい合いながら、3人で切磋琢磨しながらやってきました。
初演の後に、演出の栗山(民也)さんは韓国で2回上演されていて、我々に対してのダメ出しやアドバイスが、より深く、鋭角的になっていると感じます。さらに初演からの2年間という時間が各役者に色々な影響を及ぼしていて、とても深く進化し、成熟した『デスノート THE MUSICAL』再演になったと思います。
作曲の(フランク・)ワイルドホーンさんは「オリジナルキャストであることに誇りを持ってくれ」と、初演時におっしゃっていましたが、オリジナルキャストとして、新しいメンバーも、諸先輩方も一緒に『デスノート THE MUSICAL』を作り上げられたこと、まず富山で花開かせることが出来たことを嬉しく思っています。
ちょっとしたアクシデントがあって、初日だけ、初演で演じた前島亜美さんが(髙橋)果鈴の代役として戻ってきたんですね。かなり短時間の稽古でしたが、初演をさらに超える、すごく変化した、完璧な夜神粧裕を見せてくれました。芝居をする相手は兄である月が多いので、その変化に僕は衝撃を受けたんです。お芝居が素晴らしくて。すべてにおいて意味を持ったセリフを返してきましたし、ちゃんと受けの芝居をしているから、こちらが誘発されていく感じでした。すごい女優さんだなと素直に思いました。
――前島さんのブログや皆さんのTwitterなども読ませていただきました。
果鈴も元気に舞台に戻ってこれて良かったです。舞台は生ものですし、何が起こるかわからないですから。先日、尊敬する先輩とのお別れがあって…僕は今も信じられなくて言葉になりませんが、だからこそ一期一会なんだと、より強く感じています。絶対にお客様に楽しんでもらえるような、時代を映す鏡としての『デスノート THE MUSICAL』をお見せしたいと思います。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、柿澤勇人さんや小池徹平さんら共演者について語ってくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。8月11日掲載予定のインタビュー「下」では、この一年での変化などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■「ドーバー海峡を超える」というのは、絶対実現すると思います
■カッキーを信じているので、お互いにちゃんと休んだり出来る
■2年間の経験を通して、生身の人間として夜神月が立ち上がった
■徹平は色が一色の言い方なのに、色鮮やかに映る。本当にすごい
<デスノート THE MUSICAL>
【富山公演】2017年6月24日(土)~25日(日) オーバード・ホール(公演終了)
【台湾公演】2017年7月21日(金)~23日(日) 臺中國家歌劇院 大劇院(公演終了)
【大阪公演】2017年8月19日(土)~8月21日(月) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年9月2日(土)~9月24日(日) 新国立劇場 中劇場
<関連サイト>
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/641/
ホリプロ http://hpot.jp/stage/death-note
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※浦井健治さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは8月24日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■「ドーバー海峡を超える」というのは、絶対実現すると思います
我々がやるべきことというのは、すごく鋭角的なものですし、削ぎ落された神聖なものです。それが、海を渡るというのはすごいことだと思うんですよ。それは、蜷川幸雄さんをはじめとする諸先輩方の礎があり、その上に乗っかっていけているんだと思います。もちろん世界に誇れる日本のカルチャーである漫画・アニメが愛されている『DEATH NOTE』だからこそと思いますが、ホリプロの社長さんがおっしゃった「ドーバー海峡を超える」というのは実現すると思います。僕は絶対にそうなると信じていて、「実現した際にはリューク役で」と勝手に思ったりしています(笑)。
――(笑)。
そういう受け継がれていく大きな作品に関われているというのは、大きな誇りですし、責任もきちんと背負わなければいけないと思います。でも、ひとりではなく、カッキーがいることがとても大きいです。個性は全く違いますが、一緒の作品に携われることを幸せなことだと思いながらやっています。
――先日までの『王家の紋章』はひとりで主演でしたが、ふたりで主演というのは違いますか?
全然違います! もう、ぜんっぜん違います! 自分がもし倒れたら、帝国劇場、梅田芸術劇場に穴を開けてしまうんです。その重圧はやってみなければわかりませんでした。初演はもちろん、再演では特に強く感じました。
――『デスノート THE MUSICAL』は柿澤さんと一緒に出来ることで気持ちの余裕がありますか?
