2020年2月11日(火・祝)から東京芸術劇場プレイハウスで上演される、舞台『ねじまき鳥クロニクル』に出演する松岡広大さんにインタビューしました。『ねじまき鳥クロニクル』は、村上春樹さんの代表的長編小説で、初の舞台化となります。演出・振付・美術を担当するのは、ミュージカル『100万回生きたねこ』や百鬼オペラ『羅生門』を手がけたイスラエルのインバル・ピントさん。共同演出と脚本は、演劇団体「マームとジプシー」を主宰する藤田貴大さん。そして音楽は、NHK『あまちゃん』『いだてん』など映像作品の音楽でも広く活躍する大友良英さんが担当します。出演は、松岡さんの他、成河さん、渡辺大知さん、門脇麦さん、大貫勇輔さん、徳永えりさん、成田亜佑美さん、さとうこうじさん、吹越満さん、銀粉蝶さん。先日アイデアニュースに掲載した成河さんインタビューに続いての、舞台『ねじまき鳥クロニクル』インタビュー第2弾です。
――今日はビジュアル撮影を終えたところですが、今の段階で出演することへの思いをお聞かせください。
僕はずっとライフワークとして踊りをやっているので、インバル・ピントさんのことはもちろん知っていました。その方の作品に出演できることが非常に光栄ですし、錚々たる演者さんたちのメンバーのなかに入るので、そのプレッシャーもあり、まだ実像が捉えられないというか、ぼんやりしていますが、緊張しています。
――インバル・ピントさんの作品を何かご覧になりましたか?
成河さんが出演されていた『100万回生きたねこ』などを観に行きました。あとは動画サイトに掲載されている作品をいくつか観ました。観た印象としては、独創性の高い、ただのコンテンポラリーではないと。非常に躍動感もありますし、冷たさもありますし、温度の変化が踊りで見てとれて、素敵だなと思います。
――自分が踊る目線で、インバルさんの踊り、振付はいかがでしょうか?
今までとは踊りの質が違って、また難しいことにはなると思うので、今も必死にバレエに行ったり、身体作りからやっています。感情ありきの踊りだと思うので、すべて、振付に対して意味を理解できるかが非常に大事になってくると思います。不安もありますが、楽しみです。
――新しい踊りを手に入れるチャンス?
そうですね。チャンスですし、難しい事に挑戦させていただくのはすごくありがたいので、果敢にチャレンジして、怪我をしない程度に120%でやりたいと思います。
――原作はもう読みましたか?
まだ読めていないんです。あらすじを読むと、これを舞台化できるのかなと思いました(笑)。でも、戯曲に起こしたらきっと面白いんだろうなと期待感はあるので、早く上・中・下巻をしっかり読まなければいけないです。でも、村上春樹さんの作品の比喩が面白いですし、やはり言葉の使い方が独特なので、楽しみです。それを身体表現や芝居にする過程がきっと面白くなるんだろうなと。海外の演出家さんであるインバルさんが、この作品をどう見て、どう演出していくのか非常に楽しみです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、この作品に出演するにあたっての思いや、共演するみなさんとのこれまでの交流や印象などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10月22日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、松岡広大さん自身の幼いころからこれまでの歩み、身体能力がとても高い松岡さんと演劇の台詞の関係などについても伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■突飛というか予想のはるか上を捻ったところを演出されるので、僕は驚くだけなのかなと
■楽しかった「けど」と逆説が来るような舞台にしていきたい。ひと言で終わらせてはいけない
■成河さんが演劇の帝王だと思っている。成河さんの舞台を自分でチケットを取って観ています
■大貫さんは、空気を動かせる。空気が本当に動く。指の動きひとつで空気感を変える
<『ねじまき鳥クロニクル』>
【東京公演】2020年2月11日(火・祝)~3月1日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/nejimaki2020/
<関連リンク>
松岡広大 アミューズオフィシャルウェブサイト
https://artist.amuse.co.jp/artist/matsuoka_koudai/
松岡広大 instagram
https://www.instagram.com/koudai_matsuoka.official/
松岡広大 Twitter
https://twitter.com/koudai_official
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■突飛というか予想のはるか上を捻ったところを演出されるので、僕は驚くだけなのかなと
――これから原作を読むにあたり、単純に楽しもうと思って読むのか、これが芝居になるんだと思って読むのか、どちらでしょうか?
僕はそのまま読んでしまいます。どういう演出方法で昇華されるかはあまりわからないので、純粋に読むのですが、どちらかというと、舞台に立って、僕達が演じてみて、あまりにも突飛というか、「こうなるんだ」という予想のはるか上を、捻ったところを演出されるのかもしれません。まだ未知数なので、今は普通に読んで、きっと稽古でただただ僕は驚くだけなのかなと思います。
――今はこの先が楽しみ?
その突飛さも、きっとハマるんではないかなとは思います。
■楽しかった「けど」と逆説が来るような舞台にしていきたい。ひと言で終わらせてはいけない
――そういう世界は好きですか?
好きですね。
――特に踊りだと、そういう抽象的な表現や、答えの出ない物を、言語を使わずに届けますよね。わかりやすいかというと、わかりにくいというか。
わかりにくい物を考えていただくというか、時間とお金を割いていただいた分、僕らは何か、別に高尚な存在でもなんでもないですが、作品を観て得ていただいくことが命題。考えさせるという事や、疑問に思わせる、普段の日常のなかで、何か引っかかる物を観せたいので、単純に面白いという言葉で舞台を終わらせたくないというのはあります。
――なるほど。
「楽しかった」で終わらない。それが一番シンプルですが、楽しかった「けど」と、逆説が来るような、そういう舞台にしていきたいなと思います。ひと言で終わらない。だから終わらせてはいけないと思います。
■成河さんが演劇の帝王だと思っている。成河さんの舞台を自分でチケットを取って観ています
――共演者の皆様とはどのくらい交流がありますか?
僕は、演劇がすごく好きで、成河さんが演劇の帝王だと思っているんです、実は。
――なるほど!
僕が、劇団☆新感線さんの『髑髏城の七人』Season月《下弦の月》をやっている時に、成河さんもSeason花で出演されていましたが、《下弦の月》を観に来られていて、その時にご挨拶をして、思いの丈を話しました。それから成河さんの出られる舞台を自分でチケットを取って観ています。最近だと『BLUE/ ORANGE』とか。
――松岡さんのブログに書いてらっしゃいましたね。
はい。ご一緒できるのが非常に光栄です。大貫さんも、踊りのなかでは本当に選りすぐりの方というか、僕にとってはこれ以上ない幸せです。
――2大スーパースターみたいな感じですか?
そうですね。門脇さん、徳永さん、渡辺さん、銀粉蝶さん、吹越さんなど、知っていて当然という人たちがいらっしゃって、そのなかにメインキャストで入れるというのは、もう恐悦至極です。
――成河さんとお会いになって、舞台を観て、どんな話をされたんですか? 印象に残っていることはありますか?
ほぼ僕が一方的に喋るだけなので、むしろ逆に困らせていたかもしれません。それでいて、非常に温かく迎えてくださり、話を聞いてくださって、非常に優しい方でした。ただ芝居になると目の色が変わるというか、憑依する感じになるので、そういったところを尊敬しています。
――今回共演するにあたって何かお話されましたか?
「お世話になります、ようやくご一緒できるので頑張ります」と。確か、年齢を聞かれました。「あ、21歳なんだ、すごいな」みたいな。そういう話ぐらいですが、僕はその会話ができただけで十分幸せです。
■大貫さんは、空気を動かせる。空気が本当に動く。指の動きひとつで空気感を変える
――じゃあこれから幸せな稽古場ですね。
そうですね、本当に。
――横で作っていく過程を見られるんですものね。
目の前で見られますから。いろいろな事を聞いて、いろいろな事を盗んでいきたいです。
――大貫さんのダンスはどこに魅力を感じますか?
大貫さんは、空気を動かせる方。手を出すとか、足を上げるとか、回るとか、その場の空気が本当に動くんです。すごくダイナミックな物もあるし、どれだけ繊細でも、指の動きひとつでその空気感を変える、空気感が見えるというか。纏っている物に近いと思いますが、それを自然に出すのが僕は好きです。
――それも目の前で見られるたまらない稽古期間?
はい、たまらないですね。
※松岡広大さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは11月21日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
松岡さんがねじまき鳥クロニクルに出演されると知った時本当に飛び上がるほど嬉しかったです。どんな役を演じていても全身全霊で表現する凄まじさがあって、圧倒されます。
インタビューを読んで成長への貪欲さもとても伝わってきてますます公演が楽しみになりました!
共演者の方々や作品について語る松岡さんの言葉から胸弾む思いを感じ、観劇の日がますます楽しみになりました。古くから村上春樹さんのファンですが、わたしの思い描いた世界が “実像” として観られるのか、わたしの知らない “ねじまき鳥クロニクル” を知ることになるのか、とても楽しみです。楽しかった「けど」のその先まで楽しめる世界を用意してくださることに幸せを感じます。何度か観劇する中で「けど」の部分を育てていきたいです。松岡さんの深い部分の考えに触れられたように感じ、嬉しいです。美しい写真と記事をありがとうございました。
広大さんのダンスが大好きですが、ここでまた新しいかたちの身体表現に挑戦されるようで、まだ見ぬ広大さんの魅力に出会えることに期待が一層膨らみました。諸先輩方を尊敬なさる所以も改めて伺うことができ、広大さんの感性の一部に触れられました。偉大な先輩方と広大さんがご共演なさること、ファンとして改めて誇らしく、嬉しく思います。アンニュイな表情でのお写真も、他では見られない雰囲気です。開幕前に読み返します。
松岡さんのねじまき鳥へ挑む思いを深く知ることができて、嬉しいです。写真もゆったりとした雰囲気がいいです。チケットは取れたので、楽しみに原作を読んで待ちますね。
素敵な記事とお写真ありがとうございます。とても楽しみにしている舞台についての松岡さんの思いを早くも知ることができて、非常に楽しく拝読させて頂きました。文面から松岡さんの強い熱意が伝わって、舞台により期待せざるを得ない、そんな記事でした。お写真もとても魅力的な表情を切り取っていてどれも素敵でした。
松岡さんの後編の記事も楽しみに待っています。また、成河さん、松岡さんと引き続く、これからのインタビューリレーもとても楽しみです。