「退団後初舞台、気を引き締め」、『Greatest Moment』瀬戸かずやインタビュー（上）

2021年11月3日（水・祝）から11月7日（日）まで大阪の梅田芸術劇場メインホールで、11月13日（土）から11月22日（月）まで東京の東京国際フォーラムホールCで上演される、宝塚歌劇花組・月組 100th anniversary『Greatest Moment』に出演する瀬戸かずやさんにインタビューしました。この公演は『アウグストゥス－尊厳ある者－』『Cool Beast!!』で2021年7月に宝塚歌劇団を退団した瀬戸さんにとって、宝塚退団後初の舞台となります。インタビューは上下に分けて2日連続で掲載し、「上」では、今回のステージへの想い、現役時代と今の時間の使い方の違い、役作りのインスピレーションの源、男役の研究方法、花組への想いなどについてのお話を紹介します。10月22日（金）午前11時0分に掲載する「下」では、宝塚受験と合格後の話、退団公演『アウグストゥス』の舞台袖で感じたこと、退団翌朝の気持ち、ファンの皆さまへの想いなどを紹介します。

ーー宝塚歌劇花組・月組 100th anniversary『Greatest Moment』。どのような作品になりそうでしょうか？

まだお稽古が始まっていない（※このインタビューは2021年9月下旬に行ったものです）ので、お客さまと同じように私自身も「どんな感じになるのだろう」と楽しみな気持ちでいっぱいです。私自身が、大きな憧れの気持ちを抱きながら目指したのがこの宝塚という世界でした。宝塚歌劇団は、数年前に100周年を迎えて、今回は、花組と月組ができて100周年の節目です。その歴史を支えて来られた、偉大な方々と同じ舞台に立たせていただけるのが、今回のステージです。

ーー皆様が繋いで来られた、100年間という歴史ですね。

「あの懐かしの場面」や「名場面」が次々に繰り広げられるのではないかと思います。上級生の方々が勢揃いで、このキャストだからこそ可能な作品です。宝塚を退団したからこそ、私も同じ場に立つことができるんです。現役中にいろいろなことを頑張ってきて、本当によかったなと感じています。こんなご褒美が待っていたなんて、一人の宝塚ファンとして、とても幸せです。

ーー本当に、錚々たる方々がご出演されるステージですよね。

私は、毎日、感動のあまりに稽古中も本番中も泣いているんじゃないかと思います。でも、そこは、出演者として務めねばなりませんから、熱い想いはしっかりと心に持ちつつ取り組んでいければと思っています。こんなご時世だからこそ、「今この瞬間」を大切に、1回1回全力で挑んでいきたいです。今、熱い気持ちでいっぱいです。

ーー特別な公演になりますね。

憧れの気持ちと共に拝見していた方々と稽古場を共にさせていただき、ひとつの作品を一緒に作らせていただけるなんて、「夢の中にいるんじゃないかな」と思っています。私は、宝塚を退団してからまだ数ヶ月しか経っていないので、先輩方にいろいろ学びたいと思っています。どのような刺激を受けられるのかという楽しみもありますし、一人の人としてのあり方なども学ばせていただきたいです。皆さまとご一緒できる素晴らしい機会ですから、あらゆるものを吸収できるように、自分の心をしっかりと開けておかねばと思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、現役時代と今の時間の使い方の違い、役作りのインスピレーションの源、男役の研究方法、花組への想いなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2021年10月22日（金）午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、宝塚受験と合格後の話、退団公演『アウグストゥス』の舞台袖で感じたこと、退団翌朝の気持ち、ファンの皆さまへの想いなどについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞（有料会員限定部分はこのページの下に出てきます）

■現役時代には、12時間くらい稽古場にいる日も。今は、時間の流れがゆったり

■役作りのインスピレーションは映画やドラマから。新しい趣味は、絶賛募集中！

■『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲーブルが、男役像を作る上で大きなヒントに

■「花組の男役像」は、上級生から自然に浴びてきたシャワーのようなもの

＜宝塚歌劇花組・月組 100th anniversary『Greatest Moment』＞
【大阪公演】2021年11月3日（水・祝）～11月7日（日）　梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2021年11月13日（土）～11月22日（月）　東京国際フォーラムホールC
公式サイト：
https://www.umegei.com/greatest-moment/

＜出演＞

初風諄、榛名由梨、安奈淳、髙汐巴、剣幸、若葉ひろみ、こだま愛、安寿ミラ、涼風真世、真矢ミキ、愛華みれ、真琴つばさ、姿月あさと、森奈みはる、麻乃佳世、風花舞、彩輝なお、瀬奈じゅん、大鳥れい、霧矢大夢、壮一帆、彩乃かなみ、桜乃彩音、蒼乃夕妃、蘭乃はな、珠城りょう

彩吹真央、瀬戸かずや／〈特別出演（宝塚歌劇団）〉凪七瑠海、紫門ゆりや

椎名葵、舞城のどか、桐生園加、初姫さあや、白鳥かすが、羽咲まな、扇けい、響れおな、玲実くれあ、鳳真由、咲希あかね、白姫あかり、貴澄隼人、隼海惺、更紗那知、矢吹世奈

