「我々は手を取りあって前に進まなければいけない」、加藤和樹インタビュー(下)

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

2021年3月6日(土)から3月23日(火)まで、東京芸術劇場プレイハウスで上演されるミュージカル『バーナム』(兵庫公演、神奈川公演あり)に19世紀半ばのアメリカで大きな成功を収めた興行師、P.T.バーナム役で主演する加藤和樹さんのインタビュー、後半です。アイデアニュースの独自インタビュー部分をお届けします。『Kazuki Kato 〜Thank you for coming! 2〜』全国ツアー完走について、加藤さんと中川晃教さん・海蔵亮太さんが登場した『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』についてのほか、アーティストデビュー15周年となる2021年が始まって今思っていることを伺いました。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

――YouTubeチャンネルに東京公演の映像が公開されていましたが、『Kazuki Kato 〜Thank you for coming! 2〜』全国ツアー完走おめでとうございます。

ありがとうございます。

――終えてみて、いかがですか?

『ローマの休日』もそうでしたが、本当にこういう状況の中で、お客様、ライブハウスの方、劇場の方、皆さんの協力なくしては、成し得ないことだったと思います。いつもの形とは違うものなので、満足感や、お客様のストレスになっているかどうかは、お客様にしか分からないですが、そういうことも含めた上で楽しんでくれているのがすごく分かりました。正直、やっている最中は、毎日不安はありました。どうしても移動を伴うものですし。でも、本当にみんながひとりひとり徹底してやっていたことが功を奏して、自分も含めて感染者もひとりも出さずに終えることができたのは、自信にもなりましたし、同じ業界の人たちにもメッセージになったのではないかと思います。

――『ローマの休日』も、両方完走はすごいですね。

こういう状況下でどうやったらできるんだろうかと、やっぱり我々は考えていかなきゃいけないんだなと、すごく感じました。もちろん苦渋の決断をして、公演中止になった地域もあります。でも、その中で、やればできることを見つけていかないと、いつまで経ってもそこから這い上がってこられない感じがするんですよね。ですので、これが大きな自信となって、ひとりひとりがしっかり気を付ければできるんだということを、もっと知って欲しいというか。もちろん、そこに来るか来ないかという判断はお客様に委ねてしまうことになりますが、我々が「絶対安全です」というものを打ち出して、安心して安全に観に来ていただくことを、こちらが提示するべきなんだと思いました。

――お客様の反応はいかがでしたか?

今回、お客様と直接お話しする機会がなくなってしまったのですが、Twitterのコメントや、事務所に届いたお手紙を読ませていただいて、「迷ったけれど、行ってよかった」という言葉がすごく多かったんです。「こういう状況下で開催してくださって、ありがとうございます」とか。やっぱり自分たちも含めて、緊急事態宣言が一番最初に出た時の暮らしというのは、すごく暗かったですし、これからどうなっていくんだろうという不安がありましたが、それでも動き出したエンタメ業界が、少しずつその明かりを灯していって、また元に戻りつつある状況が、やはり皆さんにとっての光なんだなと、その思いを受け取ったというか。逆にやっていいんだなと、勇気や元気をもらいました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、加藤さんが『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』配信で自らチャットに参加した意味や、アーティストデビュー15周年となる2021年が始まって今思っていること、コロナ禍の中でもポジティブなメッセージしか伝わってこないように思える加藤さんも実はコロナで落ちたことがあることなどについて話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■(『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』にチャット参加)一緒に楽しむのが大事

■面白かったのは、アッキーさんが入ってきたこと。知らなかったんです

■アーティストデビュー15周年でもありますし、忘れられない1年にしたい

■僕もコロナで一回落ちてから「下を向くのはやめよう」と自分に言い聞かせた

<ミュージカル『BARNUM』>
【東京公演】2021年3月6日(土)〜3月 23日(火) 東京芸術劇場 プレイハウス
【兵庫公演】2021年3月26日(金)〜3月28日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【神奈川公演】2021年4月2日(金) 相模女子大学グリーンホール
公式サイト
https://musical-barnum.jp/

<関連リンク>
ASSIST | 加藤和樹 Official Web Site
http://www.katokazuki.com/
加藤和樹 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/katokazuki-blog/
加藤和樹 Twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007

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加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■(『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』にチャット参加)一緒に楽しむのが大事

――『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』の配信では、自らチャットに参加するなど、新しいことをされているなと思いました。

リアルタイムで皆さんと繋がれる時間がなかなかないので、収録したものを皆さんに届ける配信を一緒に見ました。僕もパソコンで初めて完成したものを見たんです。すごく不思議な感じはありましたが、今「繋がる」ということがすごく大事だなと思うんです。だから、チャット機能を利用して、一緒にひとつのエンタメを楽しむこと、そこでひとりじゃないと、皆で共有していくこと、それは多分、ミュージカル作品やライブも一緒だと思うんですよね。ありがたいことに、TwitterなどのSNSツールがこの世の中にあるので、その繋がりを感じられることは、すごく大きなメリット、大事なことだなと感じました。やっていて、僕も楽しかったですよ。

――途中から拝見したんですが、最後までまったく気付かなかったんです(笑)。

(笑)。

――どなたかが「参加してる」と書いてらして。

そうですね。一番最初に「加藤和樹です、一緒に楽しみましょう」というコメントは打ったんですが、後から入ってきた人にはなかなか気づかないですよね。僕はわりと早い段階、まだ開演前からいたので。

――なるほど(笑)。あれは、ふとやりたいと思ったんですか?

