「井上芳雄さんは、とてつもない人だと思いました」、廣瀬友祐インタビュー(下)

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』に出演される広瀬友祐(廣瀬友祐)さんインタビュー後半です。有料部分では、井上芳雄さんと相対する場面が多かった『グレート・ギャツビー』を終えた思い、さらに『屋根の上のヴァイオリン弾き』に向けた思いも伺いました。

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

――今までに広瀬さんが演じてきた役とはタイプが全然違いますが、優しいチャーリーの役をやるというのはいかがですか?

とても難しいですね。

――色濃い悪役キャラの方がやりやすい?

やりやすいという訳ではないですが、楽しいですね。いい人ってどうしても、あざとくなりがちというか。そんなに狙っていないのに、元々の台詞やキャラクターがいい人の場合、用意された台詞がいい言葉や優しい言葉を言っているので、それに大味のものはつけたくないというか、出来るだけ自然体で、いやらしくならないようにしたいです。

ここ最近は、いやらしい役ばかりやっていたので、色々な意味でそのいやらしさを消さないといけないなと。チャーリーではそういうのを出さないように出来たらいいのかなと思っているところです。まだまだ僕の中でのキャラクター像も出来ていないですが、台本の台詞を読んでいても、違うことは自分でもすごく分かるんです。

――これまでのキャラクターが染みついてしまっているんですか?

そうなんです! 何かいやらしくて「こいつ嫌いだわ!」と自分でも思うような感じになっているんです。

――まだスイッチを入れきれてない感じですか?

そうですね。キャラクター像が見えてきたら、1回反対側に振り幅を広げて、少し大げさなくらいに思い切りやってみて、そこからリアルにそぎ落としていくような作業の方がいいのかなと、今の段階では思っています。

――役者としては幅が広がっていいですよね。

そうですね。

――役についてですが、シドが心を唯一許せるのがチャーリーですよね。ふたりの間にそうなるきっかけがあったんでしょうか?

劇中ではいきなり2人組で出てくるんですよ。今の予想ですが、多分フィーリングが合うんだと思います。仕事もちゃんと出来るし、シドが新任でこっちに赴任してくる時に、チャーリーに色々なことを教えてもらった関係性もあるだろうし、チャーリーの優しさやシドに対する距離感がシドも気持ちいいんじゃないかなと。やはりお互いに気持ちいい関係なんだと思います。チャーリーも結局シドが好きだから、ベイブとの間に入ろうとはしない。自分の気持ちを抑えさせるくらいに、シドは魅力的な男性なんだと思います。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、広瀬さんが「何にも、かなわない」と自覚しているという井上芳雄さんと「対」になる『グレート・ギャツビー』での役柄にどう取り組んだのかなど、インタビュー後半で伺ったお話の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■『グレート・ギャツビー』は「瞬間のエネルギーなら勝るぐらいに」という気合で

■芳雄さんの心をどう動かすか、「ギャツビーをいらつかせたい」と思っていました

■『屋根の上のヴァイオリン弾き』で市村正親さんと共演へ。夢が叶いました!

■作品ごとに新しい広瀬友祐の一面を見せていけるようにしたいと常に思っています

<ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』>
【東京公演】2017年9月25日(月)~10月15日(日) 日本青年館ホール
【大阪公演】2017年10月19日(木)~10月29日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
http://pajama-game.jp/

<関連リンク>

パジャマゲーム 関連記事:

⇒すべて見る

広瀬友祐 関連記事:

⇒すべて見る

※広瀬友祐さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは9月28日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■『グレート・ギャツビー』は「瞬間のエネルギーなら勝るぐらいに」という気合で

――『グレート・ギャツビー』を終えて、今の思いをお聞かせ頂きたいのですが、ブログに「体当たりで挑んだ」という言葉が何度も出ていましたね。

ブログを見てくださってありがとうございます。『グレート・ギャツビー』は、原作とはまた違う作品だったと思います。「宝塚版を男版でやった」という所もあったと思いますし、そこが作品の魅力だったと思います。デイジーがお墓に花を手向けにくるシーンも原作にはないですし、「日本人が解釈しやすいようなシーンだと思う」と小池先生も確か稽古序盤におっしゃっていました。

作品をやるにあたっては、原作を読んだり、色々な作品になった映画のイメージを見たりしましたが、トム・ブキャナンという役のイメージは何となく共通するものが多かったです。今回の小池修一郎版ミュージカル『グレート・ギャツビー』という作品においての、トム・ブキャナンの役回りを考えた時に、バックボーン的なもの、どういう人間性でというのはすごく考えました。

――井上(芳雄)さんと相対する場面が多かったですね。

とにかくグレートな芳雄さんの、あの醸し出すオーラ、圧というか、会場の空気を飲み込んでしまうような、本当に会場が芳雄さんの存在で埋まるというのは、僕も稽古場から感じていたので、とてつもない人だなと思いました。でも、作品では僕の印象が濃く輝けば輝くほど、逆に芳雄さんが輝くという「対」になる役柄を任されたので、自分の今出来る見た目と、とにかくでかい声を出す(笑)。

芳雄さんが演じるギャツビーと逆になるパワーを出すためには、今の僕には後先を考えず、その瞬間に120%を出すことしかなかったです。「技術も何にも、かなわない」と自覚しているからこそ、今起きているこの瞬間のエネルギーだったら同じぐらいのものを出す。むしろ「勝るぐらいのものを出してやる」という気合でやっていたという意味で、毎公演体当たりでやっていた印象です。だから、ステージに立ってトムになる瞬間までは、本当に緊張して不安でいっぱいでした。

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

■芳雄さんの心をどう動かすか、「ギャツビーをいらつかせたい」と思っていました

――そんな不安を微塵も感じさせない程に「この野郎」という感じが素敵でした(笑)。

お客様に対してというよりは、芳雄さんの心をどう動かすかとか、芳雄さんの反応を見ながら「ギャツビーをいらつかせたい」と思っていました。「こいつに嫌な思いをさせてやりたい」と思っていましたね。

――じゃあ、その120%が芳雄さんに向かう感じだったということですよね。

ギャツビーが出ているシーンはそうだったと思います。でも、今年の10月、ちょうど『パジャマゲーム』東京公演の終わりぐらいに32歳になるんですが、そのタイミングでこういう主役と対になる悪役という役回りをやらせて頂けたのは、自分の今後の役者人生において一つの道をつくってくれたと思います。自分の中で「こういうお芝居をしっかりと出来る役者になりたい」という思いを強く感じたので、終わってみてやれて良かったと思いました。

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

■『屋根の上のヴァイオリン弾き』で市村正親さんと共演へ。夢が叶いました!

――『パジャマゲーム』の後には、『屋根の上のヴァイオリン弾き』に出演されますね。

『屋根の上のヴァイオリン弾き』は50周年記念公演です。とても歴史のある、ずっと愛され続けて、今もなお続いている作品というのはすごいことだと思います。普遍的なものもありながらも、キャストが変わることによって新しく生まれるものもあると思います。市村正親さんと共演させて頂けるのは、本当にやっと夢が叶いました!

――夢だったんですね!

市村さんは生きるレジェンドですから、それがどういう出会いになるか楽しみです。まだまだ先の話なので分からないですが、結局自分に出来るのは目の前のことを一生懸命積み重ねていくだけだと思いますので、変に媚びることもせず、とにかく仕事に対して真摯に一生懸命取り組んでいたら、自然といい方向に向いていくんじゃないかと信じています。『屋根の上のヴァイオリン弾き』で演じるパーチックは、また違ったタイプの役なので。

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

■作品ごとに新しい広瀬友祐の一面を見せていけるようにしたいと常に思っています

――また幅が広がりますね。

いい出会いになればいいなと思います。『パジャマゲーム』でも、『屋根の上のヴァイオリン弾き』でも、新しく僕を知ってもらえる機会になったら嬉しいですし、ずっと応援してくれているファンの人達にも、作品ごとに新しい広瀬友祐の一面を見せていけるようにしたいと常に思っています。「劇場に会いに行きたい」と思われる存在になれるように頑張りたいと思います。

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

広瀬友祐さん=撮影・岩村美佳

※広瀬友祐さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは9月28日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

Follow me!

“「井上芳雄さんは、とてつもない人だと思いました」、廣瀬友祐インタビュー(下)” への 1 件のフィードバック

  1. MARIA より:

    興味深いインタビュー、ありがとうございます。
    色々なミュージカルを観に行きますが、気が付くと広瀬さんが出演していらっしゃいました。
    それだけ、幅広く色々な役に挑戦していらしゃる結果だと思います。
    これからは「気が付くと奴が居る」という存在を通り越して、ミュージカル界には無くてはならない存在に成られるのではないかと思います。
    期待しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA