みんなを引っ張って行ける存在になるために 中川晃教さんインタビュー(下)

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

シンガーソングライターの中川晃教さんのインタビュー後半です。デビュー15周年を記念して行われる15th Anniversary Live「I Sing 〜Crystal〜」コンサートについて、さらに16年目の活動や今の思いについて伺いました。

<中川晃教15th Anniversary Live I Sing~Crystal~>
【東京公演】2016年9月18日(日) 東京国際フォーラム ホールC

<ミュージカル『マーダー・バラッド』>
【大阪公演】2016年11月3日(木)~11月6日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【東京公演】2016年11月11日(金)~11月27日(日) 天王洲 銀河劇場

<ミュージカル『フランケンシュタイン』>
【東京公演】2017/1/8(日) ~ 2017/1/29(日) 日生劇場
【大阪公演】2017/2/2(木)~ 2017/2/5(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2017/2/10(金) ~ 2017/2/12(日) キャナルシティ劇場
【愛知公演】2017/2/17(金) ~ 2017/2/18(土) 愛知県芸術劇場大ホール

<関連サイト>
中川晃教オフィシャルサイト
中川晃教 Official Twitter
中川晃教 終わらないクリスマス owakuri.com Blog

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

<衣裳協力> BRAND COLLECT

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※有料会員向け部分にはインタビュー後半の全文をテキストで掲載しています。

<有料会員向け部分の見出し>

■誤解を恐れずにいうと、僕は俳優じゃないんですよね。演劇人ではないんです

■「表現者」という言葉を使うのを最近やめたんです。それはなぜかと考えてみました

■エンターテインメントとは「人を感動させること」。それが自分の変わらない考え方

■「I Sing 〜Crystal〜」は、15年間の中川晃教の全てが体感できる選曲に

■「マーダー・バラッド」は、森雪之丞さんと島健さんという、僕にとって夢のチーム

■「フランケンシュタイン」、柿澤くんとは「出来るなら、ふたりで共演したかったね」と

■誤解を恐れずにいうと、僕は俳優じゃないんですよね。演劇人ではないんです

――9月18日に15th Anniversary Live「I Sing 〜Crystal〜」が行われますが、8月8日サントリーホールでの「中川晃教デビュー15周年記念プレミアムコンサートwith東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団」、さらに8月26、29日の「中川晃教弾き語りコンサート2016 HAKUJYU HALL」を経て、今考えていることをお聞かせください。

誤解を恐れずにいうと、僕は俳優じゃないんですよね。演劇を勉強していたかというと、そういうわけではなく、演劇人ではないんです。中川晃教という自分の中にしか見つけられない自分の答えというのを持っているんです。それが音楽であり、それを一番感じられるのがコンサートやライブであり、歌を歌っているときなんです。8月というデビューした月にコンサートを開催することが出来て、さらに9月18日のコンサートに向っている今、その思いを強くしています。(8月1日がデビュー日)

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■「表現者」という言葉を使うのを最近やめたんです。それはなぜかと考えてみました

人はよく「表現者」という言葉を使います。僕も今まで使っていたんですが、実は最近使うのをやめたんです。それはなぜだろうかと考えてみました。「アーティスト」という概念は職種としてなかなかわかりづらいと思います。僕は音楽を作るとき、自分が今感じていることを、世の中の感じていることとリンクさせたり、意図しないけれどリンクしたりもします。同じ時代を生き、同じ空気を感じ、同じニュースを見ている場所に立ったならば、おのずとそこから感じる言葉、発するメロディは、同じ時代を共に生きている人々の共感というところに結びついていくだろうと思います。そこには、誰々の歌、誰々の言葉、誰々の音楽があって、その「誰々」がアーティストだと思うんですね。たくさんいるアーティストのなかの「私」というものを僕は仕事にしているんだなと思います。

その「私」は、絶えず何かを発見し、物事をまっすぐ見たり、斜めから見たりする。「私」という人間をどう「私」が信じていくのか。様々な出会いや経験をし、忙しい日々を送るとの同時に、思考を停止させて無駄なような時間をわざと送ったりもする。その結果、今、自分の中から生まれてきた音楽なんだなと再認識したときに、これが今のアーティストとしての自分なんだと確信するんです。それをどう表現していくかが僕にとってはコンサートであり、音楽を作るアルバムだったりします。そのアルバムも今や映像になったり、「ジャージー・ボーイズ」のようにミュージカルになったり、様々な展開をしていきますね。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■エンターテインメントとは「人を感動させること」。それが自分の変わらない考え方

こういうところに19歳で出会ってしまっているから、エンターテインメントというものが、今、自分が目指している、向いている方向になりました。じゃあ、何がエンターテインメントなのかというと、自分のなかで変わらないのは「人を感動させること」につきます。それがアーティストとしての自分の変わらない考え方だとすれば、ミュージカルの現場にいようが、他の演劇の現場にいようが、コンサートの現場にいようが、どこにいても変わらないんですよね。同じ考え方でやっているんです。

こういう風に思えるようになったときに、「表現者」という言葉を使わなくなったんです。今、こういうことを話せるタイミングなんだなと思えるのも、8月、9月のコンサートが出来て、その準備をしているからこそ。今のありのままの自分がステージに立ったときに、みんなの目にどう映るんだろうかと思います。

ミュージカルを見てコンサートに来た人も、ミュージカルは見ていないけれどコンサートに来てくれる人も、いろんな人たちが楽しみに来てくれると思うので、その人たちをどういう風に楽しませるのか、どう心を掴むのか。そして、アーティストとして、今、自分が感じていることをどう歌で表現するのか。他のミュージカルアクター、演劇俳優のみなさんがそれぞれに持っているアーティスト性があると思いますが、コンサートは僕にしかない僕の歌を聞きに来てもらえる最高の場所でありたいと思っています。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■「I Sing 〜Crystal〜」は、15年間の中川晃教の全てが体感できる選曲に

――「I Sing 〜Crystal〜」の構成はどう考えていますか?

8月8日にやったオーケストラとのコンサートはデビュー15周年のプレミアムコンサートでもあったので、デビューさせてくれた自分の音楽と、切っても切り離せないミュージカルという世界で出会ってきた音楽たち、このふたつのバランスを取って、オーケストラの最大の魅力である音楽が天井から降り注いでくるあの豊かな時間をお届けしたいと思って構成しました。8月26、28日の弾き語りコンサートでは、弾き語りならではの自分が感じている間合いや、自分でなければ生み出せないリズム感を意識して選曲しました。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

「I Sing 〜Crystal〜」は、ふたつと全く違うコンサートにしたいと考えました。さらに、「All Time BEST」と位置づけて作ろうと思っています。僕にとっての「All Time BEST」は、今の最高を届けていくという意味も含めて作っています。一般的にはこれまで15年に出してきた音楽を全て聞いてもらうということだと思う方もいると思いますが、時間的にもそれは難しいですし、内容的にもそういう風には考えていません。15年間の中川晃教のアーティストとしての全てが体感できる選曲を考えています。ミュージカルを通して知ってくれた人も、音楽をずっと聞いてきてくれた人も、ミュージカルをきっかけに途中から知ってくれた人も、1カ月前に知ってくれた人も、これが中川晃教の歌なんだと思ってくれるようなコンサートにします。

■「マーダー・バラッド」は、森雪之丞さんと島健さんという、僕にとって夢のチーム

――コンサートを終えた後の16年目には、「マーダー・バラッド」「フランケンシュタイン」「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」とバラエティに飛んだミュージカルが控えていますが、今どんな思いですか?

