「ファンレターに、いつか出てほしいと」、『ヴェラキッカ』美弥るりか（上）

ミュージカル『ヴェラキッカ』が、2022年1月15日（土）から1月23日（日）まで東京建物Brillia HALLで、2022年2月2日（水）から2月6日（日）までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演されます。本作は、劇作家・末満健一さんがライフワークに掲げ、2009年より展開する演劇シリーズ作品、TRUMPシリーズの最新作です。「ヴェラキッカ」という一族を通し、「人の想い」を奇怪かつ情念深い物語で描き出していく「TRUMP流」ロマンティックコメディです。アイデアニュースでは、主人公のノラ役を演じる美弥るりかさんにインタビューしました。インタビューは、上、下に分けてお届けします。「上」では、『ヴェラキッカ』のオファーを受けたときの思い、TRUMPシリーズへのイメージ、ノラ役について、作品に登場する「愛」についてのストレートな表現、共演者の松下優也さん、古屋敬多（Lead）さん、愛加あゆさんのことなどを伺いました。「下」では、宝塚歌劇団を退団してから変わったこと、仕事を選ぶ観点、自分と向き合えるようになれたこと、ご自身のあり方、宝塚の同期である89期生のこと、2022年の抱負などについて話してくださった内容を紹介します。

（※このインタビューは、2021年11月末に行ったものです）

――『ヴェラキッカ』へのオファーを受けて、どう思われましたか？

TRUMPシリーズは以前から、世界観を貫いている作品だと知っていました。ファンレターなどに「いつか出てほしいです」と書いてあったことがあり、その世界に私がいるのを想像してくださる方がいらっしゃるのだなと思って、新作が出るたびに注目はしていたんです。宝塚時代は、いつも忙しくて観にいくことが叶いませんでしたが、自分がどこかで意識していたシリーズの世界に自分も入れるんだなと。まさか声をかけていただけるとは思っていませんでしたから、すごく嬉しかったです。

――皆さんが「美弥さんにやってほしい」と思っているTRUMPシリーズの世界観やヴィジュアルには、どのようなイメージがありましたか？

あのオリジナルの世界観、吸血種たち、ゴシック的な衣裳やメイク。舞台装置の写真も見たことがありましたが、こだわりを感じました。私自身もそういう世界観が好きです。

――美弥さんと松下優也さんの出演が発表になった時、あまりにハマりすぎていて、驚きと喜びを同時に感じました。末満さんとは、どのようなお話をされましたか？

作品については、まだ深くお話できていませんが、TRUMPシリーズへの思いや、今までの歴史というか、末満さんがどんなお気持ちで作ってこられたかなどを伺いました。「TRUMPシリーズ」のファンの方が多く、皆さんの気持ちを感じていらっしゃるというお話もしました。台本は最近拝見したばかりで、お話したときはまだ情報が少なかったのですが、多分、末満さんご自身の中には、きっと上から見えているTRUMPの世界か何かがあって、そこに私たちをはめていくような感じもあるのかなと。

――末満さんは、創造主のような感じでしょうか。

末満さんのイメージとずれてしまうと、違和感を感じられるのだろうと思います。なるべく探り合いながらできたらいいなと思います。

――実際に台本をお読みになって、どんなことを感じられましたか？

いろいろな愛について書かれている作品です。さまざまな人の思いが渦巻いていて、私が演じるノラ自身もずっと愛を欲しています。大きなテーマが「愛」で、みんながそれぞれの立場で愛を欲しがり、愛に向き合っていて、感じているものもそれぞれ違っているんです。ノラはみんなからの愛をもらっていますが、それぞれがその人なりに思っていることがあるんですよね。

――大きなテーマですね。

どんな方でも、生きていくなかで必ずいろいろなところに愛があり、悲しんだり、喜んだり、幸せになったり、泣いたり、いろんなことがあったと思います。きっとどなたも何か引っかかり、観ていてもう一度、自分自身の愛についても考えることができるお話だなと思いました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、作品に登場する「愛」についてのストレートな表現、共演者の松下優也さん、古屋敬多（Lead）さん、愛加あゆさんのことなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。1月2日（日）掲載予定のインタビュー「下」では、宝塚歌劇団を退団してから変わったこと、仕事を選ぶ観点、自分と向き合えるようになれたこと、ご自身のあり方、宝塚の同期である89期生のこと、2022年の抱負などについて話してくださったことなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞（有料会員限定部分はこのページの下に出てきます）

■「私はあなたの愛が欲しいです」など、ストレートに愛情を表現する役が新鮮

■ノラは口調が「さっぱり」している。男役のキャリアと新しいものとを混ぜ込みたい

■宝塚の同期にとって「可愛い妹」である愛加あゆちゃん。古屋さんはムードメーカー

■松下さんと私のアーティスト写真が並んだときに「雰囲気が似ているな」と（笑）

＜ミュージカル『ヴェラキッカ』＞
【東京公演】2022年1月15日（土）～1月23日（日）　東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2022年2月2日（水）～2月6日（日）　COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
公式サイト
https://verachicca.westage.jp/

『ヴェラキッカ』　関連記事：

美弥るりか　関連記事：

松下優也　関連記事：

愛加あゆ　関連記事：

※美弥るりかさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2月1日（火）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

