「聖一朗のラインハルトが原作を超えた瞬間が…」、永田聖一朗&加藤将対談(下)

永田聖一朗さん(左)と加藤将さん(右)=撮影・NORI

舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These ~第三章 嵐の前~』が、2019年10月24日(木)~10月27日(日)にZepp DiverCity (TOKYO)、2019年11月2日(土)~11月3日(日)にZepp Namba(OSAKA)で上演されます。銀河帝国軍のラインハルト・フォン・ローエングラム元帥を演じる永田聖一朗さんと、その親友ジークフリード・キルヒアイス上級大将を演じる加藤将さんに、お互いの役について、熱く語っていただきました。

永田聖一朗さん(左)と加藤将さん(右)=撮影・NORI

永田聖一朗さん(左)と加藤将さん(右)=撮影・NORI

――お互いに相手の気持ちをわかっているんでしょうね。

永田:そうだと思いますね。

加藤:たぶん、僕がキルヒアイスを演じて思うには、ラインハルトが一瞬わからなくなる瞬間って出てくるんですよね。怒りがMAXになって。

永田:そうそうそう。

加藤:あれはでも、キルヒアイスが緩和剤になってというか、キルヒアイスが言うことによって、ちょっとその限度を越えたところを落ち着いて考えることをして、「キルヒアイスの言うことはやっぱそうだったな」って。でも違っていたら「違う」って言うと思うし。

永田:それがね、第三章になってだんだんとね。オベ(オーベルシュタイン)の存在が。

加藤:謎の三角関係ができて。社内恋愛ですよ!

永田:本当にそう、社内恋愛!(笑)。

――社内恋愛!

加藤:ラインハルトさまの後ろに居るのが、副官がもう、キルヒアイスじゃなくて、オベになっちゃったので。

永田:だんだんね、なんか闇落ちというか。隣に居るのがやっぱりオベの方が多くなってきますから。

加藤:ちょっと心配してますね。

――お話的にそういう段階に来ていますね。…ラインハルトと離れて寂しいですか?

加藤:結構。二章の最後、エンディングのみんなで出陣するところも、キルヒアイスは先に補給艦を叩きに行っているから居ないんですよ。居ないからこそ、場当たりを客席で観てたんですけど、かってに涙出ました。

永田:エエェーッ!(笑)。

加藤:自分がラインハルトの後ろに立っていないのがなんか悲しくなって。そう、こんなやからいまも泣きそう。

永田:へえーっ!

加藤:ラインハルトの立場が悲しくなってきて。

永田:うん。

加藤:そのぐらい感じたから。今回も途中から違う作戦で、ラインハルトとは違うところに行っているので…。嬉しい気持ちもあるんですよ、もうすぐで “宇宙が手に入る” から。でも、本当に大丈夫なのか、という不安もある。それはラインハルト自身も思っている。お互い思っているけど、キルヒアイスは「大丈夫ですよ。絶対手に入ります」って言って、ラインハルトは「そうだよな」って言って行く。賭じゃないけど、確信はあるけど、ない。

永田:そうだね。確信はあるけど、ない。不安もあるんだよな。

加藤:わからない気持ちだけど、だからこそ嬉しいけど不安もある。だから「絶対次、生きて会おうな」ってなる。思ってるけど、お互いになんか普通に、それが様式美として布石なのか「絶対死なない、絶対生きて会おうな」って言って別れる。言葉にはないんですよ、台詞には。でも本当にそういう気持ちで僕らお芝居していて、そこが伝わるか。

永田:うん。いつ死ぬかわからないしね。命のやり取りだし。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、加藤さんが永田さんのラインハルトが原作の本を超えた瞬間があると思ったというシーンなどについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■永田:オベはこっちを利用しているんだと思います。キルヒアイスとは違います

■永田:「二人で姉上を取り戻すために行こう」って言って決めたかなと

■加藤:その瞬間だけアンネローゼよりラインハルトが上に立った。好きな順が

■永田:全力で生きている瞬間を楽しんで 加藤:全部観に来て欲しい

<舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These ~第三章 嵐の前~』>
【東京公演】2019年10月24日(木)~10月27日(日) Zepp DiverCity(TOKYO)
【大阪公演】2019年11月2日(土)~11月3日(日・祝) Zepp Namba(OSAKA)
公式サイト
https://www.gineiden.jp/

<関連リンク>
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加藤将さん=撮影・NORI

加藤将さん=撮影・NORI

※ここから有料会員限定部分です。

■永田:オベはこっちを利用しているんだと思います。キルヒアイスとは違います

――そんな二人の関係性に変化をもたらす、オーベルシュタインが登場しました。ラインハルトはどういう思惑で彼を受け入れたのでしょう?

永田:そうですね、策略や戦術においては、オベの頭脳は使える、利用できるという考えですし、オベはオベなりにこっちのことを利用しているんだなと思います。だから、キルヒアイスとはやっぱり違いますね。同じ場所に居ても…なんだろう、絶対キルヒアイスのような関係性にはこれから先もなっていかないだろうし。オベとはなんかこう、ビジネスパートナー感っていうのはやっぱり強いですね。お互いの目的のために、一緒に共にしているっていう。

――互いの目的が一致している間はビジネスパートナーとして。

永田:そうですね。でもそのオベの言葉にラインハルトが耳を貸し始めている部分もあって…。

加藤:自分が転がせると思ったら、実は自分の手の上に手があった、みたいな。

永田:わからない。どっちが転がしているかは、もうわからない。

加藤:キルヒアイスはやっぱり不安ですね。ラインハルトは “あんな奴に、どうこうされるくらいだったら、俺はこの程度だ” と思っていると、僕は思っているんですよ。「俺にあいつを転がせないと思うか? キルヒアイス」だと思うんですよ。で、「私はそんなことは思いませんが、でも少し不安です。」って気持ちになるんですよね。実際にちょっと揺り動かされて、いままでと違う作戦をとる、補給艦叩くとかもいろいろそうですし。

永田:やり方がね、ちょっと逆というか。

加藤:でも、そういうやつも必要、っていうのは、わかっているんだよね。本当に宇宙を手に入れるために。

永田:そうそうそう。キルヒアイスが、オーベルシュタインのやり方を好んでいないのも知ってるんだよ。“俺もそんなやり方好きじゃないんだけど、その方が確実に勝利のためだったらやむを得ない” とは思ってると思うね。

――そこについては、永田さんご自身も、ラインハルトと同じ考えなんですか?

永田:思ってますね。

永田聖一朗さん=撮影・NORI

永田聖一朗さん=撮影・NORI

■永田:「二人で姉上を取り戻すために行こう」って言って決めたかなと

――幼少期から一緒にいるラインハルトとキルヒアイスですが、互いを唯一無二、ともに歩いて行ってくれる人間だと思った瞬間は、どの辺りと思って演じていらっしゃいますか?

永田:やっぱり姉上をとられた時なんですかね。そこで同じ気持ちっていうのをわかって、「二人で姉上を取り戻すために行こう」と決めたかなと。姉上と三人で居る時間が一番楽しかったっていうのは前提に持っているので、その頃を取り戻したいっていうのが目的なので。

加藤:キルヒアイスももちろん、その三人の一番楽しかった思い出を取り戻したい気持ちもわかるし、自分の中ですごくそれが悲しかったし、いまの21歳になるキルヒアイスでも、それが一番楽しいと思っている。でも僕のキルヒアイスが「この人に着いて行く」と思った瞬間は、何の根拠もないけど、ラインハルトの目に見えない覇気とか、眼光とか。僕は聖一朗のラインハルトしか知らないですけど、ある公演で、聖一朗のラインハルトが、原作の本を超えた瞬間があると思っていて。

永田:おおーっ!?

永田聖一朗さん=撮影・NORI

永田聖一朗さん=撮影・NORI

■加藤:その瞬間だけアンネローゼよりラインハルトが上に立った。好きな順が

加藤:ラインハルトって、やっぱり氷のように鋭い眼差しとか書いてあるけど、そういうのじゃなく、それもありつつ、覇気的な要素もありつつ本当に、すごい純粋にキラキラしてるんですよ。で、「宇宙を手に入れることが、この俺に不可能だと思うか?」って、言うんです。そのときに、キルヒアイスとしてお芝居で受けて、本当に「この人について行こう」と思ったんですね。それは、普通に考えたら、意味わかんないことなんですよ。でもその瞬間に、キルヒアイスっていう人間は、「この人とだったら。絶対にこの人について行こう。絶対にアンネローゼさまを取り戻す」と思った。

キルヒアイスの動機として、一番はやっぱりアンネローゼだと思う人はたくさん居ると思うんです。でも僕は、キルヒアイスとしてお芝居していて、もちろんアンネローゼのことが好きという設定もあるけど、アンネローゼを好きだからラインハルトについて行ったんじゃなく、好きっていう想いを通り越して、ラインハルトを見たときに、「この人だったら、宇宙を手に入れる。絶対に手に入れてください。私はついて行きます。アンネローゼさまを取り戻しましょう」って、その瞬間だけ、アンネローゼより、ラインハルトが上に立ったんですよ。キルヒアイスの好きな順が!

永田:おー!!!

加藤:だからこそ、その瞬間があって。だから原作がどうこうなろうと、僕が感じたキルヒアイスは、その瞬間、アンネローゼより、ラインハルトさまが上に立ったからこそ、「この人について行こう」と思いましたね。

永田:すごいなぁ。

――なるほど! 「宇宙を手に入れる」という言葉もありますが、キルヒアイスの想いとして、「宇宙を手中に治める、覇王としてのラインハルトを見たい」のか、それとも「ラインハルトが望むことであれば、それがなんであれ自分は支えたい」のか、どちらかというと?

永田:あー! どうなんだろうね?

加藤:そうですね。本来であれば、ラインハルトが望むことを実現させるために支えたい。そして、たぶん望むのが、アンネローゼさまと三人で、あの時代に戻りたい。本当は戦争もしたくない。平和な時で、あのまま時が流れて行きたい、って僕は思いますね。

――加藤キルヒアイスの想いを聞いていて、彼らの心の内のやわらかい場所を垣間見た気がして、ちょっと涙出そうになりました…(笑)。

永田:そうなるよね(笑)。

加藤:俺も泣きそうになります。

加藤将さん=撮影・NORI

加藤将さん=撮影・NORI

■永田:全力で生きている瞬間を楽しんで 加藤:全部観に来て欲しい

――演出の大岩さんからの言葉で、印象深いものを教えてください。

加藤:ラインハルトの役作りになるきっかけとかでもいいんじゃない?

永田:それぞれ言われることは違いますし…正解っていう正解が…。「それッ!」っていきなり言われるから(笑)。

加藤:なるほどね(笑)。

――演じてらっしゃる瞬間を捉えて「それッ! それがラインハルトよ!」と、いう感じで?

永田:そう!

加藤:大岩さん、絶対「それッ!」って言うんですよ。

永田:「それだよ!」って言われて、俺は「あ! コレかぁ~」って。「ラインハルトはこうだから」っていうのも言われますけど、どうこうしてって言うんじゃなく一番印象に残っているのは、「それッ!」って言われたときに、「あ、なるほどな」って。

――言葉ではなく、演じている最中にほとばしった感覚として気付かせて下さるんですね。

永田:そうそう。それが多いですね。

加藤:僕は、はじめ第一章のときに、稽古段階でやっぱり自分、自分になっちゃったんです。でも、キルヒアイスってそうじゃないから…。「例えばもしラインハルトが、こんなこと言わない発言とかしても、こう言ってもキルヒアイスは絶対に受け入れるから」って。いまとなっては余裕で理解できるんですよ。キルヒアイスという役を三回目、公演でも何回も演じてますし、だからこそキルヒアイスの土台がなかったときに、「キルヒアイスはラインハルトのことを何があっても受け入れる」って言われた言葉が、僕の中では自分の演じるキルヒアイスを変えた瞬間ですね。でも、はじめは意味がわからなかったです。だって日常嫌なことは嫌じゃないですか。それも受け入れて、全部やっぱりラインハルトのことをわかって、そうする。それがキルヒアイスだったからで、その言葉が刺さって変わりましたね。

