2019年9月3日(火)開幕のミュージカル『Little Women -若草物語-』に出演する朝夏まなとさんと香寿たつきさんのインタビュー後半です。『Little Women -若草物語-』は、世界的名作小説『若草物語』とその続編『続・若草物語』を下敷きに作られたミュージカルで、2005年にブロードウェイで初演されました。次女ジョー役を演じる朝夏さん、四姉妹の母親役を演じる香寿さんに、その楽曲の素晴らしさなどについて伺いました。香寿さんが宝塚トップの作品で朝夏さんが初舞台を踏んだという間柄のおふたり。有料部分では、当時のエピソードや、先輩後輩ならではのお話などを伺いました。
ーーその物語を紡ぐ楽曲についてはいかがでしょうか?
香寿:ぴったりですよね。場面の情景に合った音楽スタイルというか。ただ、難しい……。もしかしたら歌詞が日本語になるから余計に難しいのかもしれないですが。どのミュージカルも日本語になると本当に難しいんです。日本語は発声するのにすごく難しいから、それをまたいろいろと勉強させていただいています。
ーー香寿さんでもそうなんですか?
香寿:毎回壁にぶち当たっていますよ。お母さまのソロナンバー2曲は、本当にいい曲をいただいているんです。どちらもしんみりと歌う曲で、これで声がひっくり返ったりできないですもん。
朝夏:いやいや、絶対にない。大丈夫ですよ! 本当にもうすでに完成されていますもん。
香寿:いやいや、本当に大変なの。メロディもいいですし、お客様がシーンとなって、入り込んで行きやすい曲なんですよ。私はどちらかというと、そういう曲を歌わせていただくことが多いんです。
朝夏:歌わせたいと思わせられる歌声ですから!
ーー観客としてもそういう曲が聞きたいです!
香寿:再演作品になると、この人これからあの歌を歌うんだと、客席がシーンとなる、その雰囲気だけでものすごくプレッシャーになるんです。
朝夏:タータンさんでも!?
香寿:客席の空気を変えないでほしいと思いますもん(笑)。
ーー客席で「来た来た!」って思ってしまいます。
香寿:言葉を発していないのに、「今から聞きます」という熱をお客様から感じて怖かったりします!
現場全員:えぇ〜!!!
香寿:だからその空気を自分のパワーに変えたいなと、いつも思うんです。まぁちゃんの歌もそうなんですが、低いところから高いところまで出さなければならず、音域が広くて。私は2曲ですし、叫ぶようなセリフもないですが、まぁちゃんの場合はセリフも多いですし、激しい曲、ドラマティックな曲、シリアスな曲、細く声を伸ばさなければいけない曲など、コントロールが大変だと思います。宝塚トップのとき以上に大変だと思いますよ。
ーーそうなんですか?
香寿:2時間半くらいなかで、そのほとんどに出ているから。
朝夏:昨日怖いことを聞いたんです。長い休憩がほとんどないと…。
ーーええ!?
朝夏:袖にハケても着替えてすぐに出てくるので。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、宝塚の先輩後輩ならではの話などインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■香寿:(まぁちゃんは)ひとりしかいないし、体力のバランスなどを考えてやらなければ
■香寿:同じトップスターの道を進んできたら、すぐに共感できるものがある
■朝夏:(タータンさんは)役者としてももちろんですが、女性としてすごく魅力的
■朝夏:素晴らしい世界のなかでちゃんと息づき、当時の家の香りがお客様に届けば
<ミュージカル『Little Women-若草物語-』>
【東京公演】2019年9月3日(火)~9月25日(水) シアタークリエ
【愛知公演】2019年10月2日(水) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【福岡公演】2019年10月5日(土)~10月6日(日) 福岡市民会館
公式サイト
https://www.tohostage.com/littlewomen/
<関連リンク>
ミュージカル『Little Women-若草物語-』のページ
https://www.tohostage.com/littlewomen/
朝夏まなとオフィシャルウェブサイト
https://asakamanato.com/
朝夏まなと東宝芸能プロフィール
https://www.toho-ent.co.jp/actor/1040
朝夏まなとオフィシャル instagram
https://www.instagram.com/asaka_manato_official/
朝夏まなとマネージャー Twitter
https://twitter.com/asakamanatomg
香寿たつきホリプロオフィシャルサイト
https://www.horipro.co.jp/kohjutatsuki/
香寿たつきオフィシャルブログ
https://ameblo.jp/tatsuki-kohju/
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■香寿:(まぁちゃんは)ひとりしかいないし、体力のバランスなどを考えてやらなければ
香寿:宝塚の1時間半もののお芝居でもそんなことはないですし、ショーも2番手さんの場面があるので、忙しいとはいっても休める時間があったりするんですよ。ジョーの出番を考えると、それ以上にずっと出ているからね。
ーーこれまでの退団後の作品でも一番出ていることになるんですね。
朝夏:舞台上に出ていることに関してはそうですね。歌やセリフに関しては、あまり考えない様に、分析しないようにしています(笑)。その時に真っ向から、その曲、場面に向き合うようにしていたら、結果そうだったとなるようにと。
香寿:それが一番だね。ダブルキャストではないので、ひとりしかいないし、体力のバランスなどを考えてやらなければいけないよね。気持ちが高ぶってしまうと、勢いよくやりたくなってしまうし。
朝夏:そこを何とか折り合いをつけて演じていきたいと思います。
香寿:この役はそれが大変だと思います。
ーー拝見する側としては、ジョーのいろんなところを見ることができると思っていいですか?
