「思ってくれていることに、救われる」、廣瀬友祐ライブ直後インタビュー（上）

2021年6月2日（水）に渋谷 duo MUSIC EXCHANGEで開催されたライブ「廣瀬友祐 MUSIC & TALK『H+our #03』Precious」（アーカイブ配信は6月16日23:59まで）開催直後の熱が冷めやらぬところで、廣瀬友祐さんにインタビューをさせていただきました。久しぶりの有観客ライブでどんなことを思ったのか、セットリストはどんな想いで決めたのか、今の想いなど、さまざまなお話を伺わせていただきました。会場入り・リハーサル・バックステージなどの写真とともにお届けします。

Preciousチケット特典の“H+our マスク”を付けて会場入りする廣瀬さん＝撮影・岩村美佳

ーーライブを終えて今の気持ちはいかがですか？

あっという間でした。少し前に春野寿美礼さんのライブや、『TipTap15周年記念コンサート』で、久々に人前で歌う機会がありましたが、自分のライブという意味では本当に久しぶりの有観客でした。今年年始で予定していたミュージカル『イフ／ゼン』が中止になって、4月の『亡国のワルツ』が今年初めての舞台でしたが、人前に立って歌うのは『フラッシュダンス』ぶりという感覚なんですよ。

ーー昨年の10月以来になりますね。

本当に久々にこういうライブをやって、すごく緊張しました。バンドメンバーが、今年の配信ライブでも共演している仲の良いメンバーですが、始まる前は「久々だな」と緊張していて、みんなも同じだと思ったら少し緊張が和らぎました（笑）。

このコロナ禍において、お客さんは声を出せないので手拍子をしてくれるんですが、やはり静かではあるから、序盤は本当に緊張が解けませんでした。めちゃくちゃ汗が出てきたら、発散しはじめて。とにかくこのご時世にライブをできていること、お客さんと同じ時間を共有できていること、その時間に精一杯寄り添いたいというか。

緊張や浮ついた心がありましたが、「今しかない、今この瞬間しかない」と噛み締めていたら、気づいたら終わってしまった感じです。

ーー噛み締めていたんですね。

今日会場に来られなかった人や、SNS上に言葉を発せられないほどつらい状況の人たちがたくさんいると思うんです。

そういう人たちがいるなかでも、僕自身、コロナ禍の影響を受けている身として、もともとすごく心が弱いから、凹みがちな日々を送っていますが、人生を生きてきて、今日少なからずこういう時間を味わえている。そして、また味わいたいと思う。「応援してね」と言うと、それに拍手を返してくれる人たちがいる。

そういう人たちがいることに気づくことができて、自分自身が明日からも強く生きてみようかなと思える勇気をもらえました。それはとても恵まれていることだと思う。終わって時間が経てば経つほど、より噛み締めるライブだったんじゃないかなと思います。そんな時間でしたね。

ーーこれまで以上に、誰かに求められることだったり、ちょっとした喜びがたまらないですよね。

こういう場でなかったら、誰かに必要とされていると感じる瞬間はなかなかなくて、僕らのような職業は特殊だと思うんですね。「あなたが必要だよ」「あなたからパワーをもらっています」と言われること、それを自分自身が感じることは、生きていく上でものすごくパワーがあります。本当に、これでしばらくのエネルギーを、皆さんからもらえたなと思っています。

オープニング映像を撮影します。#01、#02でおなじみのアキラちゃんも登場。今回は配信映像の指揮をとり、スイッチングに集中されていました＝撮影・岩村美佳

※アイデアニュース有料会員限定部分には、セットリストはどんな想いで決めたのかと、いくつかの曲について話してくださった内容を、会場入り・リハーサル・バックステージなどの写真とともにお届けします。6月16日（水）掲載予定のインタビュー「下」では、ミュージカルソング選曲の理由、ライブが終わって思うこと、新曲「H#2021(仮)」（読み：Hナンバーニーゼロニーイチ）に込めたメッセージなどについて伺ったインタビューの後半の全文と、会場入り・ライブ中・アンコール・ライブ終了後の写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■思ってくれていることに、救われる。自分も大切に思っている人たちに、そうしたい

■ストリングスが活きる楽曲を入れました。「Masquerade – 仮面舞踏会 -」などすごいなと

■今回は「それでも生きていくんだ」という前向きなメッセージ性の曲をチョイスしました

■（さだまさしさんの「奇跡2021」は）僕の心が弱っているときに教えていただいた曲

＜「廣瀬友祐 MUSIC & TALK『H+our #03』 Precious」＞
【東京公演】2021年6月2日（水）　渋谷 duo MUSIC EXCHANGE　※この公演は終了しました
公式サイト
https://hiroseyusuke.info/

＜「廣瀬友祐 MUSIC & TALK『H+our #03』 Precious」アーカイブ配信＞
日程：2021年6月2日（水）　渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
アーカイブ配信チケット:¥4,000
https://teket.jp/1113/4687
※ 配信期間 6月16日（水） 23:59まで
※ 著作権の関係で一部楽曲がカットされています

＜関連リンク＞
廣瀬友祐オフィシャルサイト
http://hiroseyusuke.info/
廣瀬友祐 twitter
https://twitter.com/hirose_yuusuke
廣瀬友祐 instagram
https://www.instagram.com/yuusuke_hirose.official/

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※ここから有料会員限定部分です。

■思ってくれていることに、救われる。自分も大切に思っている人たちに、そうしたい

ーー連絡ひとつでもものすごく嬉しいですよね。「忘れられてない」みたいな。

ちょっとしたこと、思ってくれていることに、すごく救われますね。だから、出来る限り、自分も大切に思っている人たちに対しては、そうしたいなと思います。どうしても弱っていくと余裕がなくなって、どんどん傷つく方向になりがちなんです。ひとりよがりになったり、自分の要求ばかり言い合うと悪循環で、お互いが少しやさしく、尊重しあっていけたらいいなと思います。それもコロナ禍のことが影響していて、コロナ前よりも心の病がすごく危ない世界なんだろうなと思うので、そのなかで、このライブができたことは僕自身も救われましたし、感謝すべき時間でした。

バンドチームのサウンドチェックが進行中。客席でその様子を見守ります＝撮影・岩村美佳

■ストリングスが活きる楽曲を入れました。「Masquerade – 仮面舞踏会 -」などすごいなと

ーーセットリストは、何を大事に考えて組まれましたか？

今回はフルバンドで、『H+our #01』『H+our #02』のメンバーが一緒に演奏してくれるということで、壮大になるなと思いました。そのバンド編成で、いままでと違う形で届けられるものは何だろうと考えて選びました。オリジナルソングはわりと最近の曲を選びましたが、『H+our #01』『H+our #02』は配信ライブだったとはいえ、どうしてもいまのオリジナルソングだと曲が被ってしまうので、新しい曲も入れたいと考え、新曲を入れること、ストリングスが活きる楽曲を候補に入れました。

「Masquerade – 仮面舞踏会 -」など、やはりすごいなと。弦だけで、あんなにドラマチックになるんだと思いました。リハのときも、膨らみ方がすごいなと何度も思いました。

ステージ脇から撮影していると、気づいてピース&笑顔。仲良しHバンドのみなさんと和やかな雰囲気でリハーサルスタート＝撮影・岩村美佳

■今回は「それでも生きていくんだ」という前向きなメッセージ性の曲をチョイスしました

本当に、僕自身も一気になにかの役を纏いたくなりましたね。あとは、ラブソングとなると自分はものすごく報われない恋の曲が多いんですよね（笑）。

ーー報われない役も多いですが、ご自身の曲も確かに報われない恋が多いですね（笑）。

多分好きなんでしょうね。今回は、「切り開いていくんだ」「負けないぞ」「それでも生きていくんだ」という前向きなメッセージ性の曲をチョイスしました。

完成したオープニング映像を全員でチェックし、ライブスタートの流れの説明を受けています。廣瀬さん、映像見なくていいんですか（笑）！？＝撮影・岩村美佳

■（さだまさしさんの「奇跡2021」は）僕の心が弱っているときに教えていただいた曲

ーーさだまさしさんの「奇跡2021」を聴いていて、きっとこの曲を聴いたお客様は幸せな気持ちになるだろうなと思ったんです。オリジナル曲の流れで、この曲を選んだ理由を改めてお聞かせください。

オリジナル曲が続いた流れで歌ったので、「廣瀬君のオリジナルにこの曲あったっけ？」と思った人もいるかもしれないですね。紅白歌合戦でも歌われた曲だというのは、あとから知ったのですが、知っていた方もいらしたと思います。ライブでもお話しましたが、僕の心が弱っているときに、知り合いの方に「廣瀬君にこの曲の歌詞を贈りたいと思います」と教えていただいたんです。

ーーいつごろ教えていただいたのですか？

年末から年始にかけての『イフ／ゼン』のタイミングだったと思います。ライブで話したように、自分の体に空いている穴にスッと、その穴をやさしく埋めてくれるような、包み込んでくれるような曲でした。これまで、曲を聴いて1回目で、こんなに歌詞が響くことがなかったんです。ゆっくりで歌詞も聞き取りやすいですし、知らない曲を初めて聴いて、染み渡ったんですよね。いつか歌ってみたいなと思っていたので選びました。

リハーサルと同時に、配信準備、会場準備も並行して進んでいきます。座席は、前後左右の間隔をとって配置されていました＝撮影・岩村美佳

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