「誰よりも報われないティボルト。悲しみしかなくて」、廣瀬友祐インタビュー(下)

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さんのインタビュー後半です。『THEATER H』について、ワンマンライブについて伺いました。有料部分には、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のティボルト役について、演じてみての思いを伺いました。(大阪公演の開幕前に伺った内容です)

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

――『THEATER H』というタイトルはどういう意味が込められていますか?

もちろん『THEATER H』に関してもそうですが、そもそも自分のファンクラブ名が「H」なんです。

――廣瀬の「H」だけではないんですね。

もちろん、わかりやすくそれは大前提にありますが、「HOPE」や「HAPPY」など、「H」から始まる言葉によって意味合いが変わるような広がりもありますし、平成のHも。それこそちょっとエロな、H(エッチ)な、いうのもありますね。「H」というワードのなかには、ひとつじゃない広がりがあり、色んな意味も作れる。そして、いろんな色の廣瀬を見せるという意味でも込めています。ライブもそうですが、今後もいろんな活動をしていく上で、いろんな「H」が見れるんじゃないかなと思っています。

――通常盤のボーナストラックには、「本当の俺じゃない」が、Limited Editionのボーナストラックには廣瀬さん作詞作曲の「ここにあること(Complete ver.)」が収録されていますね。

「本当の俺じゃない」は、初めて自分が出演した舞台の曲をカバーさせてもらえて本当に嬉しかったですし、今回『ロミオ&ジュリエット』のDVDも出ますので、DVD本編中の、“廣瀬友祐が演じるティボルト”として歌っている「本当の俺じゃない」と、『THEATER H』で収録されている「本当の俺じゃない」のニュアンスは変えて歌っていることが、聞いていただければわかると思います。

――なるほど。

より日常寄りというか、そういうイメージがあると、「本当の俺じゃない」のまた違った聞き方ができて面白いんじゃないかなと思います。また、ブラッシュアップした「ここにあること(Complete ver.)」(Limited Edition収録)は、ずっと大切に、死ぬまで歌いたい歌ですので、ずっと応援してくだっさっているファンの人たちには、今の廣瀬友祐が「ここにあること」を歌うとこうなるんだというものを聞いていただけたらと思います。

――ワンマンライブですが、構成はどんなものを考えていますか?

わかりやすく、『THEATER H』を引っ提げてのライブになると思います。タイミング的にも平成最後でのライブなので、この時期どこでも「平成最後」をタイトルに掲げていると思いますが、やはり平成を生きてきた人間として平成の曲たちもカバーしたいなと思っています。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のティボルト役について、演じてみての思いなどを伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■どちらかというと、僕自身は、ミュージカルを歌っているほうが違和感がある

■行きついた、今回の廣瀬友祐なりのティボルト像が、やはり悲しみ重視だった

■絶対に死に対して救われたと思ってはいけない、最後まで可哀想なヤツ

■やりたい事がいっぱいあります、平成最後の幸せな時間を作れたら

<ワンマンライブ『廣瀬友祐 Live 2019 ~THEATER H~』>
【東京公演】2019年4月25日(木)・4月26日(金) 白金高輪 SELENE b2
全席指定 前売:6,000 円 (税込) 別途 1ドリンク代(¥600)
チケット:
https://t.livepocket.jp/e/theaterh

<廣瀬友祐 CD 『THEATER H』(通常盤)>
品番:SMYH-1001
発売日:2019.3.13
価格:¥2,037+税

<廣瀬友祐 CD・DVD 『THEATER H 〜Limited Edition〜』>
品番:SMYH-1002
仕様:CD+DVD+特製ブックレット
発売日:2019.4.13
価格:¥3,981+税
※通販・ライブ会場限定販売(SHINKO MUSIC RECORDS SHOP限定)
http://shinko-music-shop.com/

<『THEATER H』特設ページ>
https://hiroseyusuke.info/free/theater-h

<関連リンク>
廣瀬友祐 Official WebSite
https://hiroseyusuke.info/
廣瀬友祐 twitter
https://twitter.com/hirose_yuusuke

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廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■どちらかというと、僕自身は、ミュージカルを歌っているほうが違和感がある

先日、打ち合わせで話したのですが、ずっと廣瀬友祐を応援してくださっている方々が、廣瀬の成長を自分の成長と共に振り返れるような時間になればいいなと思います。今までの思い出もキラキラ輝いていて、これからの廣瀬友祐ももっと応援したいと思ってもらえるようなライブにしたい。だから、僕はものすごく緊張すると思います(苦笑)。

――ミュージカルだけでしか廣瀬さんを見ていない、聞いていない人だったら、それ以外の曲は聞いたことがないのではないかと。

そうですね。いわゆるポップスを歌っている廣瀬友祐を、知らないということですよね。

――はい。私もちょっと想像がついていないです。

そうですか。なるほど。どちらかというと、僕自身は、ミュージカルを歌っているほうが違和感があるんですよ。

――例えば、カラオケに行くと普段はどんな曲を歌うんですか?

