「日常を、ビッグナンバーで歌う」、 『東京ラブストーリー』、柿澤勇人(上)

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

【お詫び】11/5追記 プレゼント内容を、「写真1カットと色紙」とご案内しておりましたが、正しくは「サイン入りチェキ」です。心よりお詫び申し上げます。

ミュージカル『東京ラブストーリー』が、2022年11月27日(日)から12月18日(日)まで東京建物Brillia HALLで、12月23日(金)からと12月25日(日)までに大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで、2023年1月14日(土)に愛知・刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールで、1月21日(土)と1月22日(日)に広島・JMSアステールプラザ大ホールで上演されます。

『東京ラブストーリー』の原作は、1988年に柴門ふみさんが発表した漫画で、1991年にはフジテレビがテレビドラマ化し、「月曜の9時には渋谷から人がいなくなる」と言われるほどの社会現象を巻き起こしました。ミュージカル版では、作品設定を2018年に置き換え、空キャスト(柿澤勇人、笹本玲奈、廣瀬友祐、夢咲ねねのみなさん)と、海キャスト(濱田龍臣、唯月ふうか、増子敦貴、熊谷彩春のみなさん)のチーム別ダブルキャストで上演されます。アイデアニュースでは、永尾完治を演じる柿澤勇人さんにインタビューしました。

「上」では、ワークショップのこと、曲調のこと、この作品をミュージカルとして表現することの難しさ、『デスノート THE MUSICAL』の時のことなどについて伺った内容を紹介します。「下」では、赤名リカというキャラクターのこと、ミュージカルにおける歌と芝居のことについて思うこと、『メリー・ポピンズ』で経験されたこと、廣瀬友祐さんとの久しぶりの共演への想いや、ジェイソン・ハウランドさんの音楽の魅力のこと、どのような作品になりそうかということ、柿澤さんご自身の見どころなどについて伺った内容を紹介します。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

ーーワークショップが行われたと伺いましたが、どのようなことをされましたか?

ブロックごとにセリフも入れながらやりましたし、特に音楽の精査をしていきました。役者によって声も違うので、ここはカットするのかとか、キーや音符を変えようとか、そういうことをざっくりと、時に細かくもやって全幕通したという感じです。

ーー以前初演から出演された『デスノート THE MUSICAL』でも、同じようなプロセスがありましたか?

デスノートのときは、キーを現場で変えることはありましたが、上がってきたものをとにかく一生懸命やるという感じでした。稽古が始まるこれほど前に、こういうことをやるのは初めてですが、ブロードウェイなどでは結構当たり前なことで、5年、10年かけてブラッシュアップして、ようやく舞台に立てるという感じなんです。今回、8月頭にワークショップを行えたのは、有意義なことだったと思います。日本ではそういう時間がありませんから、なかなか同じようにはできないんですよね。

ーー本稽古に入る前に、一歩進んだ感じがありますか?

そうですね。演出家にとっても、全体を見れる場となるので、「ここはセリフを変えなきゃ、カットしなきゃ」ということがあるのでしょう。

ーー台本や楽曲の感想はいかがですか?

とにかく、曲の数が多いです。30曲以上あるんじゃないかな。キャッチーで、1回聞けばだいたい覚えられるような大曲が多いイメージです。

ーー曲調やリズムは、現代的ですか?

ポップスですね。

ーーでは、歌い上げるというよりは……?

いえ、歌い上げる曲もあります。ジェイソン(・ハウランド)さんは、やはりブロードウェイの作曲家ですし、「最後は歌い上げる」みたいな曲が多いです。シーンによってはいいのですが、僕自身は日本人ですし、完治という役も感情表現が下手な人物なので、歌い上げて、音が高ければいいというものではなさそうだと感じています。稽古しながらジェイソンさんに相談したいです。

ーー『東京ラブストーリー』は、2021年にリメイクされたドラマもありますが、1991年のドラマのイメージが強い方も多いと思います。今回は漫画を原作に2018年設定で描かれる『東京ラブストーリー』とのことですが、何がどう変わるのでしょうか。今の価値観に、どうハマるのかというところを、お聞きしたいです。 

『東京ラブストーリー』の1991年ドラマ版には、「当時携帯があれば、すれ違わなかったのに」という部分がありましたが、設定を現代にしたことで、物理的なすれ違いというよりは、本当に心の中のすれ違いになったといいますか。「携帯があったらできるじゃん」みたいなところは基本的にないです。誰のベクトルがどこに向いているのかがとてもシンプルになっていて、現代に置き換えても違和感はないんじゃないかと思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、「上」では、この作品をミュージカルとして表現することの難しさ、『デスノート THE MUSICAL』の時のことについて伺った内容など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。21日掲載予定のインタビュー「下」では、赤名リカというキャラクターのこと、ミュージカルにおける歌と芝居のことについて思うこと、『メリー・ポピンズ』で経験されたこと、廣瀬友祐さんとの久しぶりの共演への想いや、ジェイソン・ハウランドさんの音楽の魅力のこと、どのような作品になりそうかということ、柿澤さんご自身の見どころなど、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■全てを歌い上げるとコンサートになってしまう。感情を表現するシーンが難しい

■『デスノート』の時も、「それは違う」となったところは歌詞を変えたりしていた

■全部をミュージカルでやろうとするとしんどい作品。そこを突き抜けて飛び越えたい

■リカに出会うことで、少し大人になっていく完治。その過程を丁寧にやっていく

<ミュージカル『東京ラブストーリー』>
【東京公演】2022年11月27日(日)〜12月18日(日) 東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2022年12月23日(金)~25日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【愛知公演】2023年1月14日(土) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
【広島公演】2023年1月21日(土)~22日(日) JMSアステールプラザ大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/love2022/

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柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

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■全てを歌い上げるとコンサートになってしまう。感情を表現するシーンが難しい

ーーミュージカルに落とし込まれた物語を読んで、どのような感想を持たれましたか?

すごく大きな事件が起きるわけではなく、日常を生きている中に、ジェイソンさんの音楽が入っていくという感じで、わりとすんなり観れる作品だと思います。「何かが起こって歌が始まる」というより、「しゃべっているときに歌が流れ始める」ところが結構あるので、会話の歌が多い印象です。「ポップな音楽で3人が会話をし始めてから、3人の想いにつながる」というような曲もあります。

ひとりで想いを吐露するシーンでは、各々のビッグナンバーがあります。そこのバランスがどうなるのかですね。全てを歌い上げると、コンサートになってしまいますから。難しいのは、ケンカなど、感情を表現するシーンです。曲はすごくかっこいいですが、もっと日本人的な感じにしていきたいなと。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■『デスノート』の時も、「それは違う」となったところは歌詞を変えたりしていた

『ジキル&ハイド』や『フランケンシュタイン』のように、ミュージカルでは、命を創造することについてとか、結構大きなテーマを歌うことが多いと思うのですが、『東京ラブストーリー』は、「誰を取るんだ、誰のことが好きなのか」といった日常の話です。日常のことを歌う部分がビッグナンバーになっているので、どう昇華させるのかが課題な気がします。

『デスノート』の時に栗山(民也)さんがおっしゃっていたことがあって。最初は議論のシーンから入りますが、日本には、そこまで議論する文化はない。自分の意見を主張して、それに向かってぶつかって、自分の信念や心情、主張をする欧米の文化だからこそ、あの曲が成立するのだと。曲はすごくいいのですが、日本人の内向的なところにはどうかと。

『デスノート』の最初のシーンの曲は、英題では「ハリケーン」だったんです。稲妻、台風のイメージですね。「ハリケーンを巻き起こして、全員をなぎ倒してやろうぜ」みたいな感じだったのですが、「それは違う」となり、もっと心の叫びをと、歌詞も変えたりしたので、今回の『東京ラブストーリー』に関しても、そういう作業が多くなるのではと思っています。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■全部をミュージカルでやろうとするとしんどい作品。そこを突き抜けて飛び越えたい

ーー本作では、例えば革命が起きるわけでもないですし、すぐそこで起きているような物語がミュージカルになっていますよね。ミュージカルとしての『東京ラブストーリー』の一番の見どころは、どこだと思いますか?

多分、曲にかかっているのかなと思います。ドラマで芝居だけでわかりやすく演じるのではなく、日常の中で我々が感じていたり、共感したりすることを代弁してくれる曲が結構あります。

ーーそうですよね。連ドラだと、わかりやすいと思うんです。でも、連ドラでも恋愛ものが減っていて、仕事や己の生き方にフューチャーしている傾向のあるこの時代に、あえて『東京ラブストーリー』をミュージカルでやることに対して、どこがキーになるのだろうと考えていました。

全部をミュージカルでやろうとするとしんどいかなと僕たちも思っています。「歌っちゃう」ことへの気恥ずかしさもありますし。でも、そこを突き抜けたところでやると、どこか飛び越えられるような気がしています。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■リカに出会うことで、少し大人になっていく完治。その過程を丁寧にやっていく

ーードラマでは、表情一つで「こう思っているのかな?」と思わせるようなところを、ミュージカルでは、言葉で言わなくてはいけないところもありますよね。

そこは僕らにかかっていますし、本当に表現次第だと思います。どこまで突き詰められるかですね。僕の役に関していうと、完治は基本的に自信もないし、仕事もあまり上手くいっていない。真面目だけどピュアで、恋にはまったく動けない。でも、想っている人がいる。リカに出会うことで、「こういう生き方もあるんだ」と、徐々に開放されて、どんどん成長していくんですよね。最後は、仕事も恋も自分で決断して、少し大人になるという旅路になるでしょうから、完治に関してはその過程を丁寧にやるしかないなと思っています。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

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“「日常を、ビッグナンバーで歌う」、 『東京ラブストーリー』、柿澤勇人(上)” への 2 件のフィードバック

  1. Yun より:

    音楽がどんな仕上がりになるのか、むちゃくちや楽しみになりました。
    カッキーがこの作品に向き合う強い思いが伝わってくる記事で嬉しくなりました。
    それにしても岩村さん撮影の1枚目のお写真の
    満面の笑顔、見てる私も笑顔になれます(笑)
    どんなふうに撮影されたのか気になります。

  2. ずっち〜な♡ より:

    柿澤さんの優しい表情と丁寧なインタビュー記事ありがとうございます。
    「東京ラブストーリーのミュージカル?
    ドラマが あまりにも有名過ぎるので
    ミュージカルって どうなの?」と正直 最初は思っていました。ごめんなさい。こうやって お話を伺って皆様方の
    思いが伝わり内気で不器用だけど誠実な
    カンチを柿澤さんが どのように表現してくださるのか今は とても楽しみでチケット取りました。ミュージカルならではの東京ラブストーリーの開幕が待ち遠しいです♡無事に幕が上がりますよう心より お祈り申し上げます。

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