僕はいつもやってるんですよ。昨年の夏にやったストリーミングのライブの時とか。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

■面白かったのは、アッキーさんが入ってきたこと。知らなかったんです

――なかなか他にいらっしゃらないなと思って。

面白かったのは、2回目の配信でアッキーさん(中川晃教さん)も入ってくるという。

――中川さんは急に?

僕は知らなかったんです。アッキーさんが参加できると気付いたんじゃないかと。

――Twitterなどでドラマを一緒にリアタイするのは見かけますが、チャットに本人が入ってくるというのは、聞いたことがないなと。

でも、延長線上だと、僕は思います。リアルタイムで、その場所で同じところで繋がれるというのは、こちらとしても面白いですし、皆さんの「こういうこと感じるんだ」とか。僕がコメントを打つのが遅くて、たまに遅れてしまうのは申し訳なかったですね(笑)。

――今後もあるかもしれないんですね。

配信がこれからもある世の中にはなってくると思いますので、アーティストや表現者が、そこでひと言ふた言でも一緒に参加していたら、自分が逆の立場だったら、すごく嬉しいなと思って。今この瞬間に同じものを見て、同じことを共感している、それがすごく重要だなと思います。

――この時代だと特にということですよね。

「一緒に観よう」というのができないじゃないですか。別々の場所でしかそういうことができないから。でも、別々の場所でも同じその空間を共有することの大切さ、それが今もこれからも大事になってきますよね。

――『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』が素晴らしくて、ものすごく感動しました。

めちゃめちゃ楽しかったです。本編中に「Mおじさん」の話がありましたが、やっぱりその方の想いだったり、今これをやる意味を、我々も背負ってやらせていただいたので、アッキーさんを筆頭に、我々歌い手が歌い継いでいって、その時代を忘れないように継承していくということ。それは僕自身カバーライブをやらせていただいている時にも感じていたことなんです。もちろん新たなものを作り出すのは素晴らしいことですが、そういう古き良きところにこそ、今の時代に大事なメッセージが込められているような気がして。それはアッキーさんも海蔵(亮太)君も同じだと思います。やっぱりやれてよかったですし、またあれは必ずやりたいです。

――「To Be Continued」とあリましたね。皆さん期待されていると思いますが、ご自身でも?

めちゃめちゃ楽しみですね。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

■アーティストデビュー15周年でもありますし、忘れられない1年にしたい

――2021年が始まって、今思っていること、届けたいことは何でしょうか?

年末年始は『ローマの休日』で年を越したので、その境目がないというか(笑)。『ローマの休日』が終わって、この『バーナム』に入り、ようやくまた新たな一歩を踏み出した感じです。ツアーも、『ローマの休日』も年またぎでやっていましたので、ここからまた新たなスタートだと感じています。またこうやって、歴史ある作品の日本での初上演ですし、特に心が踊ります。来ていただいた皆さんに、幸せを持って帰ってもらえる作品だと思います。この作品でどういうものを届けられるのか、また新たな気持ちで探っていきたいです。

――さらにその先についてはいかがですか?

個人的には、アーティストデビュー15周年でもありますし、忘れられない1年にしたいなとは思いつつも、コロナのあおりを受けて、いろんなことがなかなか厳しい状況でもあります。でもみんなで協力して手を取りあえば、乗り越えていけると思います。今よりも明日、明日よりもその次と、明るい未来を目指して、前向きに頑張っていきたいです。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

■僕もコロナで一回落ちてから「下を向くのはやめよう」と自分に言い聞かせた

――今のコロナ禍においても、加藤さんからはポジティブなメッセージしか伝わってこないです。様々な表現者の皆さんの中でも、かなり強いポジティブなエネルギーを感じます。

(ポジティブに)なったんですかね。僕もコロナで一回、ガンと落ちたんですよ。いろいろ考える時間でしたし、表現者として、今、何ができるのか、ものすごく考えさせられたんですよね。言い方を変えれば、一芸を持っている人たちは、いろんな表現の仕方で、コロナに負けないように発信していきましたが、やっぱり我々は舞台をやりたくても、人数が集まらないとできないとか、ライブをやりたくても会場がなければできない。その中で、やっぱりYouTuberの人たちはすごいなと思いました。だから、見様見真似ではありますが、自分なりのチャンネルでできることって何だろうかといろいろ考えて、また何かやりたいなと考えています。「もう下を向くのはやめようぜ」と、自分にすごく言い聞かせたのは事実です。やっぱり我々は前を向いていくしかありません。

――きっとその思いがこちらに伝わっているということでしょうね。

いやなことも悲しいことも乗り越えた結果だと思います。それがあったからこそ、やっぱり我々は手を取りあって前に進まなければいけない、ある意味使命感みたいなところもあります。

――今後の発信も楽しみにしています。ありがとうございました!

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

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“「我々は手を取りあって前に進まなければいけない」、加藤和樹インタビュー(下)” への 11 件のフィードバック

  1. yuki より:

    いつも興味深く拝見させていただいています。
    コロナ禍でツアーとローマの休日を無事に完走した和樹さんがそれらを終えて感じたこと、そしてバーナムにかける思いを、私達と同じ目線で和樹さんを捉え、引き出してくださる岩村さんの記事は本当に嬉しいです。
    今回も素敵なインタビューとお写真をありがとうございました。
    和樹さんの力強い言葉に期待しかありませんが、まだ見ぬバーナムの姿に思いを馳せて開幕を楽しみにしています。

  2. とうふ より:

    バーナムが楽しみになると同時に、和樹さんの色々な思いが伝わってきて嬉しいです。改めて色々な場で活躍されてると同時に、それぞれにしっかり向き合う姿が感じられて本当にファンでいられてよかったと思います

  3. とーや より:

    読みごたえのある記事をありがとうございます。
    和樹からはいつもいつも、前向きな気持ちをもらっています。それは、決して彼が悩んでいないからではなく、悩んでも苦しんでも、立て直して前を向くしなやかな心を持っているからだと思います。改めてその事を感じられる記事でした。
    ありがとうございました。

  4. kyoko より:

    読み応えたっぷりのインタビューと
    素敵なお写真、いつも楽しみにしています。
    今回もありがとうございました。
    自粛期間中、和樹さんが発進し続け、届けて下さった熱い想いやメッセージがどれだけ大きなパワーになったことか…。
    記事を読みながら、改めて感謝の気持ちが溢れてきました。
    これから始まるBARNUMも、本当に本当に楽しみです!

  5. keitatu より:

    いつも素敵な記事をありがとうございます。
    和樹さんの思いが伝わるインタビューでした。
    これからも楽しみにしています。

  6. より:

    『下』も素敵なインタビューをありがとうございました。
    和樹さんのこういう物事の捉え方や未来への進み方…大好きです。
    共感もできるし、いつも大きなパワーをもらっています。
    『今』だから語れる想いをたくさん聞き出して記事として言葉にしてくださったことに感謝です。
    今後も和樹さんとのインタビュー記事、楽しみにしています♪

  7. きゃら より:

    上下ともに読み応えのあるインタビューでした。
    ツアーもローマの休日も完走し、この状況の中でも繋がりを感じられたのは和樹さんや関わる皆さんの並々ならぬ努力と強い思いゆえのことだと思います。
    BARNUMもきっと最後まで駆け抜けてくれると信じています。この記事を読んでますます楽しみになりました!
    いつも素敵な記事とお写真をありがとうございます。

  8. ゆう より:

    後編の掲載ありがとうございます。
    エンタメへの思い、ファンの目線で見て楽しい嬉しいことを考えて実行して下さるからこそ、私達ファンはいつも幸せを感じられるのだなとインタビューを読み感じました。
    一度落ち込んだからこそ「前を向き進む」ということを強く意識されていること、その思いがポジティブなエネルギーとなって伝わってくるんですね。
    和樹さんに会いに行くと「来て良かった」と同時に「これだけの事をしてくれているのだから私達がその思いを無駄にしてはいけない」という気持ちになります。
    おこがましいですが、これからも同じ空間を共有し作り上げる一員でいたいと思います。
    15周年、盛り上がること間違いなし!ですね。

    最後に、BARNUMへの思い、そして和樹さん自身のエンタメへの思いをインタビューして下さりありがとうございました。
    これからも楽しみにしています。

  9. りり より:

    「上」「下」ともたいへん読みごたえのある記事でした!加藤さんの、BARNUMへの想い、見事に完走したローマの休日とツアーのお話、僕たちの冒険配信時のチャット参加のお話まで余すところなく網羅していただいて、ファンにはとても嬉しい内容でした。ありがとうございます!お写真も素敵でまもなく始まるBARNUMがますます楽しみです!

  10. taro より:

    2日間に渡り、加藤さんの気持ちをたくさんインタビーしていただきありがとうございました。
    コロナ禍での向き合い方に胸が熱くなりました。

    いつも、掘り下げて聴いていただいているので、毎回読むのが楽しみです。
    これからもよろしくお願い致します。

  11. non より:

    僕たちの冒険で和樹さんとあっきーさんがチャットに参加してくれてとっても嬉しかったです。
    いろいろ考えて発信し続けてくださり感謝しかありません。私は今どん底にいますが、和樹さんのポジティブな言葉に救われています。
    15周年も何らかの形でお祝いしたいですね。

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