本当に頼もしいです。そして、俯瞰する目がひとつ増えたと言いますか。
■カッキーを信じているので、お互いにちゃんと休んだり出来る
――ダブルキャストの相手の舞台はご覧になりますか?
以前はよく見ていましたが…。夜神月は心身ともにすごく削られる役なので、1公演終わると本当に放心状態になるんですね。再演はそれがより強く、初演よりも本当に動けなくなるので、ダブルキャストでなければ太刀打ち出来ないんじゃないかと思っています。
――回復に努めないといけないんですね。
カッキーを信じているので、それが出来るんです。役者としての個性が真逆といってもいいくらいに違いますが、お互いを認めあっています。夜神月を稽古場で作るのを見て来て、お互いに刺激を受け、チョイスを増やさせてもらっている部分もあります。でも、舞台でやっていることは違うんですよね。「あとは任せたよ」という思いでお互いにちゃんと休んだり、集中することに時間を割くことが出来るんです。
――リスペクトしあえる安心感がもたらす、いい時間ですね。
そうだと思います。もちろん自分が終えて劇場を後にするならば、気にしていますし、成功しますようにと祈っています。
――自分の役割を全うする、素敵な大人の関係ですね。
みんなプロフェッショナルですからね。
■2年間の経験を通して、生身の人間として夜神月が立ち上がった
――再演にあたり、栗山さんから言われたことはありますか?
より削ぎ落してほしいと言われました。さらに、最後に人間臭さでもがくときは爆発力を出せばいいが、そこまでは冷静な、とても冷たい部分、死神の世界に足を踏み入れた者としての存在感を、キラになった瞬間からは徹底して出していこうと。キラになる前は、優等生でありながらも、より純粋な普通の人物、家族の愛に溢れているごく当たり前な、その辺に歩いているような人物で、それがどう変化していったのかということを、的確に表現していこうと言われています。
――それを受けて、具体的に意識していることや技術として加えていることなどはありますか?
夜神月の大ファンなので、初演はどうしても原作の絵が浮かんで来てしまうんですね。デスノートに名前を書く時も、その絵の様子に似せてしまうことがあったんですよ。さらに、まもちゃん(宮野真守)がやっているアニメの声が脳裏にずっとあったんですけど、2年間の色々な経験を通して向き合ったときに、生身の人間として夜神月が立ち上がったんです。
そうした瞬間からより自由に夜神月として感じるようになって、稽古に入ってから立ち稽古まではすごく短かかったんですけど、自分の中にセリフがすでに入っているんですよね。こんなにセリフが入っているのが、なぜかはわからないのですが、皮膚感覚で夜神月を感じられたので、それが再演での一番大きな変化だと思います。「こうでなければいけない」というイメージから取っ払われて、新たな夜神月を作ることが出来ました。
■徹平は色が一色の言い方なのに、色鮮やかに映る。本当にすごい
――小池さんにお話をお伺いしたら、ふたりの夜神月が初演よりもより恐いとおっしゃっていました。
(笑)。語弊があるかもしれませんが、徹平は7割の力で演じているんです。それは、残りの3割でその場で起きたことに対して反応するためなんです。カズ(石井一孝)さんが、初演キャストは血となり肉となり、役がそこに存在していて、それが明らかに違うとおっしゃってくださって、やっぱり、月もLもそれぞれの形として3人のなかにあるんですよね。だからこそ、Lとして対峙するときに、どんとしてくれている徹平は頼もしいです。だけど、ふたりの月と対峙するのはすごく大変で、体力勝負だろうなと思っています。
――小池さん、すごく楽しそうにお話していました。
彼は、本当にお芝居が好きなんですよね。好奇心旺盛で、常にピュアで、まっすぐな目をしていて。
――いい関係というのは様々なメディアなどからも伝わってきます。
お酒の席に僕はいませんが(笑)。月とLは、追っている時間、追われている時間の方が多いので、対峙する時間は2幕までそんなにないですが、最後に対峙するときも、ようやくお前に会えたなという思いはお互いにあるだろうし、どちらかというと最後のシーンはLの勝利だと僕は思っています。あの淡白なセリフの言い方の中に、色んな感情と未来への道も演劇的に切り開くことが出来る技術が、徹平にはあると思っていて、本当に色鮮やかなセリフ回しだなと思います。色が一色の言い方なのに、受け手には色鮮やかに映るって、かなり理想的な演劇だと思うんです。本当にすごいですよね。
――柿澤さんも「ミュージカルは芝居」とおっしゃいますし、芝居好きの皆さんが集まっていますね。
そうかもしれない! でも、みんな遊びも好きだし、リフレッシュの方法の話もたくさんしていますよ(笑)。
※浦井健治さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは8月24日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
初演は劇場で観られずWOWOWで観ました。そして再演を台湾で初めて観ました。生で観る夜神月はスゴかったです。リュークも最高でした。東京公演楽しみにしています。早く会いたい。
とても興味深いインタビュー記事でした。
ラストシーンが、Lの勝利だと浦井さんが思っている事で、次の観劇の際にその場面をもっと注意深く観てみたくなりました!
