ミュージカル『バーナム』が2021年3月6日(土)から3月23日(火)まで、東京芸術劇場プレイハウスで上演されます(兵庫公演、神奈川公演あり)。19世紀半ばのアメリカで大きな成功を収めた興行師、P.T.バーナムの半生を描いたブロードウェイ・オリジナルミュージカルで、今回が日本初上演となります。P.T.バーナムの妻チャイリーを演じる朝夏まなとさんにインタビューしました。上、下に分けてお届けします。作品の見どころや、2021年の今の想いなどを伺いました。(写真は2020年12月末に撮影、インタビューは2021年2月下旬に実施したものです)
――今の手応えなど、いかがですか?
全体的に、台本以上に、すごく膨らんで舞台上に乗っかっている感じがしています。荻田先生の頭の中でできあがっているものが表現されていて、目が足りないくらい見どころが沢山ある状態になっています。私自身も、台本で台詞があるところだけではなくて、「あ! ここにも出るんですか?」みたいなところにも登場したりしますし、いろいろと盛り沢山な内容になっています。場面ごとに稽古している段階でも、「これは結構大変だぞ」と感じたほど、分量も多いです。その中でメインになってくるのが、バーナムとチャイリーの夫婦のお芝居です。全体的にショーナンバーが多く、その間に芝居が入っていくのですが、そのお芝居で、流れがちゃんと作れたらと稽古をしています。
――P.T.バーナム役の加藤(和樹)さんとは、『ローマの休日』から引き続いての共演で、約半年間ご一緒ですが、加藤さんとのタッグで二人のお芝居などを作っていくのは、いかがでしょうか。
今回は夫婦といっても、対等な夫婦なんですよ。バーナムがやることを応援はしているんだけど、「ちょっと現実みてよ、あなた」みたいなことを、ばんばん言い合う間柄なので。そういう意味では二人でも話していたんですが、この作品で初めましてだと、そこまで遠慮なしに行く関係にはならないから、前があってよかったよねと。それに、和樹君がどういう風にやりたいのかが、作っていく段階で「多分こういう風にやりたいんだろうな」と何となく分かるので、それに乗っかって「こういう風にしようかな」と考えられます。もう安心安定ですね。
――加藤さんには、まだお稽古がそんなに進んでいないタイミングでお話を伺いましたが、朝夏さんを尊敬しているし、語らずともお互いに分かり合えると思う、とおっしゃっていました。
私は、今、全然見たことがない“加藤和樹さん”を見ていますね。
――どのようなところが?
こんなにはっちゃけるんだ、みたいな。はっちゃけるし、めっちゃ踊るし、タップを踏むし、こんなに動く!? みたいな感じですよ。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、朝夏さんが『バーナム』で演じるチャイリーについて、加藤さんが演じるバーナムとの関係、楽曲などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。3月5日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、作品についてのお話のほか、『ローマの休日』公演を大千穐楽まで無事に終えられたこと、4月に上演される『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』など2021年の今後に向けた想いも伺った、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■アン王女とは全然違う、地に足が付いた“おばちゃん”をやっています
■チャイリーも何だかんだ言うけれど、バーナムのことを愛してるのね
■サーカスの人たちのナンバーは、派手で盛り上がる曲が多くて、耳に残る
■サーカスは何も考えずに「すごいな」と楽しめる。それが舞台に来た感じ
<ミュージカル『BARNUM』>
【東京公演】2021年3月6日(土)〜3月 23日(火) 東京芸術劇場 プレイハウス
【兵庫公演】2021年3月26日(金)〜3月28日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【神奈川公演】2021年4月2日(金) 相模女子大学グリーンホール
公式サイト
https://musical-barnum.jp/
<関連リンク>
朝夏まなと オフィシャルウェブサイト
https://asakamanato.com/
朝夏まなと 東宝芸能プロフィール
https://www.toho-ent.co.jp/actor/1040
朝夏まなと オフィシャルinstagram
https://www.instagram.com/asaka_manato_official/
朝夏まなと マネージャーTwitter
https://twitter.com/asakamanatomg
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■アン王女とは全然違う、地に足が付いた“おばちゃん”をやっています
――朝夏さんは、激しく動く加藤さんを初めて見る新鮮さがあるんですね。お互いの新鮮さみたいなところも話すんですか?
新鮮だと思いますね。私もアン王女とは全然違いますし、もっと地に足が付いた“おばちゃん”をやっています。
――おばちゃん!?
年齢が高い役? 30代後半の、今の自分ぐらいの役なので(笑)。私もすごく新鮮ですよ。私の役も新鮮ですし、和樹君のほうが子供っぽいくらいで。普段はどちらかというと逆で、落ち着いていらっしゃるので、それが逆転していて面白いですね。
――『ローマの休日』の時と、逆転したような役の関係性が見えるんでしょうか?
そうですね。でも茶目っ気がある、みたいな感じです。
■チャイリーも何だかんだ言うけれど、バーナムのことを愛してるのね
――チャイリーを演じていて、どんなことを感じていますか?
バーナムに対してすごく理解があって、ちゃんと現実も見ているんですが、根本的にはバーナムに似てるなと思います。
――似た者同士?
結局似た者同士なんだなというところに落ち着いています。そうでなければ、あんなに一緒にいられないと思うんですよ。
――似た者同士の夫婦というのは、演じていてどうですか?
素敵だと思います。そういうこと?
――素直なご感想をいただければ(笑)。
ぱっと見では、とても相反しているように見えるんですが、そこには深いつながりというか、絆がなければ、こんなにぽんぽんと、ものも言えないし。うちの両親を見ているようですね。
――そうなんですか!?
うちは逆で、母が父に対して、ぽんぽん言う感じでした。だけど仲がいいよね、みたいな。結局、「お父さんのここがだめ」と言っていても、「いや、好きなんでしょ?」って。そういう夫婦愛は多分どこの家にもあると思います。バーナムの場合は結構特殊な、突飛な人ですが、憎めない部分があるので、ずるいよねって。やっぱりバーナムがチャイリーのことをすごく愛してるから。チャイリーも何だかんだ言うけれど、バーナムのことを愛してるのねと、その様子がすごく分かるように演じられたらと思っています。
■サーカスの人たちのナンバーは、派手で盛り上がる曲が多くて、耳に残る
――この作品のナンバーは、にぎやかな感じの曲も多いかと思うのですが、その魅力はいかがでしょうか。
やっぱりサーカスの人たちのナンバーは、派手で盛り上がる曲が多くて、すごく耳に残るメロディーが多い印象で、半音階が多いんです。それがサーカスの不安定さを表現しているそうで、そこがすごく面白いなと思います。私は明るいナンバーは1曲ありますが、デュエットなどはバラードです。「カラー・オブ・マイ・ライフ」というすごくいい曲で、訳詞もすごく素敵なんですよ。一番最初はバーナムが歌って、それを引き継いでチャイリーが「バーナムはこれが理想だ、でもチャイリーの理想はそんな派手なものじゃなくて、もっと身近な、本当にささやかな幸せだけでいいよ」と歌います。これがチャイリーの人となりを、すべて表現している曲だと思うんです。メロディーも美しいです。そのナンバーが、二幕ではデュエットになるんです。すごく大事に歌いたいと思います。
■サーカスは何も考えずに「すごいな」と楽しめる。それが舞台に来た感じ
――今、稽古を経て、この作品ならではの見どころや、表現したいところについては、どう思いますか?
サーカスというものは、何も考えずに楽しめるじゃないですか。見ていて、「すごいな」、「どきどきする」、「わくわくする」、それがそのまま舞台に来た感じです。加えて、バーナムの諦めない姿や、バーナムを支える周りの人たちのエネルギーが散りばめられていて、不思議な空間がそこにある。作品の中にお客様が入っていきやすい舞台かなと思います。サーカスを見に行ったら、自分もその世界に入り込むじゃないですか。共感度が高いミュージカルかもしれません。
――観ているだけよりも、自分も参加しているような感覚に?
自分も一員になれるような感覚になるんじゃないかと思います。
――何か楽しみにしていることは、ありますか?
映像を駆使しているのですが、舞台上で、どういう風になるんだろうと楽しみです。
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バーナムを観劇できる日が益々楽しみになりました。無事に千秋楽を迎えることができますように。
バーナムとチャイリーの関係が良く伝わって来て開幕がますます楽しみになっています。
朝夏さんが「地に足のついたおばちゃん」と表現されるチャイリーと子供っぽく茶目っ気ある和樹バーナムさんをご両親様になぞらえるお話も楽しく拝見しました。
素敵な記事と写真を有難うございました。
バーナムの奥様のチャイリーは、朝夏さんにとって今までにはない役柄ということで、どんな感じなのかな?と、とても楽しみでわくわくしています♪映像を駆使したサーカスシーンも楽しみだし、バーナム夫妻のやり取りも楽しみだし、なにより自分もサーカスの一員になったような気分になれる!っていうのが本当に楽しみです!!