「マーダー・バラッド」は、森雪之丞さんの訳詞、島健さん音楽という、僕にとって夢のチームなんです。それぞれとご一緒してきた作品はありますが、ふたりが一緒に組むのがスペシャルですね。そして、4人だけのミュージカルという想像するだけで濃密な、見たいと思わせる濃厚さに加えて、それを鮮明にさせてくれる音楽の力がミュージカルならではだなと思います。キャスト、クリエイティブチームが揃っている夢のようなカンパニーです。そして、何よりも日本初演というやりがいもすごく感じています。

■「フランケンシュタイン」、柿澤くんとは「出来るなら、ふたりで共演したかったね」と

――「フランケンシュタイン」の楽曲をサントリーホールでも歌っていて、鳥肌が立ちました。

ありがとうございます。製作発表で歌うために、昨日柿澤(勇人)くんと歌稽古をしてきました。柿澤くんとは初めてご一緒するのですが、ふたりでタイトルロールを演じます。出来ることならふたりで共演したかったねと話したんですが、いつもそういう人が多いんです(笑)。「なんでダブルキャストなんだよ、共演できないじゃん」って話すんですが、彼ともそういう話ができるぐらい、同じ役を一緒に演じる仲間に恵まれたなと思って歌稽古をしました。幸い、みなさんに期待して頂いて、熱が増してきているのを感じています。この熱が自分が想像もしていなかったようなところに着地する熱でもあるんです。熱を感じる作品に出会えて嬉しいですね。

「ミュージカル『フランケンシュタイン』製作発表記者会見」より=撮影・岩村美佳

「ミュージカル『フランケンシュタイン』製作発表記者会見」より=撮影・岩村美佳

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“みんなを引っ張って行ける存在になるために 中川晃教さんインタビュー(下)” への 17 件のフィードバック

  1. うさぎ より:

    岩村さんが担当だからこそインタビュー時の中川さんの信頼しきった様子が,お顔にもインタビューのお話の内容にも伺えます。こんなに色々深く聞き出してくださり,ありがとうございます。15周年だからこそゆっくりと振り返り,色々知る事ができると思ってます。

  2. ひろ より:

    岩村さんのインタビュー&お写真には、いつも楽しませていただいてます。
    8/8 プレミアムコンサート、8/28 弾き語りコンサート、9/18 I Sing ~Crystal~コンサート。それぞれのコンサートに参加させていただき、それぞれ違う”中川さんの15年間”を聴かせて…観させていただき、感動的で幸せな三日間でした。

  3. かのん より:

    岩村さんが描くあっきーの記事そして写真の数々はいつも心に沁み入ります。「中川晃教」という人物そしてその音楽の世界観の描写が生き生きと伝わってきます。岩村さんが伝えてくれた、デビューからの15年間のあっきーの想いを受け止めながら出向いたクリスタルコンサート。東京フォーラムのホールCの広い空間を埋めたたくさんの客の心をあっきーの歌声が満たしていました。美しく、気高く、悲哀そして喜びに満ちて、はかなげにみえてそして何よりも強い。切なくて幸せな時間でした。

  4. つぐみ より:

    中川さんのインタビュー記事、とても興味深く読みました。なんといっても写真が素敵です。

  5. ひまわり より:

    素敵な写真とともに深い話をいつもありがとうございます。
    今後のコンサートや舞台が益々楽しみでワクワクしています。

  6. 秋田りんご より:

    いつもすてきなインタビューと雰囲気のある写真をたくさんありがとうございます。その言葉が聞きたかった!というような言葉をたくさん引き出してくださってほんとうにうれしいです。サントリーホールのプレミアムコンサート、弾き語りコンサート、そして「I Sing ~Crystal~」コンサートをすべて聴くことができ、中川晃教さんと同時代に生きて15周年をともにお祝いできた幸せをかみしめています。唯一無二の歌い手としてこれからも輝き続け、進化し続ける姿をずっと見ていきたいです。次のインタビューや記事も楽しみにしています。

  7. あこ より:

    中川晃教さんのインタビュー記事、何度も繰り返し読ませていただきました。中川さんから出てくる言葉は、彼独自の感覚があり、触れるたびいつもハッとさせられます。アイデアニュースさんの記事はとてもボリュームがあり、丁寧にじっくり向き合っているのが感じられて、いつも嬉しくなります。だからこそ、こちらもじっくり何度も読みたくなります。岩村さんのインタビューは、相手をよく知っているからこそ、読み手の知りたいことや興味のある所が引き出された記事になっているのでしょうね。写真もとても素敵で嬉しいです!自然体で柔らかい表情で、お気に入りの一枚になりました。長くなってしまいましたが、これからもアイデアニュースさんの記事、期待しています!