インタビュー後半も楽しみです。
初演の、唯我独尊的な、万能感溢れる「キラ」には身震いしました。大阪で再演を拝見するのが待ち遠しい毎日です。
浦井さんのインタビューありがとうございます。
この記事が読みたくて会員登録しました。
再演を観劇し、より削ぎ落とされた月を観ておそろしくなりました。
まだまだ恐ろしくなる月を大阪、東京が楽しみになるインタビューでした。ありがとうございます。
素敵な写真と、記事をありがとうございます。ライトに富山初日で初めて出逢い、デスノートのイメージが一変し、生きた舞台の素晴らしさを満喫させていただきました。体調に気をつけてくださいね。
大阪、東京とどんどん深化し輝きを増したライトを楽しみにしてます。
久々に浦井くんのインタビューがきっかけで再読させていただきました。
役者の本音を上手に引き出してくださる記事にワクワクドキドキしながら拝見しました。
今後も読者目線でよろしくお願いいたします。
夜神月として生きる浦井くんのインタビューと素敵な写真をありがとうございます。
「デスノートTHE MUSICAL」の2年ぶりの再演っという発表があってから、公演が始まるのを楽しみにしていました。
富山、台湾公演観劇しました。
再演となり、新たなものに生まれ変わっていました。月とレムのやりとりがやっぱり怖いですね。。カズさんもリュークがとてもリアルでした。休演は残念ですが、休養して戻ってきて欲しいです。
これからの大阪、東京公演と楽しみにしています。
夜神月然とした素敵なショットと中身の濃いインタビュー記事をありがとうございました。
浦井さんの自然で丁寧な会話を想像できて嬉しく思いました。
台湾公演を拝見し、初演時を思い出しながら浦井さんの言葉を読むと深くうなずけ、胸に沁みました。
今日の石井さん休演のお知らせを聞いたあとでは、ダブルキャストの件はより重く感じられました。
舞台は生身の人間が演じているからこそ感動も強いですが、だからこそアクシデントの危険があり、ご負担も大きいのだと思いました。
確かな自信と絆が言葉のひとつひとつから感じられ、浦井さんの月に会うのが楽しみでなりません。プロの自覚を持って仕事がしたい。素敵な記事をありがとうございました。
『デスノート The Musical』再演はまた2年前とは違って見えました。レムもしゃべり方や空気が違いましたし、ライト(浦井さん)もより普通の青年度合いが増してました。なので
より怖かったです。再演から来られた方々もまたよいエッセンス。大阪、東京の公演も楽しみです
浦井さんの夜神月、人間としての温かさや温度がみるみるなくなりキラへと変貌していく様はまさに圧巻です。
今後の活躍にも期待しています。
初演「デスノート」もダブルキャストをそれぞれ複数回観ました。2年の経験を経てさらに進化(深化・神化)したデスノートを楽しみにしています。
浦井さんの記事を読んでいつも「気づき」を与えてもらい、同じ作品を何回観ていてもまた違った見方できるようになるので、浦井さんの記事を読めるのを楽しみにしています。
久しぶりの浦井君の記事ありがとうございます。毎回浦井君の作品ごとの深い解釈に深く感動させられ早く、本番が見たい、浦井君が言っていたことに劇場で体感したいと強く思わせる凄い役者だなーと思います。凄い役者のファンになったなーと彼のインタビュー読むたび思います。今回も素敵な記事ありがとうございます。