2018年10月8日(月・祝)にTBS赤坂ACTシアターで開幕する(10月7日にプレビュー公演あり)、ダイワハウス presents ミュージカル『生きる』に小説家役で出演する、新納慎也さんと小西遼生さんにインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。
――黒澤明監督の映画『生きる』をご覧になったことはありましたか?
新納:一応あります。20歳くらい、いやもっと若かったかな。あまり詳しくは覚えていないのですが、ブランコのシーンを覚えています。とにかく映画が古かったですし、当時の撮影はマイクをつけていないので、いまいち台詞が聞き取れなかったんです。今回台本をもらって、それから観たことで作品の理解が深まりました。こういう話だったんだと。
小西:僕もだいぶ若いときに観ました。黒澤作品をたくさん観ようと思っていた時期に観たんですよ。「生きる」というテーマもストレートで、物語はすごく分かりやすかった分、あまり真正面から受け止めきれないんですよね。観るものとして、楽しむものとして、「生きる」というテーマで観るには、その当時はあまり共感をもって観てはいなかったなと思いますね。
――今回、改めてミュージカル化されることになり、小説家役でというお話になったときはいかがでしたか? お二人でなにか話されたりしましたか?
新納:なにも話してないね。
小西:話していないですね。小説家は、映画では渡辺勘治やその息子の光男のような物語の筋の部分ではないですが、きっと舞台でだいぶんポジションが変わるだろうなと最初に思いました。だから、あまり映画というものをヒントにはしないで、置いておきましたね。
――「あの作品のあの役だ」というよりは、「一作品として」という感覚ですか?
新納:そうですね。今、あの作品をしっかり観ようと思ったら、多分ちゃんと映画館で観ないと音が聞き取りにくいですよね。DVDの世界だと、これはこれとしてという感じ。一舞台作品として台本と向き合っている感じですね。映画のなかの、小説家役とは全然違うように描かれているんですよ。
――ミュージカルではストーリーテラーなんですよね。改めて台本を読んで、ワークショップもあった中で、小説家役をストーリーテラーとして今考えている時点では、この役についてどう思ってらっしゃいますか?
小西:まだ結構台本が変わりそうな気配がするので、あまり考えていないんです。ストーリーテラーとしてのポジションと、渡辺によって小説家自身もうかつにも影響されていくというような大筋が見えていて、それ以外の部分は肉付けされたり、削ったりという作業をこれから行われるんじゃないかなと感じる、3日間程のワークショップでした。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、小説家役についてWキャストについてなどインタビュー前半で伺ったお話の全文と写真を掲載しています。6月22日掲載予定のインタビュー「下」では、名作映画が現代のミュージカルになることでより見えてくるものなどについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■息が抜け、なにか起こしてくれそうな、善なのか悪なのか分からない存在
■『スリル・ミー』は、稽古場も別で、一緒に作った感はなく、それぞれで作って
■『next to normal』のときもよく話したりしていたので、多分話し合うんだろうな
■(小説家役は)自殺しそう/睡眠薬飲んでるし/「生きていてごめんなさい」って
<ダイワハウス presents ミュージカル『生きる』>
【プレビュー公演】2018年10月7日(日) TBS赤坂ACTシアター
【東京公演】2018年10月8日(月・祝)~10月28日(日) TBS赤坂ACTシアター
公式サイト
http://www.ikiru-musical.com/
<関連リンク>
新納慎也 Ofcial Web Site
http://www.shinya-niiro.jp/top/
新納慎也オフィシャルブログ『ニイロの思考カイロ』
https://ameblo.jp/shinya-niiro
新納慎也Twitter
https://twitter.com/shinyaniro
小西遼生オフィシャルサイト
https://konishiryosei.com
小西遼生オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/ryosei-konishi/
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※新納慎也さんと小西遼生さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは7月5日(木)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。(このプレゼント募集は終了しました)
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■息が抜け、なにか起こしてくれそうな、善なのか悪なのか分からない存在
小西:ただ、きっと自由な人というのは変わらないかなと思います。映画の感じの小説家というよりは、もっと自由代表みたいな(笑)。映画と同じく、歓楽街に連れていくようなシーンはあるので、そういうときにメフィスト的な立場になる部分は、映画から踏襲されているものだと思うんです。そこで、より自由であるというか、いい加減な男という部分がニュアンスにあるとは思っています。
――新納さんは今の段階でどうですか?
新納:ワークショップは参加できなかったんですよ。
――『ラ・カージュ・オ・フォール』の本番中でしたね。
新納:コニタン(小西)が読んでいるのを客として聞いていました。
――客として聞いていた?
新納:「リーディング」と呼ばれる、役者が頭から最後まで台本を歌入りで読んで、スタッフさんたちが作品全体を把握するという会が行われたんですが、僕はスタッフさんと一緒に観て聞いていました。
――客観的にご覧になっていかがでしたか?
