新トップコンビが描くヤンチャな天才の愛、宝塚星組『ロックオペラ モーツァルト』

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

宝塚歌劇星組の梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』(潤色・演出、石田 昌也)が2019年11月20日(水)に開幕しました。今作は天才と謳われた音楽家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生涯を描いた物語。2009年にパリで初演されて以来、フランス国内にとどまらずヨーロッパやアジアをはじめとする世界各地で上演されている人気作品を、新トップコンビ礼真琴(れい・まこと)さんと舞空瞳(まいそら・ひとみ)さんを中心とした星組38名、専科の悠真倫(ゆうま・りん)さん、凪七瑠海(なぎな・るうみ)さんが演じます。オリジナル版を手がけたのは『太陽王』や『1789』、『アーサー王伝説』などをプロデュースしたドーヴ・アチア氏。大ヒットを生んだ今作に加えられた宝塚風のアレンジやエッジの利いたロックナンバー、現代のファッションセンスを取り入れた華やかな衣装など、見どころ満載の舞台は、新生星組の今後の活躍がますます楽しみになる作品です。開幕前日の2019年11月19日に行われた舞台稽古を取材・撮影しましたので、アイデアニュース独自撮影の写真と共にご紹介します。

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

天才音楽家のモーツァルトを演じたのは、星組新トップスターである礼真琴さん。安定感のある絶唱と、激しいダンスも見事に踊りこなす姿は見ごたえたっぷりです。自由で無邪気、そして時に少年のような笑顔をのぞかせる礼さんのモーツァルトにも惹きつけられましたが、母を失い、悲しみに打ちひしがれながら「♪バラの上で眠りたい」を歌う姿には胸が締めつけられるような切なさを覚え、目が離せなくなる場面。また、伸びやかなロングトーンが劇場のすみずみに響き渡る歌声は圧巻で、惚れ惚れとするばかりです。ヤンチャなモーツァルト、人生に苦悩するモーツァルトなど、さまざまな感情を体現し、いろいろな顔を見せてくれる礼さんに魅了されっぱなしの舞台でした。

舞空瞳さんは、ウェーバー家の三女で、後にモーツァルトの妻となるコンスタンツェ・ウェーバー役。物語前半ではモーツァルトは姉のアロイジア・ウェーバーに恋心を抱き、彼女に心酔しているためコンスタンツェには見向きもしません。舞空さんは、そんなモーツァルトに片想いをしている健気なコンスタンツェを演じます。自分を見てくれないモーツァルトを見つめる姿はとてもいじらしく、ときどき垣間見える嫉妬心からは、恋するコンスタンツェの可愛らしさがにじみ出ていました。高音がのびやかに響く可憐な歌声は、礼さんとのハーモニーも美しく、聴きごたえ十分。フィナーレでは礼さんにぴったりと寄り添い、優雅なダンスを見せてくれました。

凪七瑠海さんが演じたアントニオ・サリエリ役は、ウィーンの宮廷音楽家で、モーツァルトの才能に嫉妬するライバル的存在のキャラクター。クールなサリエリ役の凪七さんは黒の衣装に身を包み、冒頭でコンスタンチェ役の舞空さんとアロイジア役の小桜ほのか(こざくら・ほのか)さんと共に美しいハーモニーが魅力のナンバー「♪その男モーツァルト」を披露します。凪七さんは、冷静沈着だけれども心の奥底にはモーツァルトに対する激しい嫉妬心をもつサリエリを体現。天才の才能をうらやむ、プライドの高い男の苦悩を見事に表現していました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、レポートの全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■妖艶な微笑み、小悪魔的かわいさで魅了。モーツァルト初恋の人役の小桜ほのか

■悠真倫はモーツァルトの父親役を貫禄たっぷりに、万里柚美は母親役を愛情深く

■コミカルに劇場支配人を演じた紫藤りゅう。目を引くサリエリの弟子役の極美慎

■エッジの利いた楽曲の歌唱と激しいダンス。今後の星組がますます楽しみに

<宝塚歌劇 星組 フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』>
【大阪公演】2019年11月20日(水)~11月27日(水) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2019年12月3日(火)~12月15日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

<関連リンク>
宝塚歌劇のページ
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2019/rockoperamozart/
梅田芸術劇場のページ
https://www.umegei.com/schedule/829/

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宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

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■妖艶な微笑み、小悪魔的かわいさで魅了。モーツァルト初恋の人役の小桜ほのか

小桜さんが演じたアロイジアは、モーツァルトの初恋の人という役どころ。妖艶な微笑み、小悪魔的かわいさでモーツァルトを魅了します。コンスタンツェ、アロイジア、ヨーゼファ、ゾフィーのウェーバー家四姉妹で歌う「♪死んでしまえば」は、「♪ナーナーナナナ」というキャッチーな音楽が耳に残る印象的なナンバー。姉妹が着ている花をモチーフにしたドレスもかわいらしく、舞台に華やかさを添えていました。

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

■悠真倫はモーツァルトの父親役を貫禄たっぷりに、万里柚美は母親役を愛情深く

モーツァルトの父、レオポルト・モーツァルト役の悠真さんは、威厳のある父親を貫禄たっぷりに演じ、ロック調のかっこいいナンバー「♪父の戒め」では礼さんとのデュエットも披露。また、アンナ・マリア・モーツァルト役を演じた万里柚美(まり・ゆずみ)さんは優しく、モーツァルトの幸せを心から願う愛情深い母親を好演。夫を尻に敷く気の強いコンスタンチェの母、セシリア・ウェーバー役の音波みのり(おとは・みのり)さん、豪華なヘッドアクセサリーと純白の衣装が素敵なオランジュ皇妃役の白妙なつ(しろたえ・なつ)さん、劇場に美声を響かせる歌姫、マダム・カヴァリエリ役の夢妃杏瑠(ゆめき・あんる)さんなど、物語に奥行きをもたせる娘役の層の厚さも伺えました。コロレド大司教役の輝咲玲央(きざき・れお)さんは、モーツァルトの天敵ともいえる役柄を重々しく、時にコミカルに演じていました。

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

■コミカルに劇場支配人を演じた紫藤りゅう。目を引くサリエリの弟子役の極美慎

ウィーン国立劇場支配人であるローゼンベルグ伯爵役は、紫藤りゅう(しどう・りゅう)さん。コミカルな演技がおもしろく、思わずクスリと笑ってしまう茶目っ気がある支配人を演じていました。また、ほとんど作品の全編にわたって登場するサリエリの弟子、フランツ・ジュースマイヤ役の極美慎(きわみ・しん)さんは、イケメンそのもので、どこにいても目を引きます。

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演、フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』より=撮影・橋本正人

■エッジの利いた楽曲の歌唱と激しいダンス。今後の星組がますます楽しみに

天才と謳われたモーツァルトの愛と栄光と苦悩に満ちたドラマティックな半生を、美しい音楽と踊りにのせて描いた『ロックオペラ モーツァルト』。「ロック」というだけあってエレキギターのエッジの利いた楽曲の歌唱がかっこいいのはもちろん、息を合わせて激しく踊るダンス、華やかな衣装など、最初から最後まで観どころたっぷりで、今後の星組の活躍がますます楽しみになる作品です。

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