「悪役は難しい。戦いです」、『フラッシュダンス』植原卓也インタビュー(上)

植原卓也さん=撮影・岩村美佳

ミュージカル『フラッシュダンス』が、2020年9月12(土)から9 月26日(土)まで東京・日本青年館ホールで、続いて名古屋、大阪で上演されます。1983年に公開され、世界中で大ヒットした映画『フラッシュダンス』の舞台化で、主演は愛希れいかさんです。C.C.役を演じる植原卓也さんにインタビューしました。上、下に分けてお届けします。上では、作品の世界観についてや、ヒール役を演じるのははじめてという植原さんに、その思いについて伺いました。

植原卓也さん=撮影・岩村美佳
植原卓也さん=撮影・岩村美佳

――公式映像のコメントで、映画を子供の頃から観ていて、好きだと語られていましたね。世界観が植原さんにすごくぴったりだなと思います。

本当ですか!?

――好きそうだなと感じます。

それはありますね。僕もいろんな作品が大好きですが、『フラッシュダンス』のミュージカルのテイストは、最近上演されているもののなかでいうと、意外と珍しい、レアなジャンルになってくる気がしています。

――どんな部分がレアだと思いますか?

たとえば、作品の色のテイストでいうと、貴族などではないところ。

――きらびやかな感じと違う。

貴族の世界で育ったとかも好きですが、こういう色合いが出てくると、「来た!」と僕はテンションが上がる部分があります。主人公が、どん底から立ち向かっていくサクセス・ストーリーは、ミュージカル作品としては、意外とない気もしていて。こういうポップなものは、僕のなかでは結構レアな位置づけで、しかもちゃんと希望がある物語。ラッキーなことに、今の状況にもマッチしてくると思いますし、取り組めていることが正直、嬉しいです。

――登場する人々が、エネルギーに満ちていますね。

真ん中で、ちゃぴちゃん(愛希れいかさん)が、かっこいいダンスをして、聞いたことがあるナンバーを派手にやっていて。エンターテインメントとしては、みんなめっちゃ好きでしょ? みたいな(笑)。ど真ん中といったら、ど真ん中じゃないかと。

<取材協力>
ヘアメイク:大野彰宏(ENISHI)

※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカル『フラッシュダンス』で植原卓也さんが演じるC.C.役について「悪役」を演じる難しさなどについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。8月25日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、植原さんの役作りの方法や、ハンガリー貴族のエルマー役で出演予定だった『エリザベート』が開幕直前に中止になり、コロナによる自粛期間にどんなことを考えていたか、その時間を経て気づいた思いなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■だいぶ前の映画ですが、今でも「イケてる」。かっこいいポイントを押さえている

■なりたい自分に向かう、周りの仲間と頑張る。それを遮断するのがC.C.

■C.C.の性格は正直嫌い(笑)。でも、そうじゃなければ嘘になっちゃうから

■ヒール役は簡単じゃないんです。役に共感できないから、難しい

<ミュージカル『フラッシュダンス』>
【東京公演】2020年9月12日(土)~9月26日(土) 日本青年館ホール
【愛知公演】 2020年10月3日(土)~10月4日(日) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
【大阪公演】 2020年10月8日(木)~10月11日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
公式サイト
http://flashdancethemusical-jp.com/

<関連リンク>
植原卓也-アミューズオフィシャルウェブサイト
https://artist.amuse.co.jp/artist/uehara_takuya/
植原卓也&STAFF twitter
https://twitter.com/tkyxyou
植原卓也 instagram
https://www.instagram.com/takuyauehara_official/

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※植原卓也さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは9月24日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

植原卓也さん=撮影・岩村美佳
植原卓也さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■だいぶ前の映画ですが、今でも「イケてる」。かっこいいポイントを押さえている

――確かに、この作品を嫌いという人は、いないかもしれないですね。

エンターテインメントとしての醍醐味が、全部詰まっていて。公開されたのはだいぶ前の映画ですが、今でも「イケてる」みたいな。今でもちゃんとかっこいいというポイントを押さえている作品だと思うので、好きです(笑)。ありがとうございます。ぴったりと言ってもらえて。

植原卓也さん=撮影・岩村美佳
植原卓也さん=撮影・岩村美佳

■なりたい自分に向かう、周りの仲間と頑張る。それを遮断するのがC.C.

――あらためて映画を観ましたが、すごくシンプルで、胸が熱くなるなと思いました。

実際、それに尽きます。単純に自分がなりたい自分に向かうとか、周りの仲間と頑張るとか。でも、完全にそれを遮断するのが、僕が演じるC.C.という(苦笑)。自分の役は、全然おすすめできない自分がいますが。

――この役たちのなかで、遮ろうとするのはひとりだけですね。

そうなんですよ。「君さえいなければ」というポジションですが、やるからには徹底してやるしかないポジションなので、やるしかないなと思います。

植原卓也さん=撮影・岩村美佳
植原卓也さん=撮影・岩村美佳

■C.C.の性格は正直嫌い(笑)。でも、そうじゃなければ嘘になっちゃうから

――自分が演じると考えて、C.C.という役はどうですか?

稽古をするなかで、面白さを見つけられればいいなと思っています。やりがいは絶対にありますが、ただ台本の言葉だけ汲み取って読んでいると、「こいつ、希望あるな」という要素はゼロなので、そういう部分で役を愛するというのは、スタートの時点ではすごく難しいです。作品としては愛せていますが、最終的に、悪役というものを違う意味で愛する、違う意味で好きになれていたらいいなとは思いますが、台本を読んでいるだけでは、正直なところ嫌いです(笑)。でも、そうじゃなければ、嘘になっちゃうから。そういう役をリアルなところで、ちゃんと表現しなければ作品自体の良さに繋がらないと思うので、難しいなと思っています。だから、そこは戦いだと思いますね。

植原卓也さん=撮影・岩村美佳
植原卓也さん=撮影・岩村美佳

■ヒール役は簡単じゃないんです。役に共感できないから、難しい

――でも、役者としてヒール役をやりたい方は結構多いと思うのですが、植原さんはいかがですか?

別の取材で、ヒロ(廣瀬友祐)がそれを言っていて、感動しました。別にやりたくないわけじゃありませんが、僕のなかでは全然簡単なことじゃないんです。単純に難しいと思います。役に共感できないから。観る分には楽しいと思いますが、そういう役って、絶対、作品にひとりはいるじゃないですか。だから、実際に必要なポジションだと思いますが、やはりそれを自分がやるとなると大変だなと。自分を擁護しているわけじゃなくて、普段からあんなに言葉巧みに人を誘わないので(笑)。

――していたら困ります(笑)。

そうでしょう? だから、そのギャップが僕のなかでは第一関門で、最初から「あれをやりたいんだよね」という人は、本当にクールだと思います。

植原卓也さん=撮影・岩村美佳
植原卓也さん=撮影・岩村美佳

※植原卓也さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは9月24日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「悪役は難しい。戦いです」、『フラッシュダンス』植原卓也インタビュー(上)” への 9 件のフィードバック

  1. やまのうえ より:

    フラッシュダンス、観劇させていただきました。とてもエネルギッシュでこの時代だからこそ、より観劇できて良かったと感じます。
    難しいとおっしゃっていましたが見事な悪役で、確かにC.C.がいないとすんなり話が進むのになと思いました(笑)
    良いところがない完全なる悪役でしたが、見目麗しく妖しいC.C.に魅了されっぱなしでした。次回作も楽しみにしています。

  2. N より:

    素敵なインタビュー記事とお写真ありがとうございます!
    そしてフラッシュダンス開幕おめでとうございます!
    植原さんのインタビューを読んでから観劇をしたのでより一層楽しむことができました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎
    植原さんが正直嫌いだとおっしゃるくらいのヒールなC.C.も植原さんが演じられるとすごく魅力的でかっこよくて悪い人だと分かっていながらもドキドキしてしまいました( ; ; )
    千穐楽まで全公演素敵なステージになりますように!

  3. りお より:

    素敵な記事、写真ありがとうございます!額に手を当てている植原さんの写真とっても素敵です…!

    アイデアニュース様といえば、去年のエリザベートのときにゲネの動画を上げてくださってたと思うのですが、ミルクの曲で植原さんが映っていたのがすごく嬉しくて観劇日まで何度も再生し、楽しみに見させて頂いてました。
    今年のエリザベートはコロナの関係で残念ながら幕は開きませんでしたが、そのときの植原さんの心情が知れ、一層素敵な方を応援させてもらってるのだなぁと思いました。

    フラッシュダンス、楽しみにしています。

  4. 小鞠 より:

    ヒール役だからこその難しさと意気込みが伝わってきて、とても嬉しく感じました。また、役作りへのプロセスも見えて、ますます「フラッシュダンス」が楽しみに、そして待ち遠しくなりました。
    素敵なお写真もたくさんで、とっても嬉しいです。ありがとうございます。有料記事部分のいちばん最後の写真が特にお気に入りです。

  5. ゆきえねね より:

    フラッシュダンス、とても楽しみにしてるのでインタビュー嬉しかったです。
    植原卓也さんの演技やダンスが大好きなので、悪役という新たな一面を見られるのが今から楽しみです。

  6. yama. より:

    なかなか難しい役どころだと記事を読んで感じましたが、そこも含め一皮剥けた植原さんが観れると思うと、公演がとてもたのしみです!記事を見てより観たい気持ちが強くなりました。先が読めないご時世ではありますが、無事に初日を迎えられるようお祈りしています。

  7. K より:

    全くと言っていいほど悪とかけ離れている植原さんが演る悪役を見れるのがとても楽しみです。また新たな一面が見れるんだなと、とてもわくわくしています!
    何事もなく初日の幕が上がり、無事千穐楽の幕が下りることを願っています。
    このインタビュー記事を読んでますます観に行くのが楽しみになりました。ありがとうございます。

  8. ERI より:

    廣瀬さんに続きたっくんまで!本当にありがとうございます🥺
    ヒール役なたっくんを私自身(たぶん)見たことがないのでとても楽しみにしてます!!!
    初日、無事に幕があき、千穐楽までキャスト、スタッフの皆様、観客も全員が駆け抜けられることを祈っております。

  9. りおん より:

    今回は植原さんの新たな世界観として私も非常に楽しみにしている作品です。そしてインタビューにもあったように今のコロナ禍の世界にとてもマッチしていると思いました。前に向かって歩き出す希望に満ちた作品でのヒール役は大変だと思いますが、植原さんの存在が作品をより輝きに満ちたものにすると確信しています。無事に初日を向かえ千穐楽の日までカンパニーの皆様が走り続けられることをお祈りしております。 植原さんの貴重な取材を取り上げてくださったアイデアニュースの皆様誠にありがとうございます。本当に嬉しかったです。

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