新納:と言っても客観的には観られてないですが(笑)。でも、結局渡辺という男が、いわゆる役人で歯車という言葉がぴったりの、すごく当時の日本人気質の、出ないように、目立たぬように、ただ淡々と仕事をしてという感じの中、自由奔放なのが小説家。だから、少し異質な存在なのが小説家であって、お客さんが感情移入するかは別として、作品の中でちょっとホッとする。全員が全員役人だったり、不満をもっている人だったり、息子だったり、なにか全員が時代を必死に背負って生きていく中で、割と、ぽーんと気楽な人。実はそうじゃなかったりするんでしょうが、お客さんとしては必要な存在であり、息が抜ける存在であり、なにか起こしてくれそうな存在であり、善なのか悪なのか分からない、そんな感じになればいいなと思って観ていました。
■『スリル・ミー』は、稽古場も別で、一緒に作った感はなく、それぞれで作って
――なるほど。発表があったときに、お二人がWキャストなんだと、ワクワクした方が結構多いと思うんですが。「あの、仲のいいお二人が」って(笑)。
新納:(笑)。「共演してほしい」ってよく言われますね。
――Wキャストというのは……。
新納:『スリル・ミー』はトリプルだったかな。
小西:『next to normal』も絡みは一切なかったしね。本当は共演したいんですけどね。
新納:そうなんですよ。
小西:共演しかけた事もありましたね、一度。
――今回は改めてのWキャストですが、同じ役を一緒に作るというのはいかがですか? 『スリル・ミー』は組別の稽古でしたよね?
新納:『スリル・ミー』は僕らが初演を終えてからの、コニタンたちの初参加だったので、稽古場も別だったし、コニタンと一緒に作った感は本当になく、組別にそれぞれで作っていく作品でしたから。
■『next to normal』のときもよく話したりしていたので、多分話し合うんだろうな
――今回は一斉にスタートじゃないですか。Wキャストだと、話し合われたりするのかなと。
新納:『next to normal』のときも割りとよく話したりしていたので、多分話し合うんだろうな。刺激を受けたりとかすると思いますね。
小西:(宮本)亜門さんも、渡辺もキャストで全然別のものを作るとおっしゃっていたので、すり寄せてという感じではないんじゃないかと思いますね。明らかに違いますもんね(笑)。
新納:うん。昨日観ていて思った。「違うんだろうな」って(笑)。
小西:(笑)。
■(小説家役は)自殺しそう/睡眠薬飲んでるし/「生きていてごめんなさい」って
――なるほど(笑)。逆にそれぞれ逆の立場から観ると、「新納さんが小説家役、小西さんが小説家役」というのはいかがですか?
小西:今回、市村(正親)さんと僕、鹿賀(丈史)と新納さん、の組み合わせなので、多分まったく別物なんですよ。僕らの役は、完全に渡辺との関わりしかないですから。
――小説家役というところに特化して頂いて、逆の立場からこの人がこの役をやるんだなという感覚はいかがですか?
新納:(小西さんを見て)結核みたいでしょ?
――(笑)。
小西:結核の文豪。
新納:もしくはすぐ入水自殺しそうだとか。
――病んだ方向に行きそうな(笑)。
小西:実際、小説家は睡眠薬飲んでるしね(笑)。
新納:それも多分、多量摂取してるし、「生きていてごめんなさい」って言いそう(笑)。
小西:「やらないと眠れないんだよ」って言ってるからね。
新納:だから、当時のいわゆる、純喫茶に入り浸ったりしているような小説家。だから、ぴったりだなと思いましたね。ただ、渡辺よりも先に死ぬんじゃないかっていう(笑)。この人の方が重病そうですけど。特に市村さん元気だから、「こっちの人具合悪そうですけど」っていう気分(笑)。
――(笑)。
※新納慎也さんと小西遼生さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは7月5日(木)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。(このプレゼント募集は終了しました)
最近、『この辺りの会』ってないですね。
中村修一さんの『三番叟』『那須与市語』などなど観たい一ファンがいます!される時には、是非教えて頂けると嬉しいです!
お二人のWキャストにワクワク・ドキドキしているひとりです。
「スルース」での新納マイロ・音尾マイロ。
「フランケンシュタイン」での小西アンリ・加藤アンリ。
すべて観てますが、2が月続けて上演されたこの2作品で、Wキャストの概念が覆されました。
今度の「生きる」も楽しみにしています。(もちろん、両方見ます!)
お二人の作り上げる小説家を、二つともみて、堪能したくなりました
映画『生きる』はあの有名なブランコのワンシーンしか知らず、ただ「モノクロで哀しい映画」という印象でしか無かった… それがカラーで、しかもミュージカルとして上演!亜門さんの演出が楽しみです!
結核の文豪、太宰治や芥川龍之介のような自殺する小説家を思い浮かべます。
果たしてどんな小説家になるのか楽しみです。
舞台は両方のチケットを取りました。全く違うものになると思うので違いを楽しみたいと思います。
役について色々伺えて、嬉しいです。
立ち姿の写真がすごくカッコいい!
アップももちろん素敵ですが、全身を真正面から撮ったのってなかなかないので、すごーく嬉しいです。
お二人ともスタイルいい、足ながっ!
後半も楽しみにしています。
インタビューを呼んでますます観劇するのが楽しみになりました。どうして鹿賀さんと新納さん、市村さんと小西さんの組み合わせのキャスティングになったのかも知りたいなと思いました。ホントに市村さんより小西さんのほうが重病人に見えそうですね(笑) 毎回素敵な写真をたくさん、また他のメディアとは違った視点でのインタビューを載せて頂いているので、後半もとても楽しみです。
舞台楽しみに待ちながら
インタビューを読ませて頂きます。
後半も楽しみに待っています。
まだ鹿賀・新納コンビしかチケット買っていませんが、
これは両方見るしかありませんね。
お互いの個性が役を通してどのように発揮されるのか、楽しみでなりません。
案の定チケットが増えそうです(笑)
今回も素敵なお写真とインタビューをありがとうございます。
お二人の対比がとても興味深く、お稽古が始まってからのインタビューも読んでみたいと思いました。
後半も楽しみです!
新納さんも小西さんも大好きな俳優さんなので、一段と舞台を早く観たくなりました。後半も楽しみにしています。
毎回素敵なお写真でも楽しませていただいております、いつもありがとうございます。