宝塚歌劇団の稽古場で一緒に青春を過ごしているかのような『宝塚BOYS』開幕

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

宝塚歌劇団「男子部」に焦点を当てた舞台『宝塚BOYS』が、2018年8月4日(土)、東京芸術劇場 プレイハウスで開幕しました。2007年初演以降、4度の上演を重ねてきたこの作品。今回は初の2チーム公演となり、8月4日から11日までは「team SEA」のキャストが、8月15日から8月19日までの東京公演と愛知・福岡・大阪での公演には「team SKY」のキャストが出演します。開幕前日に行われた最終リハーサルのオフィシャルレポートと舞台写真、team SEAの出演者2人のコメントが届きましたので、ご紹介します。

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

※こちらは、team SEAの出演者2人のコメントです。

<上原金蔵役(team SEA)、良知真次さんのコメント>
『宝塚BOYS』は、前回の4回目から出演させて頂き、僕にとっては二度目の出演になりますが、オリジナルを創る気持ちで出演させて頂いております。役も、前回の竹内役から今回は上原役になります。team SEAは、過去『宝塚BOYS』を経験してきた人達が多いチームですが、ほとんどのキャストの役が変わり、関係性も変わるという事で、1からというよりゼロから創って来ました。いよいよ初日を迎えるということで、初めてご覧になって下さる方、またこの作品を愛して楽しみに待っていて下さるお客様の為に、全身全霊で歌って踊りたいと思っております。一度と言わずに二度三度、四度五度六、七、八公演ありますので(笑)、是非劇場に足を運んで頂いて、応援の程宜しくお願い致します。公演で全て出し尽くしたいと思います。

<太田川剛役(team SEA)、藤岡正明コメント>
いよいよ初日を迎えます。皆が一致団結して本当にこの日を待ち詫びておりました。過酷な過酷な稽古の中で、戦ってきた戦友がここにいます。僕にとっては、まさかまた、この『宝塚BOYS』の世界に戻ってくることができると思っていませんでしたので、今回本当に青春が戻ってきたなと思っています。これは俳優としてやってきたご褒美だと捉えて、一公演一公演、大切に大切に演じていきたいと思っております。必ず何か持って帰って頂ける作品です。騙されたと思って(笑)、是非劇場にお越し頂きたいと思っております。

※ここから最終リハーサルのレポートです。

物語は、女性だけの劇団・宝塚歌劇団の創始者・小林一三に、男子登用の嘆願書を送った上原金蔵(良知真次)が、歌劇団の稽古場に足を踏み入れるところから始まる。戦争で青春を奪われ、絶望を味わった上原が終戦と同時に描いた夢は、「宝塚歌劇団」の舞台に立つことだった。その願いは小林一三に届き、いずれは男女共に出演する「国民劇」を創りたいと思っていた小林の想いと一致し、男子部の特設に至ったのだった。

稽古場に続々と入ってくる「男子部」のメンバー。電気屋の竹内重雄(上山竜治)、宝塚のオーケストラメンバーだった太田川剛(藤岡正明)、旅芸人の息子・長谷川好弥(木内健人)、闇市の愚連隊だった山田浩二(石井一彰)、そしてプロのダンサー星野丈治(東山義久)……。

宝塚歌劇団から男子部の担当として派遣された池田(山西惇)は経理の人間で、「舞台のことはよくわからない」という。池田から「訓練期間は2年。歌劇団の生徒との接触は一切禁止」と厳しく言い渡され、日々レッスンに励むメンバーたち。それぞれが、戦争で負った心の傷を抱えながらも、それを振り払うかのように、夢に向かって必死にレッスンを重ねる。1年程経った頃、新メンバーとしてやって来た竹田幹夫(百名ヒロキ)に驚く山田。竹田は以前からの知り合いだったようだ。

2年、3年….と、男子部が宝塚大劇場に立つ機会はなかなか訪れない。ヤケになりフラストレーションをぶつけ合うメンバーを、池田は時に叱咤激励し、寮母の君原佳枝(愛華みれ)は優しく見守り男子達を励ます。不遇の状況にあっても、舞台に立てる日を夢見てレッスンを重ねる青年達の姿が胸を打つ。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、レポートの続きと舞台写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■良知さんは情熱と決意を秘め、藤岡さんは明るく純粋に、上山さんは熱くまっすぐ

■木内さんと百名さんは好青年・末っ子キャラ、石井さんは一見強面、東山さんは説得力放つ

■愛華さんの柔らかいオーラが会場を包み、山西惇さんは厳しく深い愛情で緩急を生み出す

■ラストで展開されるレビューは圧巻。美しく迫力ある、BOYSが歌い踊る“男性のレビュー”

