「みんな頑張っているなあと。89期は、ほわほわしています」、美弥るりか(下)

美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

2022年1月15日(土)から1月23日(日)まで東京建物Brillia HALLで、2022年2月2日(水)から2月6日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演されるミュージカル『ヴェラキッカ』で、ノラ役を演じる美弥るりかさんのインタビュー、後編です。宝塚歌劇団を退団してから変わったこと、仕事を選ぶ観点、自分と向き合えるようになれたこと、ご自身のあり方、宝塚の同期である89期生のこと、2022年の抱負などについて話してくださった内容を紹介します。

美弥るりかさん=撮影・岩村美佳
美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

――美弥さんは、いろいろなオファーが来るなかで、お仕事をどのような観点で選ばれているのですか?

非常にシンプルで、いただいたお話をやっている自分を想像した時に、「心が喜んでいるか喜んでいないか」しか考えないです。意外とそれだけなんです。

――まず想像する、ということですね。

そうです。お話をいただく時の企画書に書かれていることが立体的になって、最後には誰かの目に届けるわけです。その完成形をまず自分のなかで想像できるかできないかもありますし、その映像のなかに自分がハマっているかいないか、やることにちゃんと充実感を感じているか。だから、一瞬では答えが出てこないので、ちょっと時間が必要です。

――熟考する時間が必要なんですね。

咀嚼に時間がかかります。もちろん「絶対にすぐやりたいです」というものもあります。今回のお話はすごく嬉しかったので、やりたいと思いましたが、本当に私でいいんだろうかと思うようなことや、あまりにも新しいこと、大きな挑戦が必要だなということは、なかなか今の自分からは想像がつかないので、自分のなかで、シンプルながらも、かなりゆっくり考えるんです。

――宝塚在団中はなかなか難しいことだったとは思いますが、そのように考えるようになったのは、退団されてからですか?

宝塚の時は、全部組で決まっているので、自分の意見は何もありませんでした。ですから、卒業してから初めてライブをする時などに「何を歌いたいですか? どんな演出がいいですか?」と聞かれたことにとてもびっくりしたんです。自分のやりたいことを考える癖がなかったんですよね。

――新しい体験ですね。

それからは、これをやりたい、この色が好き、こういう曲が好き、ダンスが好き、芝居が好き、私はこういう人間ですと、自分がプロフィールをはっきりと怯まず発信していかなければいけないんだなと、ようやく気付きました。これからは、そうしていかなければといけないと思い、自分と向き合うようになりました。それまでは芸名の自分が独り歩きしてしまっていて。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、自分と向き合えるようになれたこと、ご自身のあり方、宝塚の同期である89期生のこと、2022年の抱負などについて話してくださった内容など、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■以前は自分と向き合うのが怖かった。今は「自分が自分を信じてあげようと」

■急に「あれがしたい!」と思ったらメモしておく。そのときの自分や思いつきを大切に

■89期のみんなとは、励まし合っている。お互いの初日・千秋楽・誕生日にはLINEを

■2022年も「自分の芯」を持ち続け、柔軟にいろいろなことを感じながら過ごしたい

<ミュージカル『ヴェラキッカ』>
【東京公演】2022年1月15日(土)~1月23日(日) 東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2022年2月2日(水)~2月6日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
公式サイト
https://verachicca.westage.jp/

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美弥るりかさん=撮影・岩村美佳
美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■以前は自分と向き合うのが怖かった。今は「自分が自分を信じてあげようと」

――宝塚には、系統みたいなものもありますよね。

特に私は、どちらかというとちょっと個性的なほうを、自分でも目指していました。ですが、それ以外は、それ以上でもそれ以下でもない。自分自身をプロデュースするには限界がある世界だったので、ようやく今、退団から2年経って、やっと自分がしていきたいことが、かなり明確になってきたなと思います。たとえば、こういうインタビューの機会に、新しい自分の考えが出てきて「あ、私、こう思っていたんだな」って気づくこともあります。

――そうなのですね!

あとは、たとえば去年から人と会えなくなったりして、自分の時間を持つようになりましたが、それまで独りで過ごすのが苦手で、独りだとどうしていいかわからなかったんです。自分と向き合うのが怖かったんだと思います。でも、こういう状況になった時に、自分と向き合おうと決めて、良いところも悪いところも、自分がちゃんと愛してあげられるように、受け入れてあげられるように、「自分が自分を信じてあげようと」し始めました。そうすることで、自分のやりたい表現が、やっとクリアになってきた感じです。

――この2年間で、削ぎ落していくものと、取り入れていくものを、取捨選択していく作業をされているのですね。

そうですね。本当にその通りだと思います。

美弥るりかさん=撮影・岩村美佳
美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

■急に「あれがしたい!」と思ったらメモしておく。そのときの自分や思いつきを大切に

――ファッショナブルな表現も含めて、生き方という言い方をしていいのかわかりませんが、己の道を進んでいく強さのようなものを感じています。

傍から見るとそうなんでしょうか。

――取捨選択していくときの指標になるようなものはありますか? 例えば、「こういうものから影響を受ける」とか、「意識して見ようとしている」とか。

ロールモデルはこの人だというのは、あまり決めていないですが、よく言っているのは、女優さんだと夏木マリさんが好きです。とてもマルチな活躍をされていて、ダンスも振付で創作をされていたり、ファッショナブルでもあって、芝居だといろいろな役ができて、ロックも歌ってと、幅広く、そして自由に生きていて、発信力もあって。夏木さんと全く同じにはならないですし、なれませんが、あのように年齢を重ねている先輩がいらっしゃると、勇気を頂きます。でも、自分自身が「こういうことをしたいな」と思うのは、人のものを見るより「思いつき」が大きいですね。急に「あれがしたい!」と思ったら、メモすることはあります。

――無意識のなかでご自身の中に積もっているものが、いろいろな影響を与えていることもありますか?

