2019年11月6日(水)から2020年1月13日(月・祝)まで、IHI ステージアラウンド東京にて上演される、ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』〔日本キャスト版〕Season1に、リフ役でダブルキャストで出演する、小野田龍之介さんと上山竜治さんの対談後半です。2019年9月まで上演されていた『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役、今回の『ウエスト・サイド・ストーリー』のリフ役と、同じ役を続けて演じるおふたりに、お互いについて語っていただきました。
――『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役、今回のリフ役と、2役続けて同じ役で、ほぼ1年ぐらいご一緒することになりますよね。しかも、一緒には出演しないという。
上山:この1年間、一緒には共演してないですからね。
小野田:そうだね、芝居をしてないんだよ。
上山:同じカンパニーで、同じ楽屋にはいるけど。
小野田:そうだよ、そういうことだ。
――むしろ役者同士ぶつかることは一切ないけれど、逆にお互いのことはよくご存じかなと。
小野田:いや、多分よくご存じでもないと思いますよ。一緒にいないですから。本番が始まると、終わるぐらいに現れて、常にお互いの安否確認みたいな。
――元気でやってるな、というような?
小野田:僕が「今日、大丈夫?」と聞くと、上山君が「大丈夫。じゃあ、行ってらっしゃい」。次、僕が昼公演だと、上山君が「今日、大丈夫だった?」と聞いて、僕が「大丈夫。じゃあ、頑張って」と送り出す。
上山:そう、だから、ふたりとも基本元気。喉も大丈夫ですし、基本大丈夫。「おー! イェイイェイ!」と言って。
――稽古ではご覧になっていると思うので、それぞれの役や作品への取り組み方で、お互いに「この人は自分にはないものを持っているな」と思うことはいかがでしょうか?
上山:龍之介は、ミュージカル・サイボーグと呼んでいるんです。本当にもう、すぐできてしまうんですよ。振りを付けられたらすぐにできますし、芝居も台詞も動きも付けられたら、すぐにできちゃう。「え!? 昔からやってた?」みたいな。アンジョルラスの時もそうでした。本当に、何で?
小野田:いやいや、全然。僕はすぐにできるとは思っていないですよ。「できないな」と思って毎日やってます。「なんか上手くいかないな」と思って。
上山:本人はそう言うんですよ。「大丈夫だった?」って聞いてくる。
小野田:僕、すごく不安症なんです。同じ役をやっているから、結構聞くんですよ。「今日大丈夫だった? 合ってる?」って。
上山:「お前は完璧だ。もういい、もう大丈夫だ」と言いました。
小野田:それしか言わないから。「なんだよ!」って。そういう感じのやり取りが多いですね。
上山:本当にすごいですね。何でそんなにすぐできちゃうんだろうって。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、『レ・ミゼラブル』と『ウエスト・サイド・ストーリー』でおふたりが同じ役を続けてダブルキャストになるということで、何か通じるところがあるのかというお話など、インタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
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■(上山さんについて)小野田:すごく真面目。理屈をしっかり考えるタイプ
■(おふたりが通じるのは?)上山:自信過剰。小野田:誰が自信過剰やねん!
■小野田:360度、本当に街並みがある。そこに生のミュージカルの息遣いが
■上山:日本キャストのチャーミングさ。The Jetsの子供っぽさを楽しみに
<ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1>
【東京公演】2019年11月6日(水) ~ 2020年1月13日(月・祝) IHIステージアラウンド東京
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■(上山さんについて)小野田:すごく真面目。理屈をしっかり考えるタイプ
――逆に、小野田さんは上山さんについていかがですか?
小野田:すごく真面目なんですよ。結構理屈をしっかり考えるタイプの俳優さんだなと思って。
上山:そうだね、意外とね。
小野田:僕は、理屈は考えません。感じます。
――対照的ですね。
小野田:もちろん、考えなければいけないことは考えます。それは大事なことで、台詞を言っていて、「どうしてこう言うんだろう」と思って引っかかったら、すごく考えます。でも、僕は基本的に理屈で生きていないタイプの人間ですし、全部理屈で考えると疲れてしまうから、考えなければいけないことはちゃんと考える。でも、基本、感覚で生きたいなと思うタイプ。僕が見る上山君は、結構ちゃんと全てを理屈で整えてから、パフォーマンスするタイプです。そういう印象です。本人かどう思っているかは分かりませんが。
上山:僕の感覚では、確かに、(胸をたたきながら)もちろんここなんですけれど、感覚でやるにも、ノッキングを起こしてしまうところを、整理していく感じなんですよね。
小野田:僕もやっていることは一緒なんですよね。僕も引っかかると、すごく考える。でも多分、僕は飛び込みやすいんだと思います。
上山:ああ。
――飛び込みやすい?
