アフリカ支援に会社設立、セネガル産「カシューアップルジャム」など日本で初発売

販売が始まったセネガル産のトロピカルフルールジャム=撮影・橋本正人

みなさんは「カシューナッツ」をご存じだと思いますが、あのナッツは、じつは「カシューアップル」という果物の種です。カシューアップルは皮が薄く傷付きやすいため、生のカシューアップルは輸入できませんが、このたびアフリカ・セネガル産のカシューアップルのジャムが日本に初上陸しました。輸入販売を始めたのは、学生時代からアフリカを何度も訪れてアフリカの人々のための活動を続けてきた、兵庫県尼崎市内に住む青木梨花さんです。2016年7月11日、兵庫県宝塚市内で開かれたイベントに青木さんが参加してジャムを販売するということを聞き、「日本初の味」を味わってきました。その様子と味を報告します。

販売が始まったカシューアップルのジャム=撮影・橋本正人

販売が始まったカシューアップルのジャム=撮影・橋本正人

青木さんは中学生のころから国際関係のボランティア活動に参加し、テレビでアフリカの飢餓の状況を見てからアフリカに関心を持つようになりました。大阪大学外国語学部(フランス語・国際関係学)在学中にタンザニア、ブルキナファソ、ケニアを訪れています。

青木さんは「現地に行くと、高等教育を受けていても仕事がないという人が多いんです。食料系や教育系の支援はいろいろあるのですが、ビジネス系の支援というのはなかなかなかったので、そこを支援したいと思いました」と話します。

ブルキナファソを訪れた時の青木梨花さん(右端)=写真提供・合同会社 RAINBOW AFRIKA

ブルキナファソを訪れた時の青木梨花さん(右端)=写真提供・合同会社 RAINBOW AFRIKA

青木さんは大学卒業後に一般企業に勤めながら中小企業診断士の資格をとり、アフリカの方々の経営コンサルタント的な活動を始めます。2014年には、クラウドファンディングで資金を集め、西アフリカのブルキナファソでビジネスプランコンテストを開催しています。しかしアドバイスをするだけでは、アフリカの方々には資金もなければ売り先もないので「それなら自分で貿易をすることで向うの経済発展につながれば」と2015年4月に、合同会社「RAINBOW AFRIKA」を設立しました。

2016年6月28日に発売を開始したのはセネガル共和国の「ZENA エキゾチック・フルーツ社」が製造販売している「トロピカルフルーツジャム」。グアバ、マンゴー、パパイヤ、ハイビスカス、カシューアップルの5種類で、30グラム入りが各300円、270グラム入りが各1135円です。

販売が始まったセネガル産のトロピカルフルールジャム(大きな方のビンは、ハイビスカスが売り切れてしまっていたので、カシューアップルが右側に2つ並んでいます)=撮影・橋本正人

販売が始まったセネガル産のトロピカルフルールジャム(大きな方のビンは、ハイビスカスが売り切れてしまっていたので、カシューアップルが右側に2つ並んでいます)=撮影・橋本正人

ZENAエキゾチック・フルーツ社の「トロピカルフルーツジャム」が日本国内で販売されるのは今回が初めてなので、グアバも、マンゴーも、パパイヤも、ハイビスカスも、カシューアップルも日本初なのですが、フィリピンの山岳少数民族支援をしてきた関係でフィリピンの山岳地でもとれるカシューアップル(カシューナッツ)に関心の高い橋本は、今回、特にカシューアップルジャムをぜひ食べてみたかったので、30グラム入りのものを購入して、その場で食べてみました。

カシューアップルジャムの中身=撮影・橋本正人

カシューアップルジャムの中身=撮影・橋本正人

カシューアップルジャムは、もちろんジャムなので甘いのですが、「この味、なんといったらいいんだろう?」と一緒に食べた妻と、しばし考えました。珍しいものだけに、パッと浮かぶ名前がなく、「なんだろ?」と。青木さんも「たとえるのが難しくて、いつも困るんですよね」と笑います。

妻は「あえて言えば、柿かな? 干し柿を和菓子にした時の、ちょっと癖のある感じ」と。私は、ビワのような味に感じました。

ハイビスカスジャム(30グラム)=撮影・橋本正人

ハイビスカスジャム(30グラム)=撮影・橋本正人

青木さんによると、今のところのジャムの中で一番人気があるのは、ハイビスカスとマンゴーだそうです。橋本がこの日のイベントを取材した時には、ハイビスカスは大きな270グラム入りのビンは売り切れてしまっていたので、写真には30グラムの小ビンしか写っていませんが、ご了承ください。

ハイビスカスジャムを試食=撮影・橋本正人

ハイビスカスジャムを試食=撮影・橋本正人

バオバブ入りのスムージー=撮影・橋本正人

バオバブ入りのスムージー=撮影・橋本正人

ハイビスカスティーのティーバック=撮影・橋本正人

ハイビスカスティーのティーバック=撮影・橋本正人

販売されていたトカゲの形をしたビーズの置物=撮影・橋本正人

販売されていたトカゲの形をしたビーズの置物=撮影・橋本正人

新発売のジャムを手に持つ青木梨花さん=撮影・橋本正人

新発売のジャムを手に持つ青木梨花さん=撮影・橋本正人

青木さんが販売している商品などは「合同会社 RAINBOW AFRIKA」のホームページや、楽天市場Yahoo!ショッピングのページからお買い求めいただけます。ぜひ一度、ページをのぞいてみて、そして「日本に初上陸したセネガルのジャム」を味わってみてください。

この日のイベントは、兵庫県東部で「フーレセラピー&耳つぼサロン*ふわりん*」を開いている中田有理さんが中心となって宝塚市仁川台の熊野神社内で開いた「とことこ おさんぽマルシェ Vol.4」で、青木さんのアフリカ関係の商品販売のほか、マッサージやハンドメイドの小物が販売されていました。

<今後のイベント出店予定>
7/26(火)10:00-16:00 第2回知りたい宝塚マルシェ @チボリゴルフセンター(兵庫県宝塚市弥生町358)
8/8(月)10:00-16:00 第15回HappyMammy @アステホール(兵庫県川西市栄町25-1)
8/19(金)12:30-16:30兵庫県ユニセフ協会「地球のステージ」 @加古川市民会館(兵庫県加古川市加古川町北在家2000)
9/22(木・祝)マルシェドママン弁天町
9/24(土)ジェンベ打サミット

<関係ウェブサイト>
合同会社 RAINBOW AFRIKA
http://www.africa-exotic-resort.com/
【楽天市場】Africa Exotic Resort
http://www.rakuten.co.jp/earthgift/
【Yahoo!ショッピング】アフリカ・エキゾチック・リゾート
http://store.shopping.yahoo.co.jp/bizaf/

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青木さんは、今回、どうしてセネガルからジャムを輸入するようになったのか。ジェトロのデータベースを調べてメールを出し、アフリカンフェスタで出会ったセネガル大使館の関係者に協力を求めるなど、青木さんのエネルギッシュな活動の様子や、今後の展開のビジョンについて、インタビュー形式で詳しく紹介します。

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--なぜセネガルだったんですか?

セネガルが先というよりは、まずこのジャムを先に見つけたんです。ジェトロ(日本貿易振興機構)の引き合い案件のデータベースに、このジャムが出ていて、一回コンタクトをとったんですがその時はメールがうまく届いていなくて、そのあと、たまたま私がこの4月に横浜であったアフリカンフェスタ(アフリカンフェスティバルよこはま2016)に行った時に、セネガルの大使館のブースがあったんです。そこに置かれていて「あっ!」と思って、大使の方に「メール送ったんですけど返ってきてないんですよ」という話をしたら、その大使がここ(ZENAエキゾチック・フルーツ社)の社長と知り合いだったので、メールでやりとりをしてもらったんです。

--その大使館の方は日本人だったんですか?

セネガル人の方です。

--では、その方とのやりとりはフランス語で?

いえ、日本人の方がたまたまいらっしゃったので、日本語、英語、フランス語、まざりながらでした。

--それは何月ごろだったんですか?

4月でした。それからサンプルを1回送ってもらって、味も良かったし、それから発注して…。でもそれから、けっこうかかりましたね。発注してから。

--なかなか商品が届かなかったんですか?

届くまで1カ月ぐらい。通関のやりとりとか手間取ったりしてたので。

--何が大変なんですか?

むこうが書類をきちんと作れなかったりとか。たとえば、同じジャムでも大きいビンと小さいビンで商品名が違っていたりして。

--感触はどうですか?

上々です。イベントで出すのは今日が初めてですが、7月26日にはチボリゴルフセンターで、8月8日には川西のアステ市民プラザでイベントに参加します。

--当面はイベントなんかに参加してという感じですか?

今年はイベントとネットでやっていて、今、補助金を申し込んでいるんですが、それが通って融資も受けられたら、お店を、実店舗をと。それは来年になりますけど。

--セネガル側にとっては、商品が売れれば雇用も増えて…ということになるわけですか。

そうですね。対等なビジネスですので。

--この会社(ZENAエキゾチック・フルーツ社)は、いい会社なんですか?

女性を8割雇っていたり、障害者や若者の雇用にすごく積極的で、社長も女性で。

--その社長とは直接やり取りを?

メールで。

--その会社は日本との取引は?

1回、ジェトロで展示会には来たようなんですが、その時はビジネスにまでは発展しなかったようで、日本にはすごく輸出はしたがっていて。

--ビジネスとしてきちんと販路ができればいいですね。

そうですね。

--最後に、アイデアニュースの読者にアピールを。

たぶん、日本では売ってない種類のものなので、ぜひ一回、食べてみて欲しいです。

--ありがとうございました。

ありがとうございました。

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