＜関連リンク＞
梅田芸術劇場公式twitter
https://twitter.com/umegei_jp
瀬戸かずや Instagram
https://www.instagram.com/kazuya.seto_akira/

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※瀬戸かずやさんの写真１カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2021年11月21日（日）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

※ここから有料会員限定部分です。

■現役時代には、12時間くらい稽古場にいる日も。今は、時間の流れがゆったり

ーー公演に向けて、今準備されていることはありますか？

ストレッチです。「身体よ、動け！」という思いとともに（笑）。

ーー退団されてからも、日々ストレッチを続けられているのですか？

現役の時ほどは動かなくなってしまっているので、意識して続けています。退団してから、「現役のタカラジェンヌの運動量や活動量は、とんでもないな」と改めて気付きました。『Greatest Moment』は、退団後初の舞台になりますし、気を引き締めて臨みたいです。

ーー退団されてから、二ヶ月ですね。日々、変化は感じられていますか？

現役の頃とは、時間の流れ方が大きく変わりました。1日が24時間では全く足りないという日々を過ごしていたんです。気付いたら12時間くらい稽古場で過ごしていることもありました。もうこんな時間！明日も早いから寝なきゃなと思いながらセリフを覚えることも日常茶飯事でした。そんな凄まじい日々が当たり前でしたので、今は、「こんなにゆっくり過ごしていいんだ！」という驚きがあります。予定が1つしかない日があると、今日、これだけのために私は生きていいんだなと。そういうちょっとしたことが嬉しかったり幸せだったりします。

ーー凄まじい日々ですね。

それが当たり前だと思って過ごしていましたし、だからこそ得られたものもたくさんあるんです。今は、「こんな時間の使い方もあったんだ」という発見を楽しんでいます。

■役作りのインスピレーションは映画やドラマから。新しい趣味は、絶賛募集中！

ーー何か新しく始められたことはありますか？

まだ何もないんです。新しい趣味の候補、絶賛募集中です！信じられないくらい無趣味なのですが、強いて言うのであれば現役時代から変わらず、ドラマ鑑賞でしょうか。撮りだめたものを一気に観るのが好きです。今回のクールのドラマは、ほとんど全部観ていました。

ーーほとんど全部ですか！

現役時代は、朝、身支度をしながらずっと映像を流していました。もともと、映像作品が好きなんです。役作りをするときにも、その時代の資料として同時代の映画を観ていました。インスピレーションをもらうんです。

ーー退団作品の『アウグストゥス』も歴史モノでした。

時代も舞台となる国もさまざまでしたので、毎回研究していました。その時代や国ならではの「当たり前」の感覚を習得したかったんです。俳優さんたちの仕草を見ながら、こうやってみようかなとヒントにしていました。

■存在しているだけで渋くてカッコいい『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲーブルを研究

ーー男役像を作る中で、特にヒントとなった映像作品といえば何でしょうか？

『風と共に去りぬ』です。クラーク・ゲーブルさんは、ただ存在しているだけでも、渋くてカッコいいじゃないですか。「ふふ」って笑っているだけなのに色っぽかったり。何がそうさせているんだろう？何で私はこう感じるんだろう？と、ずっと考えながら何度も観ました。男役として、男性の仕草をいつも研究していたので、とにかく俳優さんに注目して観ていました。卒業したので、これからは女性の仕草を見るようになるのかもしれません。

ーー「男性ならではの仕草」も、たくさん研究されたのですね。

男性脳と女性脳の違いなど、男性の思考も研究しました。「男性なら、このシーンでこのような判断はしないだろう」とか、「こんな叫び方はしないはずだ」とか考えていました。「あのシーン、わかってるね！」と男性に共感してもらえると、本当に嬉しかったです。その性別を生きている人に、ちゃんと響いたんだなという手応えを感じられました。もちろん、女性に「キュン」としていただけるのは、男役冥利に尽きます。この感覚は、男役ならではの面白さかもしれません。

■「花組の男役像」は、上級生から自然に浴びてきたシャワーのようなもの

ーー「花組」ならではの男役像を意識されることもありましたか？

明確に言語化するのは難しいのですが、上級生のみなさまから自然に浴びてきたシャワーのような物があるような気がしています。花組で18年過ごしてきましたので、自然と雰囲気をまとってきていたのかもしれないです。その環境の中で、それぞれが自分ならではの男役に誇りをもって挑んでいくからこそ、「花組らしくてかっこいい」という姿になるのだと思います。そこに自信を持って、最後までやり切らねばという気持ちでした。

ーー上級生から自然に浴びてきたシャワー…。

「上級生だ」という感覚が、自分の中でしっくり来ない時期もありましたが、下級生たちが自然と私の姿から、学び取ったり感じ取ってくれていました。どんどん成長している姿を見ていて、とても嬉しかったです。花組で過ごした時間は、自分の人生の中でも、本当に濃い経験をさせていただいた日々でした。人としても成長させていただきましたし、宝塚には、とても感謝しています。

※瀬戸かずやさんの写真１カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2021年11月21日（日）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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