小野田:分からなくても、「やってみよう!」と。(上山さんは)飛び込みやすいタイプではないと思います。
――「とりあえずやってみよう」というよりは、「大丈夫、いけるな」と脳で確認してから飛び込むような?
上山:そうですね。僕の場合は、飛び込んだところで、ちょっと気持ちが迷いを起こすだけで、考えてしまうので。
――自分で大丈夫だと積み上げるために、自分の中の理屈をきっちり確認する?
上山:そうですね、それで台詞が出なくなってしまうんですね。
小野田:それは確かにあるね。
上山:その気持ちが通っていかないと、「何でこの台詞言うんだ?」という感じになってしまう。その縫い合わせる作業に、結構時間がかかってしまうので。ダンスもそうですね。だからすごく遅いんですよね。「こういう意味でこう……」と紡いでいる感じが、時間がかかってしまうんですよね。
小野田:すごく丁寧に紡いているんですね。
上山:その両方を、龍之介は多分すぐできてしまうので。
小野田:いや、全然そんなことはないですよ。僕はものすごくマイペースですので。「なるようになるさ」ぐらいのペースで、日々生きてるだけです(笑)。
■(おふたりが通じるのは?)上山:自信過剰。小野田:誰が自信過剰やねん!
――おふたりが同じ役を続けてダブルキャストになるということは、通じるところがあるんだと思いますが。
小野田:そうですね、つながるものがあるのかな。
――どうしてだと思いますか?
上山:どうなんですかね。逆に聞きたいです(笑)。
小野田:そう、逆に聞きたいです。
――(笑)。
上山:でも、タフな外国人みたいな役者…。
小野田:アメリカ人とかね。
上山:タフなアメリカ人。アンジョルラスもそうですけど。
小野田:フランス人とかね。
上山:自信過剰なというか。
小野田:誰が自信過剰やねん!
上山:体格的にもそういう風に見えるんじゃないですか? 似てるところって、そういうところなのかなぁ。
小野田:日本人離れした大胆さ、みたいなこと? ちょっと大胆にやっちゃう感じ。
上山:そうだね。パワフル感というか。
――あとは、リーダー感でしょうか。リフとアンジョルラスは、共にリーダーですよね。
小野田:そうですね。リーダーというのは共通してますよね。
上山:そうだね。
小野田:でも、同じリーダーとは言っても、アンジョルラスは堅いタイプ。リフはもっとアメリカ人のカジュアルな感じ。タイプが違う2役のはずなのに、まったく同じダブルキャスト。それを知ったのがレミゼの公演中で、笑いましたよ。「へ!?」って(笑)。「ポールダンサーかぁ……」と思って。
上山:ポールダンサーじゃねぇよ(笑)。
――(笑)。
小野田:レミゼのツアー中に、あんまり会わないけれども、ちょっとした時間に、一応振りは全部分かっているところはあるので、楽屋で降り写しをして、ちょっとダンス稽古をしたりしていました。
上山:めっちゃ教えてくれるんですよ。超頼りになりますよね。
――小野田さんはトニー役だったのに、なぜ教えられるんですか? 全部覚えているとか?
小野田:リフの稽古をしたことがあるんですよ。
――そうなんですか!?
小野田:2016年にトニーを演じる際、実は「リフも兼ねて出演してくれないか」とお話をいただき。それは当時の事務所がお断りしたのですが、「1回やってくれ」と言われて。かつてベルナルドを演じられていた加藤敬二さんと共に、『クール』や『プロローグ』などのナンバーを何曲かダンス稽古したことがあるんです。でも、少しずつバリエーションが違いますので。
■小野田:360度、本当に街並みがある。そこに生のミュージカルの息遣いが
――今回の『ウエスト・サイド・ストーリー』は、360度舞台があって客席が回転するIHIステージアラウンド東京で上演されることがこれまでと一番違うと思いますが、あの“街感”すごいですよね。
小野田:そうなんです。“街感”がすごいので、何よりそれが見どころだと思います。
――映画の中に入ったようですよね。上山さんはいかがですか?
上山:興奮したよ。
小野田:ここは焼き鳥屋じゃないんだから。
上山:興奮しましたよ。UFJ……USJか。
小野田:UFJは銀行だよ。
上山:古典的な間違いだ(笑)。
小野田:古典的なやつだよ、よくやるやつだよ(笑)。
――(笑)。
上山:USJの乗り物に乗ったみたいな。
小野田:USJにありそうだよね。ディズニーランドにはない。
上山:スパイダーマンの乗り物に乗った、みたいな。そんな感じの本当に贅沢な企画だなぁ、と思いましたね。
小野田:そのうち、あのセットがUSJにできるんじゃないですか。
――そのアトラクション感があるんでしょうね。
小野田:そうですね。特に劇団☆新感線の時は、本当に360度全面を、ひとつのナンバーで全部使うくらいの勢いで使っていたじゃないですか。今回もそれを想像していたんです。最初は『ウエスト・サイド・ストーリー』を360度やることにちょっと抵抗があったんですよね。でも、実際にアメリカカンパニーの稽古を見に行ったり、本番を観に行った時に感じたのが、「ああ、こういうことに360度使うんだな」と。これまで上演された『ウエスト・サイド・ストーリー』は、すごくシンプルに描かれていたじゃないですか。でも、360度のステージがあることによって、大掛かりな舞台転換ということをしなくて済むので、セットがステイできるんですよね。だから、本当に街並みがそのままあり、生でしか感じられないミュージカルの息遣いとか、若者たちの躍動感と、映画でしか感じられなかった建物や、ウエストサイドの街並みが、両方体験できる。こんなに豪華なと言うか、特別な空間はないなというぐらい、これまでの『ウエスト・サイド・ストーリー』ファンも、また新たな感覚で楽しんでいただけると思いますし、ミュージカルを初めて観る方でも、視覚的にも音楽的にも本当によくできているので、ミュージカル入門編としては、非常にぴったりなものになっていると思います。本当に皆さん楽しんでいただけると思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
■上山:日本キャストのチャーミングさ。The Jetsの子供っぽさを楽しみに
――上山さんからも、最後にメッセージをお願いします。
上山:来日バージョンとはまったく違った、日本のオリジナルキャストで演じますが、本当にその個性が、キャラクターがものすごく豊かなんですよ。本当に人間力溢れたキャストですので、そういった個性豊かなところと、日本人が演じることで、チャーミングさがさらに倍増されているような気がするんですね。The Jetsの子供っぽさが、すごく魅力だと思います。若さがあるからこその残酷さだったりとか、人を殺めてしまったり、そういったところもすごく際立っていると思いますので、ぜひ楽しみに観に来ていただければと思います。
※小野田龍之介さんと上山竜治さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは12月3日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
小野田さんと上山さん、どちらのアプローチも興味深く 演者としての苦悩を垣間見た気がします。
まさかレミゼ期間中からダンスレッスンをしていたとは思いもしませんでしたが、それをキャスト発表後も口外することなく静かに熱く役を生きようとしてくれる2人に いち観客として感謝しかありません。
今後も注目していきたい2人です!
対談上下ともに興味深く拝読させていただきました。ありがとうございます。
初日に観劇しましたが、確かにUSJのアトラクションのような今までのWSSには無いわくわく感があって楽しかったです。
リフのトニーと接するときだけ本当に弟のような子供らしい部分が出るギャップが好きです。
次回はリフとトニーの関係性に注目して観ようと思います!
龍之介さんの歌、ダンスとても楽しみです。
いつも感動し、元気をもらってます。
今回は小2の息子も一緒に観に行きます。
息子はメリーポピンズ以来の観劇。とても楽しみにしています。
親子で楽しみにしています。
頑張ってくださいね。