※ここから有料会員限定部分です。

■「私はあなたの愛が欲しいです」など、ストレートに愛情を表現する役が新鮮

――美弥さんも「愛」について考えられましたか？

台本を読んだ時、今まで生きてきた中でいただいた愛や、自分自身が贈っていた愛のことを考えましたね。「自分はどういう愛が欲しいのかな」「どういう愛を今まで感じていたかな」とか。作品を通して、人間に不可欠な愛という感情について考え直し、向き合い直す感じです。この役を演じる上で、役としての、そして自分自身の愛についても、きっとリンクしていろんなことを考えるんじゃないかなと思います。

――宝塚在団中や退団後含め、これまでに出演されている作品がたくさんありますが、『ヴェラキッカ』という作品はこれまでの作品にリンクしますか？例えば、愛がとてもストレートに描かれていますが、そのストレートさは新しいですか？

新しいですね。今まで、あまりストレートに愛情を表現する役ってしたことがないんです。宝塚時代はちょっと個性のある役をいただくことが多くて、愛も若干歪んでいたり、非常にモテるのですが自分はどうでもよかったりとか。1対1の愛情みたいなものを、深くストレートに表現する役を、そんなに何回もやっていないので、「こういう言葉は舞台上で馴染みがないな」と思いました。「私はあなたの愛が欲しいです」とか、「私はあなたを愛しています」とか、ストレートな言葉に新鮮なものを感じましたね。

■ノラは口調が「さっぱり」している。男役のキャリアと新しいものとを混ぜ込みたい

――新しい美弥さんを拝見できそうです。

性別の面でも、末満さんから「あまり決めたくない。女性です、男性ですと言わないでいく」と伺っています。台本を読むと、結構口調がさっぱりしているというか、男性としてしゃべれる語尾だったんですよ。まだ稽古をしていないのでわかりませんが、どっちの方向でしゃべっていけばいいのかなと思っています。これまでの男役のキャリアを使って話すこともできると思いますが、そこに新しいものを混ぜ込むのがきっと一番良いのだろうと思うんです。

――そのバランスをこれから探していくのですね？

一番良いところを、初日までに見出だせたらいいなと思います。今の感覚では、あの語尾は男性的にしゃべれてしまいそうで、ちょっと怖いなと。癖で今までずっとやってきた、「男性的な語尾を押す、語尾に思いを入れる」みたいなものが出てきてしまいそうなので、その塩梅をよく考えなくてはと思っています。

――末満さんとセッションしながら作っていくことになりますか？

末満さんが、どういうお稽古をされるかが未知の世界なのでまだわかりませんが、そこについてお話できたらと思います。

■宝塚の同期にとって「可愛い妹」である愛加あゆちゃん。古屋さんはムードメーカー

――共演者の方々についてはどう感じていらっしゃいますか？

皆さん初めましてですが、あゆちゃん（愛加あゆさん）だけ唯一面識があります。同期のねねちゃん（夢咲ねねさん）の妹なので、私たちの同期からしたら「可愛い妹」みたいな感じで、みんな可愛がっていた子なんです。

――組も違いましたね。

年に1回あるタカラヅカスペシャルなどの、各組から何人かが出るイベントなどで、もしかしたら一緒だったかもしれませんが、共演はほとんどないに等しいです。松下さんは、イメージとしてはアーティスティックな方だなと思いますね。お芝居だけでなく、ミュージックビデオなどを拝見すると、歌やダンスの表現にも、ご自身の世界観をもっていらっしゃり、「こういう表現をしていきたい」と明確に出されているので、きっと良い刺激をくださるんじゃないかなと思います。まだ会話をしたことがないので、どのような芝居を作っていかれるのかわかりませんし、私は基本的に人見知りなので、大丈夫かなという心配はありますが。

――松下さんは、お話するとアーティスティックな印象とは違って、とても明るくとっつきやすい方なので、きっと大丈夫だと思います。

良かったです！古屋さんは明るくて、ムードメーカーみたいな感じなのかなと思います。初対面でも、気さくにいろんなことを話しかけてくださって、場を和ませてくださる明るい方なのかなという印象がありました。先日『マドモアゼル・モーツァルト』で拝見しましたが、普段の柔らかい感じとは違って、舞台では集中力とエネルギーが強い方だなと思いました。今回は硬いというか、真面目な部分、神経質な部分もある役なので、また全然違う役をどのようにされていくのか興味深いです。

■松下さんと私のアーティスト写真が並んだときに「雰囲気が似ているな」と（笑）

――美弥さんと松下さんは、アーティスティックで「個」を大事にしていらっしゃる感じがあり、イメージがリンクします。

最初に松下さんと私のアー写（アーティスト写真）が並んだ時に、「雰囲気が似ているな」と思いました（笑）。

――「美弥るりか」と「松下優也」の「個」の部分に、何かに迎合する感じが全くなく、ご自身を大事にしていらっしゃるイメージが強くて、今回、ふたりがご一緒されるということがすごく面白いんだろうなと思います。

確かに、私も松下さんに対してはその通りの印象があったので、どのような世界観で演じられるのか興味があります。今言ってくださったように、私自身も「自分自身にしかできないもの、自分自身がしたいもの」を一番に考えて、追及していきたいという考えがはっきりしているほうなので、そう言っていただけると嬉しいです。

――そのおふたりの個性と、末満さんのTRUMPシリーズの『ヴェラキッカ』とが融合すると、どんな世界になるんだろうとワクワク度が高いです。

※美弥るりかさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2月1日（火）です（このプレゼントの募集は終了しました）。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

Follow me!