そうだと思いますね。普段インプットしているものが、いろいろ重なって、自分が表現するとしたらこうしていきたいというものがあるのかもしれないですね。だから、あえてこういうジャンルでいきたい、こういう人でいたいと決めていないところもまたいいのかもしれません。そうすると縛られちゃいますから。

――確かに目標を定めることもいいですが、決めてしまうとそこに行くルートを探すだけみたいにもなりそうですね。

そうなんです。そうすると可能性が減ってしまうような。やはり、1日1日人生が進んでいくと、考え方も微妙に変わっていくわけで、1年後に同じことをしたいかどうかわからないですから。だからこそ、そのときの自分をいつも柔軟に受け入れたいですね。

美弥るりかさん=撮影・岩村美佳
美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

■89期のみんなとは、励まし合っている。お互いの初日・千秋楽・誕生日にはLINEを

――私は、2021年春頃から、様々な現場で89期の皆様とお仕事させていただくことが多くて、美弥さんを取材させていただいて、ほぼコンプリートなんです。

そうなんですね!

――カラフルに、全員がそれぞれの道を生きていらっしゃる印象があります。

同期の仲がすごく良いです。

――皆さんの中での刺激はいかがですか?

私たちは刺激というか、「みんな頑張っているな」と嬉しく思っています。「みんな風邪ひかないで頑張ろうね」みたいなLINEをしょっちゅうするんです。誰かの初日とか、千秋楽とか、誕生日に絶対にLINEするのですが、その時も「また会おうね」みたいな感じで。今は大勢で集まれませんが、みんなで励まし合う感じですね。「みんな頑張っている、うんうん」って。

――お会いすると、皆さんふんわりしたイメージなんですよね。

そうなんです。誰もピリピリしていなくて、ガツガツしていないというか。だいたい、ほわほわしています(笑)。

――そのふんわりした感じと、表現する強さみたいなもののバランスが、皆さん絶妙だなと思ったので、どのように己のなかでコントロールしていらっしゃるのかなと。

特に何も考えていないです。私は、基本はゆるゆる、ぐだぐだしているので…(笑)。やはり作品がスタートしたり、役として写真を撮るとか、そうなると自然と神経がシャキンとなりますが、基本的にみんな競争意識がないタイプの人間といいますか。

美弥るりかさん=撮影・岩村美佳
美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

■2022年も「自分の芯」を持ち続け、柔軟にいろいろなことを感じながら過ごしたい

――皆さんの今後がさらに楽しみになりました。2022年が始まりましたが、最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

2021年は比較的ゆっくりさせていただきましたが、2022年はたくさんお芝居ができたらいいなと思いますし、表現する機会が1回でも多くできたらと思っています。そうすることで、応援してくださる皆様にお会いできる機会が1回でも増えたらと思っているので、この『ヴェラキッカ』という作品でスタートできることはとても光栄です。同時に、これまで感じていた自分の芯はいつまでも持ち続けて、いろんなことを柔軟に感じながら、自分らしく2022年も過ごせたらいいなと思っています。

美弥るりかさん=撮影・岩村美佳
美弥るりかさん=撮影・岩村美佳

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“「みんな頑張っているなあと。89期は、ほわほわしています」、美弥るりか(下)” への 5 件のフィードバック

  1. ぴーたん より:

    美弥さんのお仕事に取り組まれる姿勢や最近のお気持ち、お人柄が伝わってくる記事で大変興味深く、読むことができ良かったです。美弥さんの素敵な考え方やお気持ちに触れることができ幸せで、これから進まれる道にもたくさんの可能性が広がっていることを感じて、今後のご活躍が更に楽しみになりました。
    同期の方々とのお話も貴重で嬉しかったです。
    上・下を通して素敵な記事を掲載して下さりありがとうございました。

  2. かずいち より:

    美弥さんのお優しい人柄がよくわかる記事をありがとうございます。
    おかげさまで、ヴェラキッカ東京公演、最高に心に染みました。
    また、美弥さんの記事を楽しみにしています。

  3. MAJIPAN より:

    前編、後編ともに楽しく拝読しました!
    写真もお美しく…この髪型と雰囲気とても素敵です!うっとりと見てしまいます。美しい…
    ストレートに愛情を表現する役…また新しいるりかさんのお姿が見られると思うとドキドキします。
    ノラ様はきっとるりかさんにしか演じられないお役なのだと思います。
    いよいよ初日が近くなって参りましたが、インタビューを読んでますます観劇が楽しみになりました!心から応援しています!

  4. かんちゃん より:

    美弥さんのお芝居が好きです。
    とても素敵でファッショナブルな美弥さん。応援しています。

  5. ちわわん より:

    こちらの記事も読み応えがありました。
    お仕事の選び方を始め、取捨選択の考え方など貴重なお話が読めて大満足です。
    お写真がどれも素敵で、ヴェラキッカ観劇への期待もますます高まっています。
    また美弥さんを取材していただける機会があれば嬉しいです。

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