ちっちゃな へぇ~(3) 「みらぼく たからづか」選挙に行ってハッピーのおすそ分け

みらぼくたからづかフラッグ=写真提供・みらぼくたからづか

2016年7月10日には、参議院議員選挙が予定されていますが、みなさん選挙に関心はお持ちでしょうか?先月の「ちっちゃな へぇ(2)」でご紹介した、おんく堂の獣医師の萩原未央さんら3人が発起人となり、若い世代の人が1人でも選挙や政治に関心をもってくれたら…と、「みらぼくたからづか」というプロジェクトを始めました。6月11日にホームページも公開したところです。今回はその「みらぼくたからづか」の活動内容をご紹介したいと思います。有料部分では萩原さんに活動についてのメッセージを頂きましたのでご紹介します。

「みらぼくたからづか」ホームページ

ひとりひとりが一番大切にしたいもの守りたいものを手に持ち撮影。みんなの手形でつくったフラッグ=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

ひとりひとりが一番大切にしたいもの守りたいものを手に持ち撮影。みんなの手形でつくったフラッグ=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

「みらぼく」というのは、「未来は僕の手の中」の略。2007年に神奈川県湘南地域に暮らす4人のメンバーが、自分達の未来のため、子供達の未来のためにアクションを起こしたのが始まりで、「みらぼくたからづか」は、その宝塚周辺版。宝塚をはじめ、猪名川、伊丹、西宮、川西、池田、三田などを中心に特に地域の制限はありません。特定の考えを支持するものではなく、選挙権をもつ市民なら誰でも参加できます。みらぼくたからづかのシステムは、下の図にあるように「選挙や政治について調べてみる」→「投票して、投票証明書をもらう(または、投票所前で写真を撮りプリントアウト)」→「それをパートナーショップで見せて、ハッピーのおすそ分けをもらう」→「投票した人を見守る」→「選挙や政治について調べてみる」…と続くことで、選挙や政治にもっと関心をもってもらおうというしくみです。

「みらぼくたからづか」システム詳細

みらぼくたからづかシステム=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

みらぼくたからづかシステム=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

「みらぼくたからづか」のホームページは、ゆるーい関西弁で書かれてあり、関西人にとっては親しみのある優しい文章です。とてもわかりやすいホームページでした。その中でも、私が印象に残ったところをご紹介したいと思います。

「みらぼくたからづか」ホームページより

「みらぼくたからづか」ホームページより

ハッピーのおすそ分けをするパートナーショップも募集中で、未来を考えるステキなお店が増えるように、どんどんお誘いをしています。お店側のメリットは、宣伝効果を期待できること。「みらぼくたからづか」のホームページに、随時ショップ情報をアップしてくれます。期間は原則投票日より1か月としていますが、お店のご都合に合わせて自由に設定でき、今後のパートナーショップへの参加についても改めて聞いてくれるそうです。まずは2016年7月10日の参議院選挙のパートナーショップに参加してみてはいかがでしょうか。(現在は、実店舗の営業があるショップのみ参加可能)

パートナーショップについての詳細

投票済証明書(または投票所の前で写真を撮りプリントアウトしたもの)をパートナーショップで見せれば、ハッピーのおすそ分けが=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

投票済証明書(または投票所の前で写真を撮りプリントアウトしたもの)をパートナーショップで見せれば、ハッピーのおすそ分けが=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

<発起人の3名をご紹介>

■出口 真弓(でぐち・まゆみ)さん
Organic Crossing(オーガニック クロッシング)⇒http://organic-crossing.org
農と暮らしをつなぐ八百屋として無農薬の野菜を販売、イベントをしている。川辺郡猪名川町在住

社会科ではいつも赤点。選挙の仕組みも用語も全然わからへんままスルーでかわして40代突入。それでフツーに楽しく暮らしていけてたんやけど、こどもがどうやって生きてくんやろって考えだした。自分がこどもの頃に数年過ごした海外でのいろいろを振り返ると、政治でフツーの市民の暮らしが左右されることに気がついてん。誰かに任せて自分のしあわせが築けるとは思われへんもん。実は投票って行為は、自分のしあわせづくりのひとつなんかなって思った。

■萩原 未央(はぎはら・みお)さん
どうぶつのホリスティック専門病院おんく堂⇒http://www.onkudo.com/
獣医師・認定獣医鍼灸師
宝塚市からの往診で、鍼灸と漢方薬治療専門の動物医療を展開している。宝塚市出身

わたしたちの生活、誰かに選ばれるのではなくて自分で選びたい! 「あれが食べたい」とか「こんなのが欲しい」とか「こういう仕事をしたい」とか「ここを大切にして生きたい」とか、たぶん毎日毎日その選択の連続でみんな生活してる。みんなで集めた税金を、もっと安心して暮らせるまちづくりのために、誰かに託すんやったら、「こうやって使ってね!」って渡したいやん。選挙はその「誰か」を選ぶ会なんやろ?これはもう最優先事項やな(^_^)

■松平 英也(まつだいら・ひでや)さん
ボングー宝塚
関西の有機野菜をたっぷり使った通販レストラン

自分の20代を振り返ると、ひたすらサラリーマンとして一生懸命仕事をし会社と自宅を往復するだけの毎日で政治の事を考えるなんて正直思いもしなかったです。 でも、もしも周りに政治に対する素直な疑問を話し、そして共有出来る仲間がいたら変わっていたんじゃないかなとすごく思います。 「みらぼくたからづか」にはそんな仲間がたくさんいます。 ほんの少し未来のこと考えるきっかけになれば嬉しいです。