――最後に舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These 第三章 嵐の前』をご覧になるお客さまへ、メッセージをお願いします。

永田:第三章は、次につながる作品ではあると思います。今回艦隊戦が多くて、さらに白兵戦の殺陣だったり、各々の新たなキャラクターが出てきたりと、濃いというか内容も本当に見どころが多いですし、ワクワクできるシーンがとっても多いので、初めて観るお客さまでも楽しんでもらえる内容になるように、僕たちも努めていきます。その瞬間瞬間を舞台上で全力で生きているので、いまできることを精一杯やって、お客さまにもその瞬間を楽しんでもらえたらいいなと思います。

加藤:ブランケット言っとこう、ブランケット。

永田:そうだ、ブランケット。この間、ヤン・ウェンリー役の小早川俊輔くんとオリジナルのブランケット(舞台『銀河英雄伝説』の記念グッズ。現在は販売終了)を作ったので、是非劇場でも使ってください。

永田:(パイプ椅子なので)もしもお尻が痛くなったりしたら、クッション替わりに使ったり。そして寒かったら、是非羽織って。

加藤:そうですね、さっき、ブランケットの話もありましたが、やっぱり僕たちは、自分がどうこう演じるよりも、観てもらうお客さまに楽しんでもらうことが一番なので、ブランケットを買った方は是非持ってきて使ってください。そして、今回の作品は東京と大阪のみで公演数は多くないんですけど、全部観に来て欲しいです、みなさんに。

永田:うん。

加藤:その理由は「ただいっぱい観て欲しい」というわけではなくて、ラインハルト目線で観て欲しい、キルヒアイス目線で観て欲しい、オーベルシュタイン目線で観て欲しい、ヤン目線とか、ユリアン目線とか、フレデリカとか、いろんな役がありますけど、作品として全体的に観るのも楽しいし、その役目線で全部観て欲しいです。僕は台本をその全部の目線で観たらこそ、違うものが見えてきたし、「この役ってこう感じてるんだ」と深く読み取れるところもあって、面白い作品になっているからこそ、全公演観に来て欲しいなって思います。だから本当に、たくさんの人に観て欲しいですね。僕たちは精一杯届けるので、観た人は、良かったら是非お知り合いとかも誘って、何回でも観に来て欲しいです。

永田:そう、本当に(笑)。拡散してください!

加藤:僕たちも、やっぱりそれがあるからこそ、最後まで演じきりたいと思いますし、お客さまに観て欲しいし、長く続いて欲しい作品だと思うからこそ、たくさんの人に観て欲しいので、もし、観てよかったら、リピート大歓迎でお待ちしております。

――有難うございました。

永田聖一朗さん(左)と加藤将さん(右)=撮影・NORI

永田聖一朗さん(左)と加藤将さん(右)=撮影・NORI

※永田聖一朗さん&加藤将さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは11月23日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「聖一朗のラインハルトが原作を超えた瞬間が…」、永田聖一朗&加藤将対談(下)” への 2 件のフィードバック

  1. りこ より:

    もう本公演は終了してしまいましたが、なるほどなあと思えることも、やっぱりそうだったんだとなることも書かれており、答え合わせのように楽しく記事を読みました。ブランケットのくだりが好きです。笑
    加藤さんの文章からも熱が伝わりましたし、第四章でまた会いたいなと強く思えました。素敵な記事をありがとうございました。

  2. まゆか より:

    お二方が本当に三章までを通じて役と向き合ってきたことが伝わるインタビューでした。
    演じてきたからこそ想像できる役の心情や理解の仕方が読んでいて興味深く感動しました!

    第三章本当に内容が濃くてたくさんの方の熱を感じる作品でした。
    楽しかったです!毎公演大切に観劇しようとおもいます。

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