朝夏:そうなれるように頑張ります(笑)。
ーー宝塚の先輩後輩ならではのお話もお伺いしたいのですが、香寿さんがトップの舞台『プラハの春』『LUCKY STAR!』で、朝夏さんが初舞台を踏まれたんですよね。
朝夏:はい!
香寿:そうでした! 忘れていました(笑)。
朝夏:『プラハの春』で堀江亮介役をされていたじゃないですか。その堀江さんに、出番前にワインの小道具を渡す係をしていたのを思い出したんです! めちゃくちゃ緊張していたんですが、その係をするのがすごく嬉しくて! 「失礼します」って言って渡しに行っていた覚えがあります。
香寿:ワインを渡してもらうところあったね。
朝夏:私だとはご存知なかったと思いますが。
香寿:そういう段取りあったあった!
■香寿:同じトップスターの道を進んできたら、すぐに共感できるものがある
ーー年月を経て、お互い宝塚を退団されたあとの舞台で、母娘役を演じるというのはすごいめぐり合わせですね。撮影のときにお話されていましたが、香寿さんは、『エリザベート』で同じゾフィ役をされていた剣幸さんがトップのときに、初舞台を踏まれたんですよね。
香寿:初舞台公演のトップさんではなかったですが、同時期にトップさんでいらしたんです。私が初舞台を踏んだ時は、峰さを理さんが星組トップさんで、組配属された花組のトップさんがペイさん(高汐巴)でしたが、今、ペイさん、ウタコさん(剣幸)、モサクさん(平みち)たちと会っても、タメ口では話しませんが、ある意味対等な、今まぁちゃんと私が話しているような感じで話すんです。当時は、本当に「はぁ……ペイ(高汐巴)さんだ……」と遠くから見ている感じでしたが、同じトップスターの道を進んできたら、なぜかわからないけれど、すぐに共感できるものがあるというか。現に、ウタコさんとかなめさん(涼風真世)と私が、(『エリザベート』で)ひとつの役をやっていますが、あと15年ぐらいしたら、まぁちゃんと私が同じ役をやるかもしれないですよね。下級生だけれど、今はもう、同志というか。「すごい上級生でもライバルなんだから」と、小池(修一郎)先生に言われました。同じ役をやったとしても、みんなタイプが違っていて、それがゆえのダブル、トリプルキャストですし、同じものを求められている訳ではないですから、ライバルとは思わないですけどね。
ーー宝塚の先輩後輩が、退団してからも繋がっているんですね。
香寿:あえて自分のことを棚に上げて、上級生として偉そうなことを言わせていただくと、この世界に入ったら宝塚歌劇団出身である、ということは、一生ついて回る。まぁちゃんはわかっていると思うけれど、トップだったということで終わるのではなくて、退団してすぐの今はまず主役をやっていく、そのあと時を経て、脇の役も演じる。そういう時に、自分の個性や自分というものを持っていないと大変だから、役者としてだけでなく、色んな事を貪欲にやってほしいなと。演劇だけではなく、恋もして!
朝夏:わぁ〜!
