言葉の工房:(6) 第一回文学フリマ京都、出展者として参加してきました

会場の様子。たくさんの来場者で文字通り熱気にあふれていました=撮影・添嶋譲

皆さんこんにちは。添嶋です。

1/22に京都市で開催された、第一回文学フリマ京都。僕も出展者として参加してきましたので、そのレポートです。

会場の様子。たくさんの来場者で文字通り熱気にあふれていました=撮影・添嶋譲

会場の様子。たくさんの来場者で文字通り熱気にあふれていました=撮影・添嶋譲

文学フリマは評論家、漫画原作者として知られる大塚英志氏のエッセイ「不良債権としての『文学』」での呼びかけをきっかけに2002年に東京で初めて開催されたイベントです。東京だけでも23回と会を重ね、最近では文学フリマ百都市構想を掲げ、東京、大阪を始め全国8箇所で開催しています。

京都では今回が初めての開催で、例年秋に開催される文学フリマ大阪と合わせて、関西圏では年に二回開催されるということになります。

会場は平安神宮近くの京都市勧業館みやこめっせ。地下一階のホールに330の出店がありました。今回の来場者数は出店者、来場者あわせて1700人。すでに出展経験のある方から、初めて文学中心のイベントに参加する方まで、全国各地から文学愛好者が集まりました。

別室では開催記念シンポジウムや、関西圏を中心に活動するアーティストのライブ、読書会が催され、多くの方が参加していました

また、着物の着付け体験もあり、出店者のなかには着物で一日すごす方もいらっしゃったようです。

「自分が文学と信じるもの」を持ち寄るのが文学フリマのコンセプトですが、この日も文学にまつわるいろいろなものも集まっていました。

一般の来場者は、これも文学フリマ東京に比べると比較的お年を召した方が多く見られました。

また、以前参加した文学フリマ大阪のときもそうでしたが、親子連れで来場して、子どもさんが本を手に品定めをし、「これ買って」と買ってもらうという光景も目にしました。ともすれば、熱烈な文学愛好者だけが集うイベントになりがちですが、ライトユーザー層でも参加しやすいイベントであるということができそうです。

【イベント概要】
第一回文学フリマ京都
開催日2017年1月22日(日)
開催時間11:00~16:00
会場京都市勧業館 みやこめっせ 地下第一展示場(京都市・岡崎)
一般来場一般の方は入場無料です!
主催文学フリマ京都事務局
・公式Twitter:@BunfreeKyoto
・公式ブログ:文学フリマ京都事務局通信( http://bunfreekyoto.hatenablog.com/ )
共催一般社団法人 北近畿コンテンツポート
協力文学フリマ・アライアンス

【「文学フリマ」今後の開催予定】
2017年3月26日(日) 第一回文学フリマ前橋
2017年4月16日(日) 第三回文学フリマ金沢
2017年5月7日(日) 第二十四回文学フリマ東京
2017年6月11日(日) 第二回文学フリマ岩手
2017年7月9日(日) 第二回文学フリマ札幌
2017年9月18日(月祝) 第五回文学フリマ大阪

詳しくは http://www.bunfree.net/ を参照してください。

言葉の工房 関連記事:

⇒すべて見る

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、実際の費用面の話を書いています。普段はほとんどこういう話はしないのですが、どれくらい費用がかかって、どのくらい入ってくるのかということを知ることも必要ではないかと思います。

<有料会員限定部分の小見出し>

■宿泊代は考慮に入れないことにします(日帰り参加も可能のため)

■絶対必要なのは出店料、そして今回増刷した分の印刷代

■机にかける布などの購入費と、京都まで往復の交通費

■本は200円~1000円で販売し、34冊が売れました

■値段は人それぞれ。少額頒布、無料配布のかたも

■お財布の事情に合わせて、息切れしないようにする必要があります

※ここから有料会員限定部分です。

■宿泊代は考慮に入れないことにします(日帰り参加も可能のため)

ここからは出店者側としてのレポートを。

今まで作ることを中心に書いてきました。今回は実際の費用面の話をします。普段はほとんどこういう話はしないのですが、どれくらい費用がかかって、どのくらい入ってくるのかということを知ることも必要ではないかと思います。

前提条件として、僕は今回の文学フリマ京都に一人で参加しました。実際には宿泊もしていますが、宿泊代は考慮に入れないことにします(日帰り参加も可能のため)。そして、本の印刷を印刷所に依頼しています。それ以外のものは手元にあるものを利用しました。

写真は文学フリマ京都での筆者のブースのようす=撮影・添嶋譲

写真は文学フリマ京都での筆者のブースのようす=撮影・添嶋譲

■絶対必要なのは出店料、そして今回増刷した分の印刷代

<支出>

参加するにあたって、文学フリマ京都出店料として4000円必要です。これは絶対ですね。

今回は4種類の本を増刷したので、それの印刷代がかかっています。印刷はちょ古っ都製本工房( http://www.chokotto.jp/ )さんに依頼をして、全部で10300円です。それぞれ仕様は異なりますが、1冊あたり140円から340円くらいかかった計算になります。

本は会場まで宅配便で搬入していますので、その費用もかかります。送るときが1088円、返送が972円でした。売れれば荷物も減りますが、そのぶんたくさん買うこともありますので、ほぼ同じくらいの送料になります。

出店料 4000円

印刷代 10300円

送料  2060円

合計 16360円

ここまででこれだけかかっている計算になります。

■机にかける布などの購入費と、京都まで往復の交通費

ちなみに、今回購入したものではありませんが、机にかける布やディスプレイに使用している棚、値札用の薄いスチロール版、それを掲げるクリップなどをイベントに参加するたびに必要なものを用意しています。

これらは一回だけの使用ではないので、長く参加するのであれば思い切って購入しましょう。一般の店舗における、設備投資みたいなものですね。

そして交通費。自宅から京都まで往復の交通費が2万ほど。細かいところは入れていませんが、だいたいこのくらいです。交通費は、近隣から参加するのであればあまり考えることはないのですが、僕のように地方在住者が参加する場合はこの部分が影響して参加しづらいということが出てきます。

■本は200円~1000円で販売し、34冊が売れました

<収入>

ここまでが出費。では売上を見ていきましょう。頒価でざっくりと紹介します。

200円×3冊=600円

300円×16冊=4800円

500円×5冊=2500円

700円×4冊=2800円

800円×3冊=2400円

1000円×3冊=3000円

合計16100円

一番売れたもので12冊、他は1〜4冊程度です。持っていった本はどれも最低1冊は売れました。

収支を見くらべていただけばわかるとおり、ほぼプラスマイナスゼロです(交通費を除きます)。これは11月の文学フリマ東京以降、新作がなかったこと、京都では初めての参加(以前参加した文学フリマ大阪から数えても2年ぶり)だったことを加味しても妥当な結果だと思っています。もっとも、本質的には手に取ってもらえるような面白い作品を作れ、ってことなんでしょうけどね。

■値段は人それぞれ。部数調整をしているかたや、少額頒布、無料配布のかたも

値段のつけかたは人それぞれなのですが、僕の場合は頒価に対して1冊あたりの印刷代が5-60%になるように設定しています。これは印刷代の他、出店料、その他の経費も少しでも捻出したいからです。ですが、あまり高額になると売れなくなってしまう可能性があるので、そのあたりの調整は非常にむずかしいところです。

出店者の中には収支がプラスになるように値付けや制作部数の調整をしているかたや、100-200円と言った少額で頒布するかた、無料配布だけのかたなどいらっしゃいます。

■お財布の事情に合わせて、息切れしないようにする必要があります

僕の場合は、イベントに出展する場合どうしても交通費の問題は避けられないのですが、友人に会いに行ったり旅行を兼ねたりして、イベントだけで疲弊しないように行動するというふうにしています。

あちこちのイベントに参加して、手に取ってもらう機会を増やすこともたいせつなことのひとつなのかもしれませんが、それぞれのお財布の事情に合わせて、息切れしないようにする必要があります。

費用面であとが続かなくなると、せっかく好きで始めた趣味の活動そのものが楽しめなくなってしまうので、無理のないように活動していくことが大事です。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA