「谷源昌さんが遺したベースの音で…」、「TERMINAL」藤岡正明インタビュー(上)

藤岡正明さん=撮影・NORI

今年でデビュー20周年となる、藤岡正明さんの記念ライブツアー『藤岡正明 20th Anniversary LIVE TOUR 「TERMINAL」』が、2021年11月21日(日)から、博多、東京、大阪、名古屋で開催されます。記念ライブツアー、そして同名でリリースされるオリジナルアルバム「TERMINAL」に込めた想いと、20年の活動について藤岡正明さんにインタビューしました。

藤岡正明さん=撮影・NORI
藤岡正明さん=撮影・NORI

――20周年記念ライブツアーと、11月21日に発売されるアルバムのタイトル『TERMINAL』には、どのような想いを込められたのでしょう?

まずは、僕のデビューが「交差点」だったので、交差点というのは人や車やバイクが行き交う場であって、ターミナルというのも人が集まっては去っていく場所だと思うんです。僕自身がこの20年間で一緒にやってきた人たちや、様々な才能、作品、いろんなものとの出会いと、またこれから新たな出発をしていくターミナルステーションという意味と、このコロナ禍によって、誰かと会うことに抵抗を感じたり、そういうことに憂いて、仕方ないことなんだけど、とても悲しいと僕自身も思ってるので、出逢うことや、触れ合うことの喜びみたいなものを込められないだろうか、ということで『TERMINAL』というタイトルにしました。

それと僕の超絶個人的なことで話すと、この『TERMINAL』に収録されている2曲目に「ステーション」という曲があるんです。これは僕が数年前ぐらいに作った曲で、駅で恋人との待ち合わせをしている数分間を曲にしたんですが、当時、レコーディングしたときにベースを弾いてくれた長年のパートナーの谷源昌さんというベーシストの方が、2019年の8月に急逝されたんです。それで谷さんと最後にレコーディングしてリリースできていなかった「ステーション」をリリースしたいと思うようになりまして、谷さんとの思い出という意味で「ステーション」にかけて『TERMINAL』というタイトルにしたんです。

谷さんと作った作品たちが、そこに集まったよという意味で、この「ステーション」という曲がアルバムのリード曲だと思っています。谷源昌さんと僕がレコーディングした最後の谷源昌さんのベースが収録されていて、そこに僕のボーカルやピアノなどを再レコーディングして、アルバムに収録しました。だからベースに合わせてプレイしてもらいました、ピアノも。

――谷源昌さんへの想いも込もったアルバムですね。収録される曲の構成は?

いろんな種類の楽曲がありますが、ミュージカル的なものはないですね。そういう意味では、すごく普通にミュージシャンっぽいアルバムになってるんじゃないかなと思います。

――今回のアルバムのための新曲もあるのでしょうか?

やっぱりこのアルバムを意識して、ここをどうしようかなとか、こういう曲を作ろうかな、みたいなのは時間をかけてやっていたので、レコーディング期間に入ってから作った曲はないです。でも結構いろんな曲を作りました。

――アルバムに収録される楽曲数は?

全10曲です。あんまり長くはしたくなくて、50分で収めよう、みたいな。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、アルバム「TERMINAL」に収録された曲について、デビューから20年の軌跡について伺った内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2021年11月20日(土)午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、俳優としての活動、動画配信にまつわる想いについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■ブルースロックみたいな感じの曲や、ダンサブルな曲、ファンクってジャンルの曲も

■「Together」の作曲家でギタリストの田村直樹さんには、谷さんのお葬式で再会して

■デビュー前、「ASAYAN」で歌い手としての意識をもっと持たないとまずいなと

■趣味で小説を書いていた時に、『レ・ミゼラブル』のオーディションのお話が

<藤岡正明 20th Anniversary LIVE TOUR 「TERMINAL」>
【福岡公演】2021年11月21日(日) ROOMS
【東京公演】2021年11月23日(火・祝) 新宿FACE
【大阪公演】2021年12月4日(土) Soap opera classics -Umeda
【愛知公演】2021年12月5日(日) 伏見JAMMIN
チケット:
https://masaaki-fujioka.com/contents/465319
ROOMSアクセス:
https://goo.gl/maps/HFiLuXuaf4znrjPc6
新宿FACEアクセス:
https://shinjuku-face.com/access
Soap opera classics -Umedaアクセス:
http://soarsmusic-soc.jp/access/
伏見JAMMINアクセス:
https://www.nagoya-jammin.com/contact

<関連リンク>
藤岡正明 OFFICIAL SITE:
https://masaaki-fujioka.com/
藤岡正明 Twitter:
https://twitter.com/Tsukune_Toro
藤岡正明 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/fujioka-masaaki/

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藤岡正明さん=撮影・NORI
藤岡正明さん=撮影・NORI

※ここから有料会員限定部分です。

■ブルースロックみたいな感じの曲や、ダンサブルな曲、ファンクってジャンルの曲も

――今年に入ってシングルを2枚リリースされていますが、その曲も?

もちろん収録してます。「迎えに行くよ」と「Together」、去年リリースした「あなたは今恋をしてますか?」という曲を収録しています。他には、「スパイダー」という、わりとかっこいい感じのギターで、ブルースロックみたいな感じの曲や、Jamiroquaiのような「Like a magic」という、わりとダンサブルな曲であったり、ファンクってジャンルの曲があったり、あとはこう、楽しい感じの「tabasco & coffee」という曲が。

――タバスコと珈琲(tabasco & coffee)、興味を惹かれるタイトルです。

一緒に暮らしている彼女に、朝「コーヒー飲む?」と淹れたコーヒーを渡すと、タバスコを入れて飲むので「それ美味しいの?」と…、一応意味はあるんですけど不思議な曲です(笑)。あとは2019年に僕が出演して歌わせてもらった、NHKの『サギデカ』というドラマの劇中歌の「夜中の逃走」という曲が入っています。

――本当にいろいろなジャンルの楽曲で構成されていますね。

僕自身がまだ本当に歩みの途中なので、“今の僕を、ぜひ見てください” という感じです。

藤岡正明さん=撮影・NORI
藤岡正明さん=撮影・NORI

■「Together」の作曲家でギタリストの田村直樹さんには、谷さんのお葬式で再会して

――YouTubeで公開されている、MV making「Together」もノリノリな感じで。

あれも実は谷源昌さんが深く関わっているんです。「Together」の作曲家でアレンジャーでもあるギタリストの田村直樹さんとは20年前に「Together」をリリースするためにご一緒させてもらったんですけど、僕がライブツアー中にバイクで事故を起こしてツアーが潰れて、リリースも頓挫してなくなってしまったんです。いつか謝りたいとずっと思っていた中で、谷源昌さんが亡くなって。谷さんと田村さんは中学校からの同級生で「Radio Swing」というバンドでデビューをしていて、田村さんのご紹介で、僕は谷さんと出会ったんです。

谷さんのお葬式に田村さんも来られていて「その節は本当に申し訳ありませんでした」ということともに、谷さんと関わりの深かったミュージシャンが集まって開くことにしたバースデーライブ(谷源昌バースデーライブ2020 『続・たにのさんぽ』)に、お誘いさせてもらったんです。そこで「Together」を歌わせてもらえないかと。そして、失礼を承知で「Together」をもう一回リリースをさせてもらえないだろうか、と。田村さんも快諾してくださって、なるべく当時の形に近い形で、田村さんにアレンジも再度入ってもらって、ギターも弾いてもらって、それで録ったのが「Together」なんです。谷さんが全部繋げてくれたんです。

――谷さんのご縁で、さまざまなことが…。

僕にとっては本当に居なくてはならない、谷さんはそんな存在だったので、亡くなったときは本当にもう、どうやってこれからライブやったらいいんだろう、どうやって音楽を作ったらいいんだろう、その思いしか出てこなくて。でもやっぱり前に進まなきゃいけないと、そんな気持ちで進んだ結果、谷さんに全部持ってかれた感じです。居ないのに、なんか持ってかれたなあと思って…。