<舞台『宝塚BOYS』>
【東京公演】2018年8月4日(土)~19日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【愛知公演】2018年8月22日(水) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【福岡公演】2018年8月25日(土)~26日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【大阪公演】2018年8月31日(金)~9月2日(日) サンケイホールブリーゼ
☆team SEA(8/4~8/11)
良知真次、藤岡正明、上山竜治、木内健人、百名ヒロキ、石井一彰、東山義久
愛華みれ、山西惇
☆team SKY(8/15~8/19)
永田崇人、溝口琢矢、塩田康平、富田健太郎、山口大地、川原一馬、中塚皓平
愛華みれ、山西惇

<関連サイト>
オフィシャルサイト
http://www.takarazukaboys.com/
オフィシャルTwitter
https://twitter.com/takarazukaboys

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舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

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■良知さんは情熱と決意を秘め、藤岡さんは明るく純粋に、上山さんは熱くまっすぐ

『宝塚BOYS』に2度目の参加となるキャストが多いteam SEAだが、2010年に続き星野役を連投する東山義久を除き、2013年竹内役を演じた良知真次が上原役に、2010年に同じく竹内役を演じた藤岡正明が太田川役に、2013年に竹田を演じていた上山竜治が竹内役に、2010年に竹田役だった石井一彰が山田役に….と前回とは違う役に取り組むキャストが多く、新鮮で力強いチームが生まれた。

良知演ずる上原は、柔らかい物腰の中にも情熱と決意を秘める。藤岡扮する太田川は、関西弁で明るく、純粋さが光る。上山が演ずる竹内は、熱くまっすぐで、しかしどこかユーモラスさもにじませる。

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

■木内さんと百名さんは好青年・末っ子キャラ、石井さんは一見強面、東山さんは説得力放つ

『宝塚BOYS』初出演となる木内は、熱さと涼やかさを併せ持つ好青年の長谷川を好演。同じく初参加メンバーの百名は、竹田という末っ子キャラが良く似合う。石井は一見強面だが純で心優しい山田を熱演。そして星野演ずる東山は、この上なくプロダンサーとしての説得力を放っている。7人のBOYSのそれぞれの個性が生かされたキャスティングと、キャストの作品に対する深い理解によって、物語がよりリアリティをもって伝わってくる。

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

■愛華さんの柔らかいオーラが会場を包み、山西惇さんは厳しく深い愛情で緩急を生み出す

更に、今回初出演となる愛華演ずる君原は、寮母としてBOYSを見守りながら、彼らが迷った時に、そっと大事な示唆をし、癒しの手を差し伸べる。愛華の柔らかいオーラが会場を包む瞬間、ほっとした気持ちになる。同じく初出演の山西は、池田というキーマンを演じ、作品の緩急を生み出している。門外漢だと言いながらも、その実BOYSを宝塚大劇場の舞台に立たせようとする池田は、厳しくも深い愛情を秘めている。

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

■ラストで展開されるレビューは圧巻。美しく迫力ある、BOYSが歌い踊る“男性のレビュー”

物語のラストで展開されるレビューは圧巻だ。BOYSが、歌い踊る“男性のレビュー”は、美しさと迫力に、魅了されるに違いない。

舞台上のBOYSの“生き様”に、時に共に笑い、時に共に涙し、宝塚歌劇団の稽古場で一緒に青春を過ごしているかのような、そんな気持ちになる舞台だ。BOYSの夢の行方を劇場で共に追いたい。

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

舞台『宝塚BOYS』(team SEA)より=撮影:桜井隆幸

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“宝塚歌劇団の稽古場で一緒に青春を過ごしているかのような『宝塚BOYS』開幕” への 1 件のフィードバック

  1. きゃさりん より:

    東京公演のTEAM SEAを見ました。簡単なあらすじだけで観に行ったのですが、
    想像してたよりも戦争の色が濃くて驚きました。その暗部と若人たちの夢の儚さが際立った舞台でした。
    女子は100年続くかも、というアイロニーもクスっときました。
    男子部、実現してたらどうなってたのかなぁと思ったり・・・
    演劇を通して戦争の事を考える八月も大事な事かなと思ったり・・・
    山西さん、愛華さんベテランの演技って重要だなと思ったり・・・
    更に若いSKYチームはどうだったんだろうと思ったり・・・
    観終わった後もとても印象に残る舞台でした。

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