最近だったら、コブクロさん、森山直太朗さん、ミスチル(Mr.Children)さん、あとはいわゆる昔の歌も歌いますね。松山千春さん、玉置浩二さん、ジュリー(沢田研二さん)……。

――ジュリーさんまで行くんですか!  もはや昭和まで行きますね。

そうなんです。河島英五さん、吉幾三さんも歌いますし。

――へぇ~!

昔はあまり洋楽を歌っていなくて、最近、歌えるようになりたくて練習しています。

――なるほど、それは楽しみです。

ジャニーズの曲も歌いますし、その時の気分やカラオケの履歴を見て(笑)。

――そういうような曲もあるかもしれないと。

平成を振り返られる曲もあるかなと思います。

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

■行きついた、今回の廣瀬友祐なりのティボルト像が、やはり悲しみ重視だった

――『ロミオ&ジュリエット』についてもお聞かせください。今はまだ上演中ですが、振り返って、改めてティボルトを演じてみてどうでしたか?

(しばらく考えて)辛かったですね。

――辛かった?

再演にあたって、やはり引き続きティボルトをやれる感謝として、前回よりもこの作品に対する思いはより強かったんじゃないかと思います。というのは、稽古中の自分の姿勢が、客観的に見ても前回より一生懸命やっているなという感じがあって、いろいろ試した稽古期間だったので。

――自分にある程度役が入っているから試したということですか?

そうですね。新演出版になっての初演の時に、クエスチョンのまま残っていた自分の感情やものの言い方などを、わからないまま消化不良で演じていて、それをなぞりたくはありませんでした。その気持ちを自分のなかでどう腑に落とすかについて、いろんなアプローチがあったと思いますが、それを結構やれたなと。そういうなかで行きついた、今回の廣瀬友祐なりのティボルト像が、やはり悲しみ重視だったんです。

――観ていて辛くてしょうがないというか、心が痛みました。

自分のなかで今回行きついたのが、誰よりも報われないのがティボルトでいいんじゃないかなと。幸せな瞬間がなくていいというか。その酷な道を、自分のなかでは今回選択した感があって、最後まで、心から笑える瞬間なんてありませんでした。あの物語は3日間の出来事で、そのなかでティボルトという、お客様は優しいから、今までいっぱい『ロミジュリ』を見てきていて、ティボルト像、キャピュレット色、モンタギュー色など、お客様のなかでいっぱい膨らみすぎているところもあるなかで、勝手に妄想してくださるところ、理解してくれているところが多々ありますよね。そういうなかで、待てよと。

舞台上で起きているこの3時間の物語だけを見て、予備知識がゼロのお客様に伝えるためには、難しいことはたくさんあるなと思った時に、自分のティボルトに与えられた時間、与えられた言葉、与えられた歌、与えられた場面のなかで、その時にティボルトの気持ちが一番出るものって何だろうと考えたら、もう悲しみしかなくて。ジュリエットを愛しているという設定が、本来の原作にはないのに、今回も一番重点を置いているところと捉えてティボルト像を作ってきたので、やはり公演の前後は暗くなりますよね(笑)。舞台が始まる前、始まった後に、引きずっているわけではありませんが、スイッチを変えないと、なかなか自分が稽古でチャレンジして作ってきたティボルトに近づけない感がありました。

――「スイッチ入れた」だけではあのティボルトにはなれない?

そういう感覚はありました。

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

■絶対に死に対して救われたと思ってはいけない、最後まで可哀想なヤツ

――ある意味、死んで救われたのではないかと思ってしまうくらいに痛々しくて。

お客様が「死んで救われたんじゃないかな」と思っていただくのはいいのですが、僕は絶対、死に対して救われたと思ってはいけないと思っていました。最後まで可哀想なヤツというのが、再演にして、今の自分でできる精一杯で作り上げたティボルト像だったかなと思います。

――(取材時)まだ大阪公演がありますが、ご自身のなかで、作り上げられた、やり切ったという感覚はありますか?

(少し考えて)色としてはそうですね。今の廣瀬の精一杯で行きついた色なんじゃないかと思いますね。表現方法はいろいろあると思いますが、ある種、あんなになよなよとした、あんな色のティボルトは、僕の記憶では今までにいなかったんじゃないかなと思うんですよね。

――わりとわかりやすくビビッドに、赤や青みたいな色味をつける人が多かったですね。

敢えて変えようと思ってやっているわけではありませんが、悩んで悩んでやっていた結果、「やり切った」とは言えませんが、精一杯ではありました。だからDVDで見るのが嫌ですね(笑)。基本的に、舞台のDVDは嫌いなんです。だからもうね、本当に嫌だな……。本当に恥ずかしいですね……。

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

■やりたい事がいっぱいあります、平成最後の幸せな時間を作れたら

――ワンマンライブに向けてメッセージをお願いします。

『ロミジュリ』ロスになっている方はぜひ、4月25・26日に白金高輪で会えたらいいなと思います。久々のライブになるので、やりたい事がいっぱいありますが、来てくださるお客様、ずっと応援してくださるファンの方たちと、平成最後の幸せな時間を作れたらなと思っています。廣瀬の「廣」が難しい名前になってから、初めてのライブですので、リスタートの一歩目の瞬間にもなります。改めて絆も強くしたいですし、より絆を広げていけるような時間にしたいと思っていますので、ずっと応援してくれている方々、最近廣瀬を知ってくれた方も、ぜひ硬くならずに足を運んでくれたらと思います。

――ワンマンライブの後は、『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』ですね。先日、湖月(わたる)さんの取材に伺いましたが、内容がどうなるかまだ全くわからないと伺いました。

湖月さんの『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』は、またちょっと新しい試みで、どうなるか僕自身も本当に何ひとつわかっていませんので(笑)。

――ドキュメンタリーは目下撮影中だと。

僕が見ても「変態だな」と思うキャスト・スタッフの方々が集まっているカンパニーになるので、とても楽しみですね(笑)。その後には『ファントム』もあります。来年はオリンピック・イヤーになりますが、オリンピックの陰で廣瀬友祐はずっと自分を磨き続けますので(笑)、引き続き共に人生を、これからも一生よろしくお願いします!

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

廣瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

※廣瀬友祐さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは5月18日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「誰よりも報われないティボルト。悲しみしかなくて」、廣瀬友祐インタビュー(下)” への 7 件のフィードバック

  1. まちゃみ より:

    前半後半のインタビューを通して廣瀬さんの人柄が滲み出ていて読むだけでゆっくり時間が流れるというか文面からヒーリング効果が溢れてました!板の上では全く見えないご本人の謙虚でシャイな部分がインタビューの端々で感じられてとても魅力的に思いました。また演じる役に対する真摯な向き合い方やひたむきさにも改めて心打たれました。ご本人は恥ずかしいと仰ってましたがロミジュリDVD今から楽しみでなりません!
    廣瀬さんらしさが出てる素敵なインタビューとお写真ありがとうございます!!

  2. ヒゲペンギン より:

    素敵なお写真、痒いところに手が届く内容のインタビュー、ありがとうございます。記事を読めて嬉しいです。ライブレポートも是非お願いします!

  3. アップルティ- より:

    今回の廣瀬さんが演じるティボルトを見ていると胸が締めつけられるくらい切ない気持ちになりました。そんなティボルトの役作りをされた廣瀬さんは大変なご苦労があったのではないかと想像しています。2019ロミジュリ公演本当にお疲れさまでした。DVDの発売が楽しみです。

  4. waiwai より:

    自分のことをなかなか話してくださらない廣瀬さんから いろいろなことを聞けてとてもうれしかったです。やっぱりティボルト報われず辛い役でしたが、もう素敵すぎて。

    (ここにあること ) の歌と映像で大泣きしました。どんな世代の人が聞いても、心響く想い出があるんではないかと思います。
    ライブ楽しみにしてます
    岩村さん素敵なお写真です!ぜひまた来てくださいね。ありがとうございました。

  5. ハッピーパンダ より:

    東京公演、愛知公演、大阪公演、どの会場でもティボルト様の苦悩が本当によく伝わって参りました。自分の想いを成し遂げられない悔しさは、きっとティボルト様にしかわからないところだったと思います。DVD撮りの日のアクシデントも、映像に残ってしまう事をお気にされていらした廣瀬さんですが、それよりも素晴らしい魂の込められた演技に息をのんで拝見していました。そして、アーティストとしての廣瀬友祐さんを今回初めてLIVE会場でお会い出来るのが、更に楽しみになっています。これからも応援しています。頑張って下さい。

  6. (^^) より:

    岩村さん、廣瀬さんのかっこいい写真をたくさんありがとうございます!自然な表情だったり、ちょっとかっこよかったり、可愛かったり、全部好きな写真です。
    インタビューもロミジュリに関してとても興味深かったでした。

  7. 博多のH より:

    廣瀬さんのディボルト好きなキャラクターでした。
    悲しみと憂いと怒りが
    入り混じったとても印象的な
    ディボルトでした。
    ファントムのシャンドン伯爵も
    どんな役作りをされるのか楽しみです。
    ロス中につき、CDリピートしてます。

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