日本初演から10年を迎えるミュージカル『スリル・ミー』が、2021年4月1日(木)から5月2日(日)まで、東京芸術劇場シアターウエストにて上演されます(群馬・愛知・大阪公演あり)。二人の役者と一台のピアノのみで繰り広げられる、息をもつかせぬ究極の100分。初演から熱狂的なファンも多いミュージカルです。今回は三組で上演されます。伝説の初演ペアである、田代万里生さん(私)と新納慎也さん(彼)、2018年公演から引き続きの出演となる、成河さん(私)と福士誠治さん(彼)、10年の節目にオーディションを実施し選ばれたフレッシュな二人、松岡広大さん(私)と山崎大輝さん(彼)です。アイデアニュースでは、それぞれのペアにインタビューしました。まずは、松岡さんと山崎さんの対談をお届けします。 オーディションで勝ち取った出演への思いや、作品の印象などについて伺いました。
ーー『スリル・ミー』をご覧になったことはありましたか?
松岡:僕は2019年に成河さんが出演されていた舞台を観たことがありました。
ーー前回取材させていただいたときに、成河さんへの思いを伺いましたね。
松岡:演劇界の帝王ですからね。成河さんの舞台を観て、「僕もやりたい」と思いました。10代の頃に『アドルフに告ぐ』を観てから、「俳優であれば演出の栗山(民也)さんとやりたい」と思っていたんです。だから、今回出演できるのが嬉しい限りで、光栄です。
ーー山崎さんはいかがですか?
山崎:僕は、このオーディションを受けると聞いてから、いろいろと調べて映像を拝見するところから入っていきました。本当に濃密で、このピアノ一台と役者二人だけで繰り広げられるステージが、こんなにも集中させるものなんだなと。観る側も集中力が途切れない舞台だなと思いました。ずっと話は動いているし、二人で話が進んでいく会話劇で、本当に素晴らしい舞台だなと思います。
ーーこれまでに何度か拝見していますが、咳一つするのもためらう空間でした。
松岡:会場に入って物音を立てると、「不謹慎かもしれない」みたいな雰囲気は確かにありますよね。僕もそれは感じました。
ーー以前、彼役を演じた伊礼(彼方)さんが、「(観客の)咳と戦った」とおっしゃっていました。
松岡:本当にそうですね。緊迫しています。
山崎:そうなんだ!
ーー松岡さんにお伺いしたいのですが、「演劇界の帝王」と慕う成河さんと『ねじまき鳥クロニクル』で共演され、今度は同じ役を同時にやるというのは、どんなテンションなんでしょうか。
松岡:本当に、もう恐悦至極ですよ。飛び上がるくらい嬉しくて、名誉なことです。オーディションで、松岡にやらせようと思ってくださった、栗山さんはじめスタッフの皆様のご判断がものすごく嬉しいですし、楽しみです。やはり世代が違って僕らが一番若いチームですが、見比べてもらえたらいいな、なんて個人的には思っています。
ーー成河さんとは、何かお話されましたか?
松岡:『ねじまき鳥クロニクル』のときに、『スリル・ミー』のオーディションがあるかもしれないと話があったので、成河さんにお話したら「そうなんだ」と。成河さんは出るということは、僕はまだそのとき知らなかったんです。最近になって、成河さんが出演なさるという話を聞いたので嬉しいですね。また、何か諸先輩方から勉強したいなと思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、松岡さんが『ねじまき鳥クロニクル』で成河さんと共演して感じたことや、山崎さんが歴代多くの方が演じてきた「彼」を演じるにあたって考えていることなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2月11日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、二人芝居は、やはりおふたりで作っていかれるものじゃないですか。松岡さんと山崎さんが初めてお会いになって思ったこと、出演作品が中止になる経験もあった2020年を経て、『スリル・ミー』にむけて今伝えたいことなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■松岡:(『ねじまき鳥クロニクル』で共演した)成河さんは、本当にトライ&エラー
■山崎:まずは自分で構築して、しっくりこない部分があったら他の方のものを
■山崎:分からないものの答えを知ってしまうと、すごく悔しいと感じてしまう
■松岡:まず、ニーチェを読まなくてはいけない。僕は哲学書、大好きです
<ミュージカル『スリル・ミー』>
【東京公演】2021年4月1日(木)~5月2日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
【群馬公演】2021年5月4日(火)~5月5日(水) 高崎芸術劇場 スタジオシアター
【愛知公演】2021年5月15日(土)~5月16日(日) ウインクあいち大ホール
【大阪公演】2021年5月19日(水)~5月23日(日) サンケイホールブリーゼ
公式サイト:
https://horipro-stage.jp/stage/thrillme2021/
<関連リンク>
松岡広大 アミューズWEBサイト
https://www.amuse.co.jp/artist/A8399/
松岡広大 アーティストページ アミューズモバイル
https://a.amob.jp/mob/arti/artiShw.php?site=A&cd=A8399
Koudai Matsuoka/松岡広大 Twitter
https://twitter.com/koudai_official
Koudai Matsuoka/松岡広大 Instargram
https://www.instagram.com/koudai_matsuoka.official/
山崎大輝 オフィシャルサイト
https://imagene.co.jp/yamazakitaiki/
山崎大輝 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/taiki-yamazaki/
山崎大輝 Twitter
https://twitter.com/ttttttaikki103
山崎大輝 Instargram
https://www.instagram.com/rrrrrlight103/
らいと(山崎大輝)公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCs059_U3mci-owlSYdxGM6A?sub_confirmation=1
Taiki(山崎大輝) Music Official Website -5pb.
http://5pb.jp/records/taiki/
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※松岡広大さん・山崎大輝さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは3月11日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■松岡:(『ねじまき鳥クロニクル』で共演した)成河さんは、本当にトライ&エラー
ーー『ねじまき鳥クロニクル』では、憧れていた方と一緒に舞台に立って、いかがでしたか?
松岡:成河さんは、エネルギーを人の何倍も出せるんですよ。10倍以上。(2020年11月に)DDD青山クロスシアターで再演している、成河さんの一人芝居『フリー・コミティッド』を2年前に観に行ったんですが、もう怒涛でした。演劇の「これぞ」と言わんばかりの、「これが演劇の面白さだ」というのを交互に食らって、お客さんとして観ていて「これは、すごいな」と思いましたし、共演して突き詰める姿勢をすごく感じました。『ねじまき鳥クロニクル』は、海外の演出家の方だったので、コミュニケーションや意思疎通に対しても手を抜かずに、すごく丁寧に建設的に、そして稽古場で失敗をしてやり直して、本当にトライ&エラーなんですよね。その姿勢を非常に学びました。尊敬しています!!
ーー尊敬がさらに増したんですね。
松岡:いやもう、すごいですよ。
■山崎:まずは自分で構築して、しっくりこない部分があったら他の方のものを
ーー山崎さんは、同じ彼役を新納さんや福士さんが演じられますし、歴代演じてきた方々もたくさんいらっしゃいますが、そこに並んで今度は自分が演じるというのは、どんな思いでしょうか。
山崎:年齢でも先輩であることはもちろん、培ってきている量がとてつもない。技術もあって、何よりその生かし方を知っている方々が演じてきているのは、よく分かっています。だからこそ、それを真正面から受け取りすぎてしまうと、僕がやる意味を失ってしまうような気がしているので、あまり入れすぎないようにはしようと思っているところです。今回の取材を受けるにあたって、これまで演じてきた方々は、どういう気持ちでやってきたのかを知りたくて、皆さんのインタビューも読みました。最初は他のペアを見ないようにしていても、再演を繰り返すごとに、盗めるところは盗もうという話もあったのでその時点で迷い始めてしまいましたが、まずは自分で一度構築して、自分の中でしっくりこない部分があったら、他の方のものを取り入れることを実践していこうと思っています。
■山崎:分からないものの答えを知ってしまうと、すごく悔しいと感じてしまう
ーーなるほど。逆にいうと、同じ役を先輩方とやれる機会はあまりないと思うので、聞けるチャンスにもなるのかなと。
山崎:いや、でも僕は本当に見てしまうと「それもあるか」となってしまうんです。なぞなぞみたいなもので、「(問題)パンはパンでも食べられないパンは?」「(回答)フライパン」と言われたら、それもあるかという風になる感じと一緒で……例えが、これでいいのかは分かりませんが(笑)。
(一同笑)
山崎:分かりそうで、分からない。出来そうで、出来ない。そういうものの答えを知ってしまうと、すごく悔しいと僕は感じてしまうんですよね。
ーー先行して答えを出されてしまう?
