那須与一の供養塔がある寺を那須家37代当主と訪問、「即成院」ルポ(上)

阿弥陀如来と二十五菩薩の前で、(左から)Lapisさん、平野雅章住職、那須正美さん=撮影:ひろよし

アイデアニュースのライターの1人で、平安時代から鎌倉時代の「大鎧」のコスチュームを自作し、源平合戦に登場する弓の名手、那須与一のアテンド(栃木県大田原市のご当地キャラクター「与一くん」の案内役)をつとめているLapisさんから、京都のお寺「即成院」(そくじょういん)を訪ねたルポが届きましたので、上下に分けて紹介します。なお、那須与一が幼少時代を過ごした栃木県大田原市では、2018年(平成30年)8月3日(金)から8月4日(土)まで、武者行列などのある「与一まつり」が開かれます。

即成院は京都・東山にあり、“仏様のオーケストラ”と呼ばれる「阿弥陀如来と二十五菩薩」(国の重要文化財)があることで知られるお寺ですが、那須与一の墓と伝わる供養塔があるお寺としても知られています。Lapisさんは、以前、アイデアニュースでインタビューしたこともある那須家37代当主の那須正美さんと一緒に即成院を訪ね、住職の平野雅章さんにお話を伺いました。

ここから、Lapisさんの「即成院」ルポです。

阿弥陀如来と二十五菩薩の前で、(左から)Lapisさん、平野雅章住職、那須正美さん=撮影:ひろよし

阿弥陀如来と二十五菩薩の前で、(左から)Lapisさん、平野雅章住職、那須正美さん=撮影:ひろよし

私が即成院の存在を知ったのは数年前で、京都でタレント活動をしている吉岡淳さんが案内してくれたのがきっかけです。それから何度かお参りに行っています。ここには那須与一が眠るお墓があり、平安時代から続く古いお寺です。

■即成院は京都、東山にある真言宗泉涌寺派の寺院

京都、東山にある真言宗泉涌寺派の寺院で、平安時代(992)に恵心僧都が、伏見に建立した光明院をはじまりとしています。

■立体的仏像群で平安時代から残っている阿弥陀二十五菩薩来迎像はここだけ

寛治8年(1094)に造られたという來迎の阿弥陀如来と二十五菩薩。阿弥陀如来の高さは5.5メートルもあり、並ぶ二十五菩薩も座高が150センチあるそうです。これらは国の重要文化財に指定されています。住職によると、「阿弥陀二十五菩薩来迎図」は比較的たくさんあるけれど、立体的な仏像群として平安時代から残っているのはここだけなのだそうです。(※編集部注:岩手と和歌山には平安時代に作られた二十五菩薩像の一部があります)

■お練り法要に使う金箔を貼った菩薩様のお面は江戸時代から使っている

毎年10月の第3日曜日に「二十五菩薩お練り法要」が行われます。住職のご厚意で、その際に使用される菩薩様のお面と記念撮影させてもらいました。お面は江戸時代から使っているもので、170年くらい前のもの。世界無形文化遺産に指定されている貴重な和紙を使用し、何枚も重ねて漆を塗り、金箔を貼ったものだそうです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、那須与一の供養塔の紹介や、NHKの大河ドラマ「義経」で今井翼さんが演じた那須与一をめぐるエピソードなどについて平野住職が話してくださった内容と写真を掲載しています。8月10日掲載予定のルポ「下」では、今回が初めての対面となった、那須家37代当主・那須正美さんと平野雅章住職と、Lapisさんの3人による鼎談の内容と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■供養塔の石は与一が亡くなった後に四国から運ばれてきた

■源平合戦で四国(屋島)に向かう途中病を患い、即成院で療養

■大河ドラマ「義経」の与一演出にアドバイスしたのは…

■境内の手水場横にある「おみくじガチャ」の中身

<御寺泉涌寺塔頭「即成院」(そくじょういん)>
住所:京都府東山区泉涌寺山内町28
参拝時間:9:00〜17:00
即成院 公式ページ
http://www.negaigamatoe.com/

<与一まつり>
那須与一が幼少時代を過ごした栃木県大田原市で、武者行列などが行われます。
会期:2018年(平成30年)8月3日(金)~8月4日(土)
場所:栃木県大田原市中心市街地
出陣式・三献の儀:16:10~16:30
武者行列:16:35~17:55
大田原市観光協会のページ
http://www.ohtawara.info/spot_detail.html?id=70

<関連サイト>
Lapisさんにインタビューした記事
https://ideanews.jp/backup/archives/4171
大鎧を愛でる会
https://ameblo.jp/0327-15210/

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「二十五菩薩お練り供養法会」に使われる菩薩の面=撮影:ひろよし

「二十五菩薩お練り供養法会」に使われる菩薩の面=撮影:ひろよし

※ここから有料会員限定部分です。

■供養塔の石は与一が亡くなった後に四国から運ばれてきた

即成院には那須与一の墓と伝わる供養塔があります。平安時代末期に造られたとされる石造りの宝塔で、最近の調査で与一が亡くなった後に四国から運ばれてきた石であることが判明しました。

花束を持って那須与一の供養塔に向かう那須正美さん(手前)と平野雅章住職=撮影:ひろよし

花束を持って那須与一の供養塔に向かう那須正美さん(手前)と平野雅章住職=撮影:ひろよし

■源平合戦で屋島に向かう途中病を患い、即成院で療養

現在はお墓のまわりの改修工事中で屋根がありません。与一は源平合戦で四国(屋島)に向かう途中病を患い、この即成院で療養したと伝わっています。

その後屋島の戦いで武勲を残し、即成院に庵を結び没したと考えられています。

那須与一の墓と伝わる供養塔に献花する那須正美さん(奥)と平野雅章住職=撮影:ひろよし

那須与一の墓と伝わる供養塔に献花する那須正美さん(奥)と平野雅章住職=撮影:ひろよし

■大河ドラマ「義経」の与一演出にアドバイスしたのは…

2005年大河ドラマ「義経」は、タッキーが主演の義経役を務めましたが、今井翼くんが演じる那須与一の演出についてのアドバイスをしたのは、なんと住職なのだそう。

1年前からプロデューサーと話し合い、扇の的のシーンはお寺にある那須与一の漫画のカット「那須与一ものがたり」がそのまま使用されました。

那須与一の墓と伝わる供養塔の前で、(左から)平野雅章住職、那須正美さん=撮影:ひろよし

那須与一の墓と伝わる供養塔の前で、(左から)平野雅章住職、那須正美さん=撮影:ひろよし

■境内の手水場横にある「おみくじガチャガチャ」の中には…

境内にある手水場横に、おみくじガチャがあります。中身はおみくじの他に扇の形の紙せっけん、シールが入っています。

「おみくじガチャガチャ」を手に持つ那須正美さん=撮影:ひろよし

「おみくじガチャガチャ」を手に持つ那須正美さん=撮影:ひろよし

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“那須与一の供養塔がある寺を那須家37代当主と訪問、「即成院」ルポ(上)” への 1 件のフィードバック

  1. あや より:

    那須与一ゆかりの即成院。
    那須与一というと、的を射た事が有名で、その後のことは、今回の記事で初めて知りました。
    機会があれば、訪ねてみたいと思います。

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