「おもちゃ箱をひっくりかえしたようなコンサートに」 浦井健治さんインタビュー(上)

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

舞台を中心に活躍する俳優の浦井健治さんがデビュー15周年を迎え、8月3日にファーストアルバム「Wonderland 」を発売しました。そして、9月29日に東京国際フォーラム・ホールAでアルバム発売を記念したコンサート「KENJI URAI 15th Anniversary Concert 〜Wonderland〜」を開催します。「歌あり、ダンスあり、何でもありの、おもちゃ箱をひっくりかえしたようなコンサートにしたい」という浦井さん。コンサートに向けて、お話を伺いました。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

――初めての単独コンサート開催ですね。ずっとやってほしいと思っていたんです。

ありがとうございます! そう言って頂けるのが一番嬉しいです。というのも、私事ですがデビュー15周年を迎え、記念のソロアルバム発売とソロコンサート開催をさせて頂けることが本当に嬉しく、新たな大きな一歩に繋がると思っています。その一歩を沢山の方たちに支えられながら、「Wonderland」と題した、歌あり、ダンスあり、何でもありの、おもちゃ箱をひっくり返したようなコンサートにしたいと思って取り組んでいます。しかも、国際フォーラム・ホールAという素晴らしい会場で開催させて頂くことになりました。

――一番最初のコンサートがとても大きなホールというのもすごいですね。

本当に恐れ多いですが、劇場関係の方も含めて関わってくださるすべての方への感謝の思いを大切に、誠心誠意やりたいと思っています。

■役ごとに歌うと反射的に歌い方が変わる。自分は役者なんだと改めて思いました

――リハーサルはいかがですか?

とても楽しいです。今まで僕の15年間に関わってくださった方々の存在と、出会った楽曲、そこで生まれた感情と経験すべてが、一夜限りのコンサートに詰まっています。ひとつひとつを思い返したり、紐解いたりしていくと、改めて多くの人に支えられていたことに気づきました。楽曲を役ごとに歌うと、その役、そのときの空気、相手役、カンパニー、楽曲などすべてが思い返されますね。細胞が覚えているというか、反射的に一曲ごとに歌い方が変わっている自分に驚きます。

――意識的に思考を変えなくても蘇ってくるんですね。

ヴァレンティン、シャルル、夜神月など……すべて体が覚えていて、そのときの歌声になってしまうんです。逆にそのときの歌い方じゃないと心地悪く感じるくらい。自分は役者なんだと改めて思いましたし、不思議だなと思いました。というのも、ソロアルバムとコンサート制作にあたって、協力してくださるみなさんとどんな歌が歌いたいかと考えたとき、理想のアーティストやシンガーの方が思い浮かばなかったんです。

■包容力や責任感を問われる役が増えてくるにつれ、もっと歌と向き合う時間がほしいと

――今までにも憧れた方はいなかったですか?

考えたことがなかったんですよね。僕はミュージカルで歌う歌を「芝居歌」と表現をしていますが、今中堅といわれる年代にさしかかり、包容力や責任感を問われる役が増えてくるにつれ、もっと歌と向き合う時間がほしい、やらなければいけないと強く思い、今回歌に向き合っています。自分は役者を目指していて、尊敬し憧れる役者の先輩はいても、アーティストやシンガーの方はいないんだと、改めて気づいたことがとても大きな発見でした。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

<KENJI URAI 15th Anniversary Concert ~Wonderland~>
【東京公演】2016年9月29日(木) 東京国際フォーラム ホールA
http://uraikenji.net/live/detail.php?id=1042416

<関連サイト>
浦井健治 avex オフィシャルサイト
http://uraikenji.net/
浦井健治オフィシャルファンクラブ
http://www.fanclub.co.jp/k_urai/?id=8

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<浦井健治さんのサイン色紙と写真を3名さまにプレゼント>
浦井健治さんに書いていただいたサイン色紙と写真1カットを、アイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまに抽選でプレゼントします。応募締め切りは10月9日(日)。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。応募は以下のフォームからお願いします。応募の際に記入いただいたメッセージは、記事下のコメント欄などにニックネームで掲載させていただきます。(このプレゼントの募集は終了しました)

※アイデアニュース有料会員向け部分には、インタビューの全文と写真を掲載しています。インタビュー後半には、帝国劇場単独初主演を果たして来年4〜5月に再演を控える「王家の紋章」について、さらに、今後目指す俳優像について伺った内容の全文を収録しています。

<有料会員向け部分の見出し>

■考えてできることではなく、無我夢中でやることが背中に表れてくると思うんです

■荻田さんは、お互いに感じることがあると思うので、成長や変化も言い合えるんです

■役者仲間たちの積極的な発言を楽しんでいる演出家の方が多いんだと

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

■考えてできることではなく、無我夢中でやることが背中に表れてくると思うんです

――今まで自分は役者だと考えたことがなかったんですか?

考えていましたし、漠然と思っていたことなのかもしれないんですが、こういう機会にじっくり自分と向き合って、答えを出したことによって確信になりました。我々同世代の役者たちは、今も最前線で活躍し進化されている先輩方の背中を見ていて、そうなりたいと思いながら取り組んでいます。まだまだ追いつけないと思っていますが、逆に後輩たちは僕らの背中を見てくれています。僕らにはタスキをつないで道になる責任があるんです。先輩方から頂いたものをちゃんと次に繋げるために何をするかを考えなければいけないですよね。でも考えてできることではなく、無我夢中でやることが背中に表れてくると思うんです。やることは何も変わらないですが、歌は、歌えば歌うほど自分の血となり肉となり、経験値が増えていきます。アスリートと同じで、スポーツは一日さぼったら筋肉が退化しますが、喉の筋肉も使わないと退化します。今よりもっと時間を費やさなければと危機感も感じました。

――コンサートの構成はCD以外の曲もありますか?

今回のコンサートでしか聞けない曲もあります。構成・演出の荻田(浩一)さん、音楽監督のかみむら(周平)さんを中心に、支えてくださっているたくさんの方々と一緒に、どういう構成にしようかとディスカッションしながら作っています。出演して頂くAKANE(LIV)さん、照井(裕隆)さん、加賀谷(真聡)さんとの化学反応もあり、稽古場で声を合わせてみてしびれました。次々と素敵な新しいものが生まれています。今まで歌ってきた楽曲も多いですが、初めて歌う楽曲もありますし、次のステップに進むための一夜限りのスペシャルなコンサートになると思います。今までの経験がいかに自分を形成していて、今後に繋がっていくのか、発見にもなっています。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

■荻田さんは、お互いに感じることがあると思うので、成長や変化も言い合えるんです

――荻田さんとコンサートをつくるのは初めてだと思いますが、いかがですか?

以前ディナーショーを作って頂いたことがあるので、やり方は何となくわかっているつもりです。荻田さんも変化していらっしゃいますし、お互いに状況も立場も変わってきていますが、分け隔てなく言える方で、僕のいいところも悪いところも含めて「浦井健治はこうだ」と言ってくださる方だからこそ、安心感があります。

――もうパートナーのようですね。

おこがましいですが、そう言っていただけるならば有り難いことだと思っています。

――浦井さんの節目節目に荻田さんがいらっしゃる印象です。

そうですね。そう感じる演出家の方が増えていっていると思います。ということは環境が変わっているということ。お互いに感じることがあると思うので、成長や変化も言い合えるんです。

――荻田さんの変化も感じている?

はい、感じています。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

■役者仲間たちの積極的な発言を楽しんでいる演出家の方が多いんだと

――それは荻田さんだから感じることなんですか?

自分のスタイルを確立されている大御所のみなさんとご一緒させて頂くのとは違った感覚があります。荻田さんのスタイルはもちろんあって、とても尊敬しています。人を束ねて操るような演出をされながら、まだどこかもがいている部分をお持ちで、その変化を拝見したからこそ、作品を作るときには意見を言うこともプレイヤーに課せられることなのかもしれないと思わせてくれました。演出家も、映像でいえば監督も、作品を司り責任をとる方。プレイヤーはただの駒だから発言しない方がいいというのが僕の持論だったんですが、「発言する駒って面白い」と思ってくださる方も多いんだなと思うようになりました。積極的に発言する役者仲間たちへの反応を見ていても、それを楽しんでいる演出家の方が多いんだと思いました。

――自分も発言するようになりましたか?

自分は臆病なところがあって思いきって発言できないですが、それでもいいんだと思えたのは自分のなかで大きかったです。

――いい化学反応が生まれているんですね。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

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“「おもちゃ箱をひっくりかえしたようなコンサートに」 浦井健治さんインタビュー(上)” への 5 件のフィードバック

  1. さくらそう より:

    記事の内容は聞きたかったことを聞けた部分と、想像していなかったことを聞けた部分と両方あって、読めて良かったです。女性目線ならではなのかな、とも思うのですが、浦井さんのいい表情を捉えた、ファンにとって嬉しい写真ばかりで、それも嬉しかったです。

  2. おけい より:

    素敵なお写真とともに、役者として歌うこと、演出家さんとの関係、今の立場での想いなど興味深い内容で心に沁みました。

  3. はぐ。 より:

    浦井さんのコンサートに向けての意気込みを知る事が出来て嬉しかったです。

  4. ねこぽん より:

    浦井さんのインタビューを取り上げていただきありがとうございます! お写真もすごっく素敵で、女性のカメラマンさんだからか、見たいというショットが多くて嬉しかったです。思わず全部見たくて、有料会員になってしまいました。(下)も楽しみにしています。サイン色紙、どうぞ当たりますように!

  5. 夏みかん より:

    浦井君を初めて舞台で観てから12年になります。今年は帝国劇場初主演、そしてこのコンサート、ますます飛躍していく浦井君を観ることができて幸せです。来年はぜひ博多座に!ステキな記事をありがとうございます。後編も楽しみにしています。

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