香寿:恋は一つのたとえだけど、女性としても充実すること。いろんな趣味を持つとか。例えばスキューバダイミングをやってみたいとか、旅行したいとか何でもいいから、今まで宝塚にいる間にできなかったことをたくさん経験してほしいですね。私はまぁちゃんより17年ぐらい先に進んでいますが、そうやって経験してきたことがすごく楽しかったですし、その中で出会った人たちのお陰で今があるなと思っていて。芸事だけをやっていたら今に至っていないと思うんですよ。忙しいとは思いますが、時間をみつけて、いろんなものに取り組んで、いろんなことを経験してもらいたいと思います。
朝夏:うわぁ、嬉しい……。
■朝夏:(タータンさんは)役者としてももちろんですが、女性としてすごく魅力的
香寿:宝塚にいたときの17年間よりも、やめてからの17年間のほうが、圧倒的にはやくて、あっという間に過ぎちゃうの。もっとやっておけば良かったと思うこともあるし。
朝夏:こういう形でタータンさんに再会して、こうやって普通にお話させていただいていると、役者としてももちろんですが、本当に女性としてすごく魅力的だと思うんです。普段の女子力! 身だしなみもそうですし、いらっしゃるだけで……。
香寿:持ち上げておいて! (笑)。
朝夏:いや、本当に! 男っぽいところがないというか。
香寿:いや、男っぽいよ。
朝夏:性格がサバサバした格好良さはあるけれど、「男役だった」と言われなければわからないぐらいに素敵な女性です。
香寿:しょっちゅうオラオラ言わせてるよ(笑)。
現場全員:(笑)。
朝夏:もう本当に優しくて! 一人の女性としても、すごく豊かで充実されているんだなと、伝わってきます。なので今いただいたお言葉、本当に納得しました。
香寿:美味しいものも食べてね。
朝夏:はやくお肉食べに行きましょうね!
ーーこんな素敵な方が“お母さま”というのは心強いですよね。
朝夏:本当に!
香寿:久野(綾希子)さんや、村井(國夫)さんも、そうやって充実した生き方をされているなと思うじゃない?
朝夏:思います!
香寿:昨日も村井さんは、奥様の手料理の話でノロけていらしたよね(笑)
現場全員:(笑)。
香寿:そういうおふたりの夫婦関係が、素敵だなと思います。
朝夏:そうですよね!
■朝夏:素晴らしい世界のなかでちゃんと息づき、当時の家の香りがお客様に届けば
ーーお話は尽きませんが、最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
香寿:翔太くん(林翔太(ジャニーズJr.))、宮ちゃん(宮原浩暢(LE VELVETS))、川久保(拓司)くんも、すごく個性があって、役にぴったりだと思います。村井さん、久野さんの先輩方を中心に、全員が2年間生き抜いている姿が舞台に集約されています。2冊の小説がぎゅっと凝縮された作品でもあるので、お客様の心が小説を読んだくらい充実した気持ちになっていただけたら嬉しいと思っています。みんな本当に頑張ってお稽古しているので、絶対にいい作品になると思いますし、楽しみにしていてください。
朝夏:10人しかいない出演者ですので、みなさんがご自分の役以外にも、いろんな役をされているのも見どころのひとつです。なんと村井さんは人生で初のアンサンブルをなさいます。笑いもあり、涙を誘うシーンもあり、綺麗な音楽と、素晴らしい脚本、素敵な世界観のなかで、ミュージカルの魅力がすべて詰まっている作品です。私たちがその素晴らしい世界のなかでちゃんと息づくことで、マーチ家の香り、当時の香りみたいなものが、お客様まで届けば、より心に残る作品になるのではないかと思っています。今も周りの方に助けていただいていますが、そのなかで軸になる私がしっかりしなければいけないので、いろんなものを犠牲にしてでも生き抜くというジョーの情熱を大切に演じていきたいです。温かい気持ちになれる作品だと思いますので、9月はシアタークリエに通ってください!
※朝夏まなとさんと香寿たつきさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは10月2日(水)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
他にない切り口のいつも楽しい記事で
もっともっと読みたいと思ってしまいます。お写真もほんとにいつも素敵です 💕
こらからも楽しみにしています!!
公演の事、香寿さんから朝夏さんへの先輩としてのお言葉とても読み応えがあり上下とも楽しく読みました。写真もどれも素敵でした。
たーたんさんの宝塚の先輩としての心からのアドバイスがあって、卒業後のこれからのまぁ様の指針になるのかも?と思いました。
正面向きじゃないお写真も素敵です(^^)
香寿さん朝夏さんお二人へのインタビュー、上下共に嬉しく楽しく拝見しました。香寿さんがトップでいらした時の朝夏さんは初舞台生、時を経てご一緒の舞台でお母さまとジョーを演じる、とても素敵な事ですネ。そしてインタビューには香寿さんからの女優の先輩としての深い言葉の数々、それに呼応する朝夏さんの朝夏さんらしい感性が言葉から感じられてとても読み応えがありました。
お写真もどれも美しく嬉しく拝見しました。