「存在だけで大きい元基君を、見せてほしい」、中川晃教インタビュー(下)

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さんインタビュー後半です。『銀河鉄道999』の舞台2作品では星野鉄郎役とキャプテン・ハーロック役を、その間の作品『サムシング・ロッテン!』では兄弟役を演じた平方元基さんについて伺いました。有料部分では1月に順次掲載した『ジャージー・ボーイズ』チームWHITEのみなさんのお話をお伝えし、中川さんのアンサーを伺いました。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

――昨年に続きキャプテン・ハーロック役が平方さんです。『サムシング・ロッテン!』を挟んで、再び鉄郎とキャプテン・ハーロックの組み合わせに戻りますね。

ハーロックは父親のような、ちょっと俯瞰で物語のなかに存在するじゃないですか。鉄郎のなかでは、もう完全にヒーロー、憧れの的でしかない。演劇構造上、どちらも行き来しなければいけない役割を担っていたので、ある部分では、そういう元基君だと思っていたんですよね。俳優としてまず彼のそういうところを見ていたんです。でも先日『サムシング・ロッテン!』で兄弟役をやって思ったのは、彼はむしろ弟なんだと。

――(笑)。

それがわかってしまったんです(笑)。可愛くて、すごく一生懸命で、生真面目なところ。心のなかでは、お兄ちゃんに対して悪かったと思ってるような兄弟愛も含めて、すごくしっくり来たんです。そちら側も経験できたからこそ、この作品で元基君と初共演して、再び共演できることも意味があるのかなと思わされている流れですね(笑)。もっともそう思わされていただけで、俳優としてものの見事に騙されたのかも?

――なるほど。

今回の脚本のなかでは、元基君のハーロックはより松本(零士)先生に近い立場で書いたと、石丸(さち子)さんが話していたんです。なので、本当に大きな枠組みのなかで、彼が『サムシング・ロッテン!』のナイジェルのような繊細な動きとは違う、もっと存在だけで大きく、それだけで「なるほど」と思わせるものを見せてくれるのか。プレッシャーをかけたいという意味ではなく、素直に期待したいですし、一緒に頑張っていきたいと思いました。

――再びの鉄郎とハーロックが楽しみですね。昨年の『ジャージー・ボーイズ』のお話を伺いますが、今年1月にチームWHITEのお三方のインタビューが続きまして、チームWHITEへの愛を語ってくれました。初演から大変だったけど、これから先も残っていく作品なんだということを実感したし、チームWHITEは特別だったと、皆さん口を揃えて仰っていましたが、中川さんはいかがですか?

本当に、チームWHITEは最高だったと思います。多分、みんなも言っていると思いますが、福井(晶一)さんの存在が大きい。やはり初演はチームREDがいて両チームが初めての舞台でした。でも唯一、チームWHITEだけが再演しているじゃないですか。そういう意味では、一歩抜きんでたわけですよね。

<取材協力>
ヘアメイク=松本ミキ
スタイリスト=AKIRA

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、2019年1月に順次掲載した『ジャージー・ボーイズ』チームWHITEのみなさんのインタビューのお話をお伝えし、中川さんのアンサーを伺った内容など、インタビューの後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■お互いに愛しくなり、「うちのチームWHITEは最高だな」と言わせてくれる

■良い関係性を築いたまま再演して、本当に“ファミリー”になっていく

■僕も自然と素の部分が出た。チームWHITEならではの空気だった

■チームBLUEは、チームWHITEよりもチームREDよりも、仕事に対して頑丈で頑強

■新たな仲間たちと作る『銀河鉄道999』さよならメーテル〜僕の永遠 を楽しみに

<『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠>
【東京公演】2019年4月20日(土)~4月29日(月・祝) 明治座
【大阪公演】2019年5月10日(金)~5月12日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://999-40.jp

<関連リンク>
中川晃教オフィシャルサイト
http://www.akinori.info/
中川晃教オフィシャルTwitter
https://twitter.com/nakagawa1982aki

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中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■お互いに愛しくなり、「うちのチームWHITEは最高だな」と言わせてくれる

それも今思えば、やはり『ジャージー・ボーイズ』という作品にそれぞれの思い入れがあっただろうし、その思いで作品をやると決めるまでも考えただろうし、やると決めてから稽古場で思ったこともあっただろうと。初演が終わって再演に向けて、色んな思いもあっただろうと思います。評価をされたことで背中を押される気持ちもありました。要するに、チームWHITEのそれぞれが自問自答したことが舞台で現れたんです。

それは誰かが「僕はこう思っています」と言うだけでなく、それぞれが感じ合い、ツアー公演のふとした合間で、良い意味での緊張がほぐれ、そのなかでポロッ、ポロッと出てきたもののなかでお互いに愛しくなるというか。再演をやっているという意味で、そういう良い育み方をしてきたのは、チームREDでもチームBLUEでもなく、チームWHITEだけなんですよね。そういうことが、再演を経て思い返せば「うちのチームWHITEは最高だな」と言わせてくれるんだと思いました。

――中河内(雅貴)さんは「(チームWHITEにいる)50公演の25公演だけでも、いい空間であってほしい」、福井さんは「平泉旅行を経て、みんながアッキーの扱い方をわかるようになった」、海宝(直人)さんは「アッキーさんもおっしゃっていましたが、奇跡の巡り合わせで集まったメンツ」と言ってました。

おお~! なるほど! 僕の扱い方が超知りたい(笑)。

――(笑)。一緒に旅行をして「可愛い人なんだ」と思ったそうです(笑)。

ええ~、意外! 本当!?

――皆さん知らなかったらしいです(笑)。

そうなんだ!

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■良い関係性を築いたまま再演して、本当に“ファミリー”になっていく

――ひとりでシアタークリエから全国ツアーまで乗り越えるのは大変だったと思いますが、何か自分の殻を破るような瞬間はありましたか?

ツアー公演がひとつのターニングポイントだとすれば、本当に、全国を回れたことも奇跡だったなと思えます。セットにしても、シアタークリエのサイズだったらトラック2台で移動が普通だと思いますが、7台や8台というレベルなんですよ。「すごい!」と思って。やはり、クリエサイズから劇場が大きく変わったことは大きかったです。福井さんがジャン・バルジャン(『レ・ミゼラブル』)で大劇場も経験されていたり、みんなそれぞれに経験がありました。

この作品はシアタークリエで生まれましたが、作品が長く愛されていくためのひとつの再演だったと、全国ツアーがあったことも含めて、色んな意味で最高な再演だったじゃないですか。そのなかで、人間同士の関わり合いについて改めて思ったのは、良い関係性を築いたまま再演して、本当に“ファミリー”になっていく場合と、言葉は本当に良くないんですが“なあなあ”になっていく場合とがあります。でもジャージーファミリーはお互いを高めていけた、と思っています。ジャージーボーイズ以外のメンバーもすごく真剣に舞台に存在していたし。最高のメンバーです。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■僕も自然と素の部分が出た。チームWHITEならではの空気だった

作品を見に来たお客様の、初演の感動をまた味わいたい、また再演のメンバーの歌が聞きたい、ザ・フォー・シーズンズに会いたいと来てくれる純粋な気持ちってあるじゃないですか。それに応えたいというこちらの純粋な思いをより感じ合えたのが、やはりツアー中だったんですよ。ツアー中にご飯を食べたり、プチ旅行に行ったりしたのも、実はあれはガウチ(中河内)が企画してくれたんですが、ガウチプレゼンツ、しかも平泉と聞いて「え! 僕、行きたい!」と思えたんです。

――平泉に行くと最初に言ったのは、福井さんだそうですね。

そうなんです。福井さんは御朱印帳に御朱印をずっと集めているという話も聞きました。みんなのパーソナルについて言えば、僕も初めて知ったことが色々あります。例えば、ガウチってツアコンみたいなことが得意だったんだとか。晶一さんが「あそこ行きたいんだよね、温泉行こうよ」と言ったから、ガウチが「アッキーさんどうですか」と言ってくれた、ふたりのその関係性とか。直人もそうなんですが、ツアーに出ることをきっかけに、そういうオフの部分という意外と知り得なかったことに対して、みんながワクワクドキドキしたんだとわかった時に、僕も自然と素の部分が出たんです。そこがやはり、チームWHITEならではの空気だったんだと思います。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■チームBLUEは、チームWHITEよりもチームREDよりも、仕事に対して頑丈で頑強

――チームBLUEも個性が強くて新しかったですね。

チームBLUEも楽しかった! (伊礼)彼方君と公演が終わった後に話したことも、結構感動的なことがあって。

――そうなんですか!

チームBLUEは、チームBLUEなりのやはり紆余曲折があって、いつか、多分、お客さんにもわかる日が来るんですよ。

――まだそれは途中?

途中ですし、なんだかチームBLUEの面白いところだけ抜粋されてしまっていて、また「それがチームBLUEでしょ」という感じになってしまっていますが、チームBLUEは、チームWHITEよりもチームREDよりも、仕事に対して頑丈で頑強な気がします。

■新たな仲間たちと作る『銀河鉄道999』さよならメーテル〜僕の永遠 を楽しみに

――矢崎(広)さんが、「チームBLUEは作品構成の話し合いによる地図があり、フランキーのためとチームのための軸があって、網目状になっているからずれない」というお話をされていました。残念ながらお時間がなくなってしまったので……。

では、チームBLUEについては、またいつかお話しましょう(笑)。新たな仲間たちと作る『銀河鉄道999』さよならメーテル〜僕の永遠 を楽しみにしていてください!

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

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“「存在だけで大きい元基君を、見せてほしい」、中川晃教インタビュー(下)” への 5 件のフィードバック

  1. りんご より:

    いつも中川さんの気持ちを引き出すようなインタビューをありがとうございます。
    999への思い、鉄郎という役作りへの戸惑いと模索する姿が浮かび上がってきて、舞台への期待感が高まります。
    WHITEチームの各メンバーの話を受けてのあっきーの思いも知ることができてとてもうれしかったです。
    あらゆることが次のことに結びついてる気がします。
    これからどんな役に挑戦するとしても楽しみです。

  2. Mickey より:

    中川さんの「今」を感じられるインタビュー、興味深かったです。
    今年も舞台やコンサートが充実していて、益々楽しみです。
    JBのお話も聞けて嬉しかった。再々演が待ち遠しくなりました。

  3. のこ より:

    後半のインタビューも興味深く拝読しました。
    JBのお話もとても読み応えがあって、昨年残念ながら拝見できなかった私にとっては、再演がさらに待ち遠しくなってしまいました。
    銀河鉄道999も、さらに盛り上がっていきそうですね。
    楽しみです。

  4. 芙蓉 より:

    JBのそれぞれのチームの裏話がとても面白かったです。この経験を経て、銀河鉄道999でアッキー鉄郎がどう変化していくのか楽しみです。

  5. リナ より:

    ジャージー・ボーイズのお話まで、ありがとうございます!
    再演から拝見したので、チームBLUEもチームWHITEも新鮮な気持ちで観たのですが、初演を経てファミリーになっていったチームWHITEの関係性を窺い知ることができて嬉しく思います。
    チームBLUEのお話も是非改めて記事にしていただきたいです。
    平方さんと中川さんの仲良しぶりはこれまでも知る機会がありましたが、サムシング・ロッテン!での兄弟役を挟んで俳優さんとして、鉄郎とハーロックの空気感がどう変化するのか又は変化しないのか、楽しみに拝見したいと思います。

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