山崎:そうですね。「それは正しいよな」という感じになってしまうので。
松岡:「それもあるよね」くらいで、とめたらいいんじゃないかな。悔しいというか、そういう選択肢もありますよねという話なので。考え方や作り方は確実に違ってくると思うので、そこで「そういう手があったのか」と考えてしまうということは、ある種イメージの固定というか固執してしまっている感じがあるので、そこは邪魔になってくるから排除しなくてはいけない。それこそ、そういうものが生まれてしまうと、山崎さんもおっしゃっていた自分がやる意味がなくなってきてしまうから、程よく見て、程よく干渉しない。無関心でいることも大事だと思います。もちろん芝居のテクニック、感情の出し方などは見て学ぶ。人って、言語化出来ないことを、感じるじゃないですか。オーラのような纏っているもの。そういったもので、自然と僕らも出来るようになるんじゃないでしょうか。人のものを見て考えて、いいチャンスだと思っています。
ーー今まで様々な組合せを観てきたからこそ、若いお二人を観てみたいという声も見かけました。
山崎:ありがたいですね。
松岡:どんどんプレッシャーはかけていただいて。
山崎:それは、めちゃくちゃ思いますね。それはあっていい。
松岡:多分、野心しかないと思います。
ーーかっこいい! そうですよね!
山崎:逆に、こういう機会がないですからね(笑)。
松岡:(笑)。
ーー同じ年代で集まって、わーっという感じではないから逆に。
松岡:それもありますし、同年代が観て嫉妬するような作品にしたいとも思っています。
■松岡:まず、ニーチェを読まなくてはいけない。僕は哲学書、大好きです
ーーお二人は何歳ですか?
松岡:23歳です。
山崎:25歳です。
松岡:だから、ミュージカルをやりたい人、栗山さんとやりたい人、二人芝居、本当に演劇好きだという人たちは、本当にやりたいと思うんです。それを僕たちが出来る。オーディションをしていただいて、厳正な審査の上で選ばれて出演できるとなると、同じ歳の人には爪を噛んで観てもらいたい。「すごいな」と。自分を過大評価するわけではありませんが、世代が違うというところで比べられることは確かにあると思います。もちろん怖いところでもありますが、そこばかりにこだわっていては、俳優として僕らがやる意味はないですから。なので、ちゃんと意味を持って演じていきたいと思います。
ーー本当に、おふたりともいい目をされていますね。
松岡:山崎さんの「彼」がどういうものになるかは、まだ分かりませんし、自分もまだ台本に手をつけていないので分からないです。ただ、野心しかないです。
ーー私と彼も、そういう若さや野心みたいなものでやってしまったところがあるじゃないですか。
山崎:そうですね。
ーーお二人の野心が芝居にどう出てくるのか、すごく楽しみです。
松岡:まず、ニーチェを読まなくてはいけない。
山崎:そこですよね!
松岡:哲学的にいうと。
ーー松岡さん好きそうですね。
山崎:好きそう!
松岡:ドストエフスキー『罪と罰』とか。
山崎:俺は目が痛くなっちゃうもん(笑)。
(一同笑)
松岡:目が痛くなっちゃうの?
ーー松岡さんは本を読むのが好きとおっしゃっていましたね。
松岡:僕は哲学書、大好きです。ニーチェはおもしろくて、いいですね。
※松岡広大さん・山崎大輝さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは3月11日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
インタビューを読んでますますお2人のペアが楽しみになりました。無事幕が上がり大千秋楽まで駆け抜けられることを祈っています。
インタビューを読みながら、ほかの出演者に比べるとずっと若いお2人が、どのように演じて、どんな魅力になっていくのか、今からワクワクしています。とても楽しみです。
スリルミーは一番といってもいいくらい好きなミュージカル。新しい若いペアのお二人の新鮮なスリルミー、楽しみです
ポスターを見ただけで唯ならぬ空気を感じて以来、紹介文やキャスコメントなどを拝見して行く内に、興味と共にどんどん期待が膨らんでいます。フレッシュなお二人がどんな色を生み出すのか、他組の方々との相乗効果も楽しみです。応援しています!
キャスト発表から楽しみにしていましたが、インタビューを読んでお2人がスリルミーに挑まれることが更に楽しみになりました。
ペア毎に新しい発見が出来ることもスリルミーの醍醐味だと思っています。
新しいお2人が演じるからこそのスリルミー、楽しみにしています!
2人のインタビューを読んで、ますます舞台が待ち遠しくなりました。100分間好きな人だけを見つめていられる幸福感がたまらなく楽しみで仕方ないのです!
まばたきする時間すら惜しいくらいです。
この状況でも、どうかどうか無事に大阪の千穐楽まで駆け抜けて欲しいと祈るばかりです。そしてその日を私も見届けたいです。
2人の奏でる物語を魂の旋律を
響かせて下さい。全力で応援しています!
スリルミー、若いお二人の野心がどのような形になるのか観劇がすごく楽しみです!