藤岡正明さん=撮影・NORI
藤岡正明さん=撮影・NORI

■デビュー前、「ASAYAN」で歌い手としての意識をもっと持たないとまずいなと

――2001年の11月21日にシングル「交差点」でデビューされたので、20周年記念ライブツアー初日が、ちょうど節目にあたりますね。

デビュー20周年になります。本当はその1年前に、オーディション番組にでていて。

――2000年の「ASAYAN」ですね。

僕の兄の友達が「ASAYAN」のオーディションを受けに行くときに、僕と兄が付き添いで一緒に行ったんです。オーディション希望者は、直接会場へ履歴書を持って行って、その場で30名くらいアカペラで歌って終わりというオーディションで、待っている間に希望者がとてつもない数になっちゃっていて。場所が東京ビッグサイトだったんですが、あの当時は周囲にいろいろあったわけじゃないので、もう本当に真夏の炎天下の中で長時間待っているのが嫌で、コンビニで履歴書買って、当時流行っていたプリクラで撮った写真を貼って証明写真にして、志望動機欄には「力試し」とか適当に書いて、とりあえず会場に入って、そのまま履歴書持って行ってオーディションを受けたら一次審査を通っちゃったんです。

――最初は付き添いだったんですか!?

今だから言えますけど、僕はシンガーソングライターを志望していたので、「ASAYAN」は違うだろうとは思ってたんです。でもきっかけをいただきました。

――「ASAYAN」の出演がなければ、1年後にデビューという道筋は?

なかったと思います。

――シンガーを目指そうと思われたのはいつぐらいから?

シンガーを目指していた訳ではなかったんです。曲を作ってバンドやったりもしたんですけれど、歌う人がいないから僕が歌うみたいな感じで、別にシンガーとしてという感じじゃなかったんです。

――バンドで歌も担当していたんですね。

ギターや、ボーカルだけとかもありましたけど、いわゆる歌い手としてどうこうなりたいみたいな感じではなくて、プロにはなりたいですけど、特に歌手というこだわりは特になかったんです。「ASAYAN」はボーカリストオーディションだったので、自分自身、歌い手としての意識をもうちょっと高く持たないとまずいなと思ったのはよく覚えてます。

藤岡正明さん=撮影・NORI
藤岡正明さん=撮影・NORI

■趣味で小説を書いていた時に、『レ・ミゼラブル』のオーディションのお話が

――その一年後にデビュー、シンガーとして活動をされて、2005年には『レ・ミゼラブル』マリウス役で俳優として舞台に立たれました。

オーディションを受けませんかというお話をいただいて、当時いた事務所に「受けてみないか」と言われて。そのころ僕は趣味で結構小説を書いていて、ちょうど長編小説を書き終えたときで、お芝居やストーリー物に興味があったこともあって「じゃあやってみようかな」と思ってオーディションを受けたんですけど、オーディション会場で「この役は今こういう気持ちでこういうことだから、ここはもっとこういうふうに歌って欲しい」とすごく要求されたので、帰りにマネージャーに「受かっても断ってくれ。あんなに言われるのやりたくない」って言ったんですけど、当時のマネージャーに「すごい可能性を感じるから、もし受かったら騙されたと思って、1回だけやってくれないか」って言われて、結果合格をいただいてやったんです。僕の人生って不思議ですよね。思い描いていたものと全く違うチャンスをいただいて、ここまで来たんだなあと思って。

――全く違うチャンスを。

「目標とか、こうなりたいとかありますか?」という質問がありますけど、僕は “こうなりたい” より、人生何が起こるかわからないから、逆にそれを期待したいと思っているんです。例えば、お笑い芸人やってみませんか? ともし声をかけられたら、そういうお話があるならば、ちょっとやってみようかなとか。そういうことって何があるかわからないじゃないですか。だから “自分がこうなりたい、だからこのためにはこうする” というよりは、とにかくひとつひとつ、やっぱりベストを尽くして可能性を模索する中で、もしかしたら周りが何か見いだしてくれるものでもあるのかなと思って。そんな20年でしたね。

藤岡正明さん=撮影・NORI
藤岡正明さん=撮影・NORI

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“「谷源昌さんが遺したベースの音で…」、「TERMINAL」藤岡正明インタビュー(上)” への 2 件のフィードバック

  1. ころりん より:

    充実したインタビューでした。後編も楽しみです。

  2. ゆっこ より:

    20周年、長いようで短いようでやっぱり長くて。
    藤岡君が歩んできた道は決して優しい道ではなかったと思いますが、今笑顔で舞台に立ち、また歌い続けてくれている事がなにより嬉しいことです。
    谷さんはこれからもずっと藤岡君の歌に寄り添い続けてくれると信じています。

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