  8. より:

    あっきーを長く応援していますが、アイデアニュースの有料会員のことは知りませんでした。友人の勧めで最近、有料会員になったのですが、アイデアニュースさんはファンがあっきーに訊きたいツボをよく知ってるなと感心したり、感謝したりしながら記事を読ませてもらってます。これからも、頑張ってください!また、あっきーインタビュー記事を楽しみにしてます!

  9. キリコ より:

    9月18日の「I Sing ~Crystal~」を聴き終えて改めて記事を読み直しました。「All Time BEST」今の最高を届ける!まさにその通りのコンサートでした。中川さんの話したことを素敵にわかりやすく(笑)記事にしてくださってありがとうございます。お写真もとっても素敵でドキドキです。

  10. ぴあの より:

    いつも期待を上回る「最高」を見せてくれるあっきー。元々の才能はもちろんですが、たくさんの努力と常に私たちファンを楽しませようという思いがあるからこそなんですよね。
    今のあっきーの「思い」を引き出して記事にしていただきありがとうございます。
    これからも素敵な記事を楽しみにしています。

  11. たまご より:

    Concertの余韻冷めやらぬ今、遅ればせながら こんなに素敵な記事をありがとうございました。過日に行われたクリスタルコンサートはその名の通り水晶のようにキラキラ輝く一日となりました。透き通る歌声はさらに磨きがかかり光を反射して私達に降り注いでいるかのような錯覚さえ起こる空間。コンサート前に言った「連れて行くよ」の言葉の通り私達を彼の世界へと連れて行ってくれました。コンサートを終え中川さんの前には既に新しい世界が広がっていますが彼は全力でその世界を切り開いて行くと そう信じられるコンサートでした。この方を応援してきて本当に良かった。本当に幸せなコンサートでした。

  12. ひまわり より:

    奥の深い話をあっきーが語ってくれるのも岩村さんだからなんでしょう。いつもありがとうございます。そして柔らか表情の写真もとっても素敵で目がハートになってしまいます(笑)これからもよろしくお願いします。

  13. あのはな より:

    後半はファンに対する愛情の強さが色濃く感じられる素敵なインタビューでした。まるで目の前に実際いるかのように語りかける動画の中の中川さんに改めてファンでいて、応援し続けていて良かったなと思いました。またインタビュー時に撮影された写真もカッコいいものからフワッとした目線のものまで眼福なものばかりで大満足です。これから新作が目白押しですがまた新たな一面や心に残る歌声に期待しつつ楽しみにしています。

  14. テイア より:

    メッセージ:アッキーファンになって10年!
    本当に大人になったにアって実感します。本当に素晴らしい歌声と舞台で生きてる素晴らしい演技力!
    ファンとしては誇らしい!
    この人を好きになって応援してきて良かった!
    これからも応援して行きます!

  15. Weeber より:

    読み応えのある記事でした。
    中川さんをずっと応援してきて、舞台やコンサートでの素晴らしさはわかっていましたが、その裏にある努力や向き合い方が記事のおかげで理解できました。
    勿論、豊かな才能にも恵まれていらっしゃるけれど、ここまで続けていらっしゃったコツコツこそが鍵なんですね。
    丁寧に言葉を選びながらも、まっすぐに気持ちを語ってくださっているのが伝わってきました。ますます中川さんから目が離せません!

  16. メリエ より:

    中川さんのインタビューを載せて頂き、ありがとうございます。うれしく読みました。本当に岩村さんはお話を聞き出すのが上手ですね。聞いてほしい!という事を聞いて下さいます。恐らく、中川さんと岩村さんとの間に信頼関係が築けているからこそなのですね。岩村さんのカメラによる中川さんの写真もとっても良い表情です。9月のコンサートと11月の舞台が一層楽しみになりました。ありがとうございます。

  17. カヲル より:

    いつも中川晃教さんの記事を楽しみにしています。今回も内容の濃いインタビュー記事、興味深く読ませていただきました。18日のコンサートがますます楽しみになりました。お写真もとても素敵です。これからも中川さん関連の記事を期待しています!

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