武庫川河川敷にて。さあ未来へ向かってすすむよ!=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

武庫川河川敷にて。さあ未来へ向かってすすむよ!=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

<「みらぼくたからづか」ホームページ>
http://www.mirabokutakarazuka.wix.com/senkyoiko

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いいだしっぺ、萩原さんから「みらぼくたからづか」活動についてのメッセージを頂きましたので、ご紹介します

■ ほんまに低い!投票率

■ 政治の話となると、なんとなく気まずい雰囲気が

■ 中立の立場を保って行うみらぼくの活動

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いいだしっぺ、萩原さんから「みらぼくたからづか」活動についてのメッセージを頂きましたので、ご紹介します

■ ほんまに低い!投票率

みなさん、宝塚市で行われる様々な選挙の投票率をご存知でしょうか?たとえば昨年平成27年4月に行われた市議会議員選挙では、41.29%です。宝塚市内62か所ある投票所のうち、最も投票率の低い地域は23.65%でした。半数に満たないどころか1/4にも及んでいないのです。その少し前の兵庫県議会議員選挙はさらに低く、35.73%でした。県全体の投票率は40.55%だったので、かなり低いですよね。実は県下最低の数字です。みらぼくたからづかの活動は、宝塚に限定したものではありませんが、例として一つ挙げてみました。先の国政選挙であった衆議院議員選挙の投票率も全国で52.66%でした。投票率が低いと言われて久しいですが、ほんまに低い!(データは公益財団法人明るい選挙推進協会HP・宝塚市選挙管理委員会選挙結果より)

■ 政治の話となると、なんとなく気まずい雰囲気が

投票率については、それなりにニュースや新聞にも大々的に取り上げられたりしますが、それでも自分の日常で話題にのぼることはほとんどありませんよね。そもそも政治の話となると、なんとなく気まずい雰囲気が流れるような、ちょっと避けてみたいようなそんな体験をしたことが皆さんあることでしょう。家族の中でも友人の間でも、どこの党の考えを支持しているとか、選挙でこの政策はおかしいと思っているとか、いつの間にかタブーな話題であるという共通認識があるように思います。期待を裏切られつづけて、もう望みや興味を全く失っているということもあるかもしれません。しかし、多くの人の心の中には、次のような感情が潜んでないでしょうか。自分の無知を隠したい気持ちもありますよね?勉強不足と思われないか不安な気持ちもありますよね?そしてなにか発言しようものなら「それはちがうやろー」と言われたりしないかな?なんて、これまた何かの争いごとになりそうで心配だったり。

ましてや、個人事業で日々接客しているような職種の方々は、一層その辺の話題に関してはデリケートにならざるを得ない、そんな状況でもあると思います。そういう日本の雰囲気をみんな知っているけど変なこととも思ってなくて、みんなきっといっしょだろうと思っていて、政治に対していつからどのようにして始まったか分からない、誰とも比較できない劣等意識のようなものが生まれてきて…。

みらぼく発起人の3人は少なからずそのような思いを抱いています。大人たちがそんなすっきりしない気持ちで生きているのに、どうやって次の世代に引き継いでいけるのかなと思いませんか?折しも18歳からの選挙権がもうすぐ施行されます。自分の子どもに「早くご飯食べなさい」と注意する勢いで「早く選挙に行きなさいよ」と促すことができるでしょうか?

自分たちの手で未来を作っていきたいですよね=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

自分たちの手で未来を作っていきたいですよね=写真提供・みらぼくたからづか(撮影・かぶもとみほ)

■ 中立の立場を保って行うみらぼくの活動

ところで、本文中にもありましたが未来は僕らの手の中プロジェクトは2007年に神奈川県ではじまった活動です。この活動の一番の特徴は、公平中立であるということです。そしてもう一つの特徴は、個人事業主の方々が自ら動くことができる活動であるという点です。さまざまなサービスを提供し、日々の仕事が生活の収入に直結している自営業という立場は、実際には政治の細かな動きに対して思うところがたくさんあるはずのポジションだと思います。たとえばTPPであったり消費税であったり、ぜったい無視できないところですよね。そういう意味では、動きたくても動けない、そんなもやもやした思いを抱き続けている部分もあるわけです。中立の立場を保って行うみらぼくの活動は、敬遠しがちな政治の話を自分たちの生活の中にじんわり引き込む、そんな柔らかい力があると思っています。

最近は多くの市民団体が活発に動きはじめました。各地で決起集会が開かれ、勉強会が行われ、パレードやデモで盛り上がりを見せています。若い人たちで結成されたグループもありますね。政治に対する関心が維持される方法として、いろんな団体がたくさんあって、それぞれが動くことにより一定の活気が社会全体で保たれるようになることが、現時点での理想だと思います。そんな中、みらぼくは、「中立」という点が作用して、さらには誰も困らない活動であるため、より長く継続可能だと考えています。もちろん、選挙に行ったら特典がもらえるよというみらぼくのシステムだけで、投票率が何とかなるとは全く思っていません。

たくさんの活動があって色々な切り口のある中、選挙に対して入口に立っている人にとっても、大人になって数十年になる人たちにとっても、なんだかよくわからん部分を少しずつひも解くような、そんな実験的な報告をみらぼくたからづかでは発信していこうと画策中です。2月から夜な夜な集まっては話を重ねつつ来てますが、なかなかの波乱万丈振りで、骨折する者あり、ぎっくり腰になる者あり、子どもがおたふくかぜにインフルエンザ・・・となかなかの満身創痍ぶりな発起人たちですが、なんだか陽気です。

さてさて、このまま政治から離れていくのか、ここでちょっと考えてみるのか…この地に、日本に、関西に、宝塚に伊丹に西宮に川西に猪名川に…生きているよという責任と覚悟が、大人にとって強く問われている時代にあると思います。そう、結構大変な時代かもしれません。でも希望の中で、みんなで考えていきましょう。ね!

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