「若く衝動的」、『ウエスト・サイド・ストーリー』小野田龍之介&上山竜治対談(上)

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

2019年11月6日(水)から2020年1月13日(月・祝)まで、IHI ステージアラウンド東京にて上演される、ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』〔日本キャスト版〕Season1に、リフ役でダブルキャストで出演する、小野田龍之介さんと上山竜治さんの対談をお届けします。稽古がすすむなかで感じていることや、ステージアラウンドバージョンならではの『ウエスト・サイド・ストーリー』についてなどを伺いました。11月4日(月・祝)掲載予定のインタビュー(下)では、2019年9月まで上演されていた『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役、今回の『ウエスト・サイド・ストーリー』のリフ役と、同じ役を続けて演じるおふたりに、お互いについて語っていただきました。

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

――稽古がはじまって約1ヶ月経っているとのことですが、手応え、難しさなどどう感じていますか? 小野田さんは、2016年に劇団四季のミュージカル『ウェストサイド物語』でトニー役をされていますが、総合して今のカンパニーとしていかがでしょうか。

小野田:今はとりあえず作品の土台作りをしている最中ですね。やはり、『ウエスト・サイド・ストーリー』は、音楽とダンスが非常にベースにあって、その中で、お芝居がどんどん肉付けされていくような作品になっていると思います。そのダンス稽古を、今回のカンパニーでは、プロローグの長い最初のナンバーと、The Jetsの『クール』のナンバー、The Sharksの女性達の『アメリカ』のナンバーを、全キャスト稽古するんですよ。

――出演しなくても?

小野田:そうなんです。ですから、『クール』をベルナルドも、The Sharksのメンバーも、とりあえずやるんです。この3曲は、『ウエスト・サイド・ストーリー』の非常に象徴的なナンバーになっています。この作品の身体を使った感情の表現と言いますか、そういうものをベース稽古としてやったりしています。

上山:マジでキツイです。

小野田:ですから、まんべんなくみんな疲れているんです。

――なるほど。

小野田:あとは、お芝居の稽古をしたりしていますね。

――上山さんは初の『ウエスト・サイド・ストーリー』の世界はいかがですか? 出演しないナンバーまで稽古するとのことですが。

上山:もう、その振りは本当にキツイですね。

小野田:毎回振り稽古の時に僕のところにぱっと来て、『この振りは、本当にリフはやる?』って聞くんです。『ここはやらない』と答えると、『分かった』と。一応、やるかやらないのかは判別しながら進めています。

――本当にものにしなくちゃいけないものなのか、そうじゃないのか?

小野田:そうなんですよ。全部をものにしようと思ったら、本当に大変なことになってしまうので。ある程度はさらえつつ、でも『これはやるんだぞ』と頭の中で思っておけば、振り付けの稽古になった時に、ぱっとできるので。

上山:とりあえず自分がやるナンバーを中心に、頑張らないといけないなという感じです。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、上山さんが「RUN&GUN」のメンバーだった時に小野田さんがゲスト出演した時の思い出から、上山さんの『宝塚BOYS』でのダンス、小野田さんの劇団四季『ウェストサイド物語』出演のお話や、おふたりが今思い描いているリフ像などについて語ってくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。11月4日(月・祝)掲載予定のインタビュー「下」では、2019年9月まで上演されていた『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役、『ウエスト・サイド・ストーリー』リフ役と、同じ役を続けて演じるおふたりに、お互いについて語っていただいたインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■小野田:上山君のダンスは、ポールダンスしか見たことがない 上山:1回だけだろ(笑)

■上山:『宝塚BOYS』でジャズダンスを。あとはジャズ系のストリート、ヒップホップ系

■小野田:『ウエスト・サイド・ストーリー』のシンプルさは、今のダンサーにあまりない形

■上山:トニーとの出会いは、勝手に考えているんですが、数の揃っていないトランプ遊び

<ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1>
【東京公演】2019年11月6日(水) ~ 2020年1月13日(月・祝) IHIステージアラウンド東京
公式サイト
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_1/

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小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■小野田:上山君のダンスは、ポールダンスしか見たことがない 上山:1回だけだろ(笑)

――ダンスの種類としても初めてですか?

上山:同じジャズでも、また違いませんか?

小野田:これはまた本当にクラシカルな、スタンダードなジャズですからね。スタンダードなジャズを、僕は昔からやっていましたが、上山君はポールダンサーですね(笑)。

――ポールダンサー!?

上山:お前……。

小野田:僕は上山君のダンスは、ポールダンスしか見たことがないので。

上山:1回やっただけだろ(笑)。

――ポールダンスは、何でされたんですか?

上山:僕はRUN&GUNというグループをやってたんですが、そこでやったんです。

小野田:ハイレグで!

上山:そう。ハイレグでやりましたからね。

小野田:その時に、僕はゲストで出て歌ったんです。その印象が強いので、リフにダブルキャストで上山君が決まりましたと言われた時に、じゃあ、ステージアラウンドだし、ポールが出てくるのかな、と。

上山:ないだろ(笑)。

小野田:ちょっと思いましたね。街の電柱を使ってね(笑)。上山君は結構オリジナリティに溢れていて、なんでもやってくれるタイプなので。

上山:パンツ一丁で、ハイレグでやってるんだろ?

小野田:全部曲に合わせて脱いでいく(笑)。

上山:革ジャンにハイレグ。

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

■上山:『宝塚BOYS』でジャズダンスを。あとはジャズ系のストリート、ヒップホップ系

――(笑)。

小野田:でも、こういうスタンダードなジャズっていうのは、あんまりやっていないですか?

上山:そうだね。『宝塚BOYS』の最後にジャズダンスを踊りましたが。あとはジャズ系のストリート、ヒップホップ系だったり。ジャズ・ヒップホップみたいなのが多いですね。

――初めての経験になるんですね。

上山:バレエが筆おろしですね。

――逆に、小野田さんは劇団四季の『ウェストサイド物語』に出演されたことがあって、上山さんとスタートラインが違う中で、お互いの今の稽古状況を見ていて、どう思われますか?

小野田:上山君は運動神経がいいんですよ。だから、何やかんや言いながらでも、すぐに動いていますからね。

上山:やっぱりさらに基礎を頑張らないといけないですね。

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

■小野田:『ウエスト・サイド・ストーリー』のシンプルさは、今のダンサーにあまりない形

小野田:それぞれが培った、ジャズやバレエなどの、基礎的なものが影響しますね。やはり基礎をやっていないと、難しいことができないんですよ。そこはやはり感覚なんです。例えばすごく歌が上手い人だとしても同じで、すごくラップが上手いから、歌が上手いなと思っても……。

上山:ちょっとクラシカルな歌を歌ってと言われると、ちょっと節ってしまうとか。

小野田:こぶしが入ってしまう感じね。ダンスもちょっとうねっただけでも、『ウエスト・サイド・ストーリー』の形じゃありませんから。

上山:分かりやすいよね。

小野田:『ウエスト・サイド・ストーリー』のナンバーのダンススタイルって、本当にシンプルなんですよね。そのシンプルさは、今のダンサーには、あまりない形なんです。

――現代のダンスとは違いますよね。

小野田:そうなんです。僕は結構子供の時から、幸いなことにジャズなどをやってきた基礎があり、最近は踊る作品はやっていませんが、生かせる部分はたくさんあります。個人的にはよかったと思います。でも、上山君は運動神経抜群ですので。

――上山さんは、ここが面白いとか、ここが難しいとか、具体的にありますか?

上山:ダンスが難しいです。難しいですが、ダンスにお芝居の理屈が考えられているので、そのお芝居を中心に気持ちを通していった時は、やっぱりすごく楽しくなりますね。すごくよくできているなと。

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

■上山:トニーとの出会いは、勝手に考えているんですが、数の揃っていないトランプ遊び

――おふたりで取り組まれるリフ像について、お聞かせください。

小野田:今の段階でとりあえず我々は、やることはある程度終わっているんですよ。一幕で僕たちは死ぬので。もう最後の死ぬナイフファイトの稽古もしました。もちろん、まだやっていないところもありますが、ある程度やりました。今回は立ってお芝居をする稽古というよりも、みんなでディスカッションをして、割と深いところまでお話をすることが多いカンパニーです。リフ像も大枠としてはすごく作りやすいというか。共通認識があります。

――どんな共通認識があるんですか?

上山:リフとトニーとの関係性だったり、家庭環境などですね。

小野田:リフは、家族がいない孤児ですが、なぜ彼は孤児になってしまったのか。みなし児と言っても、いろんな理由があると思います。別に彼らは犯罪者でもなんでもなくてただの子供。その中で彼は何を求めているのか。そういうことを話しています。リフは愛を求めていたり、家族を求めていたり、絆というものを非常に大事にしている。だからトニーにすごく依存していたり。トニーとリフが、なぜ兄弟と言い合うようになったのかという話をしたりもしました。僕は、リフはチャーミングな青年だと捉えていて、そのチャーミングさと、仲間といる時のリーダーっぽい感じ。リーダーと言っても、あんまり渋く大人になってしまうと、ちょっとやくざの抗争みたいになってしまうので(笑)。

――確かに。

小野田:若々しい、その突発的な発言とか。あんまり計算ではなく、衝動的にやってしまう発言や行動を心がけてやっていますね。

――上山さんはいかがですか?

上山:龍之介が言ったことが、リフについての全てです。

小野田:すごいな(笑)。「全てです」で終わる。

上山:リフについては、トニーとの関係性も、結構話し合っているので、本当に全てです。

小野田:僕らのどっちがどうというのはないんです。お客様が観てくださって、俳優からにじみ出るものは、それぞれもちろん違うと思いますが、理屈としてはそんな感じです。

上山:基本的には。

――その共通認識をしっかり合わせていくんですね。

上山:そうですね、トニー(宮野真守さん、蒼井翔太さん)と4人で話しています。

小野田:みんなの認識がバラバラすぎなのも大変じゃないですか。ひとりは渋くやるのに、ひとりはやんちゃでも困るから。そこは、ダブルキャストだとしても、統一しています。

上山:あとは、トニーとの出会いは、僕がもう勝手に自分で考えているものがあるんです。リフがニューヨークの片隅の汚い路地でひとりでトランプ遊びをしていて、しかも数も揃っていないちょっとしかないトランプでマジックの練習をしていたら、トニーが来て声をかけてくれた、っていう出会い。

――それは自由に作っていいんですね。

上山:はい。

――じゃあそれぞれに?

小野田:勝手に作ります。

――小野田さんは?

小野田:一緒です。僕も出会いはトランプです。

上山:それでいいんだ? トランプで?

――この対談を読んだ方々は、トニーとリフはトランプで出会ったんだと思って観ますが大丈夫ですか?

上山:全然大丈夫です。

小野田:実際にはそんな背景は出て来ないので。

上山:そんなのどうでもいいんですけどね。

小野田:トニーがトランプをそこでこっそり渡して、一生兄弟みたいな感じですね。でも、物語のなかでトランプが出てくることはまったくないですから。

――おふたりの設定としてですね。

上山:もう忘れてください、今のは。

――(笑)。

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

小野田龍之介さん(写真左)と上山竜治さん(写真右)=撮影・岩村美佳

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“「若く衝動的」、『ウエスト・サイド・ストーリー』小野田龍之介&上山竜治対談(上)” への 5 件のフィードバック

  1. はな より:

    舞台何度か拝見しました。どんどんリフが深くなっていっているのを感じます。
    何度か拝見してからこちらの記事を読んで納得したり、驚いたり!とても興味深かったです!すてきな記事をありがとうございました!

  2. arisa より:

    読み応えのあるお二人の対談ありがとうございました。
    背景には出てこないリフの物語もっと聞きたいと思いました。話しあわれて作り上げられた舞台を12月に観に行くのがさらに楽しみになりました。

  3. ちゅん より:

    お二人とも、初日明けましたね。
    おめでとうございます!

    今週末観に行く前に読みたかったので、リフのバックボーンなどお話伺えて楽しい。
    新感線で何度も足を運んだステージアラウンド東京のステージで、ミュージカルの王道作品がどう息づいているのかとても楽しみです。

  4. たま より:

    リフ2人の面白おかしい話を聞き出して下さりありがとうございました。ますますウエストサイドストーリーが楽しみになりました。

  5. ゆん より:

    ‪興味深く、読み応えのある記事をありがとうございます。素敵なお写真とインタビューで、小野田さんと上山さんお二人の仲の良さも伝わって来ました。
    小野田さんがトニーを演じた四季版のWSSも拝見しましたが、今回のステアラ版もますます楽しみになりました。‬
    11/4の更新もお待ちしております。

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