ミュージカル『ゴースト』に出演する咲妃みゆさんのインタビュー後半をお届けします。インタビュー前半から続いて共演者の皆さんの印象について伺ったほか、作品の魅力、宝塚歌劇団退団から一年経った今の心境などについて伺いました。
――先ほど平間(壮一)さんのインタビューをさせて頂いたときに、咲妃さんと秋元(才加)さんとお芝居をされていて、お二人がすごく違うと仰っていました。お二人のシーンで、急に“ボタンをとめて”という芝居をやってみたら二人の反応が正反対で面白かったと。
私は、とめたのかな…?
――そうです。急に(平間さんが)やったことに対して、咲妃さんはボタンをとめてくれたと。
ああ、確かに。反応の違いはとても興味深いものがあると思います。
――その時、突然今までと違うことをパッとされて、どんな感じだったんですか?
そういう突然のアプローチは、「こういうアプローチをしてみようかな」と思って頂ける役者でいられているのかなと思えて、すごく嬉しいことですね。
――じゃあ、今までと違うことが来たときに、ちょっと嬉しかった?
そのシーンをお稽古していたときも、まだ作っていく段階で、いかようにも演じ方が変わっていく中での、平間さんのやってみた動作だったので、そのときの私は……(思い出しながら)気持ちのまま、とめましたね、ボタンを。えっ、とはならずに。
――一緒にお芝居をしていて、弱そうに見えてすごく強い、と仰っていました。
平間さんはとっても魅力的な俳優さんだなと感じますね。お芝居がスタートすると、変わられるんですよねえ……! 狂気じみたお芝居をなさっていたかと思えば、「はは、できなかった~」みたいにその直後には笑ってらっしゃるので(笑)。えっ? アレっ? 平間さんスイッチすごい!と。
ご本人は「自信がないんだよ~」とよく仰るのですが、その謙虚なお心が平間さんの魅力のおひとつでもあるのかなと思いますし、やるときにはエネルギーを余すことなく、役と場面に投入なさる感じが、とても憧れます。うわぁ、こんな役者さん素敵!と、目で追ってしまいますね。表情ひとつ、呼吸ひとつ、見逃したくない。素敵です。
サムと、カールと、モリーの3人は親友という関係性で、最初から最後までこの物語が進行していくので、これは浦井さんも平間さんも仰っていましたが、コミュニケーションをしっかりとしていこうねと。役の上でも、日頃も、例えばお稽古中の待ち時間にも、役のことについて、あれはこうかなと色々なお話を快くしてくださいますし、その点、才加さんも私も助けられていると、私は思っています。私達二人が、例えば違うお芝居のアプローチをしたとしても、それを何ら違和感をお持ちにならずに、まずは受け止めてくださるのが、人として大きい方だなと思います。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、共演者についてのお話の続きや、楽曲について、宝塚歌劇団を退団してからの1年を振り返っての心境などを伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
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■(カールは、淋しいみたいですよ)役の中で?(取材で)あぁ!なるほど!
■歌のお稽古がスタートした時と今では、楽曲に抱く感情が変わっている
■この物語の見どころは、皆が生きようとしているところだと思います
■退団から1年、宝塚歌劇団への感謝の気持ちはより大きくなっています
<ミュージカル『ゴースト』>
【東京公演】2018年8月5日(日)~8月31日(金) シアタークリエ
【大阪公演】2018年9月8日(土)~9月10日(月) サンケイホールブリーゼ
【福岡公演】2018年9月15日(土)~9月16日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【愛知公演】2018年9月22日(土)~9月23日(日) 刈谷市総合文化センター アイリス
<公式サイト>
ミュージカル『ゴースト』
http://www.tohostage.com/ghost/
<関連リンク>
咲妃みゆオフィシャルサイト
https://sakihimiyu.com
咲妃みゆ公式ブログ
https://lineblog.me/sakihimiyu/
咲妃みゆInstergram
https://www.instagram.com/miyusakihi/
咲妃みゆFirst Bloom Twitter
https://twitter.com/miyu_firstbloom
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■(カールは、淋しいみたいですよ)役の中で?(取材で)あぁ!なるほど!
――カールは、淋しいときがあるみたいですよ?
まぁ……そうでしょうね。そういう心情が端々に垣間見える役ではありますね。役の中で、ですよね?
――いえ、普段も…。例えば、このシーンやこの取材ですとなって、カールが置いてけぼりになって(笑)。
あぁ!なるほど!(笑)。でも、4人で一緒にいたいという気持ちが自然に湧くお三方とご一緒できているのが、とても居心地が良いですし、朝、お稽古場に到着して、お互いに「おはようございます」と挨拶をする一瞬から、良い空気を頂けるんですよね、たった一言で。
――お話を伺っているだけで、いかに幸せかが伝わってきます(笑)。
私、全部出てしまうので、すみません(笑)。
■歌のお稽古がスタートした時と今では、楽曲に抱く感情が変わっている
――楽曲についてはいかがですか? やはり今まで歌われていた曲とタイプが違うと思いますが。
とにかく難しい曲がたくさん登場しますが、どの楽曲も美しくて、役の心情にとても沿っています。モリーとして歌わせて頂く曲もそうですし、皆さんが歌っていらっしゃる曲もそう感じますね。
――退団後に出演されていたタンゴの公演を拝見して、「咲妃さんがタンゴを歌うとこうなるんだ!」と新鮮に感じましたが、観る側も今までとは違うものが観られることをワクワクしていると思います。新しい環境や歌がどんどん入ってくる感じはいかがですか?
この楽譜や日本語の歌詞を頂く前はオリジナル版を延々と聞いていたのですが、日本語の歌詞となって自分が歌ったときに、ああこういう気持ちになるんだ、モリーはこういう気持ちで歌ってたんだ、など色んな発見がありました。2週間前に歌のお稽古からスタートしましたが、そのとき曲に関して自分が抱いた感情と、その1週間後に抱く感情と、今とではどんどん変わっていっているので、良い意味で正解が見つけにくい曲ばかりですね。
■この物語の見どころは、皆が生きようとしているところだと思います
――原作の「ゴースト」がミュージカルになって、ミュージカルならではの魅力は何だと思いますか?
この物語の見どころは、皆が生きようとしているところだと思います。サムは命を落としてしまいますが、形はなくても、やはり魂は生きてそこに存在していて、誰かを助けようとするし、誰かに悲しみをぶつけたりする。
モリーも、恋人を失った上で色々な感情を抱いていく中でも、最終的には生きていく人生を自分で見つめ直していきます。カールも、やってしまったことは決して許されることではなくても、必死で生きている結果なので。皆が懸命に生きていて、それが例え不格好でも、ご覧になるお客様には、きっと、ご自身の心に登場人物のどなたかの心情がストンと落ちてくるのではと感じますね。
森(公美子)さんは、台詞なのかご自身からその瞬間湧き出た言葉なのか、もう判別がつかないぐらい違和感なくその場に役として、オダ・メイ・ブラウンとして存在していらっしゃいます。色々な趣向を凝らして日々お芝居を作り上げていらっしゃるお姿も、勉強させて頂くことばかりですし、ありがたいことに台詞を交わさせて頂く場面もありますので、少しでも森さんから放たれるエネルギーをキャッチして、私もきちんとモリーとして対話していきたいと思います。
森さんはこのカンパニーのお母さんという感じです。温かいお心で、温かい眼差しで見つめてくださったり、明るいお話を皆に振ってくださったり、美味しい手料理を作ってくださったり。そういうお人柄が、初めてご一緒させて頂くのに、勝手に安心感を得させて頂いています(笑)。
――幸せいっぱいなことが伝わってきます(笑)。
それをちゃんと役に投影できるように頑張ります。モリーに全力を注ぐことが私の今の使命なので、私個人の幸せは、家に帰ってから噛みしめようかと……(笑)。
■退団から1年、宝塚歌劇団への感謝の気持ちはより大きくなっています
――最後に伺いますが、退団からとても濃い1年を歩んでらっしゃると思います。お仕事もたくさんされていますし、(元相手役の)早霧(せいな)さんの舞台もたくさんご覧になったりして、色んなお話もされていると思いますが、1年経って、以前一緒だった方々と会ったりしながら、今この時間を過ごされていて、振り返るとどんな心境ですか?
モリーが歌う、とある1曲の中に「地球はいつも回り続けるし、夜は必ず明ける」という歌詞があります。それを今日のお稽古で初めて歌わせて頂いたときに、今自分が感じていることと、とても一致するなと思いました。色んな変化がこの1年でありましたし、色んな方々とご縁を頂いて、でも変わらないご縁に助けて頂き守って頂く中で私は生きてきたんだなと感じますね。何一つ欠けても今の私はないと感じますし、月日は経過しても、宝塚歌劇団への感謝の気持ちはより大きいものになっていっています。
――時間が経つほど増していく?
もうちょっと広い視野での、感謝の気持ちですね。卒業した瞬間は「お世話になりました! ありがとうございました!」でしたが、今振り返ると、とても良い時間を過ごさせて頂いた温かい場所だったんだなと。「よし、今の私にできることを頑張っていこう」という気持ちですね。
――良いお話ですね。伺っていて心に響きます。
ありがとうございます。
――今仰っていた歌は、きっと観客の皆さんが聞かれたら、すごく思うところがありますよね。
きっとそうだと思います。良い曲で、あの曲が一番好きかもしれません。一人ちょっと外れて、背景が変わっていく中で、モリーが力強く歌い続けるシーンなのですが、才加さんとも、「あそこはとても大きい。きちんと登り超えたい山だね」とお話をしているのですが、責任重大です(笑)。
――そういうシーンも含めて楽しみです。皆さんにメッセージをお願いします。
お稽古も着々と進んでいる中で、この作品を早くお客様にお届けしたい気持ちが高まっています。お届けするからには、きちんと密度の濃い物語に仕上がることをカンパニー全員の一番の目標として、初日まで……初日以降もですが(笑)、健康第一で駆け抜けたいと思います。全国の皆様も、どうぞ自然体で劇場にお越し頂けたらと思います。
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宝塚を卒業されて、初めての外部でのミュージカルに挑戦されるゆうみちゃん。ゆうみちゃんのことだから、あまりにも没頭しすぎて体は大丈夫かな?役作りなどで、ひとりで悩んで苦しんでないかな?など、(余計な?)心配を勝手にしてしまっていましたが、この記事を読んで、素敵なカンパニーの中でゆうみちゃんが充実しているようでなんだか安心しました。ますますゴーストを観劇するのが楽しみになりました。初日までもうすぐですね。応援してます!!!我々ファンの応援パワー!!ゆうみちゃんとゴーストのカンパニーの皆様に届け~~~!!!
咲妃さんの魅力がたっぷり伝わるインタビューで、ゴーストがますます楽しみになりました。